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さつま
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巫女と女神と浄めの儀

 八百万の神々が御居す高天原の一郭に大弁殿と呼ばれる祭殿がある。清らかなせせらぎを跨ぐようにして築かれたこの祭殿には、例え神であろうと男が立ち入ることは赦されない。大弁殿は、姫神に仕える巫女達が『浄めの儀』を執り行うための神聖な場所なのだ。 「大巫女さま、カズラヒメさまが御不浄を催されました。依代は穂波さまです。浄めの儀をお願い致します」  取り次ぎ役からの報せを受け、珠緒は浄めの間を開けた。  『くがねみこ』と呼ばれる彼女たち大弁殿の巫女は時を選ばず必要とあらばすぐ浄めの儀に取り掛かる。珠緒は今年で二十五になる古株で、不意の報せにも落ち着いたものだ。  扉を開くとまず目に入るのは奥に向かって伸びる長い廊下だ。その両脇に、二尺ほどの高さの檀が設けられている。これが事実上の祭壇だ。祭壇は一畳ごとに薄い帳で区切られ、一つの区画に一つずつ大きな穴が掘られている。  珠緒は併設された貯蔵庫から祭事用の甕を一つ取り出し、台車に乗せて穴に嵌め込んだ。カズラヒメのために作られた専用の甕だ。  珠緒は穂波に「姫神様」と声をかけた。姫神同士の秘密を守るため、浄めの儀において巫女がその名を口に出すことは決して許されていないのだ。「お待たせ致しました。こちらへどうぞ」  浄めの間に足を踏み入れ、穂波は薄く微笑んだ。  彼女は既にカズラヒメの依代となり姫神を体に宿している。見た目は穂波でも、精神はカズラヒメそのものだ。  穂波を甕の前に導き、壇の下に立って行灯型の緋袴の裾を託し上げた。これだけでもう白い尻が露になる。くがねみこは、滞りなく御勤めを果たすため常日頃から袴の下に何も身に付けずに生活しているのだ。 「御用意が整いました。どうぞ、御不浄を」 「ありがと。今日もたくさん出そうだわ」  カズラヒメは素早く甕を跨いでその場に屈み込んだ。肛門がぐわっと開く。穴の奥からカズラヒメの『御不浄』が姿を表した。  ブリブリブリブリッ!  けたたましい音が浄めの間に響く。 「ふうぅ……気持ちいい……」  カズラヒメは気持ち良さそうに息を吐いた。頬は赤らみ、口許は弛んでいる。  御不浄とはつまり姫神の大便だ。それを体外に排泄する。これこそが浄めの儀の主旨である。姫神達の依代となった状態で脱糞することで、穢れを嫌う彼女たちの代わりに用を足すのが穂波達『くがねみこ』の役目だった。  下らないようだが、ここ高天原においては極めて重要な儀式だ。美しく清らかな姫神も、食った分は出さねばならない。だからと言って自らの尻を露にして糞穴から大便を絞り出すなどという下劣な行為に及ぶのは、彼女たちの尊厳に関わる。  そこで姫神達は人である巫女の肛門を借りて脱糞することを思いついた。  巫女は並の人間より遥かに清らかな体の持ち主ではあるが、やはり糞をしながら生きている。どうせ糞を垂れるなら少しくらい肩代わりさせても構わないだろうと考えたのだ。  とは言え、口で言うほど容易なことではない。だいたい、少しくらいとは言うが、姫神たちの糞は人のそれとは違う。まず、太い。そして、量が多い。華奢な巫女なら自分の腕ほどの太さの糞を肛門から捻り出すことになるし、一度の浄めの儀で甕が満杯になる場合も珍しくない。  カズラヒメもどちらかと言えばよく出す方の姫神だ。太さは一寸半、姫神としては並だがとにかく長い。ブリブリと盛んに音を立てながら蔓のようによく伸びる糞を延々と垂れる。今日も既に六尺は出しているが、なおも途切れる気配はない。 「ねえ、そこの貴女。貴女もくがねみこなんでしょう? 依代として浄めの儀をした経験はあるの?」  尻の間に糞をぶら下げたまま、カズラヒメは珠緒に声をかけた。浄めの儀に時間がかかる姫神の中には、途中で飽きて傍にいる巫女と談笑する者もいる。姫神には自分が糞を垂れているという意識がないので、見られようが話しかけられようが気には留めない。 「もちろん御座いますよ」 「儀礼の最中のことは覚えているの?」 「さあ……巫女にもよるのでしょうがわたくしの場合は何と申しましょう、今朝に見た夢のようにおぼろ気で……お恥ずかしながらほとんど覚えておりません」  ふうんと首を傾げるカズラヒメ。  嘘をついた。珠緒の場合、依代として姫神の振る舞いを克明に記憶している。他のどの巫女も似たようなものだろう。しかしながら、姫神の御浄め事情は決して外に漏らすことの許されない秘め事だ。相手が姫神だからこそ、根掘り葉掘り尋ねられては困る。 「残念だわ。いつも気持ちの良い思いをさせて貰っているから少しくらい分けてあげられたらいいのに」 「そのお気持ちだけでわたくしたち巫女は充分に報われます」  珠緒は微笑んだ。こちらは本心だった。  今カズラヒメに肛門を貸している穂波にも確かな意識はある。カズラヒメが味わっている脱糞の快感と全く同じ快感を彼女も感じているはずだ。  しかも────、と珠緒はカズラヒメに悟られぬよう音を立てずに唾を飲んだ。  人の体は性感に弱く、同じ感覚を共有していても巫女の方が敏感に反応する。  姫神の御不浄。人の腹には収まりきれない量の糞。浄めの儀において姫神を体に宿すということは、人の限界を越えた強烈な便意を体に宿すということだ。巨大な糞の塊が、肛門を拡げ、腸を擦り、肉の壁一枚隔てた膣すら刺激し、いとも簡単に巫女を絶頂へと追い詰める。  人なら便所にいくら隠っていても、実際に肛門から糞を垂れている時間というのは高が知れているが、姫神の場合は浄めの儀にかかる時間がそのまま脱糞にかかる時間となる。巫女たちは、短くても火にかけた水が湯に変わるまでの時間、長ければ四半時もの間、絶え間なく押し寄せる糞を尻からぶら下げて過ごすことになるのだ。  人が感じることの出来ない脱糞の快感。大弁殿において幾度となく浄めの儀を繰り返す巫女の肛門は、それを知り尽くしている。  穂波も既に何度か達しているはずだ。カズラヒメは気づいていないが、彼女の股の間からは透明の汁がだらだらと溢れている。 (浄めの儀……。全ては姫神さまのためと言いつつも、本当はわたくしたち巫女の方が……)  穂波の肩が微かに震えた。また達したのだろう。カズラヒメは涼しい顔で糞を垂れながら「こんなに気持ちいいのに」と呟いている。  珠緒は自らの股が熱く潤むのを抑えられなかった。尻に御不浄をぶら下げた穂波の後ろ姿を見ていると、依代として姫神の浄めの儀を行ったときの感覚が甦る。 (わたくしもこんな風に御不浄を……いえ…………。うんこ……ぶっというんこがしたい……)  珠緒は足の間を濡らしながらも努めて冷静に『浄めの儀』を執り行う穂波の姿を見守った。  甕の底からカズラヒメの御不浄の香が立ち上ぼり、浄めの間に充満している。紛れもなく糞の匂いではあるが、人糞とは何かが違っている。人が嗅いで不快な香りではない。事実、姫神の御不浄が人の体に害を与えることはない。その点も人糞とは異なる。  ブリブリブリと音が響く中、扉が開き、巫女が二人入ってきた。一人は珠緒と同じ大巫女の芙蓉、姫神を宿しているのは今年で十六になる瑠璃だ。 「早く! 早く! もう限界だわ!」  瑠璃は太腿を擦り合わせて芙蓉の袖を引いた。瑠璃の口を借りてはいるが、むろん姫神の言葉だ。御不浄を催し切羽詰まっているらしい。  カズラヒメは素知らぬ顔でブリブリと長い糞を垂れ続けている。帳はごく薄いので互いの姿は見えているが気にはしない。姫神からしてみれば他の依代に誰が降りているかなどわからないから羞恥心など湧きようもないし、巫女としても浄めの間に入った時からやることと言えば一つだから、敢えて隠す意味もない。  芙蓉はカズラヒメの隣の穴に甕を嵌め込んだ。珠緒の記憶が正しければタチバナヒメの瓶だった。 「お待たせ致しました。どうぞ御不浄を……」  芙蓉は急いで壇を下りて瑠璃の緋袴を捲り上げた。尻が露になると同時に、中央の穴からブリブリブリッと御不浄が飛び出した。 「はぁっ……! やっと出せたぁ……!」  タチバナヒメが歓喜の声を上げた。  お浄めを焦るあまり腰を屈めることも忘れている。瑠璃は両足を開き、中腰の姿勢で糞を垂れていた。ぶりんと突き出した尻がちょうど芙蓉の目と鼻の先にある。  いくら神聖なる御勤めとは言っても、人の肛門を借りている姫神と違って巫女は自らの肛門を晒している。脱糞中の尻を間近に見られてまったくの平気という訳ではない。内心、瑠璃もかなり恥ずかしがっているはずだ。  艶のある明るい色の糞が甕に向かって落ちる。まずはブリッと三尺の御不浄を一本。休む間もなくブリブリッともう一本。更にブリブリブリッと今度は少し長めに五尺の御不浄を捻り出す。そこでようやくタチバナヒメは深く息を吐き出した。 「あぁ、やっと落ち着いた……。浄めの儀は始まってしまえば心地良さに身を任せている内に終わるけど、いつも直前で我慢できなくなって焦るわ……。もう少し余裕を持って降りて来ることができればいいのだけど、一度催すといっぺんに波が押し寄せるんだもの」  タチバナヒメはまだ若い乙女の姫神だ。浄めの儀に臨む姿勢にも天真爛漫な気性が表れている。常に落ち着き払って時には微笑みすら浮かべながらブリブリと御不浄を絞り出すカズラヒメとは対照的だ。  タチバナヒメは改めて腰を屈め、再び「ううん」と息んだ。  みちみちっ、ブリブリブリィーッ!  瑠璃の肛門から四本目の糞が放り出されていく。今度は先の三本より一回り太いがやはり勢いはある。二尺ほどの長さの糞を尻にぶら下げたところで、瑠璃の股が潮を噴いた。芙蓉の視線を受けて昂っていた肛門を太い糞が擦り上げたことで他愛なく絶頂してしまった。 「ふぅー……気持ちいい……」  腰を下ろしたことで、タチバナヒメも浄めの儀を堪能する余裕ができたようだ。拳を握って「むぅぅうン」と気張り、御不浄の出口を拡げる。  ブリッ、ブボボッ、もりもりもりっ!  先程より更に一回り太くなった赤茶色のふくよかな御不浄が瑠璃の肛門を通って甕の底へ積み重なっていく。  珠緒は緋袴の裾を摘まんだまま、勤めを果す二人の巫女の尻を見比べた。  瑠璃は十六で、穂波は先月十七になった。勤め始めは十三からだから、二人ともお浄めにも慣れたものだ。使い込まれた肛門からブリブリもりもりと健やかに大便を絞り出す。  甕の上に並んだ女の尻。そこからぶら下がる長い糞。くがねみこにとっては至って日常的な光景だ。来る日も来る日も百人近い巫女達がここで糞を垂れる姿を晒す。 (それにしても穂波はカズラヒメ様と相性が良いわね。先ほどから何度も絶頂しているみたい)  糞を垂れつつ股から透明の汁を止めどなく溢れさせている穂波を見て、珠緒は感心した。  巫女と姫神にも相性がある。むろん巫女はどの姫神を降ろしても恙無く儀を執り行えるよう普段から修練を積んではいるが、やはりやり易さというものはあり、穂波はカズラヒメの依代を担当すると決まって絶え間なく絶頂を繰り返す。一寸半程の太さの御不浄で延々と肛門を擦り続けられのに弱いというのもあるだろう。  また、姫神の方でお気に入りの巫女を選んで天下ることもある。基本的に依代の割り当ては巫女側で行うが、姫神が指名した巫女の手、もとい、尻が開いていれば希望通りの組み合わせで浄めの儀が行われる。 (カズラヒメ様も穂波がお気に入りみたい。愛称が良い巫女に浄めの儀をさせると姫神様も気持ち良いのかしら)  姫神が巫女の心の内を知らないのと同じように、巫女には姫神の御心など想像もつかない。ただ一つ確かなことは、どの姫神も浄めの儀を厭うことは決してない。  溜め込んだ不浄の塊を体から取り払い、清らな神の肉体を保つ儀式は、姫神たちにとって極めて重要な意味を持つ。しかし、ことによっては目的と手段が入れ替わっているように思える姫神も確かに存在する。カズラヒメもその内の一人だ。カズラヒメは、浄めの執り行う際の感覚────脱糞、すなわち肛門から糞を放り出す快感────を、巫女と共に味わうことを明らかに楽しんでいる。 (もしかしたら姫神様たちも、うんこをするのが好きなんじゃないかしら……)  カズラヒメに代わってブリブリブリブリと長い糞を垂れる穂波の肛門を見つめながら珠緒はふとそんなことを思った。 「うぅんんん……あと少し……!」  隣でタチバナヒメが一際大きな音を立てて、ブリュブリュブボッと巨大な糞を放つ。ボトンッ、と重い音をたてて糞が甕の底に落下した。 「はぁ……、スッキリした」  タチバナヒメが清々しげに息を吐き出した。太い糞を咥え続けた瑠璃の肛門が名残惜しげにヒクヒクと収縮を繰り返す。股からは透明の汁がだらだらと溢れ出していた。 「ご気分は如何ですか、姫神様」  芙蓉が背後から声をかける。 「ふふ、生まれ変わった気分よ。……あ、待って。あとちょっと」  タチバナヒメはそう前置きしてから再び「ウ~ン!」と思い切り気張った。閉じかけていた肛門がまた開かれ、腹に残っていた御不浄をブリブリボトボトッと絞り出す。この残り糞だけでも人間の女が普通に放り出す糞よりよほど多い。 「よし、これでお仕舞い。体が軽くなったみたい」 「それはそれは。お疲れ様でございました。お見送りをさせて頂きます」  芙蓉が瑠璃の背中をすっと撫でる。  すると、たちまちタチバナヒメの気配が消え失せ、と同時に瑠璃の意識が表に現れた。 「は、あぁ……! 終わった……!」  緊張の糸が切れた瑠璃は床に膝をついて尻を突き出すようにしてへたり込む。 「瑠璃もご苦労様。早く尻を清めましょうね」  芙蓉は優しく微笑んで、たっぷりと糞にまみれた瑠璃の肛門を柔らかなちり紙で拭き上げた。この後、湯で体を清めることで浄めの儀は終る。懐紙が肛門に触れる度に瑠璃はビクンと体を痙攣させていた。先程まで脱糞の快感に浸りきっていた尻の穴は、糞を拭き取る感触にも敏感に反応する。  身支度を整えてから、瑠璃と芙蓉は浄めの間を去った。瑠璃はまだ股を濡らしているようでモジモジとしていた。  入れ替わりで一人の巫女が現れた。タチバナヒメの御不浄が詰まった甕を回収するのが彼女の役割だ。台車にのせたままの甕を引き取り、しずしずと保管庫へと運んでいく。出した糞は適切に処理され、甕を浄めた後、再びタチバナヒメが催し浄めの儀を行う時を待つこととなる。  後から来たタチバナヒメが浄めの儀を終えてもなおカズラヒメは糞をブリブリ垂れ続けている。鼻唄など歌ってご機嫌なものだ。口からは鼻唄の美しい音色、肛門からは糞を放り出す品のない放出音が漏れている。何ともちぐはぐな光景だった。  人の身ではあり得ない長糞を垂れる穂波の後ろ姿を珠緒は背後でじっと見守った。  大弁殿の巫女たちは皆、こうして長い糞に肛門を絶え間なく擦られ、股から透明の汁をだらだらと垂れ流しながらお勤めを果たす。いくら慣れているとは言っても、やはり羞恥心は拭えない。それでも彼女たちは、姫神のため、精一杯肛門を拡げて今日もたっぷりと糞を垂れるのだ。  やがて、穂波の尻から垂れ下がる糞がいくらか細くなり始めた。といっても、普通の女が普段から垂れる糞より少し太いといった程度だが、確実に浄めの儀は終わりに近づいている。 「あぁ……もう少し……もう少しで……」  ブリュンッと音をたて、ついに御不浄の最後尾が穂波の肛門を通り過ぎた。 「……あぁ……。とうとう終わってしまったわ……」  カズラヒメが名残惜しげに呟いた。延々と糞を垂れ続けていた肛門も、いざ役目を終えると、どこか寂しげにヒクヒクとうごめいている。 「お疲れさまでございました、姫神様。御不浄を祓われて大変お美しゅうなられたようにお見受けします」 「そうね。体が軽くなったわ」  穂波の股の下に据えられた甕の中程まで、しなやかな綱にも似た御不浄がとぐろを巻いて溜まっている。姫神が日々生きる上で溜め込んだ不浄の物が、巫女の肛門を通り、今ここにある。放り出したのは巫女だが、放り出されたのは姫神の糞だ。 「ではお見送りさせて頂きます」 「お願い。また頼むわね」  珠緒は穂波の背中を撫で、巫女の身体から神の魂を送り出した。  姫神の意識が抜けた途端、穂波が「あぁ……」と堪えかねたように声を漏らした。 「ご苦労様、穂波」 「珠緒さま……ありがとうございます……」  脱糞の余韻も冷めないままに、ちり紙を手に取って穂波の股の下にそっと差し入れた。まずは肛門の回りについた糞を丁寧に拭き取る。穂波は「あぁん……」と色っぽく喘いだ。尻を拭いた後は、もう一枚の懐紙で濡れた股を拭く。紙越しにぬるりとした感覚が伝わる。穂波は顔を赤くしていた。


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