~レッド(リョウスケ)の場合~
「ぐわぁああっ!」
「レッド!大丈夫か!」
レッドは敵のビームをもろにくらってしまい膝をついてしまう。
先に攻撃の隙をついて敵を退け、安全を確保した後レッドの元へ駆け寄るブルーとイエロー。
「う…うぅ…」
「しっかりしろ!」
「………き…」
「何だ?」
ブルーはレッドのぼそりと呟くような声を聞き逃さないように顔を覗き込む。
「……好き」
「「は???」」
思ってもみなかった台詞にレッドを挟むように向かい合っていたブルーとイエローが顔を見合わせる。
「はぁ~~好きだ♡大好き♡」
「何言ってんだお前…」
「一体どうしたんだ??」
顔上げたレッドの顔は普段の男らしくも人懐っこい顔つきとは打って変わり、紅潮して目尻は下がり酩酊したような表情で2人の事を見つめている。
「俺、2人の事すっげえ好き♡2人とも顔もカッコイイし筋肉質な体つきもカッコイイ…タクさんは料理上手だしいつも世話焼いてくれる所も好き♡ヒロはつんけんしてるけどいつも助けてくれるし優しいよな、好きだ♡」
次から次へとレッドの口から飛び出す歯の浮くような台詞達に困惑する2人。
「おいもうやめ、っておい!」
話しながらふらふらと立ち上がろうとするもよろめくレッド。
口を塞いでやろうと肩に手を伸ばしていたイエローは咄嗟にレッドを支え、抱き着かれる形になって気づいた。
ごりゅ。
「おいバカ勃起してんじゃねえよ!!」
「ヒロぉ~好き好きぃ♡えっちしようぜ♡俺の童貞貰ってくれよ♡あっでもタクさんにも俺の童貞貰って欲しいけどどうしよう……そうだ♡俺が真ん中で3Pしよう♡ケツも人間相手なら初めてだし2人同時に俺の初めて貰ってくれよ♡♡」
「なっ…」
「2人が近くにいるだけで俺のチンコこんなにビンビンだぞ♡ほらぁタクさんもくっついて確認してよ♡」
レッドは2人へのラブコールを加速させながら、イエローの腰に勃起したモノをいやらしい腰つきで擦り付ける。
「…………」
「ちょっ、待て待てイエロー!レッドは今正気じゃないからな??ドクター!状況は分かってますよね!対処法をお願いします!!」
ブルーはそろそろ暴れそうな気配を醸し出し始めたイエローを宥めつつ、通信機を使ってドクターことユイトに助けを求める。
『だっはっは!所謂魅了状態だな!!近くのある程度好感度の高い人間に対しての感情が跳ね上がる。これは友情、信頼やらをすっ飛ばして強い恋愛感情までいっ「ドクター!とりあえず説明は後で対処法を!!」
「ヒ~ロ♡ヒロぉ~好き♡」
「ぐっ…!顔近づけてくんなバカヤロッ!!」
楽しそうに説明をし始めようとするユイトにブルーは焦ったようにその長くなりそうな話を遮る。早く対処しなければ仲間が濃厚なキスをするところを見る羽目になってしまう。
『あ?あ~~その感じは時間経過で落ち着くと思うんだがな。まあ手っ取り早いのはちょっとした衝撃を加えてやることだな。あ、んでそのまま連れてこいよ~』
「わかりました。すぐ向かいます!」
「う゛っ…」
「……って躊躇ないな…ヒロ」
「さっさと行くぞ」
ユイトとの通信を終えて視線を向けると変身を解いたヒロがリョウスケを抱えてフン、と鼻をならしていた。
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「んん……」
「おい、起きたぞ」
「お、リョウ大丈夫か?気分は悪いとかないか?」
「ん~ダイジョーブ……って!あれっ!?敵は!??」
タクマの運転する車の後部座席で目を覚ましたリョウスケはハッとして飛び起きる。
「んなもんとっくに終わったわ」
「リョウは敵の攻撃でちょっと正気を失ってたからな。覚えていないのか?」
「えっ!マジ!?あ~~…ビームみたいなのをくらったっけ…後は覚えてねえや…。2人に迷惑かけたよな、ごめん…」
意識が覚醒してきても思い出せない記憶に、リョウスケは2人の足を引っ張ってしまったと申し訳なさそうにしている。
「マジでな。とち狂った事ばっかりほざきやがって」
「こらヒロ。気にするなリョウ、助け合うための仲間だろ?」
「タクさん……!ヒロ~~~ごめんなあ~~~~!!」
「あ゛ぁ!絡むな!寝てろ!!!」
タクマの言葉に感動したようなキラキラとした表情をさせて、そのまま助手席に座っていたヒロに後ろからダル絡みをしている。そんなじゃれ合う2人を横目に安心したように微笑むタクマ。
「…ところで俺どうなってたんだ??」
「あ~…今向かってるけどドクターから説明があると思うぞ」
リョウスケの疑問に少し言葉を濁らせつつ、ヒロに余計なことは言わないように視線を送るタクマだった。
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「ちょ、何で!!??」
研究所に着いた3人にユイトは有無を言わさず見た方が早い、と大きなモニターでリョウスケの痴態を大音量で流し始めた。
「ねぇ!!口で説明だけで良くない?!てかこれマジで俺ぇ!?!??」
大画面に映る自分の信じられない姿にリョウスケは羞恥と驚きであわあわと焦りながら顔を赤くしている。
「なんで俺らまで見せられてんだよ…」
「もうその辺でドクター…」
呆れるヒロに同情の眼差しのタクマ。そしてこの状況に耐えられなくなってきたリョウスケが更に声をあげる。
「っど…童て…ッ!ドクター!!もう良くないッスか!?恥ずかしくて死ぬ!!!」
「ダメだ」
「なっ…何でッスかぁ~…」
画面を見ないようにしても大音量の自分の発した信じがたい台詞が嫌でも耳に入ってくるのでどう足掻いても羞恥から逃げられない。
リョウスケは涙目になりながらこのとんでもない上映会の終了を懇願するもあっさりと却下されてしまう。
「リョウ、これ恥ずかしいだろ?2度とこんな状態になるのなんかごめんだよな??」
「だからさっきから言ってるんスよ!!」
「そう!それに意味があるってわけだ!!」
ユイトは大袈裟にビシッと人差し指を立ててハキハキと話を続ける。
「魅了などの精神攻撃ってのはだな、物理攻撃に比べると対策が難しいわけよ。物理的な対策はヒーロースーツを強化するなりである程度対処出来る…しかーし!精神攻撃はそうはいかない!精神へ及ぼす効果もその精神へのアプローチの仕方も多様で全部に対応するのはまず不可能でな。基本のパターンの組み合わせでも…っと細かい説明はいいとして…。要するに恥ずかしい自分の姿を見て、絶対こんな風になりたくない!と記憶にしっかり焼き付けて精神抵抗力を上げようって話だ!」
「…な、なるほど…?……了解ッス…」
「そうだよなあ~恥ずかしいよなあ~!でもここを耐えればもっと強くなれるぞ!頑張れリョウ!!」
気持ちに余裕がない状態でのユイトのもっともらしい説明に、リョウスケは覚悟を決めてモニターと向かい合う。時折耐え兼ねてうぅ…と呻く声を零しているリョウスケを眺めているユイトはどこか楽しんでいるようにも見える。
(( わざとだな… ))
傍からやりとりを見ていたタクマとヒロはユイトの言う事のどこまでが真実なのかはわからなかったものの、少なからずユイトの嗜好が入っている事は確信していた。
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「……なんかすげえ疲れた…」
「お疲れ、リョウ」
ユイトの上映会から解放された3人はタクマの店に移動していた。散々自分の痴態映像をループで見せられ意気消沈したリョウスケはカウンターに突っ伏して項垂れている。
「……まあでも確かに耐性は付いたような気がするから意味はあるのかも…」
「ポジティブ過ぎだろ…つーか童貞は魅了されても童貞ムーブなんだな。あのキスの迫り方は「傷抉るのやめてくれる?!!???!?」
「でも今回たまたまリョウだったってだけで俺やヒロがああなってたかもしれないって考えるとぞっとするな…」
「……想像したくもねえ」
タクマの用意した料理を食べながら精神攻撃の恐ろしさを再確認する3人であった。
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最後まで読んでいただきありがとうございました~!
3人分それぞれまとめて書いてサラッと終わらせようと思っていたんですが、楽しくなってきて予定より長くなってしまったので一旦レッド回だけ先に出すことにしました…。
あと2人のパターンも書くつもりなんですけど新鮮な反応が見たいなーと思ったので、それぞれが魅了された1人目の場合ってことでいこうと思っています。
っていうか文章作んのむず過ぎやろ!!