パァンという破裂音とともに青年の口から苦しい声が漏れる。
顔面を潰す確かな感触がグローブ越しに伝わり、彼女は少し興奮した。
「ヘッドギアをっ・・・つけなかったことっ・・・後悔してきたかしらっ!?」
試合開始からお互いに手を繰り出し合うが、明らかに青年の被弾率の方が高い。
手数を惜しまない彼女の猛攻に、いつしか青年は防戦一方になっていた。
幾多も打たれたその顔は赤みを帯び、鼻と口元から出血し始めている。
しかし、その目は未だ相手との間合いを慎重に睨んでいた。
ドッ!
右手で彼の視界を塞ぎ、死角から突き上げるようにボディフック。青年は呻きながらマットに倒れた。
(やっとワンダウン。意外にタフだからムキになってしまったわ。)
コーナーで荒い息を整えつつ、残念そうに言う。
「あなたとは・・・良い闘いになると思ったのに。拍子抜けね。
本気の私を、心も身体も打ちのめす男。
本当に強いボクサー。そんな人と殴り合いたかったの。私はね。」
そう思うようになったのは何も最近のことではない。
どんな相手も簡単にリングに転がる、無敗の女王と呼ばれたあの日々。
栄光に塗れた、しかし満たされることのない孤独の日々。
彼女は次第にそんなことを思うようになった。
青年は苦しい表情で脇を押さえながらも弱々しく立ち上がる。
その目はまだ死んでいない。
「ふふ、ただのM君ではないんだ。
まあいいわ。今日は新しく買ったペニバンを貴方のお尻で試すことにします。
そのためにまず、貴方を動けなくなるまでボコボコに殴り◯してあげるね。」
彼女は再び、赤黒い拳を構えた。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
何かがおかしい。
そう感じたのは彼女が彼からダウンを奪い数分が経った頃だ。
「くっ・・・!」
先程まで面白いように当たっていたジャブ。それが簡単にカウンターを合わされてしまう。
これで4度目。ラッキーにしては出来過ぎている。
再度、ストレートに彼のカウンターが合わされた。
「・・・ッ」
顔を捉えたその一撃で鼻が決壊する。ツンとした痛みと共に液体が滴る。
唇を濡らす赤い鉄の味。
「はは、これでお揃いですね・・・」
彼が言った。
「あまりっ・・・調子に・・・っ・・・乗らないほうがいいわね・・・」
(まずい。序盤の打ち合いで飛ばし過ぎたわね。)
現役時代とは比べられないほどの体力の低下を感じる。早く決着をつけないといけないのに苛立ちから集中できない。
彼のジャブのワンツーをいなしきれないままリングを後退し続けると
背中にコーナーが感じられる程に追い込まれてしまった。
悔しいがガードを上げこの場をやり切ろうとした瞬間、悪い予感が走った。
それは長年リングに立ったボクサーだからこそ聞こえる警告音。
ガードを堅めるよりも速く、目にもとまらぬストレートが彼女の顔面を打ち抜いた。
赤黒い凶弾に鼻と唇をつぶされ、不細工に顔がゆがむ。
首が事故にあったかのようにむち打ちになり、濡れた髪が飛沫をリングに散らした。
コーナーにたたきつけられ、反動で前のめりにマットに手をついて倒れ込む。
今までの彼からは想像できないほどのパンチの破壊力。こんな隠し弾があったなんて・・・完璧に騙されていた。
「びっくりしましたか??
まさかこんなパンチが突然来るなんて思わなかったでしょうね。」
衝撃が脳に残り朦朧とする視界。白いシーツを赤いシミが一滴、二滴と汚す。
・・・これが男の本気のパンチ。
「もうやめにしますか?
今負けを認めれば、綺麗な顔のまま抱いてあげますよ。」
視線を上げると彼女の目の高さには、硬く聳り立つ男性器が揺れていた。
今にも目の前の女を◯さんと欲している様に。
強い男。股間が充血する。
溢れる女の本能を無理矢理に抑え立ち上がった。
「・・・こんな程度でっ・・・面白いこと言うじゃない・・・
そんなに好きにしたいなら・・・力づくで私を倒してみなさいよ・・・!」
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差分置き場
追記 (3/14
運営の方からモザイクが無いとお叱りいただいたので修正して再掲します。
すみませんでした!
natsulucy
2023-05-05 09:37:37 +0000 UTCtarupo789
2022-03-29 10:10:29 +0000 UTCdarkestidiot
2022-03-28 06:41:13 +0000 UTCtarupo789
2022-03-15 16:20:56 +0000 UTCワイエスワークス
2022-03-15 10:35:20 +0000 UTCtarupo789
2022-03-14 12:18:30 +0000 UTCmasterhavik
2022-03-14 05:58:42 +0000 UTCtarupo789
2022-03-13 17:11:20 +0000 UTCtarupo789
2022-03-13 17:07:46 +0000 UTCオテモト3
2022-03-13 13:39:29 +0000 UTCつんこ
2022-03-13 09:39:26 +0000 UTC