例の一件でこれまでの環境が使えなくなり、ホイホイ無料に釣られてDaz3Dに軸足を移し、環境を少しずつ整えてトップレスボクシングものを再開して1年と少し。ある程度Dazを取りまく環境のなんたるかが理解できてきましたので、界隈の皆さまが疑問に思っているかもしれない表題について、自分の正直に思うところをまとめてみたいと思います。
さて、細かなことは後に回して、最初に結論を言います。それは、
「妄想はだいたいかたちにできるが、技術と根気と、何よりもお金の問題」
――です。もっとぶっちゃけるなら「金」の一言に尽きます。世知辛い!
界隈でこの記事にご興味をお持ちいただいた方なら何らかの、キャラクタークリエイトができ、スクリーンショットが撮れ、高機能なものであればスタジオ撮影機能が付属しているゲームなどをご経験の方が多かろうと思います。誤解を恐れずに言うならば、Dazはおおよそそれら全てのキャラクターカスタマイズ/クリエイト系ゲームよりも細かく趣味嗜好に沿ったキャラクタークリエイトが可能です。その細かさたるや、クリエイトの沼と名高いTheElderScrollsシリーズすら、膨大なModを考慮にいれてなお歯牙にもかけない有様です。世界観も幅広く古代から未来まで、現実から名状しがたい外宇宙のあれまでテーマになりうるジャンルは大体網羅しています。おおよそ、エログロの方向性まで含めて表現できないものはないと言っても過言ではありません。
……お金をかければ。
問題は、本来ある程度種類を揃えて最初からパッケージ化されているであろう、カスタマイズパラメーターや服、髪型、顔のパーツ、小物類、そして舞台といった選択肢のほぼ全てがDazの場合「別売」であることなのです。通常キャラクタークリエイトを売りにしているゲームであれば、少なくとも髪型や顔のパーツは10種類以上、コスチュームなどは20~30種類は確保されていることがほとんどで、数キャラくらいのバリエーションは苦もなく作成可能です。しかし最初からDazに備わっているものは何の面白みもない各1種類のパーツだけで構成された素体と、簡素な下着、そしてカスタマイズと言うにはあまりにも寂しいパラメータ群だけであり、確かにDaz自体は無料のソフトですが、無料でできることは基本無料ゲームの無課金プレイにも遠くおよばず、公式サイトのあの美しいビジュアルに見た夢は何だったのかと、悲しい幻影に苛まれるのであります。
では具体的にどのくらいかかるのかということで、一例として自分の「雅」を挙げます。背景や効果はなし、リングは自作、トップレスかつ共通のユニフォームという最低限の服飾、テクスチャもできるだけ自作、その上で郁乃さんと香織さんというたった2人のキャラクターを作ってボクシングさせる、これだけを実現するために何だかんだ有料のものだけで以下のものを使っています。
◆モーフ類
・Genesis8 Female Body Morph
・Genesis8 Female Head Morph
・Musculature HD Morphs for Genesis 8 Female
・200 Plus Head and Face Morphs for Genesis 8 Female(s)
・Ultimate Natural Bend Morphs for Genesis 8 Female
・Face Bruises Morphs For Genesis 3 & 8 Female(S)
・Easy Tongue for Genesis 8 Female(s)
・その他各フィギュアに付属のモーフ
◆フィギュア/髪型類
・Ruo Xi Collection for Genesis 8 Female(s)
・Sue Character and Hair for Genesis 8 Female
◆ディティールアップ類
・Ultimate Skin Moisture v1.2 CORE G8-8.1F
・Ultimate Skin Moisture v1.2: Sweat ADD-ON G8-8.1F
・Golden Palace For Genesis 8 Female
・Golden Shower For GP
・Breastacular For Genesis 8 Female
◆服飾類
・S3D Real Boots For Genesis8
・Exnem Sexy Shorts for G8 Female
・Boxing Gloves G8F for Genesis 8 Female
◆小物/プロップ類
・Flinks Water FX
・Flinks Water FX 2
・Flinks Water FX 3
……えっとごめんなさい改めてリストアップして自分でもドン引きです。仮に1つ10ドルとしてもこの時点で軽く20,000円以上使っている計算になります。Dazの界隈では「やりたいことをとりあえずやるのに初期投資30,000円」がひとつの基準と聞いたことがありますが、自分の場合あながち間違いでも冗談でもなかったということになりますね。ほぼ裸のような格好ですらこれなので、がっつり着込むとどうなるか、あるいは色々と色気を出すとどうなるかについては、賢明な皆さまならもうお分かりいただけたかと思います。
さて、結局どこへ行っても世の中金であると身も蓋もない結論をご説明しましたが、ここからはお金以外でこれまでに気づいたメリットとデメリットについて列挙し、その中のいくつかについて所見を述べたいと思います。
◆感動的メリット
・非常にクリアな権利関係
・リアルなレンダリング結果
・自由度の高いインポート機能
・微に入り細を穿つプロップ/アドオン類
・理想を追求できるのは楽しい
◆環境的デメリット
・日本語環境がない
・クレジットカードかペイパルが必要
・ちょくちょく怪しい動作をする/落ちる
・公式以外サポートは期待できない
・プロップの当たり外れが激しく写真詐欺も多い
◆表現上/使用上のデメリット
・プレビュー/レンダリングに時間がかかる
・自動保存ができない
・2次元的表現やウソは苦手
・日常系、特に日本的なものは少ない
・屋内/半透明はレンダ時間が死ぬ
・シミュレーション系は重くよく爆発する
・旧仕様(Poser/3Delight系)プロップはIray対応が面倒くさい
◆キャラクタークリエイト上のデメリット
・圧倒的なデコ出し率、使いやすい髪型は少ない
・2次元的キャラクターは厳しい
・妙な所で一声足りない服飾類
・きれいに着飾るにはコツが必要
・コラボは一筋縄にはいかない
何よりもまず最初に強調したいのは「権利関係がクリア」だということです。Dazでは明示的に「レンダリング画像の全ての権利はユーザーのもの」だと規定されており、レンダリングした画像をどこでどう発表しても、どう加工しても、好きに値付けして売りさばいても、全く問題がありません。ただし一部の無料プロップなどは用途を非商用に限られていることがありますので注意は必要です。また既存の版権キャラクターに似せたなど二次創作的なものの場合はまた別の問題がありますが、ともかくも、Dazに移った経緯が経緯だっただけに、特に自分にはこのことは大きな意味を持ちます。(ブッコヌキモノトカ海賊版ハ論外デスヨ?)
環境のデメリットで大きいのは「日本語環境が存在しない」ことでしょうか。使う項目は決まり切っているので英語ができなくとも使うに支障はそれほどないらしいですが、プロップの説明や取扱説明書に至るまで全て英語ですし、万一問題が起きた際にも英語で問い合わせをしないといけないので、各種機械翻訳を交えてでもある程度英語に耐える必要があります。
表現上/使用上のデメリットのうち大きなものは、「リアルタイムレンダではない」ということでしょうか。画面に映るものがほぼ最終出力であるゲーム類とは異なり、Dazで最終画像を得るためにはそのための特別な計算時間を必要とします。このレンダリング時間はマシンパワーに大きく依存しますが、プレビューだけでも数秒~数十秒、本番レンダリングだと早くて数分~遅くて数時間かかるのが常です。サクサク撮ってサクサク発表とはなかなかいきません。そして当然ハードウェアは、特にグラフィックボードは高性能なほど露骨に快適なので、ここでもお金が……。
また日本人のDazユーザーは多く、公式含む各マーケットでプロップを販売している日本人ベンダーも確かにいらっしゃいますが、やはり供給側の大多数が海外の方々であり、「日本的な世界観」の表現は難しいです。特に現代的建築物の大半は欧米的リッチマンズワールドの権化たる超高級ペントハウスとかリゾートコンドミニアムとかせいぜいダウンタウンの一軒家とかそういった類であり、現代日本の日常風景的なシーンはかなり望み薄と言えます。日本的なものと言えば我々日本人からすれば首をひねらざるを得ないOhジャパニーズサムライニンジャゲイシャ! といった趣で、お陰で郁乃さんと香織さんの日常風景がいつまで経っても撮れません(何
この日本的価値観(特に我々のような逸般人)と欧米的コモンセンスの差異は翻ってキャラクタークリエイト方面にも影を落としており、自分のように「別ゲームで作ったオリジナルキャラを再現しよう」などと考えると、高い確率で頭を抱えるはめになります。なるほどDazの間違いなく大きな魅力の1つはそのリアルな表現力ですが、逆を言えば現実的でないものはたちまち浮いてしまうことになり、無理にアニメ的な表現を盛り込もうとすると着ぐるみショーの人形のようなちぐはぐさが現出します。(ホメ春香ッテ知ッテル? アンナカンジ!)
自分は2.5次元を目指して落としどころを探すことでそれを回避しようとしている訳ですが、次に髪型の問題に突き当たりました。Dazで売られている髪型はやはり一定の現実味に根差したものが大半で、デコを丸出しにした欧米っぽい(言い換えればオバサンくさい)髪型か、でなければドレッドとか半分だけ丸坊主とか極端から極端に振り切った髪型ばかりで、我々から見て「普通」の可愛さがある、前髪やもみあげを備えた髪型はそもそも多くありません。内外にハネてるとかもみ上げが三つ編みとかドリルロールとかそんなアニメ的記号を備えたものとなるとまず存在しないと言ってよく、そういったキャラクターに親しんだ方々の移住先としては残念ながら不適切です。
またDazは全てが別売という意味でユーザー間の環境互換性が皆無です。キャラクターデータ交換とかそんな便利機能など夢物語で、例え同じDazユーザー同士であってもキャラクターのやり取りはほぼ不可能です。やるとしてそのキャラクターに使われている全てのプロップやモーフをあらかじめ聞いておいて、その環境を整えてあるいはできる部分を妥協して、パラメーターを教えてもらい手元で「再現する」ほかありません。よって、コラボレーションでワイワイやりたい! という方にも致命的に向いていません。
とはいえ、そういった部分が気にならないか妥協/我慢ができ、そしてある程度お金が用意できるというのであれば、Dazは本当に素晴らしいソフトになり得ます。あなたの表現意欲を満たすことはもちろん、ひょっとしたらあなたの人生を変えるかもしれません。まあそこまでは行かずとも、自由に体型を弄れるバーチャル・フィギュアに比較的簡単にポーズをつけて出力できるので、自分の絵柄のバランスに合わせておいて精細なデッサン人形にする(いっそトレス元にする)とか、使い道は色々と考えられます。
何だかんだ書きましたが、自分は界隈の方々にはぜひおすすめしたいとは思っています。もう既にご利用中の方も、これからやってみようかとお思いの方も、自分に答えられることであれば何でも答えますので、何かご質問などありましたらお気軽にお問合せください。また界隈のDazの先達の方々、おすすめのプロップなどありましたらぜひ教えてください!
そしてそれでもコラボとかはやってみたくはあるのですよね。とかようにやりたいことがいっぱいで、お陰様で充実しておりますw みんなもおいでよDazの沼!!
縄文 弥生/CrayWorks
2021-08-06 05:16:59 +0000 UTC縄文 弥生/CrayWorks
2021-08-06 02:55:34 +0000 UTC