
■前回 ■試合内容 前回に引き続き、凛香VSまことの試合です!! まことの策にハマってしまい、完全に試合の主導権を握られてしまった凛香。 果たしてここから巻き返す事は出来るのか!? といった感じで、試合の後半戦をお送りしております!! 挿絵は全5枚+α、SSは約8500文字です(pixiv換算で読了まで約17分)。 それでは...
凛香VSまことの完結編です!!
Part2.3は当サークルのFANBOXでトップのいいね数(68)を誇っているこの試合ですが、遂に決着の時を迎えます。
挿絵は全6枚+α、SSは約10500文字です(pixiv換算で読了まで約21分)。
それでは対戦よろしくお願いします~。
■Content of the match
Continuing from last time, it's Rinka vs. Makoto!!
Rinka VS Makoto: The Final Chapter!!
Part 2.3 of this match, which boasts the highest number of likes (68) on our circle's FANBOX, finally reaches its conclusion.
There are a total of 6 illustrations +α including standing pictures and differences.
Thank you for your support.
★最後にアンケートがあります。プラン内容の方針を決める要素になりますので、よければ皆さんのご意見を教えていただけると幸いです。
There is a survey at the end. This will be a factor in deciding the content, so if you would like to give us your opinion, please do so. (Japanese)
★For non-Japanese users★
Please take a moment to translate and read this short story on sites such as https://www.deepl.com/translator m(_ _)m
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The Fallen Champion and the Lowest-Ranked Player ~Rinka VS Makoto~ Part 4(Fin)
「これでっ…………ぶっ飛べぇっっ!!!」
叫び声と共に、豪快な右ストレートが放たれていく。
最下位ランカーと呼ばれている少女の拳は勢いよく狙い通りの場所へと炸裂していき──────元王者の顔面を、身体ごと盛大に弾き飛ばしていった。
「凛香選手、またしてもダウン~~~~~~!!
しかしこれは…………流石にもう限界かぁ!!?」
白目を向きながらピクピクと痙攣し、口からマウスピースを吐き出しかけてしまっている少女。
対戦相手の拳で殴られ続けた結果、その顔面は腫れ上がってしまっており、モデルにスカウトされる程の美貌はもはや見る影もなかった。
「凛香っ、起きなさい凛香っ!!
アンタ、このまま負けてもいいの!!?」
「ぅ………………ぅぁ………………………………」
少女が失神してしまっている事は誰が見ても明らかなのだが、それでもあきらは必死に声を張り上げ続けていた。
対戦相手であるまことが未だに綺麗な顔をしているのに対し、余りにも無様な凛香の顔面が配信を通して世界中に流されていく。
そしてその顔を見て、誰もが理解した。
もはや彼女には、欠片たりとも勝機が残されていないのだという事を。
「ぅっ………………ぁ…………………………」
「凛香、完全に失神してしまっております!!!
一方的に殴られ続けながらも良く粘りましたが、いくらなんでもこれは…………あ~っと、これは!!?」
カウントが進む中、ピクピクと痙攣するだけだった少女の肉体が動き出していく。
「まさか……凛香選手、この状況から立ち上がると言うのか!!?」
少女の意識は未だに戻っておらず、瞳は虚ろな色を浮かべている。
だがボクサーとしての本能がそうさせるのか、失神している筈の肉体は幽鬼の様にふらりと立ち上がっていき、震える腕でファイティングポーズを構えていった。
「なんと…………凛香選手、あの状況から立ち上がったぁ!!
失われてしまった"堕ちない少女(アンブロークン)”の二つ名を彷彿とさせる、素晴らしいガッツです!!!」
辛くも失神KOを免れ、再び闘いの場に戻る事が出来た少女。
だが長時間殴られ続けてしまった肉体は既に限界を超えており、まともに試合が出来るとは到底思えない状況である。
「……………………おねぇ」
そんな姉の姿を、由乃は敵陣である青コーナーから心配そうな眼差しで見つめていた。
「おい凛香、意識はあるか!? ……まだやれるのか!!?」
案山子の様に突っ立っているだけの少女を見かねて、レフェリーは凛香の頬をペチペチと叩きながら、肩を掴んで身体を揺らしていく。
「んっ…………ぁ………………ふぇっ!?」
数秒ほど身体を揺らされた後に汗で濡れた肉体が一瞬ビクッと跳ね、ようやく少女は意識を取り戻す。
そしてこれまでの経験からすぐさま状況を察した凛香は、レフェリーに向けて試合続行の意思を示していった。
「ふぁっ、ふぁい…………ま、まだっ……まだやれますっ………………」
表の試合であれば、どう考えてもレフェリーストップがかかっている状況。
だが生憎とここは地下ボクシング。
おまけに、リングに立っているのは戦績はともかく人気はトップの”堕ちた王者”。
故に、レフェリーはなんら迷う事なく試合再開の宣言をしていった。
「ボックスッッ!!!」
「驚異の粘り強さをみせている凛香選手ですが、果たしてまだ闘う力は残されているのか!!?」
実況がそう言うのも無理はないほど体中ズタボロにされてしまい、腫れ上がった情けない顔面を晒してしまっている凛香。
そんな圧倒的窮地の中、少女は一人俯きながら思考を巡らせていた。
(ここで負けたら…………また、由乃に”あの目”で見られちゃう)
先日行われたソフィアとの試合の際、手も足も出ず蹂躙されていた自分に向けられた愛する妹からの視線。
その瞳に込められていたものは、尊敬する姉への敬愛でも、誰にも負けない強いお姉ちゃんに対する信頼でもなく───────弱者に対する心配と悲哀だけだった。
(もう二度と…………由乃にあんな目をさせたくない!!!)
負けられない理由を思い返した事で、凛香の瞳に光が戻っていく。
(だから……………私は、)
胸の中では、尽きかけていた闘争心の炎が再び燃え上がろうとしているのを確かに感じた。
そして心の整理がついた事でようやく顔を上げ、逆転へ向けての一歩を踏み出そうとしたのだが───────
「絶対に…………負けなっ、ぶぎゅっっっっっ!!!!!」
その長い思考の時間を待ってくれるほど相手はお人好しではない為、少女の顎に無慈悲なアッパーカットが叩き込まれていった。
「ぼーっと俯いていた凛香の顎を弾き飛ばすアッパーが炸裂~~~~!!
あ~っと、呆気なくコーナーへ追い込まれてしまったぁ!!!」
その一撃で灯りかけていた少女の決意の炎はあっさりとかき消されてしまい、脳が揺らされたのか、既に意識は朦朧としてしまっている。
「ぁ…………ふぁぁ……………………」
「コーナーはダメよりっちゃん、早く逃げて!!」
ダウンこそしなかったものの、退路を立たれてしまった凛香。
闘う為の腕は落ち、まだ綺麗な青いグローブはだらしなく開かれており、その手に力が込められていない事は明らかだった。
「あはっ♪ そんな可愛い顔して……おねーさん、誘ってるでしょ♡」
まことは舌なめずりをすると愉しげに口を開いていく。
その瞳には嗜虐心の妖しい光が浮かび上がっており、目の前の女を”元王者の強者”ではなく、”敗北寸前の弱った獲物”と認識している様に見えた。
「それじゃ…………お望み通りっっ!!!」
互いの乳房が押し潰しあう程の至近距離までゆっくり近づいた後に、まことは高らかに掲げた腕を勢いよく振り下ろしていく。
目指す先は一点──────まるで力が込められていない、凛香の柔らかな腹筋だった。
「ぼひゅぅぅぅっっっ!!!」
「アハッ♡…………ちょっとおねーさん、こっちに唾飛ばさないでよ♪」
媚薬は既に体内から抜けている筈だが、まことは妖艶な笑みを浮かべながら再び拳を振り下ろしていく。
「おぶぅぅっっ…………うぶぅっっ…………お゙げぇっっ…………」
「まこと選手、ここで容赦ない地獄の腹攻めだ~~~~~~~!!
動けない凛香選手の身体を徹底的に壊すつもりなのかぁ!!?」
(ダメっ……もう、お腹っ…………保たないっっ!!!)
初撃の痛みで意識は戻っているのだが、肉体的、精神的に追い込まれてしまっている凛香は反撃どころか防御すら出来ず、ただ空色の拳を柔らかな腹肉で受け止めてしまうのみである。
「んぶぅぅぅっっ…………がひゅっっっ…………あ゙え゙え゙え゙っっ…………」
脇腹、土手っ腹、鳩尾と、丁寧に満遍なく拳を叩き込まれてしまっている元王者。
絶え間なく腹を強打されているため呼吸すら満足に出来ず、打たれる度に膝が折れそうになり、瞳からは止めどなく大粒の涙が零れ落ちていった。
「おねーさん、流石にそれはエロ過ぎでしょ…………♡♡♡」
今まで一度も勝ったことがない相手を蹂躙しているという圧倒的な征服感が、まことの脳内に迸っている。
それに加えて目の前の乳房を曝け出しながら情けない悲鳴を上げる先輩の妖艶な姿を見て、まことは恍惚とした声を漏らす。
そして、昂った情動のままに動き出し─────気付けば、再びその唇を奪っていた。
「んぅぅぅ~~~~♡♡♡」
「まこと、またしても凛香の唇を奪っていったぁ!!
もはや完全にやりたい放題です!!!」
「んっ♡……ちゅっ…………じゅるるるるっっ♡♡♡」
為す術なく後輩のディープキスを受け入れてしまっている凛香。
濃厚な接吻で呼吸が奪われ、柔らかな唇の感触に意識が向けられてしまっていたのだが─────────その隙を見計らうかの様に、まことは強烈なボディアッパーを突き刺していった。
「んぶぅぅぅぅぅぅぅ!!!!!!」
「強烈な一撃で鳩尾を突き刺していく~~~~~~~!!!
まこと、先輩相手に一切容赦ありません!!!」
「ぁ…………うぁっ……………………」
酸欠と激痛で意識が落ちかけようとしている凛香。
当然ながら身体に力など込められている筈もなく、膝が折れて体ごと崩れ落ちそうになっていたのだが──────まことがその身体を受け止めていった。
「は~い、おねーさん♡……ボクのおっぱいは気持ちいいでちゅかぁ?」
「んっ♡…………ぁ………………♡♡」
顔面を対戦相手の巨乳に埋めながら、声にならない喘ぎを漏らす元王者の少女。
もはや抵抗の気配など微塵もなく、ただ相手のされるがままになってしまっている。
「ぅ……………………ぁぁ………………………………」
そして朦朧とした意識の中、凛香の脳裏にとある光景が浮かび上がっていった。
【おねぇが……おねぇがエリザベスさんに勝った!!】
【凛香選手、あの状況から見事な逆転勝利を収め、新王者の座を勝ち取りました!!!】
【最後まで諦めないで闘うおねぇ、さいっこうにカッコ良かったよ!!
…………おねぇ、大好き!!】
それは、初めてチャンピオンベルトを巻いた時の過去の記憶。
紛れもなく自身の手で掴み取った栄光であり、かけがえのない思い出なのだが──────今は最下位ランカーのおっぱいで窒息させられているという現実を、より惨めにさせるだけのものでしかなかった。
「ほらほら、おねーさん…………まだ試合は終わってないよ♡」
半ば失神してしまっていた凛香のだらしない表情を眺めるのに満足したまことは、そう言いながら対戦相手の身体を揺すっていく。
「んぁ……ぁ…………あれ……? わた、し……………………」
ガクガクと揺すられた衝撃で意識を取り戻した凛香だが、自分の置かれている状況が把握出来ておらず、呆けた表情を浮かべている。
そんな、まるで”殴って下さい”とでも言わんばかりの無防備な姿を晒している少女へと、まことは全力で拳を振り抜いていった。
「ぶぎゅぅっっっっ!! はぶぅぅぅっっっ!!! おべぇぇぇぇっっっ!!!!」
「出ました!! 凛香選手の試合でここ最近すっかりお馴染みとなってしまった”サンドバッグタイム”だぁ~~~~~!!!」
腕をロープに絡められてしまっているため逃げ場はなく、回避も抵抗も出来ずに滅多打ちにされてしまっている元王者。
豪快な打撃音が会場内に響く度に腫れ上がった少女の顔面は勢いよく弾け、その綺麗な黒髪が大きく靡いていた。
「何やってんのよ凛香!! ちゃんとガード上げて!!
クリンチでも良いから早く何とかしなさい!!!」
甚振られてる親友を見て、セコンドのあきらは必死に声を荒らげている。
だが、またしても意識が朦朧としてしまっている凛香にはその言葉を聞くことは叶わなかった。
「まこと選手が止まらない~~~~~~!!!
最下位ランカーとは思えない、気迫の籠もった素晴らしいラッシュです!!!」
「がひゅっっっ…………んべぇっっっ…………あびゅっっっ…………」
後輩相手に何も出来ず殴られ続けている情けない現実を前に、凛香は瞳からポロポロと涙を流し、虚ろな表情を浮かべただひたすらに猛攻を受け入れてしまっている。
(ダメっ……まことちゃん、強すぎるっ…………私じゃ、勝てっ…………)
心の中に生まれてしまった”格付け”が更に強化されていくのを感じながら、その意識は次第に深い闇の中へと堕ちていき────────高らかな鐘の音が響いていった。
カーン!!!
「あ~っと、ここでゴングですっっ!! 凛香選手、完全にサンドバッグになってしまってましたが何とか耐えきりました!!」
ラウンド終了のゴングの直後、まことは連打を放つ手を止めていき、拳の圧力から解放された凛香の肉体は力なく崩れ落ちていく。
「ぅぅ………………ぁ…………………………」
まるでボロ雑巾の様にコーナー際に打ち捨てられたその姿には、元王者の風格は微塵も残されておらず、少女はただピクピクと小刻みに痙攣を繰り返していた。
「楽しくてついやりすぎちゃった♪
それじゃ……次のラウンドも楽しもーね、おねーさん♡」
「ぜぇっ…………はぁっ…………こひゅっ……………………」
脇腹や鳩尾に始まり、端正に整っていた顔面や恥ずかしげもなく晒している乳房の至る所にまで無数の拳の痕が刻み込まれてしまっており、まるで敗北の烙印かの様に凛香の肉体を彩っている。
満身創痍。
この言葉はまさにこの様な姿を指すのだろうと、もはや意識があるのかすらわからない親友を見つめながらあきらは思った。
「りっちゃん…………」
3分前のインターバルではまだ彼女の勝利を信じていたあきらだが、先程のあの体たらくを見た今となっては、もはや逆転の可能性はないだろうと考えている。
(せめて、あの棒立ちになる癖さえ何とかなれば…………)
課題は明白。
だがそれを伝えた所でここから状況が好転するとも思えない為、あきらは黙って親友の痛めつけられた肉体を介抱するのだった。
「ぜぇっ…………はぁっ…………こひゅっ……………………」
汗や涙や涎に加え、股間から漏れ出てしまっている黄金水を親友に拭き取って貰っている凛香。
辛うじて意識こそ戻ってはいるものの、その胸中は暗い感情で埋め尽くされていた。
(どうしよう…………私……”また”、負けちゃうの…………?)
現在進行系で絶賛7連敗を喫してしまっている凛香。
そのため今日は是が非でも勝ちたいと意気込んでリングに上がったのだが、蓋を開けてみれば余りにも無様な姿を晒してしまっている。
(しかも……今度は、まことちゃんに…………今まで一度も負けた事なかったのに)
おまけに対戦相手は元王者である自分とは比べ物にならない程の遥か格下。
後輩であり、最下位ランカーであり、これまで幾度となくキャンバスに沈めてきていた筈の女だった。
(でも、まことちゃん……とても強くなってるし…………一体どうすれば…………)
心に刻み込まれてしまった”格付け”が少女の思考を鈍らせていく。
そんな状況で頭を働かせた所で一発逆転の秘策が思い浮かぶ訳もなく、ましてや試合前の愚行で失われた体力が戻る筈もなく、ただ無為に貴重な時間が溶かされていくのだった。
「見ててね由乃! 次のラウンドでおねーさんをKOして来るから!!」
重い雰囲気の漂う赤コーナーとは対称的に、青コーナーではまことが爽やかな笑みを浮かべセコンドの由乃へと笑いかけている。
「それは良いけど……相手はあのおねぇだよ! 最後まで油断しちゃダメだからね」
諌める様な口ぶりで言うものの、由乃も内心では理解していた。
まことは一切油断などしておらず、それに加えて、ここから姉が逆転する術などもはや残されていないという事を。
(まことが勝つのは勿論嬉しい…………でも、おねぇがまた…………)
由乃は一瞬だけ対戦相手側のコーナーを覗き見る。
そこには全身ズタボロで今にも消え入りそうな、余りにも弱々しい姉の姿があった。
(由乃…………また、おねーさんの方見てる)
セコンドである親友が自分の方ではなく、敵である姉の方に視線を向けたのをまことは見逃さなかった。
(今はボクのセコンドだってのに……ホント、おねーさんの事が好きなんだね)
仕方ないと頭で理解していても、それでも悔しさを感じずにはいられない。
(だからこそ…………絶対この試合に勝って、ボクの方を振り向かせてやる!!)
由乃が凛香を応援している時に浮かべる屈託のない笑顔。
その世界一可愛い顔を自分の方へも向けて貰う為に、少女は今一度気合を入れ直したのだった。
カーン!!!
「さぁ始まりました第7ラウンド!!
凛香選手、もはや限界に見えますが果たしてまだ闘う力は残っているのか!!?」
「こひゅっ…………ひゅぅっ…………ぜぇっっ………………」
頼りない足取りで数歩ほど歩みを進めるが、限界が来てしまったのかそれ以上前に出ることはなく、凛香は呼吸を荒らげながらまことが来るのを待ち構えている。
(ま、負けたくない……私は……絶対に…………)
そして互いの制空圏に入った所で少女は攻撃を繰り出していく。
「くぅっ…………」
インターバルの僅かな時間で回復した体力、気力を全て込めた一撃。
だが、ぷるぷると震える腕で、まるでスローモーションの様な速度で放たれた青いグローブでは、当然ながら相手を捉える事など出来る筈もなく───────対戦相手の放った空色の拳が、凛香の頬肉を勢いよく殴りつけていった。
「がびゅぅぅっ…………」
「開幕早々に強烈なカウンターが直撃~~~~~!!
凛香、流石にもうこれ以上は闘う力が残っていないのか!!?」
強引な右フックで殴り飛ばされた少女の肉体はよたよたとリング端へと追い詰められていき、ロープを大きく揺らしていく。
「あっ…………ぅぁ……………………」
偶然にも腕がロープに絡まった事でダウンを回避していた凛香だが、虚ろな瞳を浮かべているその顔からは闘争心の欠片さえ感じることが出来ない。
(ダメっ……頭、ぼーっとしてきた…………)
強烈なフックで脳を揺らされてしまったのもあるが、それ以上に”心が屈服してしまっていた”。
「あはっ、またサービスタイムかな?…………それじゃ、遠慮なく!!!」
そして、その顔を見て反撃の可能性がないと即座に判断するやいなや、まことは残りの体力を全て使い果たすつもりで渾身のラッシュを繰り出していった。
「ぶべっっ…………お゙ぶぅぅっっ…………んがぁっっ…………ぶふぅぅぅっっ」
「凛香、またしても棒立ちで滅多打ちにされてしまっております!!
ここに来て再びの”サンドバッグタイム”が訪れてしまいました!!!」
勢いのついた空色の拳が左右に振り抜かれる度、端正な美貌を誇っていた少女の顔を無様に歪ませていく。
一撃毎に激しく頭を弾かれている凛香の視界は目まぐるしく変化し続けており、彼女はもはや自分が立っているのかどうかすらわからなくなってしまっていた。
「ゔえ゙え゙っっ……ん゙お゙お゙っっ…………お゙な゙がっ……お゙ぶぅぅっっ!!!」
ガラ空きのボディにも容赦なく拳の雨が降り注いでいく。
既に抵抗する力を失った腹肉は相手の拳を深々と受け入れてしまっており、胃袋を圧迫する痛みが脳天へと迸り、リングには無様な悲鳴が響き渡っていった。
「これは……これは余りにも一方的な試合になってしまったぁ!!
凛香選手、元王者としてのプライドは一体どこへ行ってしまったのかぁ!!?」
元王者どころか、もはやボクサーとして闘う事すら出来ておらず、まさに文字通りサンドバッグと化してしまっている少女。
その股間部からは特有の匂いがする温かい液体が流れ出てしまっており、彼女の惨めさをより一層引き立てていた。
「凛香っっ!! 今は一度倒れて体勢を立て直しなさい!!!」
凄惨なドミネーション劇が繰り広げられているにも関わらず、それでもセコンドのあきらは必死に荒らげ、親友へとアドバイスを送り続けている。
だがその声が凛香の耳に届く事はなく、少女の叫びは無様なうめき声にかき消されてしまっていた。
「ぶへっ…………ん゙お゙っ…………がひゅっっっ……………………」
本人の驚異的なタフさの賜物か、疲労のピークに達したまことの打撃力が不十分なせいか、30秒ほど殴られ続けてもなお、奇跡的にもまだ凛香の意識は残されている。
(まことちゃん……強すぎるっ…………私じゃ、どうあがいても…………)
だが意識が残されているということは、瞳に映る情報をそのまま認識出来てしまうという事でもあり─────────少女は、目が合ってしまった。
「おねぇっ…………」
涙目で自分を見つめる妹と。
最下位ランカー相手に手も足も出ず滅多打ちにされ続け、無様な姿を晒してしまっている自分の姿。 それをじっと見つめる由乃の瞳と、目が合ってしまった。
「ぁっ……………………よし、ぶひゅぅぅぅっっっ!!!!」
そして気付いてしまった。
その視線が親愛なる姉を見る目でもなく、倒すべき強敵を見る目でもなく───────ソフィア戦の時に見せた、タオルを投入する時の”あの目”である事を。
(そんなっ…………また……またあの目………私、またっ……………………)
その直後、少女の心に様々な負の感情が滝のように押し寄せていき、キャパシティを超えてしまった脳は思考を完全に停止させてしまっていた。
「あれれ~? もう限界なのかな~?」
凛香の異変をいち早く察知したまことはここが勝負どころだと直感し、ラッシュの手を止めると数歩ほど下がり、助走の為の距離をとっていく。
「それじゃっ…………これでっ!!!」
そして一度深く息を吸い込んでから勢いよく駆け出し、全身の力を込めた大振りの右拳を放っていった。
「トドメだぁ~~~~~~~!!!!!」
限界まで捻った腕を鋭く捻り込みながら、弾丸の様な疾さで空色の拳が真っ直ぐ突き進んでいく。
まことがフィニッシュブローに選んだそのパンチは──────────
奇しくも、"堕ちない少女”の象徴とも言える、コークスクリュー・ブローだった。
「まこと、ここで決めに来たか!!?
凛香は呆然としたまま動けない~~~~~!!!」
「ぅ………………ぁぁ…………………………」
虚ろな瞳でぼんやり前を眺めている凛香だが、もはや相手が攻撃している事すら認識出来ていない。
その脳内に浮かんでいるのは自身が初めてベルトを巻いた時の感触、観客達の熱狂、誇らしげな笑顔を浮かべている愛する妹の姿。
またしても、"堕ちない少女(アンブロークン)”と呼ばれていた頃の在りし日の情景が凛香の脳裏をよぎっていたのだが───────顔面のド真ん中に突き刺さったコークスクリュー・ブローが、その全てを吹き飛ばしていった。
「ぐぴゅっっっっっっっ!!!!!」
「り、凛香選手…………またしてもダウンを奪われてしまいました!!!
ですが……これは流石に…………」
「ぁ……………………ぅぁ………………………………」
辛うじて足が引っかかり落下こそ避けたものの、少女の肉体はリング外へと弾き出されてしまっており、全身が小刻みに痙攣してしまっている。
今の一撃で緊張の糸が切れてしまったのか、股ぐらからは盛大な勢いで金色の負け汁が放出されてしまっており、ライトの光を反射して輝きながら、少女の身体へと降り注いでいた。
「ダウンッッ!!!!
1……………………2……………………3……………………」
「り、りっちゃん…………」
レフェリーのカウントが容赦なく数えられる中、セコンドのあきらは余りの惨状に言葉を失ってしまっており、ただ親友の名前を呟く事しか出来ない。
「おねぇ……………………」
そんな中、まことのセコンドである筈の由乃は複雑な表情を浮かべながら姉の姿を見つめている。
瞬きと同時に、その瞳から大粒の涙が一滴、頬を伝って落ちていった。
「ぁ…………………………………………」
「凛香選手、完全に失神してしまっております!!
もはや勝負あったかぁ!!?」
元王者という肩書には余りにも不釣り合いである無様な負け顔。
その顔面はドアップで世界中へと配信され続けており、この試合の衝撃的な内容も相まって、配信は今年一番の同時視聴者数を記録していた。
地下ボクシング特有の長いカウントが数えられたが、それでも少女の肉体は一切動く気配を見せず、遂にその時が訪れてしまう。
「8……………………9………………………………10!!!
ウィナー、まこと~~~~~!!!!!」
カンカンカーン!!!
「試合終了~~~~~!!!!
な、なんと…………凛香選手、最下位ランカーであるまこと選手に手も足も出ず完敗を喫してしまいました!!!」
スクリーンに試合前の凛香の姿と、今現在の”惨状”が並べて映し出されていく。
そのボコボコに腫れ上がった顔面と体中至る所に刻み込まれた拳の痕は、彼女がこの試合で受けたダメージの重さを雄弁に物語っていたのだった。
「由乃っ、ボク勝ったよ!!…………見ててくれた!?」
リングに上がってきた由乃へ駆け寄りながら、元気いっぱいのまことが晴れやかな笑顔を浮かべて口を開いていく。
「もちろん、ちゃんと見てたよ…………おねぇに勝つなんて、やるじゃんまこと♪」
親友以上の感情を持ってしまった女に褒められた事で、その綺麗な顔面に目一杯の笑みを浮かべていくまこと。
そして数秒後、いつものにやりとした表情に切り替わると同時に、勝者はその権限を大いに振りかざしていく。
「それじゃ…………勝ったご褒美に、キスしてくれても良いんじゃない?」
「えっ!?……そ、それは…………」
突然のおねだりに数瞬だけ戸惑った由乃だが、まことの言葉が本気であると理解した直後、ぎゅっと瞳を瞑り、差し出された頬にその薄い唇を落としていった。
「~~~~~っっっ///////」
「まことから言ってきたんでしょ……全く、なに照れてんのよ」
満更でもない顔で呆れた声を出していく由乃だが───────照れ隠しに視線を逸らした直後、その表情に僅かながら陰が差していた。
「凛香選手、またしても担架送りからのメディカルポット直行コースです!!
もはや彼女にとって、この流れが半ばお約束となってしまいました!!!」
リング上で妹が青春の1ページを満喫しているその下で、敗者である姉は未だ戻らぬ意識のなか静かに退場していく。
「ぅ……………………ぁ………………よし、の………………………………」
彼女がこの試合で得たものは、”最下位ランカーに完膚なきまでの惨敗を喫してしまった元王者”という、余りにも不名誉な称号だけであった。
「それにしても、凛香選手…………とうとう最下位まで堕ちてしまいました!!
果たしてこの怒涛の連敗地獄から抜け出せる日は来るのでしょうか!!?」
”堕ちた王者(ブロークンチャンピオン)”:凛香
■ランキング変動
JKボクシングリーグ:7位→9位(最下位ランク)
■連敗数
現在8連敗中
【堕ちた王者と最下位ランカー~凛香VSまこと~】______Fin.
※※※ネタバレになるのでここから先は飛ばしても大丈夫です※※※
ハッピーエンドを前提に物語を作っておりますので、凛香さんはちゃんとスランプから抜け出す予定です。
それがいつなのかは明言出来ません。
ですが、彼女の勝利を願っている紳士の方におかれましては、是非もう少々凛香さんの闘いを見守ってあげて頂けますと幸いです。
ナッツが主食
2025-12-20 12:12:12 +0000 UTCナッツが主食
2025-12-20 12:10:24 +0000 UTCナッツが主食
2025-12-20 12:09:07 +0000 UTCナッツが主食
2025-12-20 12:01:57 +0000 UTCナッツが主食
2025-12-20 12:01:18 +0000 UTCナッツが主食
2025-12-20 11:59:10 +0000 UTCろにゃ
2025-12-20 03:22:32 +0000 UTCどら焼き
2025-12-20 03:06:03 +0000 UTCfUkcovid
2025-12-19 23:12:29 +0000 UTCきのこ
2025-12-19 12:34:49 +0000 UTCjohnson
2025-12-19 11:29:27 +0000 UTCMarcacis
2025-12-19 10:36:00 +0000 UTC