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堕ちた王者と幻影の銀閃~凛香VSソフィア~Part.3/The Fallen Champion and the Silver Flash of Illusion - Rinka VS Sophia - Part.3

■前回

堕ちた王者と幻影の銀閃~凛香VSソフィア~Part.2/The Fallen Champion and the Silver Flash of Illusion - Rinka VS Sophia - Part.2

■前回 ■試合内容 左手一本で相手されているにも関わらず、こちらの攻撃は全て躱され挙句の果てには1ラウンドで失神させられてしまった凛香。 果たして彼女はこの逆境を乗り越える事が出来るのか!? といった感じの対決で、今回は試合の中盤戦までをお送りします!! 挿絵は全6枚、SSは約10000文字です(pixiv換算で読了...


■試合内容

ソフィアに手も足も出ずボコられてしまっている凛香さんですが、果たしてここから元王者の意地を見せる事が出来るのか!?


といった感じの対決で、今回は試合の後半戦までをお送りします。

ドミネーション多めかもです!!



挿絵は全6枚、SSは約10500文字です(pixiv換算で読了まで約21分)。

それでは対戦よろしくお願いします~。



■Content of the match

Rinka has been beaten up by Sophia, but will she be able to show her former champion's determination from this point on?


This time, we will show you the second half of the match.


Please enjoy the game!


There are a total of 6 illustrations including standing pictures and differences.


★最後にアンケートがあります。プラン内容の方針を決める要素になりますので、よければ皆さんのご意見を教えていただけると幸いです。

There is a survey at the end. This will be a factor in deciding the content, so if you would like to give us your opinion, please do so. (Japanese)


★For non-Japanese users★

Please take a moment to translate and read this short story on sites such as https://www.deepl.com/translator m(_ _)m


---

堕ちた王者と幻影の銀閃~凛香VSソフィア~Part.3

The Fallen Champion and the Silver Flash of Illusion - Rinka VS Sophia - Part.3




「あ~っと凛香選手、自ら膝を屈してしまったぁ!!!

 直前のボディのダメージか…………もしくは、心が折れてしまったのかぁ!!?」


お腹を抑えながらビクビクと小刻みに震え、瞳に大粒の涙を浮かべている少女。

痛みに悶えながらもその散々殴られて腫れ上がった赤い顔には、隠せない程の悔しさが滲み出ている。



「呆れた…………貴女、元チャンプとしてのプライドとかない訳?」


路傍の石を見るかの様な目つきで眼下に転がっている対戦相手を見下していくソフィア。


つまらなそうな表情を浮かべてはいるものの、その胸中は憎き女が無様な姿を晒しているという愉悦で満ちていた。



「ゔえ゙っっ…………がっ……あ゙がぁっっ……………………」


もはや強者の風格など微塵も残されてはおらず、情けない呻き声を零しながら力なく震えるだけとなってしまった哀れな少女。


"堕ちない少女(アンブロークン)”、”デビューから無敗でベルトを巻いた元王者”といった彼女に付けられていた大層な二つ名や肩書は、今や惨めさをより一層引き立てるだけの皮肉な飾りと化してしまっていた。






「ダウンッッ!!! 1………………2………………3……………………」


黒髪の少女が嗚咽を漏らし続けている中、レフェリーによって無慈悲なダウンカウントが高らかに数え上げられていく。


「お゙え゙っ…………あ゙っ……がぁっっ…………」


身体の芯を焼き尽くすかの様な激しい痛みに打ち震える事しか出来ないでいる凛香。

視界の端では、淡くぼやけた照明の光が滲んで揺れていた。



(え、これ……私、ダウンしちゃってるの…………?)


本人に自ら膝を屈してしまった自覚はない。


”あの一撃を貰ってしまったら、恐らく立ち上がれない”


意識が朦朧として役立たずになってしまった理性をよそに、彼女のボクサーとしての本能がそう判断を下し、無意識で彼女に膝を折らせていたのだった。




「おねぇ~~!! ここ立てばゴングだから、なんとか頑張って!!!」

「立ちなさい凛香!! このまま何も出来ずに負けるなんて許さないわよ!!!」



「お゙っ……あ゙っっ…………よ、由乃……………………」


愛する妹と親友からの呼び声により、痛み以外の思考を取り戻す事に成功した凛香。


もはやレフェリーのカウントすら耳に入ってはいないのだが、それでもなお少女は再びその足に力を込めると、ビクビクと全身を震わせながら身体を起こしていった。



「ゔえ゙っ…………ま、まだ……まだやればずっ……………………」


"堕ちない少女(アンブロークン)”の二つ名通り、少女はカウント9で再び構えを取っていく。


だがその黒いコスチュームの股間にはかすかに湿った染みが広がり始めており、それを自覚する余裕すら彼女には残されていなかった。



カーン!!!


少女が闘う為の構えをとった直後、ほんの一時だけ彼女を蹂躙劇から解放する為のゴングがまるで救済の鐘の様に鳴り響いていく。


「ここで第4ラウンド終了です!!!

 凛香選手、またしてもゴングに救われたと言いますか…………ここまで全く良い所がありません!! そろそろ元王者としての意地を見せて欲しい所ですが、果たしてどうなるのか!!?」






「ば……ばけつ…………」


セコンド陣の肩を借りてようやくスツールに腰を下ろした直後、黒髪の少女はぷるぷると震えながら、まるで懇願するかの様な声を絞り出していく。


「凛香ッ!? バケツ、バケツこっちよ!!」」


あきらが慌てて差し出したバケツに、凛香はゆっくりと顔を向け─────


「っ、お゙っ…………お゙え゙え゙ぇぇぇぇぇっっっ…………!!!!」


堰を切ったように嘔吐し始めてしまい、大量の胃液と泡立った唾液がバケツの底を白く濁らせていった。



「りっちゃん!! 大丈夫!? しっかりして、りっちゃんっ!!」

「お゙っ……ゔげえ゙え゙っっ…………」


焦りの色を隠しきれないあきらが、汗に濡れた親友の背中を優しくさすっていく。


以前はもっと大きく見えていた筈のその背中はぴくぴくと弱々しく震え続けており、まともな会話すら出来ない状態であることを明確に物語っていた。




(どうしよう……ソフィアさん、悔しいけど私なんかじゃ手も足もでない…………)


バケツの中へと吐き出された吐瀉物が生温かく立ち上り、もはや嗅ぎ慣れてしまった特有の酸臭が鼻腔をくすぐる中、少女は彼我の戦力差に絶望しつつある。



「お゙っ……あ゙え゙え゙っっ…………」


先程のラウンドで徹底的に痛めつけられてしまった結果、少女の腹は既に限界を迎えてしまっており、もはやまともに闘う事さえ困難な状態にあった。



(やっぱり…………今日"も"……負けちゃうのかな…………)


試合が始まってからここに至るまでの計12分間、一方的にドミネーションされ、既に本能では相手の方が”格上”だと認めてしまっている。


(でも…………もしここで負けたら………………)


脳裏に浮かぶ敗北の未来。

それは何としてでも回避しなくてはならないと、彼女の理性が訴えかけているのだが─────そこまで思考を進めた所で、再び”波”が来てしまった。


「お゙ぶぅっっ…………あ゙っ……あ゙え゙え゙え゙ぇぇぇぇっっ……………………」




「凛香選手、またしても嘔吐してしまっております!! 果たしてこんな調子で次のラウンド、逆転への一歩を踏み出す事が出来るのでしょうか!?」


吐き終わってもなおバケツに顔を突っ伏したまま、えずくように肩を震わせ続ける少女。


スクリーンに映し出されている元王者の情けない姿を見て、会場内には”流石にもう闘えないだろう”といった雰囲気が漂い始めていた─────ただ一人を除いては。


「……お、おねぇ……大丈夫だよね? おねぇなら……おねぇなら、きっと勝てるよね?」


バケツに顔を突っ込んだまま動かない姉の背中を見て、か細く声を震わせる由乃。


その表情は今にも泣き出しそうになっており、愛する姉の勝利を信じたい気持ちと、目の前の無惨な現実とのギャップが彼女の心を締め付けていた。


(最近は負けが続いちゃってるけど、おねぇは最強だから…………だから、おねぇならきっと…………)


閉じこもった狭い部屋の中から救い出してくれた、強く、カッコよく、可憐な姉の姿。

由乃の心にはそれが今も強く焼き付いており、その時抱いた言葉に表せない程の感情が、”誰にも負けない最強のボクサー”としての凛香の幻想を作り出していた。


「ゔぇ…………よ、よしの……………………」


胃の奥から込み上げるものを必死に堪えながら、一番の心の支えとなっている者の名を呻き声混じりに呼んでいく凛香。


「も……もちろん、よ…………おねえちゃんは、ぜったいっ…………まけないん、だからっ…………」


そして言葉を詰まらせながらも、妹を安心させるべく少女は無理矢理に笑みを作ろうとしていく。


最強というには余りにも頼りないその姿は、まるで嵐に打たれ続けて今にも散り落ちそうな花弁のようであり、由乃の心を余計に締めつけてしまうのだった。






「ふぅ…………流石に、少し疲れて来たわね」


自慢の銀髪を肩に流し、シミ一つ無い美脚を組み替えながら、涼し気な眼差しで向かい側の赤コーナーを見つめているソフィア。


その瞳には隠しきれない優越感と嗜虐心がまざまざと表れており、まるで“壊れかけの人形”を観賞するかのように、静かに口元を綻ばせていた。



(あの女、流石に限界が近いみたいね…………でも、まだ全然足りないわ)


ただ勝てばいいわけじゃない。

何故ならソフィアの狙いは勝利ではなく─────復讐なのだから。



だからこそ、彼女はラウンド終了前にわざと”ダウンを奪わないタイミング”での強打を放っていたし、だからこそ、凛香はまだ“生かされていた”。


(アタシからエリーを奪った罪…………た~っぷり、償って貰わなくちゃね♪)


捕食者が弱った獲物をいたぶる様に、奇術師がトリックの種明かしを焦らす様に────ソフィアは、蹂躙する愉悦を心ゆくまで堪能するべく、丁寧に凛香を味わっていた。






カーン!!!


「第5ラウンドのゴングが鳴り響きました!! 未だ防戦一方の凛香選手、ここから反撃の糸口を掴むことは出来るのか!?」



「ぜぇっ……はぁっ…………こひゅっ………………」

(辛うじて吐き気は収まったけれど……身体がっ、重い…………)


先程のインターバルでは水を飲んでも即座に吐き出してしまっていた為、ロクに水分補給すら出来ていない状態の凛香。


積み重なったダメージも相まってその足取りは鈍く、対戦相手であるソフィアの軽快なフットワークと比較して、まるで泥濘を歩く者と氷上を滑る者ほどの違いがあった。



(でも、それでも…………やるしかない!!)


実力差は明白な上に身体も既に満身創痍で、もはや勝ち目が残されているのかすら怪しい状況。


だが、”愛する妹からの信頼”というたった一つの心の支えを頼りに、少女は力強く拳を握りしめていった。



「やぁぁぁっっ!!!」


ソフィアが間合いを詰めてきた瞬間を狙って、凛香が渾身の右ストレートを繰り出していく。


数十秒前まで無様に嘔吐していたとは思えない程の気迫で放たれたそれは、対戦相手の顔面へと一直線に進んでいき───────何の手応えも得られないまま、腕を伸ばしきってしまっていた。


「凛香選手の右が炸裂…………しておりません、僅かに届かない!!

 ソフィア選手に完全に見切られてしまっております!!!」


ガードすらすること無く、表情一つ変えず、僅かに姿勢を反らしただけで凛香の拳の間合いから逃れているソフィア。


眼前に迫った拳の風圧で銀の髪が揺蕩う中、愉しげに口を開いていった。


「へぇ、まだこんなパンチが打てるなんて…………ホント、タフさだけは一級品ね♪」


そして凛香の伸び切った腕が戻されようとする前に、持ち前の脚力から生み出される爆発的な加速で即座に間合いを詰めていく。



「あっ、うぁっ…………」


目の前には狼狽えるばかりで無防備な姿を晒してしまっている格好の獲物。

当然ながら、次の瞬間には研ぎ澄まされた銀閃が放たれ──────少女の顔面を弾き飛ばしていった。


「ぐぴゅぅぅっっっっ…………」




「ソフィア選手の豪快なアッパーカットが炸裂~~~~~!!!

 あ~っと凛香選手効いてしまったか、完全にグロッキーです!!!」


「ぅ…………んぁっ……………………」


長い黒髪を揺らし、焦点を失った瞳を浮かべてリング中央を揺蕩っている凛香。


足元がもつれ今にも崩れ落ちそうなほどに膝が震えてしまってはいるものの、ボクサーとしての本能がそうさせるのか、それでも尚立ち続けてしまっていた。



「アハッ、貴女…………今の顔、とってもセクシーよ♪」


半ば失神してしまっている対戦相手へ向けて、ニヤニヤしながらソフィアは称賛の言葉を送っていく。


「そうだ!…………今度は、顔の方を可愛がってあげましょうか♪」


”もっと可愛くしてあげるわね”と、言葉を続けていくその女の表情には、隠しきれない獰猛さと燃え盛る様な憎悪の炎が滲み出ていた。






「ぶふぇっっ、あぶぅっっっ…………がぅっ、ぐぴゅっっっ!!!」


左右のフックにジャブ、そして体重を込めた右ストレートが間髪容れず放たれていく。

漆黒のグローブが振るわれる度に元王者である少女は情けない嬌声を上げ、リング上で無様なダンスを踊らされてしまっていた。


「ソフィア選手、動きの止まった凛香選手に容赦ありません!!

 先のラウンドとは異なり顔面を徹底的に虐め抜いていっております!!!」



「んぶぅっっ……ぼひゅっっ……んがぁっっ………………」


涙と涎と汗を周囲に撒き散らしながら、絶え間ない連打で顔面を上下左右へと弾かれ続けてしまっている凛香。


反撃どころかもはや防御すらロクに出来ておらず、試合と言うよりは”公開処刑”と呼んだ方が相応しい有様となってしまっていた。



「Heyサンドバックちゃん、まだ意識はあるかしら?

 次は強いのイクから…………ちゃんと構えた方が良いわよ?」


にやりと口角を釣り上げながらソフィアがその言葉を言い終えた直後、女は宣言通りに全体重を乗せた大振りの右ストレートを放っていく。



(あっ、これはダメっ……絶対に貰えない…………でも、)


言葉通りの威力はありそうだが、誰の目から見ても明らかにテレフォンパンチな攻撃。


JKリーグの下位ランカーですら容易に回避出来るであろうその一撃を前にして、当然の様に凛香も避けようとしたのだが─────僅かばかり動かされたソフィアの左手に、視線を釘付けにされてしまっていた。



「ッッ!!!」

(左が動いた…………やっぱりこれはブラフ!!)


この試合中で幾度となく引っかかってしまったソフィアのミスディレクション。

その幻影は凛香の脳裏に強く焼き付いてしまっており、少女は必要以上の警戒を割いてしまっている。


それ故─────軽くチラつかされただけで、一瞬ではあるものの少女の動きは簡単に固まってしまっていた。



(…………じゃない、本当に右がくる!!!)


嵌められたと気付いた時には既にどうしようもない程にその強打が迫ってきてしまっており、黒髪の少女は無様な悲鳴を上げながら吹き飛ばされていった。


「ぶひゅぅぅぅぅぅぅ……………………」




「凛香選手、またしてもダウ~~~ンッッ!!

 このラウンドも良い所なくド派手に殴り飛ばされてしまったぁ!!!」


半ば白目を剥きながらピクピクと痙攣する少女。

数秒前までは握りしめていたであろう拳が開かれてしまっており、完全に脱力してしまっている事が伺える。



「お゙っ…………んぁっ……………………」


「凛香選手、またもや意識を失ってしまっているのか!?

 力なく痙攣するだけで全く動けない~~~!!!」



表の試合であれば即座にレフェリーストップがかかる様な劇的なダウンである。

だがここは地下団体、加えて高性能のメディカルポットを保有している事もあり、当たり前の様にダウンカウントが数え上げられていった。





「3……………………4…………………………」


「……………………んぁっ…………」

(あぅっ……また、意識トンじゃってた…………早く立たない、と…………)



地下特有の長いカウントが功を奏したのか、少女の瞳に理性の光が戻り、のそのそと身体を起き上がらせようとしていく。


だが立ち上がるべく一歩足を踏み出した次の瞬間──────


「うっ…………ぶへっっ!!!」


足が交差するようにもつれ、そのまま顔面から再びマットに倒れ込んでしまった。


「凛香選手、再び転倒してしまいました!!

 もはや立ち上がる事さえ出来ないほど身体が限界なのかぁ!!?」



(いやっ……負けたくない…………早く、早く立たないと!!!)


焦りの表情を浮かべる凛香だが、それで動きが早まる事はなく、亀の様な緩慢な動作で再び足に力を込めていく。



「7……………………8……………………9………………………………」


そして必死の努力が実を結んだ結果、黒髪の少女はカウント内に立ち上がり、再び闘う為の構えを取る事に成功していった。


「「まさにギリギリの復活ッ!! 凛香、またしても立ち上がった~~~!!!

 二つ名通りの粘り強さを見せてくれる凛香選手!! 一体何が彼女をそこまで駆り立てるのか!?」



「頑張っておねぇ!! おねぇならここから逆転出来るって信じてるからね!!」


身体は既に限界を迎えており、心の方も”格付け”が済んでしまっている事で弱気な部分が顔を覗かせてしまっている。


だが、それでもなお少女は闘う事を選択し、自らの意思でもってその拳を握りしめていた。






「ボックスッッ!!!」


(由乃の為にも絶対に負けられない…………けど、流石にこの状態で殴り合うのは無理ね…………だから、)


このラウンドはひとまずアウトボクシングで時間を稼ぐべきだと判断する凛香。


そして四角いリングを広く使ってソフィアとの距離を取り、間合いから逃れようとしたのだが──────それを許さないとばかりに放たれた漆黒の拳が、少女の身体を強く弾き飛ばしていった。


「ぶひゅっっっっっ!!!!」


「ダメじゃない……貴女はサンドバッグなんだから、役目を果たしてくれないとね♪」



場所が悪かったのか、それとも計算されたのか、逃げに徹しようとした筈の凛香は僅か10秒足らずでコーナーを背負わされてしまっている。


「あっ…………うぁっ……………………」

(ダメっ……ソフィアさんの前じゃ……何をしても…………)


再び格の違いを見せつけられてしまった結果、またしても少女の悪癖が顔を出す。


目の前の女が自らより”格上”だと改めて突きつけられてしまった凛香は、思考を停止して弱々しく震えるばかりとなってしまっていた。


「貴女の役割がなんなのか、そのいやらしい身体にたっぷり刻み込んであげるから…………覚悟しなさい♪」





「ぶふぅっっ、ぐべぇっっっ、ぶほっっっ、がひゅぅぅぅっっっ!!!!」


「凛香選手、またしても一方的に滅多打ちにされてしまっております!!

 もはや恒例となりつつある”サンドバッグタイム”が訪れてしまいました!!!」


元王者である少女が6連敗を喫してしまっている中で、幾度となく目にしてきた光景。

もはや見慣れたものとなったドミネーション劇が繰り広げられていき、会場は大いに湧き上がっていく。



「凛香、もはや腕すら上がっておりません!!

 完全にされるがままになってしまっております!!!」


「おぶぅっっっ、ぐひゅっっっっっ、ん゙あ゙あ゙っっっ……んぶぅぅぅぅぅぅっっっっ…………」


反撃の恐れがないと判断したソフィアは全力の力をその拳に込めていき、少女の顔を、腹を、何度も何度も殴りつけていく。


意識は既に失われているが不幸にも腕がロープに絡まってしまっており、少女はその二つ名通り"堕ちない少女”として、立ち続けたままひたすらに対戦相手の拳でサンドバッグにされてしまっていた。



「おねぇ、ちゃんと腕上げてガードして!! おねぇ!!!」


姉が滅多打ちにされているすぐ下で悲痛な声を上げている由乃。


凛香の事を”誰にも負けない最強のボクサー”だとある意味で神格化している彼女だが、目の前の惨状を見てその認識にヒビが入りつつあった。


(いくらなんでもこれは……流石のおねぇでも…………)




「凛香選手は既に失神してしまっているのか、もはや悲鳴すら上げられなくなってきております!! 果たして彼女にまだ勝機は残されているのか!!?」


「ぶっ………………お゙っ……………………ん゙あ゙っ………………………………」


延々と続けられる元女王の凄惨な蹂躙劇。


殴られ続けている少女に動きはなく、このままソフィアが満足するまでこの時間が続くかと思われたのだが─────レフェリーの声がリングに響き渡っていった。


「スタンディングダウンッッ!!!」




「なんと……凛香選手、スタンディングダウンを取られてしまいました!!

 ここでは滅多に出ないハズですが…………それもこの惨状であれば納得でしょう」


「1……………………2……………………3………………………………」


この地下リングにおいて殆ど宣言される事のない”それ”は、表のリングであれば実質TKO負けにも等しい、地下女子ボクサー達にとって一番の恥と言われている行為である。



「………………………………………………………………」


レフェリーによってカウントが数えられる中、数ヶ月前まで女王の座にあったその少女は完全に沈黙してしまっていた。





「凛香、ピクリとも動かない~~~~!!

 これは流石に決まってしまったかぁ!!?」


顔をぐったりと俯けつつ、ロープに支えられて内股で辛うじて立っているだけのその姿は、とても元王者の物とは思えないほど悲壮感に溢れている。



「あとちょっとでゴングだから、早く起きなさい凛香!!!」

「おねぇ…………おねぇ、負けないで!!!」


滅多にお目にかかれないスタンディングダウンで興奮している熱狂の渦の中、少女達は必死に声を張り上げていく──────が、当の本人は未だ意識を取り戻してはおらず、悲痛な叫びはただ虚しく響いていくのみだった。




「7……………………8……………………9………………………………」


無常にも進んでいくカウント。

このまま10カウントが数え上げられ、試合が終わってしまうのだと誰もが考えていたのだが───────ソフィアがそれを許さなかった。



「Hey、レフェリー! ちょっと待ってくれない?」


10カウントの腕が振り下ろされる直前、レフェリーと凛香の間に割って入ったソフィア。


そのまま会場のどよめきを無視して項垂れている凛香の顎にグローブをあてがうと、クイっと持ち上げて強制的に上を向かせていく。


「んぁっ……………………」


「ほら彼女、まだ闘いたそうな顔してるわよ?

 …………試合、続けさせてあげても良いんじゃない?」


そう得意げに言い放つソフィア。

だがボコボコに腫れ上がり虚ろな瞳を浮かべている少女の顔は、どう見ても闘志に溢れているとは言い難い。



余りに予想外の自体にレフェリーが困惑している中、ソフィアは未だピクリとも動かないでいる凛香の口元に耳をあて、まるで何かを聞き取っているかの様にふむふむと何度も頷いていった。


「なになに…………ワォ! ”アンタみたいな雑魚、ここから逆転してボコボコにしてやるんだから覚悟しなさい”、ですって!?」


もはや騙すつもりすらない見え透いた三文芝居だが、銀髪の少女は愉しげに言葉を続けていく。


「随分とビックマウス叩くじゃない…………でも、それでこそ元チャンプよね♪」


最後にばちりとウインクを決めた後、ソフィアは再度レフェリーに向かって問いかけていった。


「ねぇ、もう一度聞くわよ…………

 こんなにギャラリーが盛り上がってるんだから、試合……続けた方が良いんじゃない?」



「ッッ…………」


ソフィアの雰囲気の変貌ぶりにレフェリーは一瞬たじろぎ、ついで観客席を見渡していく。


そこには人気ボクサーである凛香の無様な姿を求める客や、逆に彼女に大金を賭けている者達による耳をつんざく程の歓声が鳴り響いていた。



その圧力に後押しされたレフェリーは、凛香に目線を合わせると肩を揺すって試合続行の意思を問いかけていく。


「おい凛香、大丈夫か?…………まだやれるか!?」


「ぁ…………ま、…………まけ、ないっ……………………」


返ってきたのは問いに対する返答ではなく、半ばうわ言の様な言葉であった。



身体の傷はメディカルポットで治っても、心の傷まで癒やすことは出来ない。


故に、この半ば公開処刑と化してしまった試合を終わらせるつもりでレフェリーはスタンディングダウンを宣言したのだが、客席の熱量に加えて曲がりなりにも本人に闘う意思が残されている以上、試合を続行せざるを得なかった。


「…………ボックスッッ!!!」






「なんと……試合が再開されていきました!!

 果たして凛香選手に勝ち目は……いや、このラウンド生き残る事が出来るのか!?」


まさかの試合続行に会場が大いに湧き上がる中、ラウンド終了10秒前の拍子木が打ち鳴らされていく。


それを聴いた銀髪の少女は数歩ほど後退りをすると、未だコーナーを背にして動けないでいる対戦相手へ向けて得意の爆発的な踏み込みで迫っていった。



「これでも…………食らいなっっ!!」


「ぶぎゅっっっっっっっっ!!!!!!!」




「凛香、復帰早々強烈な一発を貰ってしまいました~~~~~~!!!

 ビクビクと痙攣してしまっておりますが、果たして意識は残されているのか!!?」


放たれたのは、コーナーポスト串刺しの強烈な右ストレート。

対戦相手の頭部と己の拳でサンドイッチを作ったソフィアは、そのままグローブを引き抜く事なく、ぐりぐりと凛香の顔面を更に痛めつけていく。



「あ゙っ…………ん゙あ゙っっ……………………」


何の抵抗も出来ずにソフィアの拳を受け入れてしまっている凛香。

意識の失われた肉体でもしっかりとダメージは感じているのか、拳が捻られる度にビクッと大きく身体を跳ねさせてしまっている。


それを見たソフィアはクスクスと嗜虐的な笑みを浮かべながら、凛香の耳元に唇を近づけて囁いていく。


「貴女、本当に惨めねぇ…………ねぇ、自分がサンドバッグだって事、理解してくれたかしら?」


「お゙っっ…………ゔお゙っっ……………………」


当然ながらまともな言葉を返す事など出来ず、年頃の少女の口から発せられたとは思えない獣の様な嬌声を凛香が奏でている中──────その鐘は響いていった。


カーン!!!


「あ~っと、ここでゴングですっっ!!!

 凛香選手、またしてもゴングに救われました…………というよりこれは、もしやソフィア選手が狙ってやっているのでしょうか!?」




「ワォ!! また仕留めきれなかったわ……これがアンブロークンの底力ってやつなのね?」


わざとらしくおどけた銀髪の少女は、顔面にめり込んだ拳を引き抜いて対戦相手を無様なサンドイッチから解放していく。


その直後、支えを失った肉体はぺたんと力なく腰をついてしまい、次いでちょろちょろとした水音と共にリング上に特有のアンモニア臭が漂い始めていった。





「あ~っと凛香選手崩れ落ちて…………失禁、失禁してしまっております!!

 凛香、この試合でも失禁させられてしまいました!!!」


顔も身体も至る所に紅い拳の痕が残っており、試合の激しさ──より正確に言うのであればソフィアのドミネーションの苛烈さ──を物語っている凛香の肉体。


ビクビクと痙攣し股間から黄金水を漏らし続けてしまっている彼女は、未だインターバルに入った事すら理解できてはいなかった。



「アハッ…………だっさ♪」


そんな凛香の姿を見て、すこぶる上機嫌な声で残虐な笑みを浮かべていくソフィア。

その顔にはかすり傷の一つすらなく、試合前の美貌を完璧に保ったままであった。






【堕ちた王者と幻影の銀閃】Part.4(Fin)に続く__________


■次回

堕ちた王者と幻影の銀閃~凛香VSソフィア~Part.4(Fin)/The Fallen Champion and the Silver Flash of Illusion - Rinka VS Sophia - Part.4(Fin)

■前回 ■試合内容 凛香VSソフィアの完結編です!! 多くは語りませんが、プロット的に5000字位で終わるだろうとか思ってたら何故か倍以上に文量が増えておりました(*^^*) 挿絵は全6枚+α、SSは約10800文字です(pixiv換算で読了まで約21分)。 それでは対戦よろしくお願いします~。 ■Content of the match This is the fina...





堕ちた王者と幻影の銀閃~凛香VSソフィア~Part.3/The Fallen Champion and the Silver Flash of Illusion - Rinka VS Sophia - Part.3 堕ちた王者と幻影の銀閃~凛香VSソフィア~Part.3/The Fallen Champion and the Silver Flash of Illusion - Rinka VS Sophia - Part.3 堕ちた王者と幻影の銀閃~凛香VSソフィア~Part.3/The Fallen Champion and the Silver Flash of Illusion - Rinka VS Sophia - Part.3 堕ちた王者と幻影の銀閃~凛香VSソフィア~Part.3/The Fallen Champion and the Silver Flash of Illusion - Rinka VS Sophia - Part.3 堕ちた王者と幻影の銀閃~凛香VSソフィア~Part.3/The Fallen Champion and the Silver Flash of Illusion - Rinka VS Sophia - Part.3 堕ちた王者と幻影の銀閃~凛香VSソフィア~Part.3/The Fallen Champion and the Silver Flash of Illusion - Rinka VS Sophia - Part.3 堕ちた王者と幻影の銀閃~凛香VSソフィア~Part.3/The Fallen Champion and the Silver Flash of Illusion - Rinka VS Sophia - Part.3 堕ちた王者と幻影の銀閃~凛香VSソフィア~Part.3/The Fallen Champion and the Silver Flash of Illusion - Rinka VS Sophia - Part.3 堕ちた王者と幻影の銀閃~凛香VSソフィア~Part.3/The Fallen Champion and the Silver Flash of Illusion - Rinka VS Sophia - Part.3 堕ちた王者と幻影の銀閃~凛香VSソフィア~Part.3/The Fallen Champion and the Silver Flash of Illusion - Rinka VS Sophia - Part.3

Comments

Thanks, I'm glad you said that! The game demo is in development, so you'll have to wait a bit longer.

ナッツが主食

Great work as always. I wonder how the demo for the game is panning out.

PUCHIN1999

楽しんで頂けて何よりです(^^) まだ試合は続きますので、是非最後までお楽しみ下さいませ~。

ナッツが主食

個人的に最も望んでいた展開が実現したので、嬉しかったです。

ろにゃ

これは楽しみに待てます。凛香がアキラや由乃にフルボコを想像するだけで興奮する、やっぱり自分を愛している彼女達にフルボコされると凛香はより屈辱を感じるでしょう。まぁ凛香は自分の弱点を気付かないので、ずと凛香を見ている彼女達が凛香と試合することで凛香の弱点を気づくしかないと思います。

海豹大福

確かにここから勝利するのはかなり厳しいかもしれませんが、それでも凛香さんなら…… まだ未確定ですが、あきらや由乃との試合はいずれ行われるかもしれませんので、是非ご期待下さいませ~。

ナッツが主食

楽しみにして頂きありがとうございます! 二つ名通りの逆転勝利を収めるかもしれないですし、言葉に表せない程の惨めな敗北を喫してしまうかもしれません…… 是非月末の更新をお楽しみに~(^o^)

ナッツが主食

残る第4話で、凛香は果たしてどのような結末を迎えるのか…想像するだけで興奮するような感覚…(⸝⸝º ^ º⸝⸝ )

Mo Mo

まだ戦う意志はあっても、このボロボロな体ではやはり無傷のソフィアを倒すことはできないだろう...惨敗の未来しか見えないね。凛香とアキラや由乃をマッチすることで立ち直る欲しいね、今の凛香なら多分アキラや由乃にボコボコされるね、けど凛香に愛情と劣情を抱いている彼女達ならきっと凛香をボコボコをした後、凛香の悪い所を見つけてそれを凛香に教えてくるはず。

海豹大福

最後の顔とか見ると、確かに大分闘志が薄れてますね。 果たして彼女はどうなってしまうのか……

ナッツが主食

Thanks for your very stylish comment! Please wait with anticipation for two weeks.

ナッツが主食

Indeed, Rinka has played an even worse game than Nino. If Yuno were to throw in the towel, it would surely have a huge impact on Rinka's psyche.

ナッツが主食

果たして惨敗を喫してメンタルを崩してしまうのか、それとも華麗に逆転して再び強いお姉ちゃんとしての自尊心を取り戻すのか…………是非お楽しみに~。

ナッツが主食

Thanks! Glad you enjoyed it!

ナッツが主食

いくら調子を崩しているとはいえど、元王者である以上は下位ランカーに苦戦すらしないと思われるのですが、果たして…………

ナッツが主食

観客達の予想以上にサンドバッグになってしまいましたね。 凛香さんは確かに大分限界な感じがしてますね。 果たしてこの後どうなってしまうのか……

ナッツが主食

凛香への憎しみの深さからこの様な試合運びとなりました🥰 凛香さんの自尊心が崩れ去るか、それとも華麗な逆転を果たすのか……是非お楽しみに~。

ナッツが主食

Thanks! I still won't know until the game is over, but it's looking pretty grim for an upset.

ナッツが主食

Rinka has been made to understand with her body. Thanks for looking forward to it! I am sure it will be more fun in the future, so please stay tuned~!

ナッツが主食

As you can see, it certainly looks pretty tough to reverse the situation as it is now.

ナッツが主食

凛香は闘志を完全に失ったようです。おそらく次の試合では、さらに弱った凛香を見ることになるでしょう。

fUkcovid

The most unfortunate thing that happened to me today was realizing that I have to wait two weeks for the next episode :)

Marcacis

Even Nino fought better against Sophia. Rinka is in such a low level right now... I would love for Yuno to throw the towel, making clear that even her sister lost the faith in Rinka

Mmmilla

この程度なら選手としてまた活動できるかどうかさえわかりませんね~。

sonya

Fallen and broken Rinka! Love it!

Garland01

完全に弱った凛香は、今やランキング最下位のボクサーにまで支配されるかもしれません。そうなるといいですね。

wsd

無傷のソフィアとサンドバッグの凛香。試合開始からサンドバッグになた凛香を見られるとはめちゃ興奮ですが、肉体と精神も限界になた凛香はちょと可哀想、この試合がトラウマにならないがいいな。

海豹大福

やはりソフィアちゃんはこの試合をわざと終わらせなかったんだ!今残っているのは、凛香ちゃんの自尊心が完全に崩れ去るだけですね~!🤣

イテ-い

Rinka is losing for sure,good job!

sandysu

Sophia clearly explained her role to Rinka. I'm really looking forward to seeing how this match ends and how things will unfold in the future.

JayLoCco

Any chance for a turnaround? Seems unlikely.

Seth Davenport


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