本日、2022年3月30日をもって、『FATAL TWELVE』発売からなんと4年です!!
全世界配信のSteam版は3月31日ですが、製品版の初リリースはとらのあな限定版の3月30日となっています。
2018年のリリースから、もう4年……。
ありきたりな言葉ですが、数字で見るとあっという間ですね。
本作はありがたいことに、PC版だけでなく2019年にはPS4、2021年にはNintendo Switchとコンシューマー版の発売も行うことができました。
そのおかげもあり、4年経ったいまでも『FATAL TWELVE』を遊んでくださる方が増えており、さらには「面白い!」と言っていただけることも多くなっています。
4年も経てば過去になり忘れ去れていくのが世の常ですが、今もなお本作のことを覚えていてくださる方がたくさんいらっしゃることが本当に嬉しいです。
特に今年は、完全新作『嘘から始まる恋の夏』の制作も発表いたしました。
そのタイミングで「『FATAL TWELVE』が面白かったから期待できる」という声をたくさんいただいて、常々作品の力に助けられているなと実感します。
あらためましてこんにちは、あけおです。
そんな4周年の今日は、Ⅳの子供こと、ユウに関するアフタートークをしようと思います。
彼は誕生日が未公開のキャラクターで、なかなか話をするきっかけが見つからなかったので、今回がいい機会じゃないかと思っています。

まずは中々見ることのできない、ユウの全身イラストです。
シルエットを見ると、凛火やアランが女の子だと思ってしまうのも納得です。
タイトなパンツとブーツで美脚に見えますが(実際美脚だと思う)、腰の細さなど体型は男の子って感じです。
あけお的には『FATAL TWELVE』登場キャラの中でも、トップクラスに好きなデザインです。
長い銀髪と大きい瞳に猫のような瞳孔が、現実とファンタジーの間の絶妙なバランスを保っています。
冒頭にユウが登場した時点で、この作品は現実だけが舞台じゃない、日本人だけが登場する話じゃないというのが、一目でわかったと思います。

日常的な一幕を描いたイラスト。
実はPS4・Switch版ではPC版から修正が加わり、全体的に明るい雰囲気になりつつ、展開に合わせて持っている野菜が変わっています。
この時のユウの瞳は本当に屈託ない顔をしている……。

次の一枚はこちら。
プレイ済みの方であれば、どのシーンか一発でわかっていただけるんじゃないかと思います。
とても胸が苦しくなるシーンでした。
ユウという人物は物語の役割において、RPGで考えるとラスボスのようなものです。
『FATAL TWELVE』という物語は、ユウの脱落前と後に分かれます。
シンプルに考えるとパルカがラスボスに思えるのですが、個人的にパルカは裏ボス。
作中のテーマと凛火の持つ運命から考えると、物語の始まるきっかけの因縁を作ったのはユウなので、彼がラスボスなのです。
このユウとの決着というのが、凛火にとっての運命の決着。
死という究極のマイナスから始まった凛火の物語が0に戻る瞬間。
それが、≪女神の選定≫開始7週目が終わった瞬間です。
この構造は、あけおに多大なる影響を与えた『空の境界』にならっています。
ご存知の方にはピンときていただけると思いますが、全7章のうち5章が言わば最終決戦なのですから。
凛火が0に戻った時点で、一度物語は終わりを迎えたと思っています。
だからこそ、ユウとの対峙直前に、物語冒頭と凛火のモノローグが語られます。
この物語冒頭のモノローグは印象的にしたかったので、PS4・Switch版ではボイスを追加した部分です。
今思えば、7週目が終わった後に、もう一度オープニングムービーを再生しても良かったのかな、というくらいです。
実際、あけおは彼のエピソードを書き終えた後、しばらく何の作業も手につかなかった記憶があります。
(『FATAL TWELVE』自体がそうやって自分の中の色んなものを出し尽くしていく、というエピソードばっかりかもですが)

ユウというキャラクターは、価値観を描写するのにとても苦労しました。
まず、大半の現代日本人にはない考え方を持っている人です。
それはあけおも然り。
その中でも「無関心への抵抗」という彼の信条、「母親の愛への渇望」という普遍的な欲望など、あけおでも理解することのできる感情をフックにしてキャラクターを掘り下げていきました。
「空虚な英雄」という感覚も、日常の中で「自分の存在ってなんなんだろう」と思ったことがある方には、共感していただけるかもしれません。
設定面ももちろんですが、「凛火に殺されたい」「凛火に殺されることで人間として死にたい」という心の叫びを納得感あるものとして書くのは大変でした。
ただのわけのわからない考えのテロリストで終わってしまうと、本当に辛いです。
どうあがいても辛い境遇なのですが、それでも客観的に見ている方々にも理解されないままでは、本当にかける言葉も見つからない。
物語を終えた時、無邪気で残酷で、どこか痛々しくて悲しくて……ユウのそういうところが伝わっていればすごく嬉しいです。
生きるということの表裏一体で存在する「死」を象徴するのが彼です。
掛詞あるいはダジャレのようなものかもしれませんが、偶然にも彼の背負った番号は「四(死)」。
でも、彼の未練は凛火と同じ「普通の日常」なんです。
つまりユウのラスボスとしての役割ではないもうひとつの側面は、凛火の影です。
フェデリーコがもうひとりの主人公として凛火と線を引いた反対側に立っているとすると、凛火とユウの関係はコインの表裏、より密接でかつ、決して交わらないところにいる存在です。
先程のふたりが対峙するシーンは、あけお的に屈指の名シーンです。
シーンを書いた時のイメージは、富野由悠季監督の作品で見られる感情のぶつかり合い、会話になっていないけどちゃんと会話に聞こえるあの熱量を表現しなければ、というものでした。

そして、ユウの最期。
ユウというキャラクターは、炎と共に描かれることが多いですね。
命を燃やすように生きた、そんな少年でした。
直未の最期のシーンやこのシーンなど、書くのが辛いシーンが特に多いキャラクターでした。
塩こうじさんも、人の死を直接的に描くことに、とても苦悩しながら向き合っていました。
制作陣が悩み苦しんだ分、印象的なシーンとキャラクターになってくれたと思います。
凛火にとって全てのきっかけを作り、許せないことをいくつもしているけど、自分が一読者として見た時には決して嫌いと言い切れないキャラクターです。
演じてくれたのは、齋藤美保さん。
収録自体は一日でしたが、一日での収録時間は最長だったと思います。
収録前日のあけおのどうしようもないエピソードは、以前の記事にて。
ユウの収録では、最初に一回途中まで録った後に全リテイクさせてもらった記憶があります。
そんな過酷な状況でも、物凄く一生懸命に、ユウを演じ切ってくれました!
今思い返しても、間違いなく難しい役だったと思います。
そしてネタバレを避ける関係で、ずーっと「ユウ役」ではなく「謎の子供役」となってしまって申し訳なかった!(作品の性質上、どうしようもないのですが……)

おわりに、茂継の誕生日に塩こうじさんが描いてくれた一枚を。
……Ⅳの子供こと、ユウに関するアフタートークはいかがでしたでしょうか?
「4周年でユウのことを書くと、ちょうどⅣ番でリンクしてる!」……と気づいたのは、この記事のタイトルを書いた時でした。
これは、何かしらの運命を感じざるを得ませんね。
誕生日が未公開のキャラクターでファンブックに掲載されていないキャラも、まだ残っています。
彼についても、近日中にアフタートーク記事を更新できればと思っております!
ではでは、あけおでしたー。