PS4/Switch "FATAL TWELVE" production of Opening Movie (The text is written entirely in Japanese)
Added 2021-08-29 11:43:40 +0000 UTCみなさんこんにちは、あけおです。
『FATAL TWELVE』に興味を持ってくださった方は、どこから本作を知りましたか?
『しずくのおと』を遊んでくれていた、塩こうじさんのイラストが好きだった、出演声優さんのファンだった、クラウドファンディングをたまたま見かけた……などなど色々あると思いますが、結構な頻度で耳にするのが「オープニングムービーを見た」です。
くゆりさんのエモーショナルな歌唱、気持ちのいいテンポの曲と次々に流れていく映像……『FATAL TWELVE』のオープニングは、制作者側から見ても気に入っています。
今日はそんなオープニング映像の制作秘話と、誰も気づいていないかもしれないけどこだわった部分を紹介しようと思います!!
(ぜひ、一度オープニングムービーを視聴してからこの記事をお読みくださいませ)
制作の流れ
オープニングムービーは、主題歌『Unveil』が完成してから制作に着手しました。
制作自体は2017年の8月頃で、2〜3ヶ月間がムービーの制作期間だった気がします。
本編のイラストをかなり使用していますが、初期は仮素材で組んでいました。
この期間、塩こうじさんにはオープニングムービーで使用するイラストから先に描いてもらった記憶があります。
工程としては、
①楽曲制作
②絵コンテ作成
③動画コンテ作成
④素材作成
⑤ラフ動画完成(仮素材)
⑥素材差し替え
⑦チェック+調整
という感じでしょうか。
素材は五月雨に完成していくこともあり、大体、⑤〜⑦を何度も繰り返すことになります。
絵コンテ
映画やアニメを好きな人であれば、聞いたことがあると思います。
要は、映像の設計図です。
よく見るのは、全て絵で描かれたものだと思いますが、ビジュアルノベルの場合はアニメーションではなく一枚絵を使うので、またちょっと違ったものになります。
(※あくまで我々の場合は、です)
絵コンテのデータが掘り出せたので、冒頭の何枚かを公開します。




御苑・ライオン館・電車の背景が昔orPC版のものですね、懐かしい……。
御苑の背景はPC版とPS4/Switch版で同じですが、開発中に一度大幅に修正しました。
今絵コンテに入っているバージョンだと、色合いが少しおどろおどろしく見えるのと、木の描き方がデジタルっぽ過ぎるので、運命の大広間のリデザインを担当してくださった千住工房さんに植物をほとんど全部描き直していただきました。
結果、全体的にやわらかい雰囲気に変わったと思います。
(背景が変わったのに合わせて、この場所が出てくるイベントCGも修正しました)
(リニューアル後の背景は、オープニング動画かゲーム本編のものを見てみてくださいませ)
というかよく見るとここの凛火の絵も変わっていますね。
(やっぱり今思うとめっちゃこだわってたんだな……)
話を動画に戻します。
実は絵コンテはあけおが作成しています。
これは、『しずくのおと - fall into poison -』の時も一緒でした。
『FATAL TWELVE』の場合は26枚描きましたが、いわゆるアニメのオープニングに比べるとかなり少ないのだと思います。
(そこは詳しくないのでわかりませんが……)
絵を使っているので絵コンテと言っていますが、実際は絵コンテと字コンテの中間くらいのものですね。
あけおの字は慣れている人じゃないと読みにくいので、基本的にはPCで文字を入れています。
画像を見てもらえばわかると思うのですが、使う素材や構成、動きや変化を決めている一方で、どういうアニメーションにするか、どういうエフェクトをつけるか、という詳細は口頭でイメージを伝えつつ、動画制作スタッフ任せだったりします。
特に序盤の構成には気を使いました。
高校生活を謳歌する凛火が、命を落とし、≪女神の選定≫の参加者となる。
ゲームよりも先にこのオープニングを見る方も多いと思うので、世界観の入り口として、現実世界から夢の世界に自然と入っていける様に意識して作っています。
この後に動画コンテを作ってもらいます。
動画コンテとは、絵コンテを使って一旦曲に合わせてタイミングや構成を動画で見られるようにしたものです。
ここで冒頭が格好良くないという問題が発生。
冒頭に3Dアニメーションを入れることが決定します。
3Dアニメーション
オープニングムービー序盤は世界観の入り口なので、本作において重要なモチーフを出す必要があります。
この場合は、本とカード。
それらを使ってどういうアニメーションを作るか、また考えていきました。
相談しつつ、また絵コンテを描きます。


この際、絵の上手い下手は関係ありません。
やりたい動きが伝わればいいのです。
余談ですが、ムービーの途中で挟まれる3Dアニメーションもこうやってコンテから作ります。
というわけで、背景制作も担当してくれたVISMODELさんにカードブックの3Dモデルを作ってもらいました。
3Dはモデルを作るだけでなく、シェーダーなどもこだわる必要があります。



こんな感じで、リアル調にするのかアニメ調にするのかなどを比較・相談しながら決めていきます。
(ぶっちゃけると、色々な事情から『FATAL TWELVE』のムービーは、相場よりかなり低めに作ってもらうことができましたので、次回以降に同等のクオリティでできるかはわかりませぬ)
このカッコイイ3Dとあけおのへにょへにょの絵コンテが融合して、スタイリッシュ映像に進化します。
この後の工程は、設計図を元にひたすら作っていく段階です。
省略しますけど、実際はここから完成までが滅茶苦茶大変でした。
さて、ここからは細かいこだわりをご紹介します。
キャラクター登場シーンの背景



オープニング序盤、キャラクターが次々と登場していくシーンです。
背景に見える金のライン、実はキャラクターごとに形が全然違います。
アール・デコを基調に、各キャラクターをイメージしたデザインとそのキャラクターのイメージカラーを組み合わせています。
実際の映像はぱっぱと進んでいきますが、こうやって背景が変わっていくと画面が華やかに見えますね。
『運命の大広間』の大時計

運命の大広間の大時計です。
これは、本編でイラストを描くために作成してもらった3D素材から、演出に合わせて線画を抽出しています。
本編では出てきませんでしたが、俯瞰で見るとこうなっています。
いつか運命の大広間をVRで見てみたいですねぇ……。
時計の針は凛火と直未が学校から帰っていた時間、≪因果の刻≫を示す 17時過ぎになっています。
ちなみに作成した無加工の3D素材は↓な感じです。

運命の大広間は、3Dならではで生まれる空間の説得力を感じますね。
12冊並ぶカードブック

オープニング終盤、12冊のカードブックが並んでいるシーンです。
カードブックは、≪女神の選定≫の参加者たちの象徴です。
一冊ずつ消えていくシーンになっていますが、これは選定から脱落していくという物語をイメージしています。
左側の手前〜奥がⅠ番〜Ⅵ番、右の手前〜奥がⅦ番〜Ⅻ番。
カードブックが消えていく順番と、本編の展開を照らし合わせてみると……。
夢の中に現れる謎の男性

こちらもオープニングの終盤です。
夢の世界で、謎の男性が登場するカット。
そういえばあまり触れていなかった気がしますが、彼のいる空間に描かれた時計は、12人の選定参加者を表しています。
背景のみ→暗転→謎の男性登場という順番のシーンになっています。
数度繰り返される暗転は、よく見ると目の形になっていて、まばたきが表現されています。
めちゃくちゃ細かいこだわりですが、背景にある時計の針はまばたきをする前には全てが動いていますが、まばたきをすると一部の時計が止まってしまいます。
これも、本編の展開と照らし合わせると……。
というわけで、いかがでしたでしょうか?
こだわっているところを上げるとキリがないので、この辺りで区切ります。
全体的に大切にしたことは、情報量を詰め込むことと、画面が常に動いているようにすることです。
一度だけでなく何度も見たくなるように……そして見ていて飽きないように……この記事に書いたこと以外にもたくさんの工夫と努力が詰まっています。
中澤さん&VISMODELさんと一緒に作れて本当に良かったなーと思っています。
感謝感謝です。
この記事を読み終えた後に、ぜひもう一度オープニングムービーを見てみてください!
ではでは、あけおでしたー。