草木も眠る丑三つ時、いちいの庶民も眠りにつく時間。
小さな竹林と灯籠のある、少し小金持ちのような商家の影。暗闇からぐんとノビをしながら、とても大きくふっくらと丸々肥え太った巨体に大きな胸、拳2つ分はあろうかというたわわな睾丸と包皮につつまれた皮の厚い陰茎がぶら下がり風邪もないのに揺れている、信楽焼に化けていた化け狸が姿を現した。化け狸は体の匂いをスンスン嗅ぎながら「ちょっと臭うかも」と脇を上下しじっとりと色が濃くなった脇を乾かす動きをした。
「今日もお仕事大変だったな~」
妖怪変化の類は人間とともに在り、その生命力を分けてもらって生きながらえているが、その姿を見られてはいけない掟がため、この化け狸は昼間信楽焼に変化し町で生命力を集めている。
月明かりの薄暗い路地に実体化した化け狸は深い深呼吸をするともっちりとした大きな腹が膨らんでは縮んで月夜の影がゆらめく。
「こんばんわ~狸どん、月が綺麗な夜だねえ」
「おっ、狐さんこんばんわ」
化け狸の傍らからするりと白い毛並みに朱い隈取と朱い腹掛けの、ほっそりとした四肢に腹掛に薄く筋肉がうつる均整の取れた体格の化け狐が抜け出てきた。
この化け狐は化け狸が信楽焼に変化している商家の裏手にある小さな祠にあるお狐に化けて、人々から生命力を集めている。にこにこと隈取に彩られた細い目を妖しくにやつかせながら化け狸を下から睨めつける。
「なんだよぉ」
化け狸は期待混じりのうわずった声で言う。
「いやあ、狸どんは今日もずっしりしてて美味しそうだなあ」
「オラ狸だけども化け狸だから食べられないぞ~」
化け狐は小枝のような指をスラリと伸ばし、化け狸の腹に柔らかく沈み込ませ下から撫でながらにやにや顔に歪み始める。最初は上腹部を指先で撫でてから、手のひらで揉み込むように脇を通りだんだんと淫靡な手つきを捺せながら下腹部へ。信楽焼に変化していた化け狸は、まとっているものと言ったら笠くらいなもので、化け狐の淫猥な手つきで摩られつづけるうち、その下腹部のさらに下にある化け狸には当然といった大きさの巨丸と、その間にそそり立つ厚い包皮に守られた太く重量のある陰茎が、どくんどくんと脈打ち次第に大きさを増していた。
「またまた、わっちらの”食べる”の意味ぐらいわかっているくせにい。今夜は月明かりがきれいだ、狸どんの魔羅も月光に照らされてだんだんと、ほうらもう綺麗に屹立してるぞう」
化け狐の視線の先にはすっかりと大きくなった化け狸の陰茎が湯気が出そうなほどに怒張していた。
夜は妖怪変化魑魅魍魎の世界だ。しかし彼らの多くは人々に危害を加えるわけでもなく、平和に過ごしていた。時折ちょっとしたいたずらや悪さをしながら。そのいたずらといったら、この江戸では当然と言っていいほど淫靡なものだった。人間に真の姿を見られなければいいということもあって人にいやらしい行いをするものたちもいたが、もっぱらは妖怪変化同士で情交をしていた。
「あっ狐さん、いけないよこんな軒先で」
「なあに言ってんだい狸どん、町中でいたずらをするのもわっちらの”れえぞんでえとる”なんだぜ」
「狐さんはっ……あっ……ハイカラな言葉も色々知ってんだなっァ……っ」
するりと狸の後ろ側に回った化け狐の細くも強かさのある指が、化け狸に話しかけながらその大きな腹を駆け巡る。その腹はすっかり汗にまみれており、逆毛に撫でるたびに毛羽立ち、並毛に撫でると化け狐の手は汗でねちゃりと水音をたてる。
「くっふ…また腹ばっか」
「でも感じるんでしょう?ほうら、段々と汗が滝のように流れてきたぜい」
化け狸の全身から吹き出た汗が、幾筋もの川となって重力に従い垂れていく。化け狐はその汗を拭うように手を動かし、手に汗をまとわせる。手の動きは激しくなり、腹を鷲掴むように揉み始めるといよいよ化け狸の息はあらくなっていく、ひいひいひいふうふうふう、初夏の深夜の湿度にも関わらず蒸気が噴き出す。
「狐さんっ……あっ……そろそろっ他もいじってくれないとっ……おかしくなるっ」
「狸どんはお腹がでっかいから感じやすいんだよなあ、じゃあこっちも弄ったらどうなるかなあ?」
そう言うやいなや化け狐は腹から右手を離し、ぬちゃりと音を立て右乳を掴むと爪をたてその頂点にある敏感な突起を弾く。
「があああああああっ!?」
野太い咆哮と同時に化け狸はびくりと体を震わせる。巨躯の体は全身が敏感なようで、指先で乳首を弾くたびにひいひいと息を荒げて快感に悶え痙攣し、化け狐はその様子を楽しそうににやにやと眺めながらさらにその手の動きを強め、更に腹の揉み責めも再開する。
化け狸はもう我を失ってしまったようで、激しく喘ぎながら体をよじる。
絶頂を迎えたくても迎えられないもどかしさから、汗まみれになった大きな腹と、豊満な胸に恵まれた巨体を揺らしながら、ただただ低く野太く吠える化け狸を恍惚とした表情でささやく化け狐。
「あんら、もうやけっぱちになってしまったようだねえ、さあさ、どうしようかねえ」
「いぎだい!いぎだい!いぎだい!いぎだい!いぎだい!いぎだい!」
「しかたないねえ、ほらいかせてあげる」
つぶやいた化け狐はがぜん勢い強く腹と胸を揉み責め、乳首をコリコリと刺激する、さらに化け狐は長い舌をでろりと出すと左脇から覗いた頭を左乳房に運び、左乳首を舐めあげる。すると化け狸はもうひとたまりもないといった叫声をあげ、体を揺らす。完全に充血しはち切れんばかりに怒張しているが、分厚い皮が先端の際までかぶった丸太のような太筒が上下に激しく揺さぶられる。
意識を飛ばしたように白目をむいた化け狸の砲身が大きく跳ね上がると、放水機のように白濁の体液が放出される。体外に排出された白濁粘液が放射線を描き、周囲に撒き散らされる。
化け狸の叫びに呼応するように上下に揺れながら排出される精液は、まるで止まる様子がなく、周囲にどんどんと水たまりのように精液がたまっていく。
自身のきつい体臭と、汗と、白濁の大量の精液の臭いが周囲を満たしていく。
「あっあっああああっ」
一度出し始めたら止まらないのか、びゅうびゅうと噴き出し続ける。
「やっぱり狸どんの射精する姿は豪快ないきかただねえ。あっしは狸どんのこのやらしい姿と雨後の獣臭のようなきつい臭いが大好きでねえ、わっちも興奮してきちゃいましたよ」
射精が止まらず、堰の止まらない井戸のように放水し続ける化け狸の陰茎。勢いは衰えずギンギンに屹立し心臓が股間に集中したように血液が脈打つたびに、イカ臭い精液が大量に押し出される。
「そうら狸どん、わかるかあ?眼の前の大岩、あんたの出した精液でびしょびしょになってるぞう」
眼の前にある大岩は吹き出した精液がかかり続け、本来の色がわからないほどに白濁したものになっていた。まるで化け狸の精液でできた岩のようだ。
「ああっ狐さんっ止まんねえっ……とまんねえよおっ」
大きな睾丸にどれだけの精液が詰まっていたのか、それとも射精している今も元気な精液をつくっているのか、化け狸の射精はとまらない。精液の上からさらに精液がかかるので、乾いた粘性が高まった白濁液は層になりどんどんと岩を白く彩っていく。
しかしそれでも化け狐の責めはとまらない。
「狐さん、オラこのままだとこわれちまうよおっ」
「まだまだこれからですよ」
……空はもう白み始めていた。もう数刻もしたら人々が起き始め、この淫猥な蒸気漂う事後の景色に戸惑うだろう。
こうして江戸の妖怪たちのやらしくもおかしい夜の時間は明けていく。
了
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あとがき
SSたいへん!
泥水
2024-06-28 20:29:09 +0000 UTCいぼんぬ
2024-06-25 01:55:20 +0000 UTC