夏の終わり。厳しい残暑の中、煌々と照りつける西日から逃れるようにファストフード店に入る二人の青年の姿があった。
「・・・そういえば、夏休みのバイトの初任給何に使った?」
「“人間観察キット”」
「マジで!?パネル何枚買ったの?」
「9枚。」
「やばwww超大都市やんww」
キンキンに冷えたジュース片手に談笑する二人。制服を身に付けてはいるが、全身から毛が生えており、縦長の瞳孔の鋭い目つきに、鋭い牙を持つ口、そして細く長く品矢かに動く特徴的な尻尾・・・彼らは所謂、猫獣人と呼ばれる種族だ。
「それ、全部で何人くらいになるの?」
「・・・う~んとパネル一枚で100~150万人くらいだから、軽く1000万は超えてるかな。」
「やば・・・」
彼らの話している“人間観察キット”は近年若者たちの間で大流行している物で、隷属惑星の“人間”という矮小種族を文字通り観察する飼育キットのようなものだ。
もともとは幼い子供が命の大切さを学ぶ為の教材として販売されたものだったが、いつからか大人の玩具として使われるようになって久しい。
彼ら獣人からしたら、人間はゴマ粒以下の虫ケラのような存在で、基本的には地盤ごと大都市が切り取られ虫かごに入れられて販売されているが、近年の人間ブームに肖り商品形態は多様化していた。
二人の猫獣人の会話の中に出てきた“パネル”もいくつかある販売形態の中の一つであり、一枚50㎝角(人間のスケールで言うと5㎞角)の正方形に丸々人間の町が乗せられており、パネル同士を連結させて手軽に大都市を形成することができる。
「でもさぁ結局、ヤり始めたら一回で全部破壊しちゃわね?俺だったら我慢できないし、パネル買いするにしても一枚ずつのほうがコスパいい気がするけど・・・」
「まあね。でも家に1000万人級の大都市侍らすのクソエロくない?一度でいいからやってみたかったんだよね・・・」
「贅沢だな~w」
二人は男子校に通う高校2年生で、まさに思春期というか、若気の至りとでも言うのか、そのうちの一人がどうやら夏休みのバイトを全額人間に注いだようだ。
性欲が凄まじい獣人達は小学校卒業前にはほとんどが精通し、中学、高校にもなると一日に何度も射精し、共学ではSEXも盛んになる。二人のような男子校生徒の場合は代わりに様々なプレイが研究されたりもする。
「・・・で相談なんだけど、大金はたいて買った1000万人の憐れな生贄君たちをどうやって頂こうか今凄い悩んでるんだよね。もう色んな角度で自撮りしてオカズ用の写真は随分取ったんだけど・・・」
「自撮りで抜くなwww・・・そうだなぁ・・・あ、そうだ!最近、面白い発見した奴がいて、俺もそれいつか試してみようと思ってたんだけど、それやってみたら?」
「どんなの?」
「町に思い切り射精した後、放置プレイするやつ」
「え?それだけ?」
「町は壊しちゃだめだぜ?一切破壊せずに精液だけぶちまけて、そのまましばらく放置すると不思議なことが起きるらしい。しかも猫獣人の射精だけ。」
「いやいや、射精して放置なんてしたら部屋中雄臭さ充満するじゃん。僕の射精力・・・知ってるよね?」
「・・・ああ、まぁね。・・・本当に身を以て(笑)・・だってお前、なんか女みたいな可愛い顔してるくせにそんな怪物股に飼ってるなんて思わないじゃん?」
二人が高校に入学したばかりの頃。
地元で一番イチモツがデカかった彼は、いい気になって出会う生徒皆に“ガチンコバトル”を仕掛けていた。
ガチンコバトルは性のシンボルを使った腕相撲のようなもので、勃起した状態で兜合わせし、互いに押し付け合って亀頭が先に腹に付いてしまったほうが負けだ。
負けたほうは何でも一つ相手の言うことを聞かないといけない。
連戦連勝で有頂天になっていたところで偶々すれ違ったのが、一見気弱そうで髪も長くおさげにしている同級生だった。そして、勝利を確信して挑んだガチンコバトルで彼は絶望した。
メスにも見えるような中性的なその青年がパンツを降ろすと、そこにはバッキバキのエグい爆根が姿を現したのだ。
勝負は初めから付いていた。兜合わせした時点で相手の尿道に自分の亀頭が吸い込まれてしまいそうなくらいのサイズ差だったのだ。それでもプライドが負けを認めず玉砕覚悟でグイグイと亀頭を押し付けたが、まるで微動だにせず、逆に相手が軽く腰を突き出しただけで、亀頭が押し退けらるどころか、みぞおちに一撃パンチを喰らったような衝撃を受けて地面に手を付いた。
「あの時は、ギャン泣きでほんと困ったよ。不良みたいなその見た目のくせに顔くちゃくちゃにしちゃってさ笑」
「惨めになるから思い出させるなよ~!お山の大将気取りでブイブイ言わせてたのに、あんな無様な負け方した挙句、お前が舐めろって言うから必死に舐めてたら、思い切り顔射するんだもん。制服も毛もべっちゃべちゃでもう心が滅茶苦茶になったよ。」
「まぁでも色々あったけど、今はこうして親友になれたんだからいいじゃん。」
「そうだけどさ・・・まぁいいや、話し戻すけど、その不思議なことってのが、射精してから一週間くらいすると、なんだか人間達の行動が大きく変化するらしい。なんでも皆がまるで魅了でもされたかのように一切逃げずに自分に近づいてくるようになるんだって。」
「・・本当に?それは流石に嘘なんじゃない?僕が自撮りする為に近付いた時だって、もうマジで大パニックで逃げ惑ってたし。彼らからしたら僕らは一瞬で人間を皆殺しにできるような化け物なわけじゃん?そんな恐怖の存在を急に克服できたりなんかする?」
「いや、それがなんか本当みたいなんだよ・・・犬獣人とか草食系獣人はそうならないみたいなんだけど、猫獣人で試した奴みんなそうなったらしい。どうしてそうなるかわからんけど。」
「ふ~ん・・・猫獣人だけねぇ・・・まぁ、そこまで言うならやってみてもいいけどさ。町を消費せずにできるし。ちょっと部屋が雄臭くなるのが気になるけどね。」
その日の夜。さっそく彼は“実験”をしてみることにした。
9枚のパネルを連結してできた1辺150㎝の正方形が彼の部屋のど真ん中に置かれている。そのパネルの上にはびっしりと高層ビルが並んでおり、1200万人もの人間が息衝いている。
彼は服を脱ぎ捨て全裸になると、地震で町を破壊しないようにゆっくりと町に近付くと、腰を降ろして人間達に爆根を晒した。
「巨獣人だー!!!」
「はやく地下に逃げろ!!皆殺しにされるぞ!!」
「助けて・・・神様・・・」
案の定人間達は、巨神の接近に大パニックに陥った。我先にと逃げようとして町中で交通事故や将棋倒しが発生し、まだ彼が特に何もしていないのにも関わらず、多数の死者が出ている。
「・・やっぱそうなるよね。僕が人間の立場だったらやっぱり君たちと同じでパニックになると思うし、怖くて当然だよね。なのに、そんなただ射精しただけで本当に洗脳されたみたいに集まってくるようになるのかな…」
彼は友人の言うことをまだ信じ切れていなかったが、しかし、物は試しだ。さっそくチンコを扱き始める。
本当はパネルに足を踏み入れ、霜柱を踏むようなゾクゾクとした命の感触を味わいたくて内心うずうずしていたが、なんとか自制して、オナニーに集中する。
人間のスケールでいうと5㎞、パネル一枚分はあろうかという爆根で町に影を落とし、人間達が恐怖に震える中、その真上でゴシゴシとチンコを扱くのは非常に気持ちの良いものだった。
なんというか圧倒的な優越感というか、自身の存在の凄まじさに陶酔することができるのだ。一介の高校生がその空間においては確かに神のような存在になれるのである。
人間達が自分と同じような知的生命体でありながら、極めて矮小であるがためにどうしても軽い命として扱われてしまう。一つの町を自分の好き勝手にできるという非現実感が獣人達の中で、人間観察キットブームが巻き起こった主要因である。
「人間共・・・!僕のチンコを見ろ!!恐怖にひれ伏すがいい!!神様のオナニーだぞ!!」
気分よく破壊神にでもなった気分で大声を上げながら、パンパンに膨張したペニスの包皮をズリュズリュと海綿体の上で滑らせる。
我慢汁がボタボタと垂れ、隕石のように降り注ぐカウパ―はいとも簡単にアスファルトを穿ち、人間の群れに直撃すれば、瞬く間にその命を奪った。
「う・・・・射精(で)る!!!!!」
1200万人に見守られながらの自慰はなんとも刺激的で、オナニー開始から数分もせずに絶頂に至った。
途轍もないサイズの砲身から放たれた精液の塊は、それはまた途轍もない量で、高層ビル群を何千棟と薙ぎ倒しながら、巨大な精液の湖を形成した。
死者はゆうに250万人を超え、町はその都市機能を停止するギリギリまで追い込まれることになる。
「めっちゃ出た・・・♡あいつも去年の僕の射精力で想像してただろうけど、あの時より更に一回に出す精液の量増えてるからなぁ。人間達大丈夫かなぁ」
彼は現在高校2年生だったが、一年生の時に例の“ガチンコバトル”で今の親友に顔射した時から比べても更に性成熟は進んでいた。
普通の男子高校生の射精なら仮に都市パネル一枚だったとしても精液だけで都市機能をマヒさせるレベルには至らないだろう。しかし、彼の場合はそれこそ9枚あるうちの真ん中のパネルが丸々精液に水没してしまったくらいの射精量だった。友人のいう“人間達の異常行動”を観察するどころではない気もする。
「なんか可哀想になってきたな。このまま皆殺しにしてあげたほうが優しいんだけど…」
彼はふと人間の立場になってみて考えて、彼らのことがとんでもなく憐れに感じてきてしまっていた。勿論、夏休みのバイト代全部はたいてちんちんの餌の為に買った人間達だ、このまま彼らを生かしてやるつもり自体は毛頭ないが、せめて恐怖の時間くらいは短縮させてあげたいという気持ちになっていたのだ。
しかし、ここまできて中途半端に実験中止するのもまた勿体ないことでもある。
「ごめんね。君たちを食い散らかすのはもうちょっと先になるかも。結果が分かったらすぐに楽にしてあげるからね。」
一見サイコパスのようにも感じる発言かもしれないが、これが彼なりの慈悲だった。実際、ダニのような人間達を獣人達の多くは消費物としか思っておらず、人間の目線に立って物事を考えてあげられるほうがむしろ少数なくらいだ。彼の行いは人間達のスケールで考えれば何一つ優しくないのだが、獣人のスケールで考えれば優しいと言えるのだろう。
-それから数日経った。
パネルの地盤から精液が染み出して床が汚れないかちょっと心配になっていたが、意外とパネル素材がしっかりしており、連結部にもパッキンがされているのか漏れ出している様子はなかった。
「さて、射精から丁度一週間だけど、人間達の様子はどうかな・・・」
特に期待もせず彼は町に近付き、腰を降ろして町の様子を観察する。
すると・・・
「・・・え!?」
明らかに一週間前と様子が違うのは彼の目で見ても一目瞭然だった。
本来なら町に近付いた瞬間、ゴマ粒以下の点々が我先にと逃げ惑うように距離を取る様子が見て取れたが、友人の言ったように確かにこちら側に向かって近付いてきている!
彼は大きく鼻を鳴らすと、急いで服を脱ぎ捨てる。瞬く間に股間に血が流れ出し、ビクンビクンと勃ち上がる肉の巨塔。町に晒された悪魔の大量殺戮兵器を前に本来なら人間達は怯むはずだ。一週間前、この雄キャノンで数百万の死者が出ているのなら猶更だ。
しかし、なぜか人間達は逃げない。
「あいつの言ってたこと本当だったんだ・・・」
彼は急いで高倍率虫メガネを取り出し、人間達の様子を観察してみることにした。
本来、虫メガネでの観察はあまり推奨されていない。というのも場合によっては人間達のぐちゃぐちゃの遺体など滅茶苦茶グロデスクな様子を目にしてしまう可能性があるからだ。
しかし、彼は好奇心を抑えきれなかった。
虫メガネを覗くとそこには、幸福そうな顔をした人間達が自分の方を見上げながらこちらにふらふらと歩いている様子が見えた。漫画的な表現だが、まるで本当に目がハートになっているような表情をしている。
(ど、どういうこと・・・?)
虫メガネの手元部分のスイッチを押し、ボリュームつまみを回してみる。極めて科学の発展した獣人達の世界の虫メガネは超高倍率でブレなくターゲッティングできるだけでなく、拡大した場所の小さな音まで拡大させて聞くことができるのだ。
「あぁ・・・神様・・・どうか私を腹の足しにしてください・・・」
「獣人様のご尊根をこんな目の前で・・・有難や有難や・・・」
「神様の一部になりたい・・・」
流石にゾクっとして、すぐにスイッチを切った。まるで本当に自分を神様だと勘違いしているようだった。
(恐怖で頭がおかしくなったのかな・・・?いや、一週間のうちにあまりの恐怖で死生観が変わって僕を神様とする宗教みたいのが広がった・・・?)
しばらく色々考えてみたが、どれも非現実的でしっくりこなかった。考えているうちにも人間達は続々と彼のチンコの真下に集まってきており、気付けば、どこが道なのかもわからないくらいびっしりと人間達で埋め尽くされていた。
そしてそれに気付いた瞬間から彼の頭に一つの邪念が浮かんだ。
“ここにチンコを押し付けたらどうなるんだろう”と。
そしてその発想を一度頭に浮かべてしまったが最後、もう身体はちんこに抗うことができなかった!
「ごめんね、人間達。僕を慕ってくれてありがとう。お望み通り一人残らず平らげてあげるから・・・!」
足元に集まった敬虔な信徒達に振り下ろされる凶悪な肉の塊。
何百万という命が一瞬でミンチと化し、擦り付けるチンコの滑りを良くする為だけの潤滑油となる。
人間達の住む星にあるどんな勇壮な山よりもデカく重量があるであろう彼の巨根は一瞬で地盤ごと高層ビル群を粉々にし、パネルの材質が剥き出しになるくらいに深く抉られた。
「ほら!早く全員集まってこい!!僕の床オナに巻き込んで皆殺しにしてやる!!」
彼が激しく腰を振る間にも、その大地震に晒されながらなんとか床オナ爆心地にたどり着きそして自殺していく人間達。半数は床オナ地震で死んだようだが、それ以外はしっかり彼らの望んだ死を果たさせてやることができた。
そして生命の気配がほとんどなくなった頃、彼も丁度性のピークに達した。
「1200万人をチンコで虐殺してやった!!!僕のこのクソデカチンコで・・・!!気持ちいいいいい~!!!♡」
一週間前に盛大にぶちまけた真ん中のパネルに向けて追い射精。
よほど気持ち良かったのか、勢いよく噴火した精液はその一つ先のパネルの地盤をもひっくり返しただけでなくパネル外の床にまで飛散した。
「あぁ・・・僕のバイト代・・・なくなっちゃった・・・」
若干の喪失感に苛まれながらも、しかし、それ以上の満足感で彼は恍惚とした表情を浮かべた。
大量に発生した生ごみの処理とか、今目の前で人間達に起きた謎の怪奇現象については今はもうどうでも良かった。
ただ自分のちんこが1200万という尊い命を奪ったというその事実だけが彼の頭の中で眩く輝いていた。
―人間達にいったい何が起きていたのか。
その答えはある原生生物にあった。
“トキソプラズマ”
猫科動物を終宿主とする寄生性原生生物である。
人間の世界においても広く分布する寄生虫であり、人間の約1/3が感染しているとも言われているありふれた生物である。
トキソプラズマに感染しても通常の免疫力があれば基本的には特に何も症状はでない。それは猫獣人達にとってもそうである。フィジカルの強い獣人にとってこれら寄生生物など気にも止めないような存在である。
性に奔放な猫獣人達は主に精液を通してトキソプラズマを感染させ合い、特に性成熟した猫獣人達の感染率は100%に近い。
勿論、町に精液をぶちまけた彼もトキソプラズマに感染しており、彼の精液には何十億の精子の他に数百億のトキソプラズマを含んでいた。
問題なのは人間の世界と獣人の世界ではトキソプラズマのスケールも段違いだったこと。巨大な猫獣人にとっては無症状でも、小さな小さな人間達にとっては獣人界のトキソプラズマは致死率100%級の超危険な寄生虫だったのだ。
トキソプラズマはありとあらゆる生物を中間宿主として自然界に広く根付いているが、しかし、猫科動物の腸内でしか有性生殖しないという特性がある。その為、トキソプラズマは時に宿主の脳にまで寄生して行動すら変えさせてしまうことで知られている。
実際、感染したハイエナがライオンを怖がらなくなって殺され易くなったり、ネズミが猫の尿の匂いを嗅いでも警戒しなくなって捕食され易くなるなど、ネコ科動物に寄生する為に特化した性質を有している。
そう、今回、人間達が自ら彼の爆根に巻き込まれて死んでいったのもトキソプラズマ症による洗脳が原因だったのだ。
人間にとってあまりに強すぎた獣人界のトキソプラズマはいとも容易く1200万人全員に感染し、一瞬で脳にまで寄生して、猫獣人達に喰い殺され易くなるように行動パターンを書き換えられた。
今回の場合は、ただの感染ブーメランであり、更にトキソプラズマにとっては残念なことに、人間達は口から喰われるのではなく、ちんこに喰い尽くされたので、何の意味もなく人間と共に消滅したわけだが…
而して、トキソプラズマは猫獣人の“遊び”をより一層愉快にする快楽洗脳兵器として重宝されるようになっていった。
おわり
深淵ネコジャラス
2024-08-01 16:50:10 +0000 UTCtommy
2024-07-31 19:09:59 +0000 UTC