最近、若者達の中で流行ってることがある。
それは、小人の住む惑星に訪問して、その星の住人達が撮影した自分の写真を「ケモスタグラム」にアップすることだ。
小人達からしたら、突如出没した巨大生物はとてつもない脅威。当然、話題は自分のことで持ちきりになる。
そこで、その種族の使っているSNSに侵入して、良く撮れている自分の写真を物色するのだ。
この手法の面白いところは、自撮りでは撮るのが難しいような構図の写真が撮れるところだ。
特に、大迫力の写真をアップすると、沢山の「いいね!」がもらえることもあって、スタイルに自信のあるケモスタグラマー達が挙って、小人の住む惑星を訪問している。
中には「いいね!」欲しさに過激な行為に走るケモスタグラマーも多く、近年、有生物惑星の汚染が深刻な問題となっている。
過激な写真の中で特に人気なのは、町を今にも踏み潰そうとしてる写真や、実際に踏み潰してる写真。更に酷いものでは、おっぱいやちんこで町を蹂躙してる写真や、放尿や射精で町が滅茶苦茶になっている写真なんてものまである。
残酷だ、と批判する者も多いが、「エモい」と好き好む者が多いのも事実である。
自分で写真を撮るわけではなく、小人側に撮影を頼ってるところが1つのポイントで、あまり激しくヤりすぎると、小人側も撮影する余裕がなくなってしまうし、場合によっては全滅してしまって写真が一枚も残らないこともある。
遠巻きで突っ立っているだけなら、いくらでも写真は撮ってもらえるが、いいね!は集まり難いし、逆に町が絶望的な状態になっているほど、いいね!は集まるものの、写真獲得の難度も高くなる。
小人と自分の位置関係やポーズの取り方、破壊や虐殺の匙加減など、良い写真を撮る為には様々な工夫やテクニックが必要で、存外、奥が深いことが皆を夢中にさせるのだろう。
そんなこんなで、ブームが到来してから今に至るまで、実に十万を超える有生物惑星が荒らされており、犠牲者の総数は数百兆人にも上ると試算されている。
たくさんの尊い命が、ケモスタグラマーの承認欲求だけの為に消費されているのだ。
そしてここにもケモスタグラムに夢中になっている女子高生達の姿があった。
「え?マジ?1000いいねとかヤバくない?それって小人にスカートの中撮影されたやつだよね?」
「そそ、スカートの中にたまたま飛行機写り込んでてさー、なんかそれがエモかったみたいなんだよねー。全然気づかなかったけど、後で確認したら、飛行機の残骸がスカートの裏側に残ってたw」
「うわ〜かわいそw」
3人の女子高生のうち2人がケモスタグラムの話題に盛り上がってる中、1人は浮かない表情をしている。
「どうしたの、ジュリア?なんか元気ないね。そういえば、ジュリアはケモスタやってないんだっけ?
勿体無いな〜 ジュリアのスタイルなら絶対覇権狙えるよ〜」
「いや…私はそういうのは…」
(…みんなどうかしてる)
ギャロップ種の女子高生ジュリアは、学園一の高スタイルの持ち主で、18歳にしては驚異的なバストとヒップを備えていた。
男子生徒達からも絶大な人気を誇っており、まさに学園のアイドルと言ったところで、いかにも他の女子から妬まれそうなものだが、ジュリア自身が純真無垢で人当たりも良く、気遣いもできる女性ということもあって、同性の友達も多い。
そんなジュリアだが、昨今の他惑星を穢すケモスタのブームには嫌悪感を抱いており、周りの軽率な行動には呆れていた。
(小人達だって、自分達と何も変わらない。自分達と同じように一生懸命生きているのに、なんでみんなそんなひどいことができるんだろう…)
ジュリア自身、富豪の家のお嬢様ということもあり、プライベートの惑星を1つ買い与えられていたので、惑星の訪問自体は頻繁に行っていた。
しかし、それはあくまで気分転換が目的で、訪問先でやることといってもただの散歩や、小人の観察程度だ。
当然、破壊や虐殺なんて考えたこともない。
そういう発想自体がジュリアにとっては狂気としか思えなかった。
今もいろんな場所で戯れに命が蹂躙されていると思うと心が痛む。
ジュリアは深く溜息をついた。
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学校が終わり、家に着いたジュリアだったが、どうも気持ちが鬱々として、気が晴れない。
仲の良い友人達ですらも、ケモスタに夢中になっていたのは流石にショックだった。
(なんだか、疲れたな…)
自然と惑星ポータルに手が伸びる。こういう時こそマイ惑星の出番だ。
惑星ポータルとは他惑星に自身をワープさせることができる転送機械のことである。
一般家庭では到底手に入らないような高価なものだが、ジュリアの家では、普通に自室に備わっていた。
ポータルを起動すると、ジュリアの身体は瞬時にワープし、次の瞬間には別の惑星に降りたっていた。
(よかった。今日も天気がいいな。)
日常を忘れ、広々とした空間でただただぼんやりと過ごすのが、ジュリアのお気に入りのリラックス法だ。
(ちょっと歩こうかしら)
そのまま無心で歩き出す。
地平線を眺めながらのお散歩、こうしていると目の疲れもとれる。
この惑星のスケールで換算すると、ジュリアの身長は10㎞をゆうに超えているので、特に視界を遮るものもないし、とにかく解放感が凄まじい。
深呼吸すると、顔の周りに浮かんでいた雲まで吸い込まれて、喉も麗してくれる。
プライベート惑星なので、周りを気にする必要もないし、星の住人達にとっては神とも呼べるほどのスケール差があるので、当然、邪魔されるようなこともない。
この圧倒的な自由がジュリアは大好きだった。
(気持ちいい・・気分が楽になる・・)
彼女の向かう先に大都市が見えてきた。
・・・しかし、彼女の歩みが止まらない!
久々にかなり落ち込んでいたこともあって、嫌なことを考えないよう、ジュリアはいつになくマインドフルネスを意識していた。
結果、足元の注意が散漫になっていたのだ。
振り下ろされる鉄槌。
直径1kmはあろうかという硬くて大きな蹄は、すでに大都市にいくつものクレーターを作っていた。
クレーター1つあたりの死者は多いものでは、万単位に及んだが、それだけの大量虐殺を犯していながら、ジュリアは足元の惨劇に気付く気配すらない。
数年前の彼女なら、どんな状況でも大都市に気付かないなんてことはなかっただろう。しかし、高校生になって一段と身長が伸びたこともあって、ジュリアの目線では町が小さ過ぎて見えにくくなっていたのだ。
それに加えて、思春期を迎えて急激に成長したおっぱいで足元が見えにくくなっていたことや、雲が目線より下にあったことが災いしたのも言うまでもない。
遠くから見れば陽気にルンルンと歩く女子高生のほのぼのした光景にしか見えないだろうが、その足元は地獄絵図と化していた。
ジュリア自身はゆったりと歩いているつもりだろうが、歩幅3㎞で進む歩行速度は、小人からすれば時速10000㎞近いスピードで動いていることになるわけで、仮に踏み潰されずに済んでも、その周囲は突風で滅茶苦茶になっていた。
そこに蹄が振り下ろされる度に巻き起こる地震も合わさって、人も建物も何もかもが、跡形もなく破壊されていく。
そして、次の瞬間、追い討ちをかけるように更なる大天災が小人達を襲った!!
「キャッ!」
標高1kmの山に足を取られて、ジュリアが盛大に尻もちをついたのだ。
ちょうど転んだあたりは1番栄えている地域だったが、そのほとんどが一瞬でジュリアの爆尻に消えた。
もしジュリアがごく普通のスタイルを持つ女性だったら、死者は半分ほどで済んだだろうが、尻がデカすぎたことで余計に人が死んだのだ。
その数、100万人。
これが、たった一回の尻もちでこれだけの尊い命が消し飛んだことを考えると驚異的である。
マンコ部分だけでも10万は死んだことだろうし、うち何割かは膣内に飲み込まれたに違いない。
結局、ジュリアの気分転換に付き合わされた形で累計1000万人もの命が犠牲になったが、最後まで彼女は自分の犯した罪に気付くことはなかった。
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この星の住人はずっとジュリアに怯えて生きてきた。
いつどこに現れるのかわからない恐怖。
絶対に逃げられないだろう圧倒的スケールと、絶望感。
10年ほど前に初めて襲来された時は5kmほどだった怪物が、今では10kmにまで成長し、このままではいつか世界は終わるだろう、と誰もが思っていた。
そして、今回の1000万人という大量虐殺事件は、人々の不安を爆発させるには十分過ぎる惨劇だった。
恐ろしさのあまり自殺するものが後を絶たず、「どうせ近いうちに殺される」と開き直った者達が好き放題暴れまわるようになり、各国の治安も崩壊した。
窃盗、殺人、レイプ…凶行で溢れる世界。それはまさに世紀末とも言えるほどの暗黒の時代だった。
SNS上でも24時間365日彼女の話題が尽きることはない。勿論、ジュリアが町を蹂躙している写真や動画などいくらでも転がっている状態だ。
しかも、流石のダイナマイトボディなだけあってか、どれもかなり「エモい」写真に仕上っていたのは言うまでもない。
もし、ジュリアが熱心なケモスタグラマーだったら、それらを搔き集めただけでも、簡単にトップケモスタグラマーになれたことだろう。
そして...その災厄の元凶である、ジュリアはと言うと、散歩でスッキリしたのか、自宅に戻りシャワーを浴びていた。
尻もちをついてしまったので、念入りにお尻とおまんこを洗っている。
蹄や尻、陰部にはたくさんの小人の遺骸やビルの残骸がこべりついていたが、それらも綺麗に洗い流され、破壊と殺戮の痕跡はとうとう完全に消えてなくなった。
承認欲求の為どころか、認識すらされずに消されてしまった哀れな者たち。
その残骸が無残にも排水溝に溜まっていた...
完