「え、えええ……これ、ホントに着るの?」
更衣テントの中。
ナツキの手には、青地のビキニが乗っていた。
戦闘用の服やスポーツウェアには慣れていても、こんなに布の少ない服も着ることは稀だ。
「だ、大丈夫……ただの撮影、ただのお仕事……」
深呼吸を繰り返してから、意を決して着替える。
鏡に映った自分の姿に、思わず両手で頬を覆った。
――わ、わぁ……肌が、こんなに出てる……!
ビーチに出ると、照りつける太陽とカメラマンの声が同時に襲ってくる。
「はい、いいねー! もっと自然に笑って!」
「む、無理だってば……! こ、こう……かな?」
ぎこちなく腰に手を当ててポーズを取るナツキ。
潮風に揺れるショートカットと、うっすら赤く染まった頬が絵になっている。
「恥ずかしい恰好させて……ほんっと……やだやだ……」
ぶつぶつ文句を言いながらも、シャッター音に合わせて少しずつポーズを変える。
岩場に腰を下ろすと、背景の青い海が彼女の水着と重なって、思わず自分でも驚くくらい爽やかな画になった。
ナツキは視線を逸らしながらも、小さな声でつぶやく。
「……ちょっとだけなら、悪くない……のかも」
その呟きと同時にシャッターが切られ、ビーチに響く。


それは、恥じらいの中にも彼女らしい強さがにじむ一枚となった。
RPB
2025-11-07 12:22:27 +0000 UTC