組織図&人物紹介ラストとなります。 第2王女派の面々です。 ========================================= ●グスタフ 聖アルマイトに内乱を起こし、全大陸を巻き込んだ騒動を起こした全ての黒幕。 謎の力「異能」にて、女性達を意のままに操り、リリライトの背後から第2王女派を牛耳る諸悪の根源。 元々は聖アルマイトの大臣であったが、リリライトの教育係という立場を利用し、最初にリリライトをその手にかけてから次々と好みの女性を異能で取り込んでいく。 世界征服を本気で実行する傍ら、万が一失敗した時には異能下にあるリリライトを楯にするために、自らは表舞台には決して出ない、生粋のクズ人間である。 性欲、権力、禁欲などの己のあらゆる欲望に忠実で、それを満たすためだけが行動原理となっている。 頭の悪い子供が思い描くような、短絡的でバカらしい野望を、大真面目に実現させてしまうところに真の恐ろしさがある。 その本質は気が小さい小悪党に過ぎない。 しかしグスタフの厄介な部分は、圧倒的な異能の力で、性格も態度も尊大になりながらも、それでも自らの無能を自覚しているところである。 政治、外交、戦略といった組織のトップの運営としての資質に欠けることを自覚しているグスタフは、その一切を異能で堕とした天才的な才能を持つ女性達に任せている。 そのため、最低最悪な性格をしていながらも、有能な才能を持つ人間には意外にも男女問わず寛容であり、重用している。 このように自分では出来ないことは信頼している部下に任せるといった点は、カリオスやコウメイと似た資質を有していると言える。 最終的にこの世界を牛耳って、気に入った女性の全ては手に入れて、男性は全て殺すか奴隷にするという、その野望は狂気と欲望の極致である。 コウメイとは旧知の中で、ただならぬ因縁があるようで、お互いに憎悪を抱いているようである。 グスタフの異能は、「チート能力」と称されていたこともあるが、それはこの世界あらざらぬ力であることが示唆されている。 するとコウメイ、グスタフ共にこの世界とは違うやってきた人間なのだろうか…… コウメイ同様に謎が多い人物である。 ●リリライト=リ=アルマイト 聖アルマイト第2王女であり、カリオスとラミアの妹。 現在は内乱を起こした第2王女派の先導者だが、グスタフの傀儡に過ぎず、本人は何の権力も思想もない。 ただひたすらに性の快楽を貪る、人間以下の家畜のような扱いを受けている。 元々は『純白の姫』と謳われる程の、可憐で純粋無垢な姫であった。 カリオスからの溺愛も受けており幸せな生活を送っていたが、グスタフにより全て破壊される。 4英雄”戦士”の血を引いているが、統治者として優秀なカリオス、武芸に優れるラミアと違い、リリライトは何の才能も持っていなかった。 彼女のことをよく思わない人間からすると、『純白の姫』と言う言葉は、その無能さを揶揄する言葉として使われることもあった。 しかし、彼女は常に懸命であった。 兄カリオスのために役に立ちたいと常に頑張り続けてきたことこそが、リリライトの才能であったかもしれない。 しかし優秀な兄姉との比較の中、上手くいかない現実とのギャップに、常に苦しんでいた。 その心の隙をグスタフに突かれる形で、異能の手に堕ちることとなった。 欲望に身を委ねて快楽を享受するリリライトは、そんな辛いことなど忘れて、歪んだ幸福を刷り込まれた。 今の彼女なら、例えグスタフが失敗したとしても、喜んで庇って自らが矢面に立とうとするだろう。 現に、突如武力蜂起をして罪無き人達を虐げる第2王女派への憎悪は、全てリリライトへ集約されており、今のリリライトは世界の敵となっている。 かつてはグスタフの寵愛を受けていたリリライトだったが、飽きられ捨てられた。 また可憐な容貌以外には、グスタフに愛される才能を有さない無能だったリリライトは、遂には最下層の奴隷達の性欲処理道具のような扱いをされている。 もはやグスタフが必要としているのは、”第2王女”という肩書のみであった。 それでもグスタフのために、何でも喜んで受け入れるその健気な姿だけは、以前に兄を慕い頑張っていた姿と変わっていなかった。 無能という理由だけで、このような境遇になり、それでも幸せだと歪んだ笑みを浮かべるリリライト。 彼女を救い出そうとする兄の声は、手は、リリライトの下には届いていない。 ●リアラ=リンデブルグ 魔王を倒した4英雄最強”勇者”の直系。 グスタフの異能下にあり、新白薔薇騎士団団長を務める。 第2王女派の最強戦力にして、人類最強。 元々は中流貴族の娘として、ごく普通に暮らしていた。 ミュリヌス学園の生徒として白薔薇騎士を目指しながら、リリライトと親交を深めたり、同級のアンナとしのぎを削り合ったり、そして何よりも最愛の恋人と穏やかに愛を育んでいた。 そんな日常は、唐突に壊されることなる。 きっかけは、ミュリヌス学園寮で同室となったステラである。 リアラが”勇者”の直系と知っていたステラは、淫術により彼女を虜にしようと目論む。 その淫術に陥っていたリアラだったが、ステラの隙に付け入る形で、グスタフがその手に堕としたのだった。 勇者の力、すなわち”勇者特性”は、感情を周囲の人間に伝播するもの。 魔王を倒した勇者リンデブルグは、それを味方の鼓舞に使っていたが、リアラは敵へ恐怖と絶望を感染させるべく使っている。 その効力は圧倒的で、どんな手練れであっても普通の人間ならば、リアラを前にしただけで戦意を喪失し、戦うことすら出来なくなってしまう。 勇者と戦うスタート地点にすら立てない者がほとんどで、それは戦争のような大規模戦においては、個人の力ながら戦略レベルの脅威である。 ”勇者特性”を耐えられるのは、同じ英雄の血筋を持つ者やディードのような強靭な精神力を持つ者だが、それでも影響はゼロではない。 誰であろうと、”勇者特性”により能力は大きく弱体化されてしまい、戦う前から巨大なハンデを背負うこととなる。 それに加えて、グスタフの異能が付与されているため、その”勇者特性”を抜きにしても、リアラは人類最強レベルの人間である。 第1王子派の指揮を執るコウメイは、リアラこそをなんとかしなければ勝ち目はないと、勇者対策を必死に探し続けている。 異能により、血と色を好み狂暴性を肥大化させたリアラは、愛するリューイのことを忘れているわけではない。 いや、むしろリューイへの愛は残したまま、それ以上にグスタフへの従属の想いを強くさせられている。 だからリューイへの愛を訴えながら、グスタフへの本能剥き出しの狂った愛を口に出来るのだった。 それは、恋人であるリューイにとっては絶望そのものである。 しかし、リューイはまだ一縷の希望を持っている。 想いを力に代える剣『龍牙真打』と、”勇者特性”を無効化する体質。 それは吹けば飛ぶような儚い希望ではある。 その希望の糸を手繰り寄せて、リューイは愛するリアラを救い出すことが出来る日は来るだろうか。 ●フェスティア=マリーン 大陸西部に連なる各国が加盟しているヘルベルト連合国の代表を務める女性。 女性の身ながら連合を成立させた立役者とされており、『女傑』と評される天才。 そんな天才の彼女も、聖アルマイトのヘルベルト連合担当外交官だったグスタフに取り入ろうとしたところ、この世界の常識を覆す異能の力により、逆にグスタフの意のままに動く女性の1人となってしまう。 反乱を起こした第2王女派への支援という形で、フェスティアは第2王女派内では軍師を務める。 第1王子派でいう元帥コウメイと同じ立ち位置である。 リアラ、ステラと並ぶ3幹部としてグスタフの重用されているうちの1人。 組織構成上、軍を率いるフェスティアは、リアラの上司となる。 しかし言うまでもなくその戦力価値はリアラの方が圧倒的に高く、実質的な序列としては3幹部としては末席で、ステラにも劣る。 元は商人の家の生まれで、そこかか奴隷時代を経て、女としての武器を利用して権力者に取り入って、連合国代表まで上り詰めた強かな人物である。 大陸に広く浸透している身分制度を激しく敵視する一面がありながら、奴隷制度は連合の経済発展のために積極的に活用している。 そのためカリオスが進める改革に反発しており、元々両国の中は良いものではなかった。 天才的な政治家・謀略家でありながら、自身で戦闘もこなす。 剣の腕は平凡ではあるものの魔術の才に恵まれており、努力の末に『風刃』という剣術を身に付けたという努力家でもある。 ●ステラ=ストール 第2王女派でグスタフに重用されている3幹部の内1人。 見た目こそ魅惑的な体つきをした美しい女性だが、その正体は暗黒時代に魔王の腹心として暗躍していた伝説の淫魔。 魔王が滅びた後も、人間の身体を隠れ蓑にしながら、現代まで生き永らえてきた。 因縁の相手である4英雄の内、勇者リンデブルグの直系を見つけたステラは、近づくためにミュリヌス学園の生徒に扮する。 思惑通りにリアラとルームメイトになった後は、淫魔の術にて彼女を虜にするものの、欲望に塗れたグスタフの横槍により、最終的には失敗。 ステラ自身もグスタフの異能に堕ちることとなり、内乱に参加することとなる。 魔族の中でも上位の淫魔、更に伝説と言われる程の存在であった彼女は、他の魔族とも一線を画した能力を持つ。 それは単純な戦闘力ではなく、例えば勇者のリアラを篭絡した手腕など、相手を惑わしたり操ったりするような特殊な術に長けている。 第2王女派内では、その特性を活かし、グスタフの異能に堕ちた女性の中から異能強化がそれ程現れなかった女性に対して、堕淫の術を施し淫魔へと生まれ変わらせて、淫魔部隊を率いる。 そうして異能強化では足らない実力を魔族化によって強化した部隊は、主人であるステラと同様に敵を惑わす術に長けた部隊で、ある意味では新白薔薇騎士団よりも驚異的な存在である。 本来はフェスティアに劣らない程の策士だったが、グスタフについては異能の存在に気づけず、存在を軽視していたために容易く裏をかかれる結果となった。 しかし淫魔であるステラが望むのは、グスタフと同様に淫欲に塗れた世界へと作り変えることで、実は利害関係は一致している。 本来のプライドの高さ故に、腹の底ではグスタフへの従属は納得出来ていない。 このように、他の女性と違いステラだけはそういった意志の強さを残している。 それは、もしかすると彼女の本質が淫術のスペシャリストのため、淫欲を利用したグスタフの異能に対しては常人よりも高い耐性があるのかもしれない。 ちなみに、淫魔としての本来の名は「リューン」。 「ステラ=ストール」というのは、あくまでも彼女が人間という仮初の姿で生きるための器、被り物に過ぎない。 そのステラ=ストールの正体、器をどのようにして手に入れたのか詳細は不明であり、その実家と思われるストール領は長年廃墟のようになっている。 また、自分と同じように現代まで生き延びている同じ淫魔の妹がどこかにいる。 ●ミリアム=ティンカーズ 元龍牙騎士団の騎士だったが、グスタフの異能に堕ちて新白薔薇騎士となり、第1王子派に牙を剥く。 龍牙騎士の中でも彼女の世代は”ミリアム世代”と呼ばれる程の天才世代であり、その名を冠したミリアムは紛れもない天才剣士であった。 その才能にほれ込んだルエールが愛弟子とし、あのディードですら会得出来なかった、神業の剣術「居合術」を唯一継承出来た剣士でもある。 ミリアム自身もルエールを心から慕っており、年齢の差はあるが仄かな恋愛感情すら寄せていたほどだった。 そのルエールに、将来は龍騎士にまでなれる素質があると言われ、その際に龍騎士の剣「龍牙真打」を模して鍛えられた「龍牙影打」をヴィジオールより賜っている。 それから、ミリアムは龍騎士を目指してルエールから賞賛されることが人生の全てとなった。 しかしミュリヌス戦において、既にグスタフの異能下にあったリアラの前に敗北。 そのまま捕縛されてグスタフの異能に堕ちると、龍の爪の将軍であるオーエンの妻とされる。 更には、その手で直接敬愛するルエールへ致命傷を負わせ、結果的に死に至らしめた張本人となってしまう。 オーエンの妻となりながらも、第2王女派内では性別不問でありとあらゆる人間と肉体関係を持っている。 グスタフの異能は、操を捧げるべき相手がいる中で、それ以外の人間と身体を重ねることで興奮するという、変態的な性癖をミリアムに植え付けたのだった。 かつて清廉潔白で忠と義を重んじていた天才剣士の見る影は無く、慕っていた師を殺したことを誇りに思い、日々性の狂楽に溺れる最悪の剣士へと成り果てた。 今の彼女は強くなることよりも、性の快楽を貪ることが人生の最優先事項となっている。 元々の天才の素養に相まって異能強化を付与されたその実力は、新白薔薇騎士の中でもリアラに次ぐ程である。 ●ゾーディアス ヘルベルト連合代表フェスティアの護衛を務める剣士。 知名度はそこまで高くないが、戦場の最前線で戦う兵士達の中では評価は高く、「ヘルベルト最強の剣士」と目される。 その実力の程は、フェスティアが自分の護衛に新白薔薇騎士ではなくわざわざゾーディアスを指名していることから、どれだけ信頼されているかが分かる。 元々は猛獣やモンスターと見世物のように戦って貴族などの富裕層を楽しませる奴隷戦士だったが、たまたまそれを見たフェスティアの目に止まり、以後は彼女の側近として戦場を駆けることとなる。 その恩と信頼に応えるているかのように、ゾーディアスからのフェスティアへの信頼も強い。 元々奴隷で学も教養も無かったゾーディアスは、剣だけではなく、勉学の面でもフェスティアの側近たるに相応しくあるため、努力を重ねて身に付けたのだった。 クラベール城塞都市戦では、プリシティアとの激闘を繰り広げた。 驚異的な運動量と圧倒的な火力を誇るプリシティア相手に、剣1本で押し切る程の活躍を見せる。 また冷静さを失ったフェスティアに代わり撤退を申し出るなど、ただの戦場の一兵士に留まらない才覚も持っている。 今回の内乱への介入について、ゾーディアスは納得していない。 彼はグスタフの異能のことも、真実を何も知らされていないため、当然である。 しかしフェスティアが考えること、やるべきことは全て正しく、それを叶えるために自分が剣を振るうことが彼女への最大の恩義だとするゾーディアスは、黙してフェスティアに従い続けるのだった。 ●オーエン=ブラッドリィ 龍の爪の将軍。 龍の爪の中では常に一番槍を担う猛将で「殲滅」の二つ名を与えられている。 頭脳労働は門外漢としながら、戦場で振るわれるその鉄球術は相対するものを圧倒する。 並みの相手では、オーエンの敵にすらならないだろう。 ミュリヌス戦においてはミリアムとの一騎打ちで惨敗を喫するが、そういう天才級には敵わないとしても、間違いなく大陸屈指の猛者である。 第1王子派でいうならば、将軍格以上、ジュリアスと互角程度の実力はある。 フェスティアからもその実力を信頼されており、重用されている。 常に最前線で敵を屠る役目を与えられることが多く、フェスティアはオーエンの士気高揚のために様々な特権を与えている。 例えば、粗暴で欲望に忠実な男で、占領地で気に入った女性がいれば自らの奴隷として好きに囲うことを許していたり、異能で堕としたミリアムをオーエンに与えるという提案をグスタフにしたのもフェスティアだった。 実力があれば何でも許される……龍の爪の中の絶対的なルールを体現しているような男である。 ●アウドレラ 龍の爪に所属している正規兵で、部隊長を務める。 クラベール城塞都市戦においては、北方ノースポール領の攻撃を担当し、ニーナ率いる魔術部隊を足止めした。 龍の爪には珍しい、理知的で冷静な思考を持つ人物。 特筆すべき点はないものの、上官からの命令を忠実にこなすタイプ。 それゆえに、配下を手足のように動かして自在に戦術を展開するフェスティアからは、アウドレラののようなタイプは非常に評価が高い。 但し、ニーナのクラベール城塞都市戦への参加を許してしまった通り、命令されたことに対する応用力には欠ける。 重要な戦いにおけるサポート的な役割をすることが多い。 ●ジャギボーン 龍の爪特務部隊の隊長。 オーエンと同じく『黒風』の2つ名を持つ猛者。 ミュリヌス戦においてはディードと対峙したものの、成す術もなく敗北する。 しかしそもそもジャギボーンは戦場で戦うよりも、暗殺等の特殊な任務において真価を発揮する暗殺者である。 また、まともに戦うとしても、ディードのような最高クラスの相手を別とするならば、そうそう簡単に勝てる相手でもない。 フェスティアの出自であるクリアストロ王国で暗躍していた暗殺者集団の首領であったが、取り締まるよりも与した方が良いと判断したフェスティアの取引に応じ、団員丸ごと龍の爪へと編入したという経緯がある。 ●シンパ=レイオール 元白薔薇騎士団団長にして、第2王女の護衛騎士。 王国三騎士の1人。 女性でありながら、非常に堅い性格の厳格な騎士である。 当主であった父の不貞により没落しかけたレイオール家だったが、自らが女性騎士の最高峰である白薔薇騎士団長になることで、その汚名を払拭した。 剣一筋に生きており、とにかくストイックに生きてきており、色恋沙汰とは無縁の人生だった。 しかし同じく王国三騎士であり、全ての騎士の憧れの対象であるルエールに、シンパもまた憧れており思慕を寄せていた。 白薔薇騎士団長という立場上、就任当初は存命だった王妃プリメータの護衛騎士であったが、彼女よりもまだ幼かったリリライトの身近の世話をすることが多かった。 ”戦士”の家系に生まれながら、争いごとを嫌い、能天気で呑気な性格のリリライトに最初は不快感を寄せていたが、武芸とは違うリリライトの強さに触れることで、シンパも変わることとなった。 プリメータの死後は、そのプリメータ自身からリリライトのことを託されて、シンパはリリライトへ生涯の忠誠を誓う。 例えリリライトに嫌われたとしても、プリメータの代わりにリリライトに様々なことを教え、どんな艱難辛苦からも身を賭して守ってみせる、と。 しかしグスタフの異能によって歪まされたリリライトにとって、そんなシンパの強すぎる忠誠は、鬱陶しいもの以外に他ならなかった。 リリライトのためを思っての忠言は、やがてリリライトからの敵意を買うこととなり、主従の仲は険悪なものへと変わっていく。 そんな歪んだリリライトに不信感を覚えるシンパだったが、コウメイがやってきてグスタフの陰謀を暴くことで、合点を得ることとなる。 グスタフの手のうちにいるのは危険と、コウメイに王都への脱出を打診されたが、リリライトを置いていくことは出来ず、そのままミュリヌスへ残ることを決意する。 その後起こったミュリヌス戦においては、先行して訪れたミリアムをサポートするものの、最終的にはグスタフに拘束される。 シンパはグスタフの嗜好に合わなかったせいか、異能の毒牙に掛かることは無かった。 しかし目の前でリリライトの狂った姿を散々見せつけられ続け、聖アルマイトを滅亡させんとするグスタフの悪意に触れることで、シンパは気が触れてしまい発狂。 もう人の言葉すら喋られなくなった程に心が壊れてしまった彼女は、リリライトと共に龍の爪の奴隷兵士達の性処理道具として利用されることとなる。 家名、実力、忠誠心、どれをとっても王国三騎士足るに相応しい優秀な騎士であったことは間違いない。 しかし、それはグスタフの悪意には遠く及ばす、シンパはリリライトの最も近くにいたにも関わらず守ることが出来なかった。 無能な主人と共に最下層の家畜のような扱いを受けるにまでなった。 自分にも他人にも厳しかったが、同じ血を半分分けた異母妹クリスティアのことは大切に思っており、仲良くしたいと思っていた。 しかし厳しく人に接することしか知らなかったシンパは、妹に対しての接し方が分からず、結果的に妹の不幸も防ぐことが出来なかった。 優秀だったにも関わらず、大切な主人も妹も守れなかった不幸の騎士である。 ●アストリア=レオノーラ ヘルベルト連合国の加盟国ガルガンド国大臣の令嬢。 フェスティアの側近を務め、ミュリヌス戦の際もフェスティアに付き従っていた。 政治的にそれなりの地位にいるが、それは大臣の娘という理由だけであった。 アストリア自身は決して優秀というわけではなく、むしろ虚弱なところもあり、平凡以下と言ってもいい。 基本的に才能でしか人を評価しないフェスティアが、アストリアのような人物を側に置いていたのは、周りの人間からすれば違和感しかなかった。 それは、おそらく冷酷で機械的なフェスティアが僅かに見せた、人間らしさの一部分だったのかもしれない。 アストリア本人も、フェスティアからの寵愛を受けていると信じ込んでいた。 2人はいわゆる幼馴染の関係のようだが、商家の生まれて奴隷の身にまで堕ちたことがあるフェスティアと、一国の大臣の娘たるアストリアがどのように知り合ったのかを知る者は少ない。 しかしグスタフの異能によって歪まされたフェスティアに、アストリアは裏切られることとなる。 フェスティアに騙されたアストリアもまた、グスタフの異能にかかることとなる。 ところが、アストリアは他の犠牲者とは違った。 グスタフの異能にかかってから、第2王女派の尖兵となることは無かった。 その後の消息は不明で、生きているのかどうかすら分からない状態になっている。 フェスティアも、大して気にかけていない様子がうかがえる。 グスタフに犯される中、「タマ」と蔑まれながら生物としての変貌の片鱗を見せていたアストリアは、実はグスタフの異能の凶悪性、その極致を体現する存在となりつつあった。 ●淫魔3姉妹 ステラの手によって生まれた淫魔部隊の中でも、特に高い能力を有した3人の淫魔達。 多分に漏れず、彼女らも元白薔薇騎士や元ミュリヌス学園の生徒で、異能にかかった者の中からステラが淫魔として生まれ変わらせた者達である。 淫魔部隊は人間の部隊とは違い、秩序や指揮系統などはほとんどもたない。 唯一彼女らに命令が出来る存在は、その母たる存在であるステラのみであり、基本的には個々が欲望のままに自由奔放に振舞う。 そんな中でも、この3人の淫魔は、他の淫魔とは一線を画する力を発現した。 ちなみに「姉妹」とはいっても、実際の血の繋がりがあるわけではない。 淫魔達は、淫欲や情動的に繋がった相手を、血縁関係のように扱う傾向があり、この3人が特に仲が深いため「3姉妹」と呼ばれているだけである。 淫魔は男女問わず、人間の精気を吸って力を得る。 更には才能や資質に優れた人間の精気を吸う程に、強化されて淫魔としての位が上がっていくという、魔族の中でも凶悪且つ厄介な種族である。 特にステラに生み出された淫魔達は、そのステラの特性を色濃く受け継ぎ、特に女性に対して強い執着を見せる。 この3姉妹は、失態を犯した懲罰という名目で、狂わない程度にフェスティアの精気を貪ることを許可された。 しかもそれは1度きりではなく、いつでも好きな時に、その精気を搾り取ることが出来るようになった。 『女傑』と評される程の優秀な人間の精気を存分に吸えるようになったことで、3姉妹は伝説の淫魔であるステラに次ぐ程の強大な力を得ることとなる。 尚、この3姉妹の内1人は、かつてリアラの同級生であり、ステラの淫術にかかったリアラによって女性同士の快楽に染まったレティスである。 今は淫魔としてのレディという名をステラから与えられて、淫魔部隊の中核となっている。 ●リスタリア=バーグランド、シエスタ ⇒第1王子派の紹介欄を参照のこと。 =========================================