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69 愛する■■の声に操られ、オヤジは口で筋肉で奉仕する



「航大、また先輩のところに行っていたのか?」


夜遅く、帰宅した息子を迎えるのは正直気まずいものがあった。

子供といえど相手はもういい歳であり、喉仏も体格も立派に発達した大人の男だ。しかし…………。


「話があるんだ、そこに座りなさい」

大悟は座布団を指差すと、自分はその正面で胡座をかいた。

腹を立てているわけではないのだが、然るべき威厳をもって語るべき話だった。息子も大きくなったとはいえ、まだ大悟の方が体重も筋肉量も上である。骨太でがっしりとした体躯が巨岩のように立ち塞がる。


「お前の……息子の交友関係にとやかく口出しするような、厄介な親父ではいたくないんだがな」


改めて父親という立場を強調するのは、威圧半分、後ろめたさ半分といった理由だった。


「大丈夫だって父さん。また前みたいに高崎さんに父さんの変な昔話を聞いたりはしてないから」

「そういうことじゃ、まあそれも……ううむ……」


高崎とは、大悟の学生時代から付き合いのある先輩だ。

同じラグビー部で汗を流し、青春を共にし、泥にまみれて勝利を掴み取ってきた盟友であり、まだ若く愚かだった大悟の過去を多数知る厄介な先輩でもある。体育会系の縦社会においては色々と遠慮なく可愛がられもした。

そんな相手と息子が週一以上のペースで会っている。それも二人きりで。大悟は口ごもり、どうしたものかと思案している様子だった。



「えっと、高崎さんが……どうしたのかな?」

息子は本当にわからないといった声を上げた。

我が息子ながら、今日も聞き惚れてしまういい声をしている。つい牙を抜かれ、何でも許してしまいそうになるのは親バカだろうか。

だが大悟はそんな自分を律し、息子をまっすぐ見つめた。


「航大、俺はな…………」

大悟は太ももの上で握りこぶしを作ると意を決した表情で言った。

「見てしまったんだ、……その……お前たちの…………関係を」


大悟はまっすぐに航大の目を見て、そしてまた目を畳に向けた。

覗くつもりはなかった。だが見てしまったのだ。二人の情事を。


高崎は大悟の先代の主将だった。ラグビー部を率いた経験が就活でも好評で、新卒で就職した会社で現在は要職についている。部下から信頼も厚く、縁談も複数受けているがいまだに未婚。


そんな己の先輩が、息子の航大を相手に無様に素っ裸で腰を振っていたのだ。

いや、裸のほうがマシだった。

彼は靴下と社員証だけをぶらさげ、誰が通りかかるかもわからない場所で全裸になり息子のいいなりになっていたのだ。

『勘弁してくれえ、見られちまう、航大、航大ぃぃ』

そんなふうに言いながらもニヤニヤと笑い、ヘラヘラと勃起していた。


信じがたい光景だった。そんなことを言いながらも男臭い下半身は、息子相手に甘えるように前後に揺れていた。繋がりそうな眉の下の細い目をデレデレとだらしなく歪めていた。



「……航大。変なシュミに付き合わされているのかもしれんが、ああいう行為はあまり褒められたものではない、というのはわかるな。……誰に見られるかもわかったものではないしな」

「…………」

「先輩がお前になんて言っているかは知らないが、……その、お前より随分と歳上……当然だが俺よりも上なんだぞ。だからといって駄目だと言いたいわけではないが、しかしお前はいま大事な時期なわけだし、勿論お前が本当に真剣に、誠実に……先輩を想っているのならば、父さんも応援したいところなんだが……」


航大を待つ間に用意しておいたのだろう。不器用な口ぶりながらも、大悟からは父として伝えなければならないものの熱意のようなものに溢れていた。

できるだけ傷つけぬように、それでいて正しさは伝わるように、だ。


「うん、ごめんごめん父さん」


そんな父に対して航大の返答は軽いと言わざるを得ないものだった。

弾むような明るい声。男らしさと子供っぽさが混じり合った脳に響くような音だ。


「高崎さんが最近色々心労も溜まってたみたいでさ、ちょっとしたマッサージっていうか、その延長みたいな、練習、かな? 一番近い言葉で言えば。それが白熱しちゃったんだ」

「ま、マッサージ、練習? ……あれがか」

「まあ例えるならって感じだけど」


あっけらかんと言い放つ息子の姿は、どこか開き直ったような爽やかさすらあった。

「変に誤解されたり心配かけちゃうかなって……黙ってたんだけど、それで余計に色々こじれちゃったのかな、ごめんね父さん」

「う、うむ……」


考えていた深刻度よりはるかに浅く軽い息子の返答に大悟は正直拍子抜けした。

正直あまり褒められた態度ではない。

相手が自分の先輩だからではない。恋愛であれ、友情であれ、そこに誠実さがない関係は認められない。


「ほら、高崎さんのあの体つきとか、あの日焼け具合とかが良くって、ついさ」

「ついって、お前な……。まあ先輩は確かに……歳とはいえ……まだまだ現役の肉体をしているが……、いや、俺が現役ではないという意味ではないが……いや、いやいや、そんな話ではないぞ……!」


すっかり崩されていたペースを立て直し、大悟は改めて顔を厳しくした。威厳ある父の説教を始めなければならない。


「航大」

「ねえ、倉越大悟さん」


なんだ。

改まってなんだ、そんな他人行儀な。


そんな違和感はすぐにそれ以上の圧倒的な『なにか』に覆い尽くされた。

気がつけば口がすぐ目の前にある。

喉仏が上下し、赤い舌が薄い唇の中で動いているのがわかった。

改めて低い声で名を呼ばれると、気恥ずかしさと同時になんともいえない浮遊感のようなものが大悟を包んだ。


「こう…………」

「高崎さんは、俺にとってすごくエロくて魅力的な……おかずなんだ」

「おか……ず、あの先輩……が、か……」

「うん、そう」

すぐにでも咎める必要がある言葉に対しても、文句がどうしても出てこない。


「……俺達でいうところの、その……なんだ、グラマラスな女性のように見えるということか、あの先輩の体が……?」

「うん……まあ、そんなところ、かな?」

「う、はぁ……はぁ……」

なぜだ、なぜ体が熱いんだ。

息子の言葉になにか、喜びのようなものが湧き上がってくる。

俺はなにに喜んでいる?

俺はなにを期待している?

頭の中に存在しないはずの回路が独りでに組み上がって、大悟を勝手に動かしているような……そんな奇妙な不快感。そしてそれ以上の圧倒的な快感があった。


「わからんな、あの先輩が、か。いや、男の俺から見ても見事な肉体を維持しているとは思うが……しかし……」

「うん、ホント立派だよね。仕事だけでも忙しそうなのに、新人の指導や剣道の鍛錬とかで、とにかく鈍らないようにしているんだって」

「…………」

「でもあそこまでなっちゃうと、皆畏れ多いとか萎縮しちゃうとかで、逆になかなか褒めてもらうみたいなことって少ないんだってね、だからすごく喜んでくれて」

「…………俺も」


大悟は口をついて出かけた言葉を慌てて飲み込んだ。

眉間に当てていた手を口元にもっていって、顎を掻く仕草で誤魔化す。

今俺はなにを口走ろうとしていた。とんでもなく馬鹿なことを。


「なに、父さん?」

「………………。いや、なんでもない。夜も遅くに引き止めて、うむ、すまなかったな。ああ、お前ももう大人なんだ、自分で責任や理性ある正しい判断ができると信じて――」

大悟は疑問も説教も切り上げてとにかくここを離れようとした。

息子がおかしい。

なにか奇妙だ。

ここから逃げなければ、俺もおかしくなってしまう。

そんなありえない妄想が頭を支配していた。

だが、全ては遅かった。

「父さんも、高崎さんに負けないくらい格好いいよ」


息子の一言に心臓が跳ねた。

言葉が染み込むなどという表現があるが、まさにその通りだ。


ああ、これだ。

あの男臭い、親父臭い高崎先輩に興奮するということは、つまりこの俺も……お前にとっては魅力的な男だということじゃないのか?

そんな答えが欲しかったのだ。俺は。

そしてそれを、口に出してほしかったのだ。声で脳を揺さぶってほしかったのだ。

なぜだかわからない。だが、俺はいつの間にかもう『そうなって』いた。


「あ……あぁ、そう…………かっ……」

それにしてもなぜだ、ただ一言だぞ。ただ少し褒められただけなのに脳が甘い汁をすすったように蕩けそうだ。

「う、むぅ……航大っ……!」

立ち上がりかけていた大悟は膝から崩れ、再び息子の前で座っていた。そんな父の顔を、航大は両手で掴んだ。声を間近で浴びせるように。


「父さん、こんな遅くまで俺を心配して、明日も朝早いのに待っててくれるなんて、そんな父親なかなかいないよ……」

「うっ……、はぁぁ…………! あぁぁ……っ、……お前は本当に大げさだな……!」

「それに体つきだって、こんなに立派でがっしりしているし」

そういって航大は大悟の腕、三頭筋のあたりを優しくさすった。そこは薄い布一枚では隠しきれないほどの太さと力強さを確かな力強さをもって太く発達している。引き締まってこそいないが、大悟の自慢の二の腕だ。

「……ンッ、腕は、そうかもしれんがな。しかし……ハハ、嬉しいけどな、それは言いすぎだろう。父さんは今こんな感じだぞ」

大悟はそういって、大げさに腹を突き出してみせた。それに飽き足らず、ボタンを外して服を開き直に腹を見せつけた。一日働いた男の力強い胸板があらわになる。


「ほ、ほら見てみなさい。ちゃんと」

「うーん」

航大は大げさに悩む素振りをして、そのまま大悟の胸や腹に手を伸ばした。

風呂に入った後だというのにどういうわけだか少しだけ汗ばんだ肌。大悟自身が言う通り腹は少し出てこそいるが、発達した大胸筋に負けないほどの肉厚な硬さは怠惰や暴食の結果とは到底思えない力強さだ。


「父さん最近またラグビー始めただろ? それでなんていうか、脂が乗っているっていうか。ラガーマンの強さみたいなのがあるよね」

「は…………はは、そうか、それはそう、かもしれんなぁ……っ」

久しく忘れていた喜びが体を駆け巡る。

肉体の成長という達成感と、とはいえなかなか実感が難しいそれを認められる充足感。それも愛する息子から向けられる尊敬と称賛は、大悟のような古臭い父親にとっては特別甘美なものだ。


「ほらこことか、太ももなんかも……うーん」

航大の手は腹から離れ、下半身へと伸びようとしていた。だが帯でしっかりと結ばれたそこで足止め……ならぬ手止め状態だ。


息子は何も要求していない。しかし、求めている。

それが伝わってくる。下半身に纏っていたこの邪魔くさいズボンを取り払ってしまいたくなる。


駄目だ。

駄目だ。



息子の望みを叶えないなんて、そんなことは駄目だ。

大悟の答えは一つだった。


「まあ、下半身が大事だからなあ! 相手をガッチリと受け止めるにはな、こうやって大地を踏み抜くような――」


気がつけば大悟は自ら見せつけるように浴衣の帯を解き、ブリーフ一丁の姿で中腰になっていた。


航大はとりたてて声を上げて喜ぶほどではない。ただ当然といったような表情で微笑んでいる。それでもよかった。それがむしろ気持ちよかった。息子の望み通りにことが動いているならば、こんなに気持ちいいことはない。

さらけ出したブリーフの前が、どんどん大きく膨らんでいくのが自分でもわかった。


…………俺はなにを言っているんだ。こんな格好で。


おかしい。

息子が俺を見つめて。

喋って。

なにかをした…………のか。

わからない。

あの口。あの舌。あの吐息。

その一つ一つがまるでなにか力を持っているように大悟に絡みついてくる。


練習。

確か航大は……先輩との行為をそんなふうに称してもいた。

なにか……なんの、練習を。



「すごいな、ここの太さなんかは高崎さんより立派だよ父さん」

「そうか! 先輩より立派か、ハハハッ、ポジションも違うから、体作りの目標が違っているから、かなあ」


まとまりかけていた思考が弾け飛んだ。

他の男より優れているなどと言われると、それだけで心が喜びで満ちて笑ってしまう。

口角は上がり、太い眉がヒクヒクとしている。口から漏れる声が上ずり、興奮が隠しきれない。


大悟は照れくさそうに笑いながらも、隠すどころかもっと大胆に脚を航大に突き出した。

目の前の息子がそんな自分を嬉しそうに見つめている。次の言葉はどんなものかを期待してしまう。止まらない。息子の前で体をさらすのがやめられない。


「俺、もっと見たいな、父さんの格好いいとこ」


もっとと言われても、脱げるものは全部脱いでいる。


大悟の常識が頭の中でそう告げる。

だが本能が、そして欲望が止められない。

大悟はブリーフに両手をかけた。しかしここまで脱いだらば本当に……本当に……どうなるのだ…………?


「あ……くッ」

俺はなにをしている。

急に寒気のような正気が戻ってきて、大悟はつばを飲んだ。俺は息子の間でなにをしようとしている。知性が急ブレーキをかけ震える手を止める。それも、息子は男が好きなのだ。この行為はつまり、そういうものじゃないのか。

あの先輩相手にしていたような……いや……親子なのだからあれ以上に卑猥でインモラルなのではないか。

「…………。高崎さんは見せてくれるんだけどな」


その言葉が言い終わらないうちに、大悟は邪魔なブリーフを脱ぎ捨てていた。


そんなことを言われて止められるわけがなかった。


「ど、どうだ、航大!!」

大悟は着古したオヤジ臭いブリーフを部屋の隅まで投げ捨て、ついでに脱いでいた服の残骸も足蹴にした。

もう簡単には着直すことはできない。そんな男らしい覚悟を息子に見せつける。

小さな目を精一杯見開いて、大悟は息子の言葉を求めた。

航大はかがみ込むと股間のあたりから大悟を見上げた。


「すっげえよ父さん! 息子に言われたからってすぐ脱ぐなんて、そんな男らしさやきっぷの良さって日本一じゃないかな!」

「ああ、そうだろう……そうだろう……!」

息子の歓迎したような声は、どんなトロフィーよりも輝いている。言葉が力を持っているかのように、大悟は押されて仰け反った。


頭がぼんやり熱っぽくなって、どんどん顔も思考もとろけていく。


学生時代、先輩方の前で裸になったのとは比べ物にならない。

あれは囃し立てるばかりだった。ところが今はどうだ。俺の息子はこんなにも俺を認め、愛し、尊敬し、そしてまっすぐ見つめてくれる。


「すごいな、風呂に入ったんだよね、太いし臭いし、毛もこんなにもじゃもじゃで……」

「ああ、こ、こんなもんじゃないぞ。こんなもんじゃないぞ……! も、もっと大きくなるぞ……!」


筋肉を触られたらつい力を込めたくなる。

それと同じように褒められた場所……チンポをつい……大きくしたくなったのだ。


大悟は腰に手を当て、息子の前で堂々と仁王立ちをしてみせた。

腰をちょっと前後に振るだけで、みるみるうちに大きくなった。


…………。確か高崎先輩もこんなようなポーズをとっていたきがする。そして勃起していた気がする。

息子になにかを言われて、それで……俺はそれを見てなんて「ヘンタイ」なことを息子にしているんだと憤って――


「うわどんどんデカくなる、こんなトコ目の前で見せてくれるなんて、父さんありがとう、俺嬉しいよ」

「ああ……! どうだ、先輩とどっちが大きいッ? いや、ハハハッ妻帯者がこんなことをいうのは、ちょっとフェアじゃないかもしれんなあ!」

高崎先輩の国に人生を捧げた肉体とチンポは見事なものだ。だが、家族を愛する子持ちチンポには敵わない。

今までそんなことを思ったこともなかったのに、勝ちたいがあまりに口からどんどん言葉があふれる。


「どうだ、竿だけじゃないぞ、コッチの部分が肝心なんだ、なにせ一発で孕ませてしまった最強の子種がたっぷりつまっているからな……! それに比べてしまうと、もうしわけないが先輩は童貞のようなものだなあ!」

先輩の評価を足蹴にしてでも、息子の称賛を独り占めしたくなる。


「うん、父さんのなんていうか孕ませようとしている感じが、いかにも雄ってかんじでエロいよ、すっげえー…………すけべ」

「う――ぬふぅ…………♥」

最後の一言だけを耳元で囁かれ、大悟は絶頂しそうなほどに震え上がった。

再び膝が折れて、今にも崩れ落ちそうだ。息子の言葉一つでノックアウトされてしまいそうになる。俺がラガーマンとして鍛えてなければきっとそうなっていただろう。



「普通は息子の前で勃起なんて、恥ずかしがって縮こまってなかなかできないよ、父さんみたいな度胸のある男じゃないと無理だよね」

「ああ、そうだ、俺はそんな臆病男なんかじゃないぞ……!」

言葉の端々に引っかかりを感じながらも、息子の称賛に抗えない。否定できない。むしろもっと浴びたくなってしまう。

これは言いなりになっているのではない。高崎先輩のような情けない姿ではない、俺は自分の意志で……俺から息子に見せつけてやっているのだ。


「どうだ、この筋肉、この男らしさ……!」

大悟は両腕を掲げ、神話の英雄のように大げさに筋肉を誇示してみせた。脚が気持ちよさでガクガク震え、立っているのがやっとだということなどまるでおくびにも出さない姿だ。

そんな自分の雄々しさにまたチンポが反応してしまう。


「ビクビクしてるよ……筋肉もチンポも、すっげえよ父さん、俺……こんなエロくて格好いい父親を持って幸せだよ」

「ああ……! お、俺も……お前のような息子で幸せ……だぞ♥」


気持ち良すぎる。おかしくなりそうだ。いや、おかしくなどない。息子が喜んでいるのだ、そんな行為をおかしいなどと思うなんて、父親としてあってはならない。


「父さんもっとチンポビクビクってできる?」

「ああ、当たり前だろお♥」

造作もないことだった。

息子が求めている。ほらチンポびくびくさせろ。

頭の中で自分に命令すると、簡単に肉棒が限界まで勃起する。

そのまま物欲しそうにビクン、ビクンだ。


「あ……ああ気持ちいぃぞぉお♥」

「うっわーー……」

航大が目の前でそんな自分を見つめている。上から下まで、余す所なく見つめている。


「ほ、他にして欲しいことはあるか、高崎先輩じゃ出来ないことだって、俺なら……父さんならやってやるぞ……ッ♥」

こんな気持ちよさを少しでも他の男が味わっていたなんて、奪っていたなんて。恩義ある先輩であろうと許せなかった。

俺だ。

これは俺のものだ。

息子は俺のものだ。

俺は息子のものだ。



「うーんだいたいなんでもやってくれたから難しいなあ」

「そ、そんなことないだろう、ほら、どうだ、しっかり考えなさい♥」

大悟は航大の両肩を抱くと、かぶりつくように自分への要求を求めた。


「高崎さんは……高崎さんにはなかなか言えないことなんだけど」


なかなか次がこない。その煮えきれなさに大悟の体は焦らされて辛抱たまらない様子だ。どくん、どくんと血流が股間に流れて己の望みを叫んでいる。


「でも父さんには難しいかも」

「なにを言うんだ、父親を舐めるんじゃあないぞ航大、俺はお前たちのためなら、たとえ火の中水の中だ」


逸る気持ちを抑えるのに精一杯だ。

父親として息子から褒められたい気持ち。

父親として息子を愛し尽くしたい気持ち。

それらがネトネトとした先走り汁になって大悟の子持ちチンポからとめどなく溢れ続ける。


「でも、ほらなんか悪いし、それに恥ずかしいからなあ」

「は、恥ずかしがることなんてない、ほら見てみなさい、父さんなんて、お前の前で素っ裸になってしまっているんだぞ、そのうえ見ろこの立派でスケベな勃起を」

息子の言葉を引き出すために、大悟は自分の痴態をことさらに強調してみせた。

腰の後ろに手を伸ばし、弓なりに反って変質者のような格好になる。


息子の愛を独り占めしたい。


高崎先輩にはないものをすべて与えたい。


俺に夢中になって欲しい。


欲望が抑えられない。

そのためならなにを捨ててもイイとさえ思えてしまう。

それがたとえ父親の尊厳のようなものだとしても、だ。


「俺の……これ」


航大はそういって、自分の股間を見せつけた。

全裸の大悟とは違って上下がっちりと着込んでいるこそいるが、その股間の膨らみが語っているのは明らかな興奮と期待。大悟と同じものだった。


「なんだ、そこが苦しくって切ないのか、父さんはそんなもんに怖気づいたりしないぞお♥」


男として、ここが欲しいのは仕方がないことだ。

待っていなさい、すぐになんとかしてやるからな。


もはや大悟の中に、親子のまぐわいに対する忌避感も、男同士である抵抗感もなかった。

あるのは息子の尊敬と愛への渇望だけだ。


大悟は全裸のまま航大の股間に引っ張り出し、口づけし、臭気や熱を帯びたそれをためらいなく咥えこんだ。


「ム……ムォ…………♥」


男のナニを口にするのは初めてのことだったが、大悟の頭の中にある知識……エロ本で男がされて喜んでいたように口を窄め、頭を動かし、ベロで必死に愛撫する。


ああ、俺がエロ本でシコシコしていたのはこのためだったんだな……♥


舌を動かすたびに、あれほどお気に入りだったAV女優の顔が消えていく。エロ本の中にあるのは男がどう喜んでいたか、どんなシチュエーションが興奮するか、それだけだ。

息子を喜ばせる知識以外はすべて、唾液と一緒に大悟の口からダラダラ溢れて消えていった。


「ど、どうだあ、航大……気持ちいいかぁ♥ 父さんの口は気持ちいいかあ」


大悟はガニ股でしゃがんだまま上を見上げて、息子の機嫌を伺った。

「うん」

返答はただの一言だけだったが、それは今まで読んできたどんなエロ本の煽り言葉より大悟を興奮させた。


「ハァッはぁッ、ああ、そ、それはよかった、父さんのチンポも喜んでいるぞ……♥ ああ…………ああっ」


そうして必死に腰を振る。それだけでは収まらず、なにかに気がついたようにその動きが盛んになった。


「もっと、もっとしてやるからな、さあ寝転がりなさい……さあ……!」


そう言いながら、大悟は息子の返事も待たずに航大を押し倒した。

ケダモノのような俊敏な動き、ラガーマンの逃れがたいタックル、そうして押し倒した息子を仰向けにして大悟はべろべろと股間を舐め回した。


「く、口っていうのもいいもんなんだなあ……ああ、なんだか、父さんも……いや…………ハハ、でも、お前が……良ければ、なんだが…………♥」


動きの真意はすぐにわかった。

大悟は押し倒した息子の体の上で180度旋回し、ちょうど自分の股間が航大の顔面に来るように動いていた。


「ああ、口は気持ちいいなぁ……♥ お、お前の男らしい場所をたっぷり味わえて、父さん幸せだぞ……こ、これは味わってみないとわからんかもしれんな♥ ああ美味い、たまらんな……♥」


わざとらしく声を大きくしながら、大悟は卑猥に腰を振った。

息子の目を覆い尽くし、それ以外何も見えなくなるくらいに太くガチガチの雄竿が揺らしてみせる。普段の静かで堅物な雰囲気など欠片も残っていない。


「ねえ父さん」

「な! なんだ! なにかしたいことがあるのか! なんでもいいぞ!」

「ちょっと止まってくれないと、口にいれられないよ」


ああ……。

大悟は涙さえ浮かべながら喜び、腰を止めた。


まだ刺激ひとつ味わっていないのに、竿の先端からはダラダラと欲情汁が垂れている。


「あーあーこんなに出ちゃって……父さんそんなに欲しいんだ」

「ああ……す、スマン、だが……欲しくなってしまったんだ、どうしちまったんだろうな俺は……あぁ……はぁぁあ!? ぬはぁぁあ♥♥」


再び心に溢れた言葉が、またしても航大の口で止められる。

今度は今まで以上に強力だった。


「ああぁ……はぁぁ……息子の口……息子の……おほぉぉ……♥ お゛おぉぉおン♥ すご、たまらン♥ ベロベロたまらんッ♥ グチュグチュたまらん♥ あぁああ~~父さん幸せになってしまうぅぅうあああ航大ぃぃい愛しているぞぉぉおおおお♥♥」



大悟はひとしきり大騒ぎすると、再び愛する息子のムスコにしゃぶりついた。

ああなんて美味いんだ。

この塩っけも、臭みも、苦みも、なにもかもが愛おしくなってしまう。

気持ち良すぎて涙が溢れて、腰が間抜けに動いてしまう。


「んはぁ♥ こ、航大、俺が全部受け止めてやるからな、父さんの口に好きなだけ出しなさい、外で遊ぶ必要なんてないくらい、父さんこれ練習するからなッ、いつでも俺に言うんだ、いいなぁ♥ 愛しているからこんなことできるんだぞお♥♥」


まくしたてるように言うと、再びチンポしゃぶりにもどる。


そうだ、渡してたまるものか。

ムスコは俺のものだ。

俺は息子のものだ。

この逞しくてチンポも体も愛も全部ぜんぶ俺が受け止めてやる。どこの馬の骨ともわからん男は勿論、先輩であろうと恩師であろうと譲れるものか。


「さ、さあ……ふひ♥ 父さんの口に、その……立派な種汁を、だしなさい♥ いっぱいだしたら、もう外に行く必要も、はひ、は……んほほほぉ♥」


偉そうな宣言を続ける大悟だったが、その口調は乱れ、腰はガクガクと痙攣していた。全身汗だくでもう収まりそうにない。筋肉がガチガチに膨れ上がり、口からは獣のような唸り声が上がっている。限界が近いのはあきらかだ。


「あれ、もしかして父さんもうイッちゃいそうなの? 俺まだまだなんだけど。一緒にイキたいんだけどな、俺」

「そ……んなことは……お、俺は……息子をおいておいて勝手にイク……ような、情けない……父親じゃ……な、ひ…………ぞ…………♥♥」


航大が喋っているからなんとか耐えることが出来ているが、もう父の愛されチンポは射精寸前だ。

後もう少し刺激されたらイッてしまう。種がたっぷり詰まった睾丸から、息子の口内に我先にと飛び出してしまう。


「よかった、それじゃあたっぷり……愛し合おうね父さん」

「は…………ぬふぅうぅ…………♥♥」


愛し合う、その一言とともに与えられた刺激は、容易に大悟のトドメとなった。


「ああぁ……航大ぃぃい♥ 父さんもお前が……す、すき、愛してい――ああ、愛、あいしてい、るぞぉおおああぁぁ父さんお前にぞっこんだぁぁああ♥♥」


情けない父親ではない。

そうまで宣言していた数秒後に、大悟は豪快に射精した。


我慢しよう、などという姿勢すらない。航大を気持ちよくしてやろうとフェラする様子すらない。

もっと気持ちよくイくために、そのためだけに大悟は口を動かし、息子への愛を宣誓した、し続けた。そうすることが最も気持ちいい射精なのだとわかっていたからだ。


「あぁぁ~~♥ 父さんの愛がお前に吸い取られていイグゥウウ♥ 俺の愛全部お前に、お前に……あぁぁあ♥ ぬはぁぁチンポから愛の証しがでてしまっているぞおぉおお♥♥ と、父さんはお前の愛のシモベだぁああンン♥♥」


大悟は気持ちよさに腰をガクガクさせながら、何度も何度も叫び続けた。

いかにもそういった経験が薄いような、古臭い愛のプロポーズを何度も何度もだ。

自分自身の頭にこの事実と結果を刷り込むように、大悟は声の限りに叫んだ。


「あぁ…………はぁぁ♥」


大悟は緩みきってもどらなくなった顔をさらににやけさせると、改めて直ぐ目の前にキスをした。

あるのは勿論息子の勃起したチンポだ。

「すまなかったな……父さん、おまえの愛に完敗してしまったあ♥ だ、だがな、このあとでたっぷりお返しするからな……♥♥」


大悟は敗者が勝者にかしずくように、音を立ててキスをするとペロペロと丁寧にフェラチオを再開した。

その様子にノンケの堅物親父の姿はなければ、不器用なラガーマンらしさもない。彼の宣言通り、そこにいたのは愛のシモベとなった哀れな雄が一匹だ。


「航大ぃい……ま、毎日愛し合おうな……父さん、いっぱいれんしゅうするからな……はふぅ♥」

「うん、頑張ってね、いっぱい覚えることありそうだから」

「ああぁ…………勿論だあ…………」


そうだ、覚える必要がある。


「テクニックもあれば、父さんが俺の1番のお気に入りになるかもだよ」


一番になれるかもしれない。

なんて嬉しいことだろうか。


「俺の言う事、これからもたくさん聞いてね」

「ああ勿論だ♥」

父の尻をペチペチと叩きながらいう息子の言葉に大悟は一切の躊躇なく返事をした。


全て息子の言葉通りだ。


大悟の頭には、なんの疑問も不満もなかった。

そうして彼は今はまだ拙い口淫で、必死に息子に奉仕した。


「ああ……」

小さく唸る声が聞こえると同時に、大悟の口内に苦みの強い体液が――初めて味わう男の子種が溢れた。





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