お世話になっております。若林です。
漫画家志望者の方から「描きたいものが無いし、描いても面白くならないし、もう何が面白いのかもわからない」という相談をよくされます。
一般的に、漫画家を目指す人というのは、何かしら描きたいものがあるのだと思われてるかもしれません。
でも実際は、描きたいものがある人なんてほとんどいなくて、ただただ「何か描きたい」くらいの気持ちで漫画を描こうとしてる人が多い印象です。
また、描きたいものがあるという人でも、いざ描いて人に見せたら「何が描きたいの?」と言われ、自分の描きたいものがわからなくなるということもあります。
僕もそうでした。描きたいものなんて無く、ただ何か描きたいだけで、他人の漫画のうわべだけを真似て漫画を描いていた時期があります。
でも今では描きたいことが渋滞していて、ほっとくと新しいことを思いついてしまうので、死ぬまでに描き切れないかもしれない状態です。
もしかしたらただの才能かもしれませんが、僕なりにちゃんと方法があります。
そこで今回は、自分の中の整理も兼ねて、描きたいものを見つける方法を言語化していきたいと思います。
①メタ認知という考え方を知る
「メタ認知」とは、自分のことを一歩引いて見る、俯瞰して見る、客観視する、といった見方のことです。(詳しくは調べて下さい。)
描きたいものを見つけるにあたって、「自分を知ることが大事」という話をよくするのですが、「自分を知る」「自己分析する」って、実は難しいことなんです。
「いろんなものに触れよう」という話もよく聞きますね。確かにそれで、何かしら感化されて、運良く自分の新たな一面を発見できるかもしれませんが、それは運です。
また、「自分を知る」という話をすると、「自分の新たな一面を知る」とか「隠れた才能を知る」みたいに考える人がいるかもしれませんが、そんな都合のいい自分はいません。
「自分を知る」とは、言葉の通り、ありのままの自分を知るだけでいいんです。
すごく単純なことですが、意識しないとできないことでもあります。
人にはそれぞれいろんな一面がありますが、自分を知る第一歩として、まず「自分は何を見てどう思う人間なのか」に注目して下さい。
ご飯を食べておいしいと思う
晴れた空を見ていい気分になる
人と話すとき緊張する
普段の何気ない感情の変化は、意識しないと自覚することができません。自分の無意識な感情の変化を自覚することで、自分という人間がわかってきます。
②自分の感想に感想を持つ
自分を客観視する上で、さらにもう一歩踏み込んで「そういう自分を自分ではどう思うか」まで考えることが、僕なりのコツです。
ご飯を食べておいしいと思ってる自分←何でもおいしく食べられてかわいい奴だな
晴れた空を見ていい気分になってる自分←こんなに安く気分良くなれて幸せな奴だな
人と話すとき緊張してる自分←不器用で憎めない奴だな
上の三つは僕自身の感想ですが、明らかに自己愛が滲み出てると思います。もっと言うと、「〇〇な奴だな」には「やれやれ」みたいなニュアンスが含まれていて、自分で自分をかわいがってる自分がいます。
こうして自分の感想に感想を持つようにすると、自分で自分に驚いたり、自分で自分に共感したりして、自分の価値観に気付くことができるんです。
さらに「普通はこう思うだろう」「あの人はこう考えるだろう」まで考えて、そことの違いに気付けると、自分の個性を見出すことができます。
そして価値観や個性に気付けると、自分自身の価値観に「面白い」と感じる瞬間があると思います。自分の中から見つけた面白さは、他の人にも驚きや共感を与えられるものだったりします。
それを漫画にすれば、自分の中で納得できる面白いものが描けるはずです。
これが「自分を知る」ということです。「新たな一面を知る」とか「隠れた才能を発見する」とかではなく、「自分は何を見てどう思う人間か」を自覚するだけでいいんです。
この視点を持っていると、日常の中で何か心が動いた時に、それを自覚し、感想を持つことで、「この感動を誰かに伝えたい」という「描きたいもの」が生まれます。
こうして僕は描きたいものが渋滞するようになりました。
……いかがでしたでしょうか。もっと細かい話もあるのですが、長くなるので今回はここまでにしておきます。
他の人にもこれが実践できるものなのか、僕も知りたいので、誰か試して感想を教えて下さい。
※追伸
「メタ認知」について、僕はこの言葉を自己肯定感とかマインドフルネスとかの本で知ったような覚えがあります。
自己肯定の文脈では、メタ認知の使い方は「どんな自分もありのまま認める」というものだったと思います。
そのため、僕は自分のしょうもない部分も「やれやれ」という見方で認めることができ、その結果少し人生が楽になりました。
漫画を描く描かないに限らず、このメタ視点という考え方は人生の質を上げるのに役に立つので、知らなかった人はぜひ一度調べてみて下さい。