目覚めてしばらくは、状況を理解できなかった。 ここは一体どこなのか? 『うんん・・(ここは・・・?)』 独り言をつぶやいたが、声が出なかった。 とっさに起き上がろうとしたが、身体がビクともしない。 見れば、紫の帯で、筒状の何かに固定されている。 そこから逃げようと全身に力を込めても、それが軋むだけだった。 『ぐうぅう・・!!』 暴れながら首を横に振ると、同じような筒が何本も、一列に並んでいるのに気づいた。 その1つから何かが打ちあがり、上空で弾けた。 それは美しい花火だった。つい、それに見とれてしまった。 ―そんな場合じゃない!早くここから逃げないと! ・・今度はその隣の筒から、再び花火が打ちあがった。 そしてそれはまた、夜空に咲く巨大な花となる。 ―まさか、と思った。 私は―花火台に固定されている。 今打ち上げられているそれらは遥か彼方にあるが、いずれこれも・・・? そうなったら私は一体!? ―花火は次々打ちあがる。 それはある意味カウントダウンだ。0になる前に、何とか―!! 数多の花火が私を照らす。 その光を受けて、頬を伝う汗が煌めく。 しかし依然として、私を拘束するものは何の変化も起こさない。 気付けば、未発射の花火台も、残り20本程度にまで迫っている。 彼女は、花火を見るのか、花火と化してしまうのか― その答えは、直に出そうである。 ※彼女が居るのは『発射台』なので、彼女が打ち上げられることはアリマセン。ご了承くださいー。