8月8日
「ん……」
まぶたの向こうの薄明るさに、誠二は眉を寄せながら目を覚ました。寮の部屋と違い食堂は、すべての窓をカーテンで覆えない。多分まだ早いと思いながら誠二が手探りでスマホを見つけて薄目で時間を確認すると、まだ起床時間より1時間も早かった。
(んだよ……まだ寝れ……)
そこで誠二ははたと隣に寝る育人を思い出して跳び起きた。隣の育人はまだ寝息を立てていた。しかしその姿を見て、誠二はたっぷり十秒ほど固まってしまう。
(でかくなりすぎだろ……)
育人は昨日の夜、誠二の服を着て寝ていた。多少きつそうながらも着れていたその服を、今育人は着ていない。というか、Tシャツやら短パンやらの残骸が、育人の周りに散らばっているのだ。寝ている間にでかくなった育人に服が耐えられなかったのだろう。つまり今の育人は裸だった。正確にはかろうじてパンツだけはギリギリ身につけてはいるものの、隠すものを収められていないそれはないも同然だ。
(230……いや、250ぐらいあるんじゃないのか……?)
育人は敷布団を3枚使って寝ていた。大きな肩幅を収めるためにまず横に二枚。そしてふくらはぎから下がはみ出る部分を埋めるように足元に横にして一枚。だが今その布団の一番下から、育人の踵ははみ出ている。布団を三枚使っても、育人の身体が収まっていないのだ。誠二がごくりと喉を鳴らす。誠二の服を軽く破り捨てた育人の肉体は、もはや野球選手のものではなかった。プロの野球選手をはるかに凌駕していた。250センチ近い身長に布団を並べてようやく収まる肩幅。胸と背中の厚みは人二人分は優にありそうで、筋肉で盛り上がる腕はその辺の学生の脚よりも太い。そして片方で子供一人分はありそうなほど巨大で長く太い脚。もはや同じ人間というより、巨人という枠組みの方がしっくりきそうな大きさ。
(そんで……)
誠二が視線を股間部分に向ける。目に入るのはもはや巨根という言葉では収まらないほどでかい、育人のチンコ。朝勃ちでガチガチに膨れ上がっているそれは臍なんか軽々と飛び越え、その先端は腹筋の一番上まで達している。その上今の育人の身長。デカいデカいと言われてきた誠二の足と比べても負けそうな大きさ。もちろんチンコは今じゃ勝負にもならない。
「……これ、手回んないんじゃね……?」
四つん這いになって、まだ寝息を立てている育人ににじり寄る。そしてその大筒のようなチンコにそろそろと手を近づけていく。育人のチンコは長さはもちろんのこと太さもとんでもなく、大きな誠二の手でも片手では握れそうにはなかった。肉の塊から発せられる熱を掌で受けて、誠二がごくりと喉を鳴らす。その時、ビクっと育人のチンコが跳ねて、その竿が誠二の手のひらをたたいた。
「っ!」
バチッと音がなるほどの力強さに誠二の手は大きく跳ね上げられる。慌てて育人の方を見やるがまだ目をつぶって静かに呼吸で胸が上下している。ほっと息を吐いた誠二は座りなおすと、もう一度目の前のチンコに目をやった。でかいと思っていた自分のサイズをはるかに超える、雄の象徴。身長は誠二より50センチも高く、筋肉についてはいわずもがな。しばらく育人の恵体を見つめていた誠二は、その二リットルペットボトルよりデカそうな肉棒にそっと手を乗せて小さくため息をついた。
「いいなあ……」
「何がだ?」
その低い声に誠二は飛び上がるほど驚いた。慌てて手を離し声をする方を向けば、首だけ持ち上げて誠二の方を向いている育人の顔と相対する。
「えっ、あっ……」
「っと」
ぐぐっと腹筋を盛り上がらせて育人が起き上がる。岩壁がせり上がってくるような迫力に誠二は反射的に距離を取ろうとするが、その腕をがっと育人の手がつかんだ。
「あっ、おい……」
「なあ、今どこ触ってたんだよ」
片腕一本でぐいと誠二は身体ごと育人の前に引き寄せられる。真正面から見上げる育人の身体は、身長2mの誠二が子供に見えるほどにでかい。上背も横幅も誠二をすっぽり覆ってしまうほどで、誠二は緊張から息が次第に荒くなっていく。
「え……いや……」
「とぼけんなよ。これ、触ってただろ?」
ぐいと育人が誠二の手を、いきり立ったままの自分のチンコに強引に触れさせる。誠二は抵抗すらできずに自分の手を巨大な肉棒に押し付けられ、その熱と拍動をいやがおうにも感じ取ってしまう。そこまでしてようやく育人は自分の体の成長と裸であることに気づき、「またでかくなっちまったな……」と、誠二の頭の上からつぶやく。それとともにチンコがずぐん、と一回り大きくなり、かろうじてひっついていたパンツがついに破れて散る。
「うわっ……」
「羨ましいか?」
片手では半分すら覆えない巨大な陰茎。誠二がその感触に魅了されかけていたその時、バタバタと人の足音が近づいてきた。それで誠二はここが食堂だったことを思い出す。こんな姿を他の部員に見られるのはやばいと誠二は手を離そうとするが、誠二の手を掴む育人の力が強すぎてチンコから手が離れない。
「うわっ、おい育人、手離せ!」
誠二が必死に手を引き抜こうとすると、小さくため息をついた育人が誠二を解放した。それと同時に食堂のドアが開いて様子を見に来た部員たちが入ってくる。食堂の入り口からでも育人がまた大きくなったのはありありとわかった。
「またでかくなってる……」
「つか裸だ……」
「てかチンコ、でか……」
入り口付近でざわざわとする部員たちとは対照的に、育人はのんきに欠伸をしている。間にいる誠二はどうすべきかおろおろと両者に交互に首を向けている。そこで意を決したキャプテンが育人のもとに近寄っていく。育人は胡坐をかいているが、それでも身長180㎝近いキャプテンの胸元にとどくほどのデカさがある。
「い、育人、また大きくなったか?」
「あ、キャプテン。はい、そうみたいっす」
「服は?」
「寝てる間に破れたみたいで……」
少し身構えるキャプテンと対照的に座ったまま淡々と答える育人。先輩に対する態度でも、キャプテンに対する態度でもない。しかし誰もそれを指摘できない。股間では変わらず巨大ないちもつがビクビクと揺れている。そこで育人がぐっと布団に手をつき、腰を上げる。まるで巨大化するように上へ上へと伸びあがっていく育人の身体にキャプテンは反射的に数歩下がった。
「お、おぉ……」
叫ばなかったのはキャプテンとしての意地だった。もし育人のことを知らない人間なら腰を抜かして這いずってでも逃げ出していただろう。岩壁のようにそそり立つ筋骨隆々の肉体。キャプテンの頭はもはや育人の胸の下にも届かない。目の前にそびえるのはまるでこん棒のような巨大なチンコ。キャプテンが気力を振り絞って上を見上げると、見下ろす育人と目が合った。
「キャプテン俺ちょっと抜い……便所、行ってきます」
「あ、ああ……わかった……」
キャプテンが数歩下がると、育人は全裸のまま食堂の出入り口へと歩き始める。40センチ近い足で床を踏みしめると、その体重に床がギィギィと悲鳴を上げる。入り口付近にたむろしていた他の部員は慌てて道を開け、その間を悠々と進んだ育人は、大きくしゃがんでドアをくぐった。育人の足音が聞こえなくなって食堂内の空気がようやく緩む。
「キャプテン、育人やばいっすよ……!!!」
駆け寄った部員たちの声は不安げに揺れていた。もう育人の大きさは人間のそれを逸脱しかけている。一番背の高かった誠二を頭一つ二つ超える身長に、二百キロに届かんばかりの身体。あの極太の腕で殴られでもしたらと考えると部員たちの不安は止まらない。部員総出でかかっても敵わないかもしれないのだ。そんな不安を口にする部員たちに、キャプテンはなんとか気力を持たせて口を開く。
「落ち着け。……多分、多分まだ大丈夫だ。育人も、別に何もなしに暴力ふるう奴じゃない……とにかく、助けが、助けが来るまで、刺激するな……!」
しばらくして戻ってきた育人は、ようやく萎えた、それでも巨大なものをぶらぶらさせながら、キャプテンのもとへと向かう。見上げるキャプテンがごくりと唾をのむ。
「朝練っすよね?」
「あ、あ……いや、今日はなしだ……」
「ないんすか?」
それはキャプテンのとっさの機転だった。今の育人は規格外だ。この体格で、どれだけのパワーを持っているかわからない。昨日の軽いキャッチボールでさえ怪我をしそうだったし、もしスライディングで接触でもしようものなら、相手がどうなるかわからない。そもそも今の育人に着れる練習着がない、という問題もあるが、今の育人は素っ裸でも練習に参加しそうな迫力があった。
「みんな疲れてるからな……その代わり、午後から筋トレをやろうと思う」
「ふ~ん……じゃあ、すぐ朝飯っすね」
一応は納得した様子の育人は、それならばといわんばかりに朝食の準備をしていた部員たちの方に目をやる。見られた方はびくりと肩を揺らすが、今の育人には何も言えない。盆二つに4、5人分の食事を持って膝ぐらいの高さしかないテーブルに置く。育人がいすに座ろうと腰を下ろしたが、もはや育人の尻たぶ一つ程度の座面しかないいすにその百キロ越えの体重を支えられるわけがない。一瞬で足が折れ、体重をかけていた育人の尻が床に落ち、食堂全体が浮き上がるように揺れた。
「……あ~~、すいません。椅子ダメにしちゃいました」
へらっと笑いながら謝ると、育人は今度はニ脚の椅子をくっつけて体重を分け合うようにして座る。椅子自体はギシギシ音を立てているが、何とか耐えている。それでも脚が長すぎて、膝頭がテーブルの上に着てしまうような不格好な姿勢だが、育人は気にせず朝食を掻き込み始めた。あっという間に食事が消えていき、お代わり含めて10人分がぺろりと育人の腹の中に消えていった。
「んあじゃ、腹ごなしでもしますか」
その日育人はトレーニングルームで、部員数人がかりでも持ち上げることすら難しい重量のバーベルで何度もベンチプレスを行い、部員たちにそのパワーを見せつけた。着れる服がなく全裸のまま筋トレをする育人は、動くたび逐一その重そうな股間のモノが大きく揺れ、部員tナチはいやおうなしにそのデカいブツに視線を奪われる。最終的に全員がへとへとになっても最後まで育人は筋トレを続け、夕飯は15人分を軽く平らげた。
土砂がようやく取り除かれ、学校に救助が来る、1日前のことだった。
ichiya
2024-07-01 13:22:36 +0000 UTCichiya
2024-07-01 13:22:12 +0000 UTC曹達(ソーダ)
2024-06-30 11:09:29 +0000 UTCフキ
2024-06-30 10:59:05 +0000 UTC