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葉一
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ダンジョンで拾った呪われた装備でインキュバスに転生しちゃう話(1)

一言メモ:昨日ツイッターで呟いたり、フォロワーさんからアイデアを聞いて「自分ならこうなるな~」と思って書き出した話。でも途中で疲れたのでここでとりあえず終わり。まだ転生しません。ねんのため。


 ○


 ダンジョンの途中、宝箱から出てきたのは、いささか丈の長すぎるハイブーツだった。「うへえ、趣味じゃねえ」。戦士職のガジェが露骨に顔をしかめる。紫色の光沢を湛えたブーツは柔らかく、触れば高級なものだとすぐに分かった。少なくともガジェの使い込んで底が取れかけている皮のブーツよりはかなりマシな部類だろう。

「つべこべ言わずに履けよ。そのボロだともう歩けねえだろ」

 モンクのシドーが苛立たしげに言った。洒落た装備などとは無縁のモンクは、半裸で逞しい肉体をさらけ出している分、装備品は何でもありがたがる傾向がある。布靴を履き潰している彼は、ブーツのような比較的重い装備は向かない。

「ちぇっ、分かったよ」

 ぶつくさ文句を言いながら、ガジェは皮のブーツを脱いだ。下履きを変えることなく、そのまま紫のハイブーツに形の良い脚をぐいぐいと押し込んでいく。爪先まで通し、膝上まで布地を引き上げると、紐で編み上げた。ガジェのために誂えられたかのように、肉体にフィットしており、やや窮屈ささえ感じられる。脚だけ紫色といった奇妙な配色とバランスに、ガジェはもう一度しかめつらを作った。

「蒸れる」

「聞いてねえ。行くぞ」

 歩き始めると皮のブーツよりも歩きやすく、底が柔らかなのでガジェはすぐに不平を言うのを止めた。


ガジェ:見習い戦士

武器:鉄の剣

頭:なし

胴:皮の鎧

腕:鉄の小手

腰:鉄の腰当

脚:皮のブーツ→インキュバスのブーツ


シドー:見習いモンク

武器:鉄の爪

頭:ねじり鉢巻き

胴:なし

腕:リストバンド

腰:道着(古)

脚:布靴


 ○


 2人の見習い冒険者がダンジョンに入ったのにはいくつか目的がある。一つは、文字通り「見習い」を取るため。修練の目的である。もう一つは金策、駆け出しの2人にとって金は常に頭を抱える問題であった。僧侶職を雇う金もなければ、壊れたブーツを買い換える余裕もない。

「これ、俺が一回履いたやつでも売れるかな」

「汚すなよ。持ち帰ったらよく中洗ってくれ」

「へいへい」

 ガジェは軽口で応じた。焦げ茶色の短髪に色白の彼は、剣技ならばかなりの腕前である。筆記を除けば士官学校では指折りで、細身ながら引き締まった無駄のない肉体に技量がよく表されている。ただし、どうにも軍隊とか騎士団のような集団行動が苦手で、こうして流しの冒険者となっている。一方、仏頂面のモンクは東方の血の特徴が色濃い。やや黄色い肌に、黒髪黒目で背が低く、鍛え上げられた肉体に程良く脂肪の混じった体型で、筋骨逞しい。修行僧、ということにはなっているが当てはまるカテゴリーがなかったために登録時に押し込められたもので、実際は格闘家としての側面が強く、実は聖職としての自覚も技能もない。ただし、素手で岩を砕く、といった物理的な力量は優れており、見習いと名は付くものの実力としてはさほど一般職と見劣りしない。こうして流しの冒険者として修行を積んでいる間に、何となく意気が合ってガジェと行動を共にするようになった。

「しっかし、金目のものがないな今日は」

「お前さんのブーツだけだ」

「これは良いものだ。なるべくなら売りたくないぞ」

「趣味が悪いんじゃなかったのか」

「デザイン以外は良いんだけどなあ」

 ほとんど履いている感覚がなくなるほど馴染んできたブーツをガジェは撫でる。何か特殊な魔術が施されているのかもしれない、と彼は思い始めていた。

「おっ、分かれ道」

 行く手が左右にはっきりと分かれている。その手前に休憩にはうってつけの開けた場所があった。

「……階層は浅いが、今日はここでキャンプかな」

「そうだな。その前に、二手に分かれて少し探索範囲を広げておかないか?」

 シドーの提案にガジェは頷く。元よりそのつもりだった。

「ま、あんまり無理するなよ」

「そっちこそ。じゃ、頃合い見てここに集合しよう」

 ガジェは右の道を、シドーは左の道に歩みを進めた。


 ○


 ガジェはスライムやら大ムカデやらを剣で軽くあしらいながら、とぼとぼとダンジョンを進んだ。ソロでの探索には慣れているが、油断するとひとたまりもない。慎重かつ効率よく探索をこなす彼は、そろそろ一人前と言っても差し支えなかった。

「とはいえ」

 落胆を滲ませながら、ガジェは溜息をついた。行き止まり。愛想のない壁が目の前に直立している。

「ダメだ今日は」

 腹立たしさに、壁を脚で小突いてみる。すると、目の前の壁がぐらりと大きく揺れた。隠し通路を盗賊でないのに発見するのは幸運である。それに、隠してあるということはその奥には何か大切なものが隠れている、ということに違いない。ガジェは機嫌を直して、今度は強く壁を押した。あっけなく壁が倒れ、小さなスペースに宝箱が置かれているのが見えた。

「よっしゃ!!前言撤回!!」

 現金であれ、と祈りながら彼は勢いよく宝箱を開けた。中には。

「こ、れは…………?」

 紫色の装備、グローブのようなものだった。指先から肘上まえでを覆う、ロンググローブ。明らかにブーツと同じ素材でできており、セットの装備であることが分かる。

「まーた装備か」

 気落ちはしたものの、喜びもある。詳しくは街に戻らないと分からないが、これは上質な装備品であることは間違いない。持っていこうと思ったが…………

「売るときに外せば、いいんだよな」

 良い武器や防具を試してみたい、という気持ちがガジェの中にむくむくとわき上がってくる。先ほどはブーツが壊れていたから装備を着けなおしたのだが、いま身に着けている鉄の小手はつい先日購入したばかりの品だった。だから付け替える必要は、今のところない。それはガジェも重々分かっていたが、いつの間にか小手をアイテム袋に詰め、紫色のロンググローブに指を通していた。

「あー、やっぱこれ良いわ…………」

 それがどんなものか分からないのに、身に着けてしまう。その時点でガジェは呪具であるそれらの装備の効果に判断力を蝕まれていた。紫色のハイブーツにロンググローブを装備した彼は、淫靡な雰囲気を漂わせ始めた自分の姿に陶酔し始めた。逞しい腕をタイトに締め付けつつ、しなやかで高い防御力を秘めたインキュバスの装備に見入っている。

「へへ、シドーのやつ羨ましがるだろうなあ」

 趣味が悪い、と言っていたことなど全く忘れて、足取り軽く彼は着た道を引き返した。

「遅いぞ」

 シドーがテントを組み立てながら開口一番そう言った。そして、すぐにガジェの装備が変わっていることに気が付く。

「見つけちまった」

「だからって装備してこなくたっていいだろう」

「いやいや〜試してみたくなっちゃうだろ、こんなの」

 嬉しそうにグローブを撫で、二の腕の膨らみを堪能するガジェにシドーは溜息をついた。

「あれ?お前、服はどうしたの?」

「…………さっき、トラップを踏んづけちまってな。酸で溶けちまった」

 下半身が褌のみになってしまったことをガジェは笑い、シドーはバツが悪い顔をする。

「なあ、一度戻らないか?防御力が心許ない」

「いや…………今回はツイてる。まだ行けるだろ」

 服も拾えるんじゃねえか、とガジェはまた軽口を叩いて笑った。シドーも自分のミスで引き返すことになるのは業腹だったので、それ以上強くは主張しなかった。


ガジェ:見習い戦士

武器:鉄の剣

頭:なし

胴:皮の鎧

腕:鉄の小手→インキュバスグローブ

腰:鉄の腰当

脚:インキュバスブーツ


シドー:見習いモンク

武器:鉄の爪

頭:ねじり鉢巻き

胴:なし

腕:リストバンド

腰:道着(古)→褌(白)

脚:布靴


 ○


 ダンジョン内のため空は見えないけれども、肉体の疲労を感じたため2人は聖水を撒き、テントの中で横になった。ガジェは装備も外さずに倒れるように眠り、すぐに軽いいびきをかき始める。一方シドーは下半身の心もとなさに違和感があり、なかなか寝付けない。熟睡は諦め、軽く目を閉じて横になったまま時間を過ごすことにした。

「んっ……はあっ、あっ…………」

 うなされているのか、ガジェが切なく喘ぐような声を出した。やはり、無暗にダンジョン内の装備を身に着けるのは良くなかったのではないか。そうシドーは思いながら、ちらりと視線をガジェの方に寄越した。上気した頬、額に珠の汗をかいている。熱病、という新しい懸念を抱くが、紫色のグローブに覆われた腕の先を見て絶句した。腰当を外して布地のズボンのみとなったガジェの股間は猛々しく膨らんでいる。それどころか、グローブに操られるかのように、両手でごしごしとズボンの上からチンポを扱いていた。他人の自慰など目の前で見たことがなく、シドーは動揺した。そんな事情は全く知らないまま、ガジェはゆっくりと、勿体ぶるようにチンポを撫でながら、その感覚に没入している。寝ていることは確かなようだが、同時に淫らな夢を見ているのかもしれない。段々と行為は勢いと激しさを増し、弓なりになるようにしてガジェは全身を強直させて果てる。

「んおおおッ♡オッ♡おおおおおおッ?!」

 獣のような雄叫びをあげて、腰を何度も突き出しながらガジェは快楽を貪っていた。じわりとズボンに精液が染みだす。裏筋を扱き上げ、一滴も陰茎から汁が出なくなったことを確認したかのように、ふっと力を抜いてガジェは穏やかな眠りに戻る。シドーは半身になってその痴態の一部始終を全て見ていた。無意識の内に褌の中で自らを硬くさせていることにも気付かない。精液の匂いがふわりとテントの中に籠り、その匂いに浮かされるようにしてシドーはふらふらとガジェの股間に顔を近づけて、まじまじとその様子を眺める。魔が差した、としか言いようがないが、手を伸ばしてガジェの股間の染みを撫で、彼のチンポを扱いてみる。乾いていない精液が滑り、ぐちゅ、っと水音を出した。ガジェの陰茎は太く、熱く、萎えてもなおその存在感を示していた。

「ん…………」

 ガジェが顔を少し歪めて、身体を動かした。シドーは一瞬血の気が引いたが、すうすうと寝息を立てている相棒を見て、胸を撫でる。そしてそれが堰を切るきっかけとなり、大胆に股座に顔面を埋めていく。匂い、陰嚢の感触、相棒の淫靡な側面を堪能していく。シドーの理性は今や失われている。目は据わり、ガジェの肉体に溺れていた。

「お前が、こんなやらしいカッコしてるから、悪いんだぜ……あー、すっげ♡エロいぜ♡」

 ごく軽い魅了状態に陥った彼は、ガジェとその呪われた装備に欲情し、最後には褌の中で射精した。相棒をオカズにした、という仄かな罪悪感も、射精後の気怠さと恍惚感でかき消えてしまう。汚れた着衣のままごろりと寝転がると、シドーもすやすやと眠り始めた。零れ、飛び散った2人の種汁を吸ったインキュバスの装備は、鈍く紫色に輝き、その魔力を誰にも知られることなく高めていた。


ガジェ:見習い戦士/ステータス異常:発情(射精量・頻度2倍)、淫夢(睡眠時MP回復なし)

武器:鉄の剣

頭:なし

胴:皮の鎧

腕:インキュバスグローブ+(力強化・発情効果)

腰:鉄の腰当

脚:インキュバスブーツ+(素早さ強化・呪い耐性ダウン)


シドー:見習いモンク/ステータ異常:魅了(相手限定で発情効果・確率で行動不能)

武器:鉄の爪

頭:ねじり鉢巻き

胴:なし

腕:リストバンド

腰:褌(汚)(防御力低下・魔物とのエンカウント率上昇)

脚:布靴


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