(仮)ダークノア・予備素体編10(ルート・装置+邪心)
Added 2020-02-29 16:53:40 +0000 UTC一言メモ:同じ登場人物が同じシーンに複数登場するとき、『』の有無で存在の違いを示すことを、勝手に小狼形式と呼んでいます。
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→和道に邪悪な心を植え付ける
「……なあ、ほんとにここでやるのか?」
和道は全身を分厚い膜で覆われたような気怠さの中で、確かにその声を聴いた。困惑と期待の入り混じったその声には聞き覚えがある。しかし和道の思考はもつれ、途切れ、それが誰なのか思い出せない。
「ああそうだよ。早く脱げよ、変態」
その声に、漫然と身を任せていられなくなる──これは、間違いなく、俺の声だ。鈍重な体を起こす。目を開くとバイザーはいつの間にかなくなっており、ぼんやりと滲んだ世界が浮かび始めた。機械に接続されていたことを思い出すが、和道の身体を戒めるものは既にどこかに消え去っている。焦点が合い始め、自分が学校の体育館裏に立っていることが分かった。姿はダークスウツだったが、寒さも暑さも、風も匂いも感じない。知覚の微妙な違和により、これが装置内に投影されたものだと分かる。ただ、その没入感はほとんど現実そのものであった。
「はあ、ほら……脱いだ、ぞ…………」
「もう雰囲気出てんじゃねえか。昼間から発情して授業受けられねえだろ」
「畜生っ……か、身体が、勝手に反応しちまうんだよ……」
同じクラスの朔也が屈辱的な表情を浮かべて学ランを非常扉に引っ掛けていた。快活で鷹揚、気さくな野球部の筆頭として挙げられる彼の威勢は影を潜め、今は形良く整えられた細い眉を歪めて正対する男を睨んでいる。ダークスウツが全身に張り付き、記憶よりもガタイが良くなった朔也を見て、和道は興奮する。勃起しかけたチンポをもじもじと両手で隠そうとすると、男がその手を乱暴に払いのけた。
「隠すんじゃねえよ」
和道と同じ声の男は、言った。短い髪を金色に染め、顎髭を生やし、おおよそ学ランが似合わない姿になっていたが、その男は『和道』だった。耳には金のピアス、胸元にも金のネックレスを下げ、だぼついた学ランを大きくはだけさせ、シャツに擬態したダークスウツが丸見えになっている。不良化した『和道』は、口元を歪ませて笑っていた。
「変態なんだからよお、見られたくて堪らねえだろ」
「ち、ちげえよ!俺は変態じゃ──」
「うるせえなあ」
気怠そうに『和道』は頭を掻くと、朔也の顎を右手で抑え、強引にキスをした。当然のように舌を割って入れ、朔也の口内を蹂躙していく。
「~~~~~~ッ!!」
朔也は目を見開いてもごもごと抵抗したが、呆気なくそれも無駄に終わり、ただ犯されるがままに舌を絡ませ、応じていく。熱っぽい視線が絡み合い、どうしようもなく肉体が感応して性欲に溺れていく様子が手に取るようにわかる。和道は目を背けようと思ったが、映像だからかそれすらも上手くいかない。2人はそこに和道が立っていることを認識していないようだった。ぐちゅぐちゅ、と淫らな水音が響き、息継ぎのように朔也が大きく喘ぐ。『和道』はフル勃起した朔也のチンポを一頻りもてあそぶと、焦らすように舌を抜いた。唾液が幾筋も糸を引き、朔也が物欲しそうな視線を『和道』に向ける。
「気持ち良くなりたかったら、わかるよな?それともまた授業中にイっちまいてえか?」
「…………わかった」
朔也はその場に跪き、『和道』の制服のベルトとチャックを降ろす。ぶるんっ、と勢いよくダークスウツに覆われた漆黒の巨根が飛び出し、朔也の鼻先を掠めた。『和道』は腕組みをして不敵に笑い、朔也を見下ろしている。
「予備素体番号T1801230、人間名・幾島朔也は命令により口淫で奉仕します♡」
亀頭に顔を摺り寄せ、はしたなくスンスンと鼻を鳴らして嗅ぎながら朔也は竿に舌を這わせ始めた。心身が既にダークノアに屈しているのだろう、悦びの表情が隠し切れていない。和道は呆然と『和道』と朔也の淫行を見ていた。ほどなく『和道』が小さく呻く。陰嚢がどくどくと収縮を繰り返し、チンポを頬張った朔也の呼吸が苦しくなる。ああ、射精したんだ。和道はぼんやりと事情を理解する。朔也は唇で『和道』のチンポを拭い、形の良い口を大きく開いた。舌の上にたっぷりと黒精が溜まっている。「飲め」。短く『和道』が命令すると、朔也は躊躇わずに口を閉じ、ごくん、と一息にそれを嚥下した。喉仏が大きく動き、邪悪な力を帯びた精液が朔也を蝕んでいくのが分かる。
「……ああ…………うめぇ♡」
ダークスウツの覆う腕で口元を乱暴に拭い、朔也は立ち上がった。先程の恥じらいは欠片もなく、堂々と全裸よりも淫猥なダークスウツ姿で勃起を曝している。
「ははっ、どんどん俺達の思い通りに洗脳されちまってるな。変態に堕ちていく今の気分はどうだ?」
「ああ♡悔しいし、すっげえ嫌なんだぜ♡でも、ああ♡もうチンポねえと俺、耐えられねえ身体にされちまった♡変態に、なりたくねえのに♡頼む和道♡これ脱がしてくれよぉ♡俺のこと元に戻してくれ♡できねえなら……、ああ、できねえなら今すぐ俺を未練とか♡考えられねえくらいぐっちゃぐちゃに壊してくれ♡おかしいのは、分かってるのに♡早く洗脳されたくて堪んねえんだ♡」
双眸からぼろぼろと涙を流し、朔也は混乱した脳で懇願する。珠の汗を浮かべた朔也の坊主頭を『和道』がぐちゃぐちゃに撫でた。
「可愛いじゃねえか。ほら、早くケツ出せよ。なーんにも考えられねえくらい気持ち良くしてやるぜ」
朔也は言いなりに体を回転させ、体育館の壁に体重を預け、引き締まった尻をはしたなく両手で開く。『和道』は萎えることなくいきり立ったままのチンポを前戯なしで朔也のアナルに突っ込んだ。立ちバックの姿勢で、戦闘員2匹が雄交尾に耽り始める。
「ぐっ♡ああああああああああっ♡すげえ♡生チンポすげえ♡」
「うるせえよっ♡バレてえのか、この淫乱野郎♡おう、トコロテンなら射精許可出してやるからなっ♡たっぷり人間のザーメン漏らして戦闘員になっちまえよ♡」
『和道』は学ランを脱ぎ去り、ダークスウツをパンパンに押し上げるぶっとい両足を大股開きにしながら、野獣の交尾のように激しく、素早く腰を振った。朔也の太腿とぶつかり合い、リズミカルに肉の打ち合う音が響く。犯されている朔也は、犬のように舌を垂らし、快感を貪っていた。『和道』の言葉通り、何も考えられなくなるほどの圧倒的な快楽に思考が塗り潰され、精神が淫らに侵蝕されていく。
「ケツマンコにたっぷり種付けしてやるぜ♡覚悟しろよ?イクぞ♡おらっ♡もっとケツ絞めろ♡」
「ひっ♡はひっ♡あっちい♡犯されて♡汚されちまう♡イクッ♡チンポ汁漏れるッ♡んひっ♡また改造進んじまう♡」
ごぼっ、と音を立てて結合部から黒精が溢れ出す。同時に朔也のチンポが体育館の壁に押し付けられ、灰色の精液がダクダクと放たれた。足腰が震え、快感に骨抜きにされた朔也はその場にへたり込んだ。汗、涎、精液……色々な汁気で汚れた彼は、野球部の爽やかさをとうに失っている。
「お前、野球部辞めろよ」
『和道』は悠々と学ランに袖を通しながら言う。
「え?」
耳を疑ったのか、まだ抵抗があるのか、朔也は躊躇いと不安で怪訝そうな顔を向ける。
「部活辞めたら、空いた時間で俺がたっぷり良い事してやるからよ。考えとけよ」
『和道』はそう言い捨てると振り返りもせずにその場を立ち去った。しばし呆然としていた朔也は、ゆっくりと自分の身体を、ダークスウツに囚われた肉体を検分する。残された『和道』の匂いと自分の肉体が改造されて放ち始めた淫臭に夢中になっていく。熱に浮かされたように、無意識に萎えたチンポに手が伸びる。躊躇いがちに、しかしすぐに固く竿を握ると激しく、手淫に耽り始めた。
「我慢、できねえ♡『和道』♡もっと、俺を♡ああ♡イキてえ♡イキてえよぉ♡」
和道は、朔也の経過を眺めずとも、彼がどうなるのか分かった。一部始終を傍観した和道もまた、『和道』を嫌悪しながら同時に心惹かれていたからだ。
(あれが、俺の悪に堕ちた姿なのか)
にわかには信じ難かった。姿かたちの変化はともかく、性格まで豹変したしまったかのような言動に、和道は強い拒否感を覚える。しかし、性的な魅力や悪に染まったその立ち振る舞いに憧れがあることを認めずにはいられない。痛いほど勃起した自分の股間に手をやると、淫気に当てられたのか先走りが溢れていた。気付くと瞬時に視界が滲み、暗転する。
※
和道は薄暗い柔道場の真ん中で立ちすくんでいた。柔道着の下にダークスウツが存在を主張するかのように張り付いている。手足の指先まで覆われた感覚に、和道は未だに慣れない。
「よお、さっきは出歯亀してたなあ」
暗がりからダークスウツに身を包んだ『和道』が現れる。先程見たとおりの風貌に、和道は眩暈がする。金髪、ピアス、着けようと思ったこともない装飾具が、厳つさを増して見せる。
「お前は、『俺』なんだよな」
「そうだぜ。未来のお前だよ。ダーク様に身も心も調教されて、悪に染まったお前が俺だ」
昔の俺ってやっぱだせえな、と『和道』はじろじろ見ながら言う。和道は和道で、肉体が逞しく成長し、パンプアップした自分の未来の姿を見つめる。性欲がむくむくと頭をもたげてくるのが分かる。和道は悪に染まる、という言葉が特別な──例えば、他者を誑かし、思いのまま動かすような──力を与えられることでもある、ということにようやく気が付いた。七尾や白浜よりも、完成した戦闘員となったのがこの眼前の男なのだ、と。
「さあ、この時間をたっぷり使ってお前を悪に染め上げるのが俺の仕事なんだが」
『和道』はそこで言葉を区切る。
「ちょっと興が乗らねえな。てめえだからかな」
はあ、と『和道』は溜息をつく。我ながら勝手なことだ、と和道は密かに憤慨した。
「なあ、お前、俺のことどう思う?嫌だろ?こんな風にぜってえなりたくねえって思ってるだろ?」
「ああ、そうだな」
「そこが分かってるから気に食わねえんだよな。こーんなに毎日楽しくて堪らねえのに」
大げさなポーズで両手を広げ、『和道』は挑発する。
「だからさ、お前が俺にお願いするなら、俺とおんなじにしてやるよ。自分から悪に染まりてえって思わねえと」
「俺は、そんなことを思わない」
「そうか?じゃあなんで俺が居るんだよ。お前の心の中にも、俺に通ずる種がたくさん埋まってるんだぜ。例えば、さっきのはどうだった。朔也、エロかったよなあ。俺がたっぷり犯したから朔也はあんな風になっちまったんだぜ。その前も、あの後も、俺はよーく知ってる。俺じゃないと、味わえない楽しみだ。お前も見てるときは勃起してたんだろ?隠さなくてもいいぜ、分かるよ。自分のことだから」
「それは…………」
和道の心に戸惑いが生まれる。俺はあの光景を楽しんでいた。確かにそうだ。でも──。
「わかったわかった。トライアルってことでもうちょっと俺の活躍を見ていいぜ。今度は体験型にしてみるか。その後、またここで待ち合わせな。答えはその時に聞く」
じゃあな、愉しめよ。『和道』はそう言うと、和道の額を中指で小突いた。ぐらり、と世界が揺れ、また視界が暗転する。
※
身体が重いが、筋量があるので思ったよりも素早く動ける。そんな奇妙な感覚に和道は戸惑う。校舎の鏡の前で、和道は身嗜みを整えている。否、それは和道であって和道ではない。ヤンキーのようなだらしない恰好の『和道』だった。学ランから安物の香水の匂いが漂い、首元の違和感は金のネックレスによるものである。眉はほとんどなく、三白眼気味に濁った瞳は小さくなっており、自分の顔とは思えない悪人面となっていた。放課のチャイムが遠くから聞こえる。
「和道」
背後から声を掛けられる。朔也だった。ユニフォームを着込み、今からでも部活に行くところといった様子だ。
「さっきの話だけど」
「おう」
自分の意志に反して、自分から声が出される。これは体験型、と『和道』が言っていたのを思い出す。自分の意志はおそらく、反映されない。しかし感覚はリアルに伝わってくるので性質が悪い。
「俺、今日はサボるよ。だから……」
野球部をサボる、と部活一筋の朔也が言ったことに和道は少なからず驚いた。辞める、と言わなかったことだけが救いか。『和道』はにやりと笑う。
「……まあ、いいぜ。今日はたっぷり可愛がってやるからな」
ぞくっ、と朔也は身震いする。これからの調教をイメージしたのだろう。タイトなユニフォームの中で、窮屈そうにチンポが締め付けられていることが手に取るように分かる。和道は『和道』の中で、朔也の今後の行方を見たい気持ちと、見たくない気持ちで揺らいでいる。
(俺は…………)
→『和道』の提案に乗り、悪に染まった自分を十二分に体験する。
→『和道』の提案を断り、抵抗を示すことで体験を打ち切る。