対魔忍アスナ 第1話 閃光と絶剣
Added 2022-06-12 12:38:45 +0000 UTC第一話書きあがりました。
登場人物は結城アスナ、紺野ユウキ。
アスナとユウキのカタカナ表記はわざとです。見た目はアスナはSAO、ユウキはALOのアバターで、ユウキの耳は普通の耳と言った感じです。
竿役は一応オベイロンこと須郷伸之です。
洗脳、肉体改造、触手等々、対魔忍要素てんこ盛りの作品を書き上げていく予定です。
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闇の存在、魑魅魍魎が跋扈する近未来日本では、人魔結託した犯罪組織、企業が暗躍する、混とんとした時代が訪れていた。
その中で正道を歩まんとする人々は、人の身で魔に抵抗できる"忍びのもの"たちからなる集団を組織し、人魔外道の悪に抵抗した。
人は彼らを"対魔忍"と呼んだ。
「準備はいい? ユウキ」
「うん! 大丈夫だよ、アスナ」
摩天楼の上に立つ二人の少女。
一人は結城アスナという少女ですらりとした体を、白と赤を基調とした少しピチッとした騎士風の戦闘服に包んでおり、二の腕の中ほどまで届く長いグローブを嵌め、肩と脇を露出させている。
足には赤いミニスカートに赤いラインの入った白タイツを履き、こちらはスカートとタイツの間で露出している健康的な太股の一部が見え、腰には優雅な白銀の細剣が白革の剣帯に吊るされている。
髪は三つ編みのハーフアップで栗色のロングストレート、顔は小顔で鼻筋が通っており、桜色の唇が華やかさを醸し出していた。
そしてもう一人は紺野ユウキ。
アスナと似たような装備を着ているが、色合いは黒と紫を基調とし、ワンポイントとして赤が使われている。
アスナに比べて露出度は高く、着ている鎧は使用者の動きを阻害しないようになっているため身体の全てを守っているわけでなく、横腹や脇下が見える。
ロングスカートには動きやすいように長いスリットが入っており、履いているブーツはひざ下までしか守っておらず、スリットの隙間からは彼女のすらっとした太腿がしっかりと見える。
長く伸びる紫色のロングヘアは風でサラサラと靡き、前髪は赤いヘアバンドで上げていた。
アスナからはお淑やかさ、ユウキからは活発さが感じられ、対照的な二人に見えるが、彼女達は共に数多の魔を討ち取ってきた対魔忍であった。
「今回はアルヴヘイムの取引を阻止することとオベイロンの排除。これ以上、ヨミハラで勢力を拡大させないためにね」
「それと……これ以上違法薬物を出回らせるわけにはいかないからね」
二人は双眼鏡を覗き込み、闇組織であるアルヴヘイムの取引現場であるビルのオフィスを盗み見る。
東京の地下300m地点に存在する闇の無法都市、"魔界都市ヨミハラ"。
そこはノマドと呼ばれる組織の支配下に置かれていた。
ヨミハラでは麻薬・魔薬の取引、売春、殺人、人身売買といったありとあらゆる非合法がまかり通る犯罪の温床となっており、アルヴヘイムはヨミハラで莫大な資金を稼ぎ、その勢力を急拡大させている組織だった。
その主な収入源は麻薬の売買。
一般的に出回っている麻薬はもちろん、効果の高い強力な麻薬や女を猥らな雌へと一瞬にして変貌させる媚薬、また独自で開発した薬を扱っている。
それがヨミハラだけで、裏の世界だけで広がるならいいのだが、それらの薬が表の世界でも広がりはじめ、対魔忍組織はその原因がアルヴヘイムであることを突き止めた。
今回の目的は、表の世界での最大規模の大口取引を阻止すること。
もしこの取引を許してしまえば、表の世界はたちまち薬に犯され、大混乱に陥ってしまうだろう。
そしてもう一つの目的は組織のボスであるオベイロンの殺害であり、対魔忍上層部はこれ以上アルヴヘイムの表世界の進出を防ぐためにオベイロンの殺害を決定したのだった。
「あ、あれがアルヴヘイムのボス、オベイロンだよ。ほら、あそこの男性」
双眼鏡をのぞき込んでいるアスナがそう名指ししたのは、顔立ちがかなり整った男性だった。
金髪に頭には金冠をかぶり、服は金と白を基調とした白シャツで、その上に緑色の外套と着ている。
耳の先は尖っており、その見た目から彼がエルフであることは想像がつく。
部屋の中にはスーツを着て、背中にアサルトライフルを背負った護衛が11人おり、出入口の扉に2名、外壁部のガラス張りに5名が並び、2名ずつ対面でソファに座っているオベイロンと取引相手の背後についていた。
「あれか~。写真で見た通りイケメンだね」
「うん、そうだね。でも、その心の中はどす黒く汚れているはずだよ」
「どうしてこんなことをするんだろう……。もっと全うに生きればいいのに」
「環境がそうさせたのか、それとも誰かの影響を受けたのか分からないけど……。ここまで凶悪な犯罪行為に手を染めている以上、もうどうすることもできない。ここで巨悪の芽を摘み取ろう」
「うん! ボクとアスナの二人だったら楽勝だよ」
「うん、二人でこの取引を止めよう!! 絶対に」
アスナの背中から天使のような羽が、ユウキの背中から黒色透明の羽が生えた。
これは対魔忍の力の根源をなす物質、対魔粒子を具現化させたもので、生やすこと自体は対魔忍であるならば誰にもできる。
ただ、羽が役目を果たす、飛ぶという行為をするのにはかなりの鍛錬と才能が必要であり、羽で飛べる対魔忍はかなり限られている。
「行くわよ、ユウキ!」
二人はビルから跳んで……鳥のように、いや天使や妖精を思わせる自由な動きで空を飛び、そのまま二人は取引をしている向かいのビルの一室にガラスをぶち破って突っ込んだ。
「なっ、なんだ……!?」
「敵襲!! 敵襲だぁ!!」
「ひぃいいいぃぃぃぃっ……!!」
部屋の中にいた屈強な護衛達がオベイロンと取引相手を守るように動き、彼女たちの登場にオベリスクは驚きで立ち上がり、取引相手は情けない悲鳴を上げていそいそと横長の机の下に隠れてしまった。
「全員動かないように!!」
「私たちは対魔忍です。抵抗せず、おとなしく降伏しなさい!!」
二人の鋭い声掛けに、護衛達は動揺しなかった。
だが、その襲撃者の姿を見れば、全員が驚きで目を見開いた。
「"閃光"に……"絶剣"だと……!!」
「何っ!! 閃光っていやぁ確か対魔忍の中でも上位の実力者じゃねぇか」
「それに絶剣もやべぇぞ……」
「そんなやつらが二人同時に……!!」
彼らが呼んでいる名は彼女達の二つ名である。
アスナは細剣を用いた高速高精度の攻撃を得意とし、付けられた二つ名、"閃光"の名の通り、速さに優れ、そのスピードは対魔忍随一であり、対峙した魔族は突かれる姿を認識できずに倒される程だ。
"絶剣"はユウキの二つ名で、極細の片手直剣を武器に、凄まじい剣激で並み居る敵を屠ってきた実力者。
11連撃の突き技"マザーズ・ロザリオ"の使い手で、その激しい連続の突きは一度放たれれば完全に防ぐことは不可能であり、その技巧の極致を破ったものはこれまでに存在しない。
二つ名を付けられているアスナとユウキは裏の世界では超が付くほどの有名人であり、目の敵にしている者も少なく、そう思われるほどの活躍を彼女達はしていた。
「狼狽えるなっ!!」
動揺している護衛達にオベイロンが声をかける。
「敵はたったの二人だぞっ!! それにもうすぐ……援軍が来る」
そうオベイロンが言ったと同時に、扉からドッと別室で待機していた護衛たちが押し寄せ、護衛達は二人を囲む。
「これで勝ったも同然だ。おい、全員で囲って生け捕りにしろ。対魔忍は高く売れるからな」
余裕そうな顔を全く崩さず、オベイロンは護衛達にそう命令し、ソファに座る。
「へへっ……。確かにオベイロン様の言う通りだ。この人数なら勝てる」
「そ、そうだよな……。いかにあの閃光と絶剣でもこの人数に勝てるはずがねぇ」
「対魔忍がッ!! 目にもの見せてやるぜッ!!」
護衛の一人がその本性を現した。
それから続々と護衛達はその姿を狼や虎、獅子の姿に変える。
護衛達はただの人間ではなく、獣人と呼ばれる魔界の住人だった。
「ああ、そうだ!! 一斉に襲いかかるぞ」
「「「おう!!」」」
掛け声と同時に二人を囲んでいた20人近い護衛が一斉に襲いかかったが……。
「「はあぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!」」
神速の刺突が、無尽の剣閃が、襲いかかってきた護衛達を次々と屠っていき、彼らは的確に、無慈悲に喉や心臓を貫かれ、彼らの血で床が真っ赤に染め上がる。
「ば、バカなッ……!! こんな一瞬で!!」
余裕な表情のままソファに座っていたオベイロンがあまりの光景に立ち上がり、その顔からは余裕な表情は消えていた。
「ひっ、ひいいいいっ!! これ以上こんな場所に居られるかぁっ!!」
横長の机の下で縮こまっていた取引相手が慌てたように飛び出し、出入口に向かい、逃げて行った。
「いいの、アスナ?」
「ええ、彼は抹殺対象じゃないから」
護衛達は命令通りに生け捕りにするためアサルトライフルを、撃つためではなく打撃武器として使い、何とか攻撃を加えようとしてくる
だが、アスナとユウキは踊るような足さばきで護衛達の攻撃を避け、彼らの命を奪っていく。
「おっと……やるね」
ここで初めて狼顔の護衛の攻撃を、ユウキが剣でガードした。
「舐めんなよ、対魔忍。俺はこの道20年だぞ。こんなところで死んでたまるか!!」
ブンッ、ブンッと空気の割く音と共に、獣人の超常の力によって振られるアサルトライフルの先がユウキに襲いかかる。
その攻撃は他の護衛達とは違い、素早く、力強いものだった。
「おっと、危ないな~」
それをユウキは華麗に避ける。
「クソッ!! お前ら援護しろ、撃てッ!!」
「う、うおおおッ!!」
生け捕りを命じられていたが、そんなどころではない。
それをようやく理解した護衛達は、オベイロンの命令なんかは頭の片隅に追いやり、銃を乱射した。
「当たらないよっ!!」
アスナと比べれば、確かにスピードは遅いものの、ユウキは素早い動きで銃弾を避け、対峙していた護衛以外の護衛を始末していく。
「クッ……!! オラァァァッ!!」
これ以上形勢が不利になることを阻止しようと狼顔の護衛はユウキの背中に追撃を仕掛けるが、後ろに目が付いているのかユウキは全ての攻撃を避け、その間に援護していた護衛達は倒され、一気に形勢が不利になった。
「いくよっ!」
そのまま、ユウキは跳躍して反転し、狼顔の護衛に攻撃を仕掛ける。
「なっ……!! ちぃっ!!」
即時に反応した狼顔の護衛はすぐに反転し、アサルトライフルでユウキの攻撃を迎え撃つ。
「マザーズ・ロザリオ!!」
——ギンッ、ギンッ、ギンッ、ガギン!!
連続の突きをアサルトライフルでガードし、彼は三発目までを防ぐことに成功したが、できたのはそこまでだった。
マザーズ・ロザリオはただ連続で11連撃の突きをお見舞いする技ではない。
マザーズ・ロザリオの突きは突く威力、素早さが一発一発全く異なる突きを11連続で放つ技であり、技の威力が異なる11連撃を放ち、最終的に必ず敵のガードを弾き、突きを当てる、必殺技なのだ。
突くたびに瞬間的に力の入れ方を変えるこの技は技巧の極致といってもいい技であり、この技を扱えるのは"絶剣"ただ一人、それでいてこれまで誰も破ったことのない無敗の技だ。
そんな技を放たれ、四発目でアサルトライフルを弾かれ、天高く放り上げてしまった。
「しま——グヘアッガッアッガッギッゴッ、ゴバァッ!!」
身体に7つの穴を開け、狼顔の護衛は地に伏し……。
「ブイッ!!」
可愛らしい少女の言葉だけがその場に響いた。
「ユウキ、そっちは終わったみたいだね」
「アスナの方こそ」
死屍累々。
この場ではその言葉が最も似合っており、生きている者はただ一人、オベイロンだけだ。
「さて、オベイロン。覚悟はいい?」
「ひっ……!!」
オベイロンがソファの上で後ずさり、アスナ一人がオベイロンへ近づく。
「大丈夫……痛みは一瞬よ」
閃き。
「ガァアッ……!!」
心臓を貫かれ、オベイロンの短い断末魔がオフィスに響く。
「任務完了だね」
「うん。帰ろう、ユウキ」
と、二人が振り返り、帰還しようとすると……。
「貴様ら……」
背後から怨嗟の籠った声が聞こえた。
「そんな……!! 心臓を潰したのに」
サッと振り返ったアスナが驚きの声を上げる。
そこには穴の開いた心臓部と口から大量の血を流し話すオベイロンの姿があった。
「グゥウウッ……残念だったな。これはアバターだ」
彼は痛みに喘ぎながら、言葉を紡ぐ。
「アバター?」
「偽りの身体ということさ……クゥッ、俺がこんな場所に堂々と来ると思ったか。本来は別のところにいる」
「ええっ!?」
ユウキが驚きの声を上げる。
目の前にいるのは紛れもなく人間に見えるからだ。
「技術的な問題で痛覚等は完全にシャットダウンできなくてな……グウゥ……。おかげ痛みで死にそうだ」
顔を苦痛で歪めて、それでもオベイロンは顔を引きつかせながらもニヤリと笑った。
「覚えたぞ、お前たち。アスナにユウキ、特にアスナ。お前は美しい……ヒヒッ、必ず俺のモノにしてやる」
その言葉を最後に、オベイロンの顔がガクリと下がる。
目の前のアバターは壊れ、本人は接続を切ったというところか。
「オベイロン……、用心深いわね」
アバターを厳しい目で見つめ、アスナがポツリと呟いた。
「アスナ」
そんなアスナの隣でユウキが笑顔を向ける。
「ダメだよー、そんな顔しちゃ」
「ユウキ……」
「取り逃がしたなら追いかければいいよ。そしてボクたちでオベイロンを倒そう!!」
「うん、そうだね。オベイロンは必ず倒して、これ以上犠牲者を増やさないようにしないと!!」
「帰ろう、アスナ。キリトが待ってるよ」
「そうだね、ユウキ。帰ろう」
二人は打ち破ったガラス張りから飛び降り、自由に空を飛んで凄惨な現場から姿を消した。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
とある一室。
そこにはコフィンが一つあり、コフィンのハッチが自動で開かれる。
「クソッ!! 痛い痛い痛い痛いっ!! あの対魔忍どもめっ!!」
胸を押さえて一人の男が喚き散らしている。
髪はオールバックで整えられて、眼鏡をかけ、キッチリとスーツを着こなしている。
この男こそがオベイロン、本名、須郷信之。
アルヴヘイムのボスであり、ヨミハラを支配するノマドの幹部入りを目指す野心家であった。
オベイロンの時のような冷静さは欠片も見えない。
本来の彼は器の小さい人間であり、あれはちっぽけなプライドを総動員させて演技しているだけだった。
「だが……中々俺好みの女どもだったなぁ」
顔を歪ませ下卑た笑みを浮かべた須郷は二人の姿を幻視する。
美しい少女と可愛らしい少女。
どちらも須郷の好みであり、特にアスナに須郷は惚れ込んでいた。
「クヒャヒャヒャッ、必ず手に入れてやるぞっ!! そしてお前らのその肉体を味わってやるっ!! あぁ、アスナのマンコに俺のチンポを突っ込んだらどんだけ気持ちいいだろうなぁ……」
気持ちの悪い笑みを浮かべながら須郷は想像する。
須郷のことを主人と仰ぎ、媚びへつらう雌になった姿を。
彼女達の肉体を蹂躙し、淫らに染め上がった姿を。
「クヒヒヒッ……そのためにはぁ……色々準備が必要だなぁ」
彼の頭の中では様々な外道じみた策略がいくつも浮かび上がってた。
そうしてそれから……半年の時が過ぎたのだった。