神竜王国の歴史は、およそ1000年に及ぶ。
伝説によれば、始祖たる王は竜と盟約を結び、力を得て国を興したという。
竜の血により王は代々、強靭な肉体を持って生まれる。
岩をも砕く怪力、駿馬のような脚力。
矢をもって射貫くこと叶わず、火をもって涼風のごとし、毒をもって死すこと無し。
さらにその力ある言葉は兵ひとりひとりに、あまねく超常的な能力を授ける。
王と共に竜を崇め、その加護をもって王国は繁栄を極めた。
だがしかし、同時に竜は贄を求める。1000年に一度、竜の印を持つものを喰らう。
それが盟約の対価。そしてその印は、余の左手にあった。
千年祭を祝う民が歌い、悦ぶ王都の地下深く。封じられた巨扉の先、見果てぬほどの広大な神殿で、余は竜と対峙していた。
ただの竜ではない。今まで見てきた竜が瘦せこけたトカゲに見えるほど、その姿は異様にして荘厳であった。
神竜王国は竜の生息地として広く知られている。
空を舞う飛竜や、洞穴に巣くう羽なしの火竜などが農家や旅人を襲うのはそう珍しいことではない。
しかしそのような祖国に仇なす脅威を、余は幾度となく打ち滅ぼしてきた。
竜殺しの王子。民は余をそう呼んだ。
その余をもってして、眼前の竜は畏怖を感じざるを得ない。
巨躯は視界におさまらぬほどで、濃灰色の鱗は壁のように分厚く、翼は天に届くようだ。
金色に光る4つの目と、炎のごとき深紅の血道がその体表を彩る。
古代の竜。人語を話し、魔法を操る伝説の神竜。
世界のはじまりよりそこにあり、世界の終わりとともに消えさるもの。
竜はしばらくこちらを観察するように見た後、静かに口を開いた。
『貴様が当代の王子か。跪け。さすれば再び、竜の血を授けよう』
「こ 断る!余は竜の盟約になど縛られぬ!」
余は竜の贄として生まれ、そのために育てられた。だがいくら祖国のためとて、ただトカゲの餌になるために生きてたまるものか。
歯を食いしばり、震える脚を叱咤した。
この日のために、修行を重ね、竜を屠ってきたのだから。
余はひとりではない。幼少のころより幾度となく前線を共に戦った、死を恐れぬ優秀な近衛たち。
古竜なにするものぞ。祖国のため、必ずやかの暴虐の竜と己が運命に打ち勝ってみせる。
そう誓い合った。そのはずだった。
「者ども!かかれ!」
声をはりあげ、先導して駆け出した。竜を取り囲むように前衛を展開し、その合間に後衛から補助魔法が飛んで…こない。
いやそれどころか後続の足音がしない。
「…!?貴様ら 一体どうし……!?」
振りかえろうとしたその時、余をまぶしい光が包み込んだ。
竜の使う、古代の魔法か…!
強力な魔法対策を施した装備が、ぶちぶちと音を出しはじけとんでいく。
痛みは感じない。装備外しの魔法…?それにしては…。
そうだ、近衛たちは無事だろうか。
後ろを振り返ると近衛たちは皆、竜に跪くように頭を垂れている。
「お おいっ貴様ら何をして…!…なんだ、何か変だ」
近衛たちの体がどんどん小さくなっていく。これも竜の魔法か?
いや、まさかこれは……。
「余が…大きくなった…のか?」
体がどんどん大きくなり、あれほど巨大に思えた竜に近づいていく。
巨大化の魔法?なぜそんなものを……。
体の変化はそれだけではなかった。
装備がはじけとび、肌を露わにした自身の体を確かめるように視点を降ろすと、
そこには見慣れぬ双丘がそびえていた。視界を遮るのは余の髪か?こんなに急に伸びるはずが…!
「な なんだこれは…!竜よ、余に何をした……!」
その声にハッとする。今のは余の声か?まるで生娘のような高い声。
『我が后よ。千年の盟約に従い、再び我が血を紡ぐがよい』
竜の股間には先ほどまでは確かになかったグロテスクな槍が脈動する。
「ま まさか…まさか、贄とは…」
ガシリと巨大なツメに足をつかまれる。大きさの差は縮まったとはいえ、その膂力は圧倒的だった。
ずるずるとひきずられ、足を開かされる。そしてそのぬらぬらとした液が滴る槍を、余の股間に突き刺した。
「う うわあああああああああ!!!!!」
●もうちょっと先まで考えたけど、このへんで区切ったほうがいいかなと思ったのでここまで。TS巨女を突然書きたくなったので書きました。思ったより巨大感出せなくて困りました。名前忘れたけどダークソウル1のアノロンにいる巨女くらいの大きさに変身してしまうという感じです。
巨女TSネタとしては、光の巨女と衝突して死んだ青年が光の巨女に変身してエロ宇宙怪獣と戦うとかでもいいね。