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【限定ショートショート】男子レスリング部:拓斗 VS パティシエ同好会:みいな


Pixivで公開中の小説の続きになります。

↓↓先にこちらを読んでから閲覧することをお勧めします。↓↓


(SS本編)


この日も宮島拓斗は体育館に呼び出された。


彼の周りには学校指定の水着に身を包んだ女子達。

見慣れた光景。

これから始まる生き地獄に彼は身構えた。

しかし、この日はいつもと違うことが一つあった。


雪乃璃奈が制服姿のままなのだ。


「アタシ、今日は戦わないから。その代わりさ、この子と戦ってみてくんない?」


そう言って璃奈が連れてきたのはパティシエ同好会の井上みいなだった。


普段は璃奈に弱らされた状態で他の女子に負かされつづける拓斗。

璃奈と戦わなくて良いとなると、正直負ける気はしない。


(普段の鬱憤を晴らすチャンスだ!)


拓斗はみいなとの戦いに応じた。



まずは拓斗から仕掛ける。

正直まったくのノーダメージで戦える以上、力の勝負で璃奈以外の女子に負けることはまずない。


拓斗はみいなに組み付くとすぐに押し倒した。


「きゃ!」


これには可愛らしい声をあげるみいな。


そしてそのままみいなの上に乗って体重をかける。


「フォール!もう両肩ついてんぞ!!俺の勝ちだ!」


拓斗はみいなの両肩をマットに押さえつけたまま璃奈に向かって言う。


しかし、璃奈は膝に頬杖をついてニヤッと笑うと


「わん......つー......」


とカウントを取り始めた。


これには困惑した様子で抗議する拓斗。


「おい、なんだよ!フォールしてんじゃねぇかよ!」


その隙をついてみいなは肩を上げた。

そこでカウントを止める璃奈。


「あ、今回はプロレスルールってことで。フォールカウントは3まで。絞め技も打撃もありね〜」


「は?なんだよそれ!」


確かに普段璃奈と戦う時はレスリングのルールだが、他の女子との戦いでは基本的にルールなんて無い。


というより、蹂躙されっぱなしでルールなんて気にしたことが無かったわけだが。


「なに?宮島不安なの?素人の女子相手に自分の土俵じゃないと戦えないとかマジださいわ。」


「......っ!いいよ、それでやってやるよ!」 


試合再開。

しかし当然拓斗優勢の状況が続く。

みいなを押し倒し、再びフォールの体勢に入る。


しかし、カウント2でまたもや返され、悔しそうにマットを叩く拓斗。


レスリングでは普段1秒間しかフォールしない。普段の感覚に慣れている拓斗にとってカウント2よりも長く押さえ込み続けるのがなかなか難しい。


また試合は仕切り直しに。

ここで今度はみいなが勢いよく組み付く。

みいなの予想外の攻撃に驚いて後ろに倒れてしまう拓斗。


「ぐあっ!」


立ちの状態で背中から倒され、両肩がついてしまうと、レスリングではビッグポイントと言って一気に4ポイントが取られてしまう。


いくら油断していたとはいえ、拓斗はみいなにビッグポイントを決められてしまった。

当然今回のプロレスルールにポイントなんて関係ない。しかし、レスリング未経験のみいなにレスリング技術で負けたような気がして動揺しきってしまう拓斗。


みいなはそのまま拓斗の両手を掴み、フォールを決めにかかる。


(くそっ、これ以上やられてたまるかよ!)


拓斗は渾身の力で押し返しにかかるが...


(なんでだよ...返せない......?)


この時拓斗はまだよく分かっていなかった。

みいながパティシエ同好会の中で20kgを超えるような量のカスタードを混ぜている事を。

泡だて器で、ハンドミキサー並みのメレンゲを作ることができる事を。


毎日お菓子を作っていただけだが、それによってみいなの腕の筋肉はかなり発達していた。


ワン......


みいなの体を押し返せず焦る拓斗に、しかしカウントは無情にも進んでいく。


「おらぁぁあああ!」


「はぁぁぁあああ!」


お互いに雄叫びを上げて押し合う。

しかし、みいなの体を押し返すどころか、逆に拓斗の腕の方がマットの方へと沈んでいってしまう。


ツー......


(くそっ!なんでなんだ!!俺は、雪野だけじゃなくて、普通の女子にも負けるのか...?)


みいなの体に押しつぶされながら、拓斗の両目からは涙が溢れ出す。


スリー!!


そしてスリーカウントが告げられた。




正真正銘、万全な状態の拓斗を力でねじ伏せたみいなに女子達は称賛の拍手をおくる、


「すごいよみいな!!レスリング部の男子に勝っちゃうなんて!」

「てか、男子レスラーって弱すぎじゃね?」

「コイツ弱いのに格闘技やってる意味あんの?」


敗北した拓斗は絶望に打ちひしがれマットに倒れて泣いたまま起き上がることができない。


「さて、じゃあ次は私の番ね。」


そして今日もまた無限地獄が始まるのだった。


(おわり)





おまけ

今回のSS、みいながパティシエ同好会で腕の筋肉めっちゃ強いっていうくだり、ちょっとアホっぽくて自分で読み返しててケラケラ笑ってます。

さて、オマケでボツ絵を一枚。

Pixivの小説本編の挿絵で入れようと思ってたものです。色々気に入らなくてボツにしました。


来月の小説は、今月の投票で決まった廃校舎棟プロレス(女子プロレスものになります)を投稿します。

ではでは今日はこの辺で~

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