XaiJu
prisoner-no6
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選ばレシ者ヘ

頭が重い。 だが痛くはない。 身体が軽い。 だが動作が覚束ない。 冬優子は朦朧とした意識を振り払いながら起きた。 どうやら仕事から帰宅してそのままベッドで眠ってしまっていたらしい。 珍しい鬼のメイクと和風衣裝の着付けで疲れが出たのだろうと自分を納得させて窓の外を見やる。外はすっかり暗くなっていた。 「お風呂、入ろ・・。」 冬優子はそういってベッドから立ち上がる。 やはり身体が妙に鈍い。病気かもと疑ってはみたが、普段から強く感染対策を心掛けているし特段心当たりはない。とはいえ件の伝染病も変異が多く存在するので一概に症状だけでははかれない。 「今日はお風呂入ったらさっさと休むが吉ね。」 冬優子は着替えとバスタオルを取り出そうと箪笥を見やると箪笥の上に置かれた自身の携帯に眼が止まった。いつの間にか置いてそのまま眠ってしまったらしい。よく見ると通知ランプが点滅している。冬優子は確認のため携帯を手に取り画面を開くとプロデューサーから連絡が来ていた。用件を確認すると、どうやら探し物らしい。冬優子が鬼の特殊メイクで付けていた鬼の角がその後見当たらないというものだった。 「はあ?そんなモノのことで?」 そう思いつつも文面を読み進めていくとそれは予想していたよりも悪寒が走る物だった。 どうやらあの角は特殊メイク用に作られた小道具ではなく、制作スタッフの実家に古くから保管されつづけていた本物と伝えれている「鬼の角」であるというのだ。今回の案件でその存在を思い出し、リアルさを強調するためにスタッフが実家からこっそりと持ち出し冬優子の特殊メイク素材として使用したという経緯らしい。それが突如行方不明となり、持ちだしたスタッフは大慌てでプロデューサーに連絡してきたのだという事だった。 「【特殊メイク担当の方にも連絡するが、先に冬優子にも確認しておこうと思ってな。冬優子は外した角の事、知らないか?】」 プロデューサーの文面を読み進めるうち、冬優子の頭を激しい動搖と混乱と怒りが交錯した。 「ば・・!なんでそんなモノふゆに付けさせてんのよ!」 そう怨嗟の言葉を吐きながら冬優子は無意識に己の頭部を確認するように触る。当然そこには角など存在しない。冬優子は無意識にほっとした自分が少し恥ずかしくなり、「そんなものは知らない」という文面の後に苦情と怒りをたっぷり乗せてプロデューサーへと返事を送信した。 冬優子は大きなため息を吐き、気を改めて着替えとバスタオルを取り出し浴室へと向かった。入浴の準備をしている間も冬優子の心は曇ったままだった。鬼の角以前にメイクを落とした記憶が無い。帰路に就いた記憶が無い。帰宅して眠るまでの記憶が無い。仕事後の記憶が混濁していてまるで思い出せない。どうして?何故? ぐるぐると目まぐるしく回る頭とは裏腹に、冬優子の動作は緩慢だった。浴室に入った後、素肌に掛かる髪の毛の感覚で結った髪を解いてない事に気が付き、冬優子は髪を解く為に浴室内の鏡を覗き込んだ。鏡に映し出されるいつもの自分。しかしそこにあるはずの姿はいつもの自分と異なり、冬優子の不安定な脳を一層掻き乱した 「・・え・・?なによ・・これ・・」 冬優子が震える声で小さく呟いた。 脳の処理が全く追い付かない。 仕事をしている昼間の自分と今の自分が混濁する。 (今は仕事中?それともこれは夢?) 無意味だと分かりつつも自問自答する。 冬優子は恐る恐る頭部へと指先を伸ばした。 冬優子の指が触れたその先には、昼間の仕事で散々見た二本の角が、しっかりと大地に根を張る木のように冬優子の額から伸びていた。 触れた指先の感覚と同時に、触れられた角の感覚が冬優子の脳へ電気信号として送られる。初めて覚える「角を触られる感覚」に冬優子の脳は思考を停止した。サッと引く血の気の感覚、噴き出す脂汗、止まらない震え、冬優子はそれらの押し寄せる恐怖の産物から逃れようと反射的に角を握り締め、引き抜くつもりで力一杯引っ張った。 「痛ッ!!」 「角を引っ張られる」という未知の痛覚。 それは耳や鼻のように、人間に有って当然の器官が同様にされる感覚に似ていた。 冬優子は即座に角から手を離した。 予想外の痛覚に恐怖と動搖で過呼吸になりながらも、何とか気持ちを落ち着け冬優子は現実を見つめ直そうと努力した。 冬優子は呼吸を整え落ち着いた後、改めて角を観察してみた。 角は額上部から根を下ろすように生えており、特殊メイクで貼り付けていた物とは全くの別物のように思えた。角の根元で脈打つ血管は不気味さを引き立てており、冬優子の不安定な心を揺さぶる。 冬優子は震える指先で改めて角に触れてみた。そしてそっと撫でてみる。明らかに触れられた感覚が刺激として冬優子に伝わる。 「ほんとに・・ほ・・んもの・・?」 角の根元から先まで汲まなく触ってみる。新たな器官の未知なる感覚に、冬優子は先ほどまでの恐怖と不安と動搖が不思議と和らいでいくような感覚を覚えた。自分のなかで抑圧されていたモノが解放されたような快感。角をさする度にその感覚は大きくなっていく。 (なにこれ・・きもちいい・・もっと・・) 角をさする動作が強くなる度に快感はより一層増していく。 冬優子はハッと我に返って指の動きを止めた。このまま続けるとマズい。本能がそう警鐘を鳴らした。 「っ!なんなのよこれ!わけわかんない!」 冬優子は快感を振り払い鏡の中の自分を再確認した。 すると先ほどよりも明らかに角が伸びており、その根元から皮膚が徐々に褐色へと変色していた。それは白い布に珈琲を溢してしまったかのように冬優子の肌へと広がりを見せる。冬優子の心に何か取り返しのつかない事をしてしまったかのような罪悪感が押し寄せる。 「あ・・ああ!・・いや・・!」 無意味だと知りつつも、冬優子は慌てて肌の侵蝕を止めようと角と額を押さえた。角に触れた途端、先ほどとはくらべものにならない程の快感が走る。 「ひギィ!!」 冬優子は思わず獣のような声を上げ身を捩った。それに呼応するかのように冬優子の秘所から体液が溢れ出す。冬優子は一瞬なにが起こったか分からなかった。身体中を満たすおぞましい快楽に抗いながら再度自分を確認すると、角を触れた指先までもが褐色へと侵蝕され始めている。その指で触れた他の場所も変色しはじめていた。それを見て冬優子は何かが終わってしまったと察した。 もはやどうする事も出来ない。 助けを呼んだところで誰がどうしてくれるというのか。 アイドルとして日々研鑽努力してきた自分の身体が不気味に変質していく。もう自分はこのまま得体の知れないおぞましい鬼になり果てるのだ。その後はどうするのか?鬼となり果てた自分を世間はどう扱う?   そんな事より今はこの快楽を享受シナイト。 冬優子は改めて角と秘所に手を伸ばした。 「がギギッ!!」 冬優子は途端に絶頂を迎えた。身体中を心地よい快楽が駆け巡り、意識が軽く飛ぶ。身体の変色に加えて不思議な紋様が身体に浮かび上がり始める。しかしもはやそんな変化など些細な事と言わんばかりに、冬優子は己の身体を愛し続けた。 そこにはもう自己の鍛錬に明け暮れていた意識の高い少女は無く、 只管に下卑た快楽を貪り続ける一匹の獣が居た。 「ギヒィ!!」 何度目かの絶頂を迎えた頃、 涙と共に鬼の口から声にならない声が漏れた。 「ダレガ・・ダスゲテ・・」

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Comments

いつも感想ありがとうございます! あの公式イラストを見て「描かねば!」と思いやってしまいました。こういう日常に潜む怪異や伝奇物が大好きなんです。 鬼冬優子はまた続きを描きたく思っているので、その時はまた中将さんの妄想の一助を担えればと思っております。

囚人六号

変化のきっかけが撮影のための小道具からで日常に潜む怪異…みたいな感じで始まるのも良いですね! 変化しながら鬼としての思考?が混じりつつ角を触りながら慰めて行く様子がすごくえっちです! この後、身も心も鬼に成り果ててしまうのかどうなのか…妄想が膨らみます!

中将


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