XaiJu
prisoner-no6
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Arbeit macht frei

どれくらい気を失っていたのか。 円香が目を覚ますと、先刻とは違う場所に連れて来られていた。 レンガ造りの暗い部屋。 蝋燭の灯りだけがいくつか灯るだけの粗末な所。 吊られていた鎖は外され、今度は後手に拘束されていた。 そして何者か大柄の者に抱きかかえらえている。 自分を見やると、緑色をした筋肉質の腕ががっちりと胴に回されていた。そして着されられていた布は取り払われ、一糸まとわぬ姿となっていた。露になった肢体にはくっきりと刺青が彩られている。 それらを見た瞬間、円香の脳内を色々な記憶が巡る。 これは夢ではない。現実なのだ。 化け物も刺青も本物だ。着ぐるみやボディペイントではない。 円香は触れる化け物の触感と肌の鈍痛を自身の脳と接続し、回答を得た。不可解且つ絶望的な回答だ。 哀しい、悔しい、どうして、何故、 溢れ出る感情に心が乱れそうになったその時、目の前から声がした。 反射的に前を見やると、薄明りに照らされフードを目深に被り黒衣を纏った大男が現れた。 (最初に見たあの男だ・・) その化け物が男か女か、オスかメスか、そんな事はどうでもいい。 円香は一刻も早く現状を理解したくて黒衣の男に問うた。 「あなた、何者?いったい何が目的?誘拐しておいてこんな事までして警察が黙っているとでも?」 円香は的外れな問答だと頭では理解していながらも、 男に思いついた言葉を片端からぶつけた。 「ガ・・ザザ・・お・・」 男から返ってきた言葉は言葉とは言い難いノイズのような唸りだった。 まるでラジオを合わせるようなノイズ。 こんな化け物と意思疎通しようなど土台無理な話か。 円香は落胆の溜息を吐いた。 そんなノイズからだんだんと耳慣れた言葉が聞こえ始める。 「ガ・・コトb・・ワカルカ・・?」 円香は困惑した。 化け物の言葉が徐々に翻訳されていくかのように、 聞きなれた日本語へと変換されていく。 まさか本当に魔法か何かなのか。 それともただ此方を馬鹿にしているだけなのか。 そんな考えがあれこれ頭を過ったが、 今はそんな事より現状の打開だ。 「言葉が理解できるのなら話は早いです。早くこの妙な模樣を消して元の場所に戻してくれませんか」 円香は自分の不利な立場を再認識し、少しでも建設的な話をしようと敬語で話しかけた。 男は少し考えるように沈黙した後、徐にフードを取った。 下から他の化け物同様の顔が現れる。 その瞳は怪しく金色に光っている。 他の男と違ったのは、その口角が厭らしく上がっていた事だった。 「ソレハ、オマエシダイダ」 黒衣の男は喉からグルグルと、笑いとも唸りともわからない音を鳴らした。 円香は直感的に自分が弄ばれていると解り、不快な気持ちになった。 「はっきり言ったらどうなんですか、ミスターマジシャン。どうせ私に決定権なんてないんでしょう。だったら少しでも状況を理解して事態を好転させるだけ。どうすればいいんですか」 円香は苛々を抑えつつも話を進める事に努めた。 黒衣の男は円香の放ったマジシャンという言葉に反応し口を開いた。 「マジツ、ワカルノカ?ナラバ、ハヤイ」 感心しつつ、黒衣の男は淡々と話を進め始めた。 男たちの住む世界は円香の世界とは別の世界だという事。 彼らはトロルと呼ばれる種族でこの世界で人間にあたる存在という事。 この世界には人間型はトロルしか存在しないという事。 種族は人間同樣男女が存在し、 人間同樣の文明社会を築いているという事。 聞く限りでは文明レベルは中世並だという事。 魔術が存在し、所謂ファンタジーに酷似した世界だという事。 黒衣の男は魔術師であり、王である存在に仕える高位の者であるという事。 円香を召喚したのはこの男であり、それは王の命令との事。 円香が召喚された理由は、召喚時に円香が世界とのつながりが稀薄だった為との事。 つながりが稀薄とは、世界の節目に於いて世界と接していない存在だったからという事。 召喚術はまだまだ開発されたばかりの術なので、男女や年齡など大凡の特徴を持った存在しか特定召喚できず、召喚される存在は不特定だという事。 つまり円香が選ばれたのは 「年月の狭間で地に脚を付けていなかった」 「ヒューマノイドの若い雌」 という単純なワードから選ばれた不運な存在だという事。 「はあ・・なんて幸運・・」 円香は呆れと落胆で脱力しながら深い溜息と皮肉を漏らした。 新年を祝う瞬間のジャンプなんて、どこの国でも行われている他愛もない御遊びである。そんな大多数からまさか自分が選ばれるとは。 それでも円香は心の底で小糸や雛菜、透が選ばれなかった事に安堵していた。雛菜や透はともかく、小糸がこんな境遇に放り込まれる事を考えただけで虫酸が走る。それだけは本当の幸運だと感じた。 「それでその王は私に何をお望みで」 召喚の条件で半ば回答は予想していたが、 返ってきた言葉は残念ながらその通りだった。 「オマエノ、カラダヲ、ゴショウモウ、ダ」 つまり王とやらは開発されたばかりの召喚術で、異世界の雌を自分のコレクションに加えたいとの事だった。まったくあきれ果てた話だ。 「はあ、元の世界へ返す条件が王の奴隷とは随分と矛盾した話ですね。私は結局飼い殺しですか」 円香は取り繕う事なく皮肉を吐き出した。 黒衣の男はそんな事かと言わんばかりに喉を鳴らして笑い言った。 「ソレハ、モンダイナイ」 黒衣の男の話では、王は新しい物好きで飽きが早く、同族の奴隷女も頻繁に取り替える程らしい。王が円香に満足して飽きた頃を見計らって元の世界に戻してやるという。その頃には王は別の種族の雌を欲しているだろうから別の種族を召喚して宛がう。心配ないと。 「は・・結局私が慰み物になる道には変わりないという事」 どうやっても他の打開策は見出せない。円香は仕方なく覚悟を決めた。今は生きて元の世界に戻る事を目標にしなければ。 「・・わかった。その代わり約束はしっかりと守って」 円香は諦観を帯びた声で黒衣の男に言った。 「モチロンダ。デハ、ヨウイニ、トリカカル」 黒衣の男が嬉しそうにそう語ると片手を上げ何かしらの合図をした。 すると円香を抱えていた男が突然行動を起こした。 円香の乳房を揉みしだき愛撫を始める。 「!?・・ちょっと!いきなり・・何!?」 円香が慌てた声で黒衣の男へ言い放つ。 「オウハ、オイソギダ。マズハ、ドクミ、ト、シツケ、ダ」 黒衣の男はそう言い放つと円香に手を向け何かしら唱え始めた。 すると円香の身体に異変が生じた。 刺青がぼんやり光り始めたかと思うと身体が思うように動かなくなった。倦怠感や拘束感とは違う不思議な感覚で身体が重い。 それと同時に身体の感覚が敏感になっていた。男が円香の乳房を愛撫する度に円香の身体を恍惚感が支配し始めた。 (気持ち・・いい・・?) そう円香がぼんやりと思考していると、下半身から熱い物が伝う感覚を覚えた。澱みつつある頭と眼を下腹部に向けるとそこにある刺青が他とは違った淫靡な光を帯びて輝いていた。その辺りから心地よい熱を感じる。そして秘所からは愛液が溢れんばかりに流れ出ていた。 「ゾンブンニ、タノシメ」 黒衣の男はそう言い放つと踵を返して去っていく。 「・・ちょっと・・まって・・」 円香が力なく声を絞り上げている間も後ろの男は円香を求め続けた。 不意に円香は背中に熱い異物を感じた。後ろで拘束された手でそれに触れるとすぐにそれを理解した。熱く脈打ち、巨大な一物。 これから訪れるであろう未来に円香は絶望と恐怖に支配された。 心地よく澱んでいた頭もこれからの試練ですっかり覚めてしまった。 自分のなかで折り合いをつけたつもりだったが、やはり怖い。 自分の初めてが、巨大な一物を持つ化け物の大男であるなどと。 心とは裏腹に、すっかり男を受け入れる準備が出来てしまっている秘所の入口へ、化け物の一物が触れた。 「・・嫌・・いや!!」 円香は最後の力を振り絞り抵抗の声を上げた。だが、男には届かなかった。 ぬるり 秘所から脳天を串刺しにされたような感覚。 痛覚ではなく途轍もない快感。 世界が終わり、新しく始まるような感覚。 円香は悲鳴ともつかない嬌声を上げた。

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