「ウグッ!!」
尋問官が放った拳が腹にめり込みフェイトの口から呻き声が漏れる。
同時に軋み音をあげる手足に繋がれた拘束鎖。
今、フェイト・ラインゴッドはエリクール2号星の一国、アーリグリフの城の地下の最深部、地下牢に捕らわれていた…
ほんの少し前、ヴァンガード3番星でノートン一味に拘束され“臍奴隷”となっていたところを、突如現れた反政府組織『クォーツ』の一員クリフに救い出されたフェイト。
クリフの相方ミラージュ共々彼らの母艦“イーグル号”にて彼らのボスの下へと向かうフェイトであったが、途上突然現れたヴァンデーン艦が攻撃を仕掛けてくる。
乗艦に損傷を受けながらもなんとか降りきる一行であったが、航行トラブルによりやむ無く付近の惑星へと降下する。
その惑星『ヴァンガード2号星』には地球の中世のような街が広がっており、その中心の路地に不時着し航行不能となってしまったイーグル号。
クリフはミラージュに艦の後始末を任せつつ、自身はフェイトを連れて打開策を見つけ出さんと艦から外へと踏み出す。
艦から現れた2人を即座に取り囲む衛兵達。
敵意がないことを示さんとするフェイトであったが、問答無用で背後から羽交い締めにされ無防備となった腹部に痛烈な一撃を叩き込まれてしまいそのまま気絶してしまう。
やがて彼が目を覚ました時、そこに広がっていたのは薄暗い石壁で囲まれた空間であった。
自身の両手両足に金属製の枷が取り付けられ、四肢を大きく広げた状態で拘束されている状況であることに激しく動揺するフェイト。
さらには周囲の壁や机には多数並んでいる、中世の拷問に使われるような器具がますます彼の心をざわつかせる。
そんな彼の前に衛兵を伴い現れた一人の男…
彼は自身を『尋問官』と名乗り、そしてフェイトへの“尋問”を開始したのであった。
「んん~、いい殴り心地だぁ…さぁて、どうだ喋る気になったか?」
「………」
「いい加減ゲロっちまえよぉ、お前達が乗ってきたモン…ありゃなんだぁ?」
「………」
「”シーハーツ”の新兵器なのかぁ?」
(シーハーツ…?)
初めて聞く単語…
「答えろってこのッ!!」
ボグゥッ!!
「うグッッ!!!」
またも腹に拳を叩き込まれ呻くフェイト。
先から執拗に腹部を殴り付けてくる尋問官に思わず口答えするフェイト。
「知らない…って…言ってるだろ…」
「!、この…ッ」
反抗的な態度にまたその腹を殴ろうとする尋問官であったが何者かが背後からその腕を掴んだ。
「!?、な、何し……ッ!?」
「よう、何やら面白いことやってんじゃねぇか」
「ア、アルベル様!!」
(アルベル…?)
突如現れ一目で尋問官を萎縮させた人物…
先端が金髪、根元が茶色がかった特徴的なヘアー…
肩から指先まで丸々金属製のメイルで覆った左腕…
そしてこの寒冷地にあるアーリグリフ城のしかも最深部の地下という寒気も極まる場所でノースリーブ、むき出しの腹部にふともも…
明らかに異様なオーラを纏った長身の男“アルベル”が尋問官を除けながらフェイトの目の前へと立った。
「ほう…なかなかそそる格好じゃねぇか…そんな腕も足も丸出しな無防備な姿でよ」
「お、お前に…言われたくない」
フェイトの格好は未だ保養惑星ハイダからずっと着用しているノースリーブボタンシャツに短パンという露出度が高いものであったが、それは目の前にいるアルベルも同様であった。
「フ、クク…なかなか言ってくれるじゃねぇかクソ虫が…」
そう言いながらさらにフェイトの体と密着せんばかりに近寄りその顎を右手人指し指でクイと上げる。
「お前のようなヤツは嫌いじゃないぜ?」
「な、なにを…うッ!?」
メイルに覆われた左指…
その人差し指を、ちょうど腹パンを受け続け陥没したフェイトの腹部の中心に取り付けられたボタンへと当てるアルベル。
(ぐッ、そ、そこは…)
「この辺り…何か感じるなぁ?」
彼が指を当てたボタン…それはちょうど“フェイトの臍”に位置していた。
己の最大の急所にボタン越しとはいえ指を当てられていることに内心焦るフェイトを他所に、ボタンをグニグニと軽く押し込んだり上下左右へとずらしたりして玩ぶアルベル。
服越しにボタンが敏感な臍の凹凸を刺激することで、フェイトの臍からまたも得も言えぬ感覚が沸き起こってくる。
「や、やめろッ!“お腹のボタン”を弄るなッ!!」
思わず叫ぶフェイト。
「なんだ?このボタンがどうかしたのかクソ虫?」
「と、とにかくボタンから指を…
はグゥッッ!!!???」
突如フェイトの腹の中心を貫いた衝撃。
「がッ…ア゛ァ…ッ!?」
「ほう、その反応…“当たり”というところだな?」
その顔に邪悪な笑みが浮かべるアルベル。
ずっとお腹のボタンを弄っていた彼はボタンをフェイトのお腹の上をなぞらせることで、そのシャツの裏に隠れた“ソレ”の位置を性格に把握していた。
そしてボタンをその中心にもっていき、思い切り臍穴の奥深くへと突き込んだのである。
見事穴の奥深く…腹膜まで達せんばかりまでの位置に押し込められたボタン。
アルベルはその固い金属に覆われた指を引き抜くと、ボタンを失ったシャツの前立ての当たりを指で割り開いた。
「ひグッ!?」
シャツの合間からフェイトの特徴的な渦巻きベソが顔を出す。
その渦が集束する中央の孔の奥底には先程シャツに付いていたボタンが見える。
「ほぉう…これは……服の上からボタン越しに触って、何か変な形状をしていると思っていたが…なかなか奇妙な形をしていやがる」
「が…ア、ァ……へ、臍がぁ…」
身体で最も敏感で脆弱な部位の中心にボタンを奥底まで押し込められた衝撃の余韻が未だ臍の中に渦巻き、フェイトに深刻なダメージをもたらしている…
「ハッ、相当敏感な部位だったらしいな。オイッ!」
「ハ、ハイッ!!」
突如呼ばれビクッとする尋問官。
「テメエはコイツの後ろに立って、俺に合わせて臍の反対側の背中を殴れ」
「え?………ハ、ハイッ!!」
言われた通りフェイトの背後へ回り込む尋問官。
一方アルベルはフェイトの真正面に達、メイルに覆われた左指を握り込んだ。
そんな二人の行動も分からず、ずっと自分の臍に埋め込まれたボタンに意識を向けているフェイト。
「いくぞ!そらッ!!」
臍に向けて打ち込まれたアルベルの鉄の拳、ちょうどその反対の背面から同時に尋問官が拳を打ち込んだことで、両パンチに挟まれ潰れひしゃげるフェイトの腹部。
さらには臍奥に異物を埋め込まれてることで腹筋に力を込めることも出来ず、その凶悪なまでの威力が余すことなく腹の中で炸裂する。
先のヴァンガード3番星ではノートンの手下に拘束されひたすらその腹にパンチをお見舞いされたが、あれなど比にならないほどの威力にフェイトは濁った叫び声と共に口から盛大に吐血した。
その様を見て愉快そうに笑うアルベル。
「おいおい、”一発目”でもう死にかけてるじゃねぇか。まあ、この変な臍がテメエの“弱点”だってことはよく分かったぜ」
「ヴ…ッ!!ヴェェェエ゛エ゛エ゛エ゛エ゛…………」
「だがまだこれで終わりだと思うなよ!!」
またも地下牢に鳴り響くフェイトの叫び。
その後しばらく、激しく肉を打ち付ける音と濁った叫びが途絶えることが無かった…
【続】