突如謎の女エージェントの一派に襲われたヒカル。
応戦するも、あっさり取り囲まれエージェントの一人によって背後から羽交い締めにされてしまう。
「ぐっ、くそッ!」
必死に拘束を振りほどかんとするも、女性とは思えないほどの怪力で肩口をガッチリと抑え込まれまったく身動きが取れない。
「なんや随分非力やなぁ、デカべそ少年君!早く変身した方がええんちゃうか?」
ヒカルを背後から抑え込んでいる女エージェントがせせら笑うように囁く。
「あ、変身しても変わらへんか!いつも無様に負けとるしな、ハハハッ!!」
「お、お前ッ!!」
その言葉に思わずカッとなるヒカル。
「だったら変身してお前たちをあっという間に蹴散らしてやるッ!!」
咄嗟にスプリーム・ナベルに変身せんと自身のヘソに力を込めるナベル。
「おっと、そうはいきませんよ」
「ッ!?」
突如目の前に歩み出たリーダー格らしき女エージェントが、手にした謎の器具を不意にヒカルのヘソに挿入する。
ズブッ!!
「はぁうッッ!!???」
チュウウウウ…
「ぐ…あッ!な、お、俺のヘソに…何をッ!!??」
「フフフ…」
妖美な笑みを浮かべたまま、注入器のような器具のトリガーを引き続けるリーダーエージェント。
チュウウウウ…
「ぐぅぅぅぅぅぅ……!!!」
自分の臍内部に何か冷たいジェルのようなものが浸透していく感触に身を震わせるヒカル。
やがて装てんされたジェルがすべてヒカルの臍内部に注入され、その穴から器具が引き抜かれる。
「うあッ!!…はぁ、はぁ、い、一体俺のヘソに何しやがったッ!?」
「さあ、なんでしょうか?しかし見た目以上に巨大な臍ですね。まさか溶剤を全て"飲み干して"しまうとは…」
「ハハッ、臍穴だけは一丁前に立派ってことやな!デカべそ少年君!」
「う、うるさいッ!!変身さえすればこんなものッ!!」
再び臍穴に力を込めるヒカル。
スプリーム・ナベルへの変身過程…
それは自身の腹腔内に埋め込まれた力の源『ベリータイマー』を臍穴から露出させ、タイマーを介して外部の太陽エネルギーを体内に取り込むことで自身の体組織を変化させるというものであった。
だが…
「…えッ!?タ、タイマーが…出ない!?」
「フフ…どうしたのですか?変身して私たちを倒すのではないのですか?」
「だ、黙れッ!!う、ぐぐ…ッ、な、なんで、タイマーが…ヘソから出ないんだよッ!?」
「…教えてあげましょう。先ほどアナタのおヘソに注入したのは特殊な充填剤…空気に触れればすぐさま凝結を開始し、通常の手段では引き剥がすことが出来ないほどに固着します」
「ッ!?」
「つまりアナタのその臍穴はその充填剤によって完全に塞がれたということです」
「な、なんだってッ!?」
「穴を塞がれてしまえば、その内部のタイマーも表に出ることが出来ない…ホゾ・ヒカル、今のアナタは"変身出来なくなってしまった"ということです」
「う、嘘だッ!!」
衝撃的な事実に動揺しながらも、それを覆さんと必死にヘソに力を込めるヒカル。
だが臍内部のあらゆる隙間に侵入し完全に固着してしまった充填剤はタイマーの露出を完全に阻止してしまっていた。
「う、うそだ…うそだ…うそだッ!!」
「フフフ…充填剤がたっぷり注ぎ込まれた臍穴がまた開くまでせいぜい頑張ってください。…もっともそんな余裕を与えるほど我々も悠長ではありませんが」
「…う、うるさい!!変身さえすればお前たちなんか…お前たちなn」
「がッはああああアアアアアアッッッッッッ!!!!!???????」
封印された臍に完全に意識を向けていたヒカルのむき出しの腹に突き刺さる重く容赦ない一撃。
「お、ごォ…オェ…ッ」
「情けねぇことばかりほざいてんじゃねぇよッ!」
ヒカルの腹に拳をぶち込んでいた女エージェントが吠える。
「テメエのその体と臍でなんとかしてみやがれッ!!」
「グほぉおオオオオオオオオッッッッッッ!!!????」
「ブへぇえエエエエッッッッッッ!!!!!????」
「ギャああうううッッッ!!!!!!!や"、やめろ"ォォォォォッッッッ!!!!!!は、腹がァッッ!!!!!オレのはらがァアアアアアアッッッッッ!!!!!!!」
「うるせぇッ!!」
「ブゥウ"ウ"ウ"ウ"ウ"エ"エ"エ"エ"エ"エ"エ"ッッッッッッッッッ!!!!!!!」
変身することも出来ず、延々とその腹部を殴られるヒカル…果たして彼はこの最大の窮地を脱することが出来るのだろうか?
【続】