「ぐがッ、グがが…ッ!!」
体に纏わりつくように取りついた宇宙アメーバによって身動きが取れないまま、ただひたすらアメーバを飲まされ続けていたスプリーム・ナベル。
強制的に体内に侵入してくるその異物によって、今やその腹部は臨月を迎えた妊婦の如く膨らみあがっていた。
ピコーン、ピコーン、ピコーン…
膨張し切った腹の頂点から巨大なデベソの如く突き出たベリータイマーは、その腹の容量の限界を知らしめるかのように、けたたましい警告音を鳴らしながら紅く点滅を続けている。
「あ、ガガ…ッ!!」
(お、俺の腹がァ…このままじゃ破裂しちまうぅ…ッ!だ、だけどどうやってコイツを腹の中から…!?)
絶望に満ちた目で己の妊婦腹を見下ろすナベル。
そんな彼をまるで煽るようにアメーバの集合体は、その群体で形成した手で彼の腹を擦ったり、その頂点の"デベソ"を指で突いたりしていた。
(く、くっそおおおおおッッッッッ!!!!!!!!)
為す術なくアメーバの体内浸入を許すことおよそ数十分後…
「ぐがっはあああああッッッッッッッ!!!!!!!」
ドシャアアアアアアンンンッッッッッッ!!!!!
苦悶に満ちた雄叫びと共にナベルの巨大な体が勢いよく地面へと仰向けに倒れ込んだ。
「がはああああぁッッッッッ!!!!!」
ついに外部のアメーバが全て体内に侵入したことで束縛から解放されたナベル。
だがその腹部の中には夥しい量の宇宙アメーバが蠢き、もはや彼自身自力では立ち上がれないほどの重量となっていた。
「あ…ががッ、お"、お"れ"の"腹"ァッ!!!!」
これまで味わったことのない苦しみが腹の中を渦巻き、呻き声を上げるナベル。
外部からの侵入は止まったものの、今度は彼のエナジーを吸収しながらその内部で増殖し続けるアメーバ。
このままでは間違いなく腹が中からの圧に耐え切れず破裂してしまう…
だがその壮絶な苦痛と重さによって地面で大の字になったまま、その巨大な腹を震わせることしかできないナベル。
「ぐ…ガ………」
ピコーン、ピコーン、ピコーン…
天に向かって突き出された腹部の頂点…赤く染まったナベルタイマーがただ空しく鳴り続ける…
「だ、だれがぁ…だ、だずけてぇ……お、俺の"ォ…腹がぁぁ……」
自力ではどうすることも出来ず、情けない懇願の声を上げるナベル。
もう彼の腹も破裂しようとせん…その時であった。
ピコーン、ピコー…
けたたましく鳴り響いていたタイマーの警告音がふいに止まる。
同時にこれ見よがしに発していた赤い光が突如消え、そのタイマーの内部が緑色に染まる。
「あ…、ア、あァ"…!?」
これまでナベルが感じたことの無い感覚が腹部に…そしてヘソに走る。
ピキ…ピキ…
ガラスにヒビ入るような軋み音…
一体自分の臍に何が起きているのか…
全く理解できていないナベルであったが、その腹の奥からヘソに向かって沸き起こる熱い渦に激しく体を揺さぶり始める。
「ア"ッ…あ、ァ……ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"アア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!」
放たれる絶叫。
そして同時に破裂するベリータイマー。
「ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ア"ッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!」
内側からの圧によって耐え切れなくなったタイマーの防護クリスタルが砕け散り、そこから勢いよく噴き出す緑の粘着性物質。
それはナベルの腹腔内で増殖したアメーバであった。
そのあまりもの圧により腹部から臍部のタイマー内部にまで逆流したアメーバが、ついに内側からタイマーの殻を突き破って外に噴き出す…
腹部の破裂こそ避けられたものの、臍穴から勢いよくアメーバを噴き出し続ける彼に、今自身の体内で起きてる事態を理解することも、この事態に収拾をつけることも、もはや不可能であった…
【終】