「うがッはあアアアアアッッッッ!!!!!!!!」
山中に響く雄叫び。
それと同時にその巨大な姿を現すスプリーム・ナベル。
体内に侵入した宇宙アメーバにより、強制的に腹を膨らまされたことでその腹圧に耐え切れず臍穴から飛び出してしまったベリータイマー。
意図せず無理矢理変身させられてしまった形となったナベルはその場にお腹を抑えながら膝をついた。
「うっ…ぐ…」
お腹を擦るナベル。
先程まで地獄のような苦しみを味わされてきたが、体躯が巨大化したことでその分腹の中の容積も大きくなり、今のナベルの腹は元の形へと戻っていた。
「と、とにかく腹の中のアメーバを取り除かないと…」
体内のアメーバを除去するため、ヘソに力を込めるナベル。
その時であった。
ジュルルル!!!
「…えッ!?」
不意にナベルの背後に何かが取りつく。
咄嗟に振り返ろうとするナベルであったが、それより先に"ソレ"は素早く彼の両脇下から肩口へと這い上がりその体躯を抑え込んでしまった。
「うぐッ!な…ッ!?」
「な、なんだよコイツッ!!??」
半透明の緑色の軟体…ナベルを背後から抑え込んでいたのはまるで人型を為した巨大なスライムであった。
「ま、まさかここに潜んでたヤツらの…集合体!?」
それはまさしくヒカルの体内に侵入した個体以外のアメーバが全て結集し誕生した巨大人型スライムであった。
「ぐぅ…こ、このッ!!!」
なんとか振りほどこうと力を込めるナベルであったが、その粘体質の体ゆえに全て受け流されてしまう。
「く、くそぉッ!!離れろよコイツッ!!」
ナベルが叫んだ瞬間であった。
ボコォッ!!
「おぐぅッッ!!!??」
腹部に生じた思わぬ衝撃に呻き声を上げるナベル。
「な…ッ!?」
羽交い締めにされたまま咄嗟に己の腹部へ目をやったナベルはそこに信じられないものを見た。
腹部中央のベリータイマーをせり上げるようにぽっこり盛り上がった腹部…
「な、なんでまた俺の腹が膨らんでるんだよッ!!??」
『フフフ…』
「ッ!?だ、誰だッ!?」
突如ナベルの頭に響いてくる声。
『私はその宇宙アメーバ…対スプリーム・ナベル用液状生命体を作ったものです』
「な、何だってッ!?」
『その生命体はナベルエナジー…すなわちアナタの力を吸収して増殖するように調整されています。すなわち体内に取り込んだが最後、アナタが死ぬまで体内で無限に増え続けます』
「ッ!? う、嘘だろッ!!??」
『嘘ではありません…現にアナタが変身をしてしまったことで発生した膨大なエナジー…それを取り込むことでその腹部内で増殖し続けるのです』
「あ…が…、お、俺の腹ん中からコイツを今すぐ出せェッ!!!こ、こんなヤツに俺の腹が…んぐゥッッ!!???」
「ンぐォオオオッッッッ!!!????」
『迂闊に大きく口を開けるからです。これで体内のみならず外からもたっぷりと入り込むことが出来るようになりました。存分に味わってください』
腹部内で増殖するアメーバに加え、口部からも侵入し始めるアメーバ。
スプリーム・ナベルの腹部は今、加速度的に膨張し始めていた…
【続】