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【全体公開版】淫乱探偵黄ヶ虎李光の不名誉事件録より 宮影という男

 新しい事務所に移ってから、黄ヶ虎李光(きがとら りこう)には一つ悩みが増えた。

 ここは以前とある事件で関係を持ったオオワシの男性から好意で使わせてもらっている場所である。ビルのフロア二つ分が貸し切りになっており、下は筋トレ用のジムエリア、上は宿泊施設という贅沢な作りになっている。

 昔、ここの持ち主だった人が屈強な雄をめでるために作った空間は、やはり似たようなものを引き寄せてしまうのだろう。

 おかげで、今はボディビルを志す雄とラグビーに打ち込む雄がたびたび訪れ、いたるところで乱交をする。なんて、目も当てられない惨状を呈している。


 そんなビルの一室、事務所として模様替えされた場所で、大柄な虎が眼光を鋭くしていた。


「なあ宮影(みやかげ)、お前の言いたいことはわかるさ。『筋肉嗜好会』(マッスルフィリア)の被害者たちが大変なのもわかる。だけどな、うちは発展場じゃねえんだ」


 きちんと手入れされた毛皮に清潔なシャツ。それをスラックスに押し込んだ几帳面な虎こそがここの主、探偵黄ヶ虎李光だ。

 筋肉と脂肪を混ぜた体できれいな布地を膨らませる肉風船のような肢体に、不機嫌がデフォルトになった表情を乗せ、探偵は目の前のシャチをにらんだ。


 机の上にまかれた書類には、精悍な雄たちの写真がのっている。これらすべてが『筋肉嗜好会』の被害者なのだそうだ。


 『筋肉嗜好会』とはたくましい雄を落として金を稼ぐ悪質な集団であり、呪術を駆使して堕落を振りまく犯罪者である。目をつけられた雄はちんぽに焦がれるようになり、股を開くことが当然となるほどに性癖がゆがめられてしまうのだ。

 そんな集団と黄ヶ虎は何度も渡り合い、事件を解決している。

 しかし、事件は解決したが、雄狂いにされた雄は数多い。黄ヶ虎はそんな彼らをかばうため、ここで性欲を発散させていた。


「そんな難しいことを頼んでるわけじゃないさ」角ばったスーツ姿にやんわりとした笑顔を浮かべてシャチは言う。「ただ、どうしても我慢できなくなったらここで乱交させてあげてほしいってだけじゃないか」

「絶対その後に居つくのが目に見えてんだよ! おれは探偵。カウンセラーじゃねえぞ」


 がちがちに鍛え上げた肉体をスーツに押し込んだシャチは、その威圧感を表情で中和している。口調も柔らかいが、その実、刑事として数々の事件を解決してきた敏腕であり、黄ヶ虎が雇っているサメの元相棒でもある。

 今は『筋肉嗜好会』(マッスルフィリア)によって雄狂いにされてしまったが、刑事としての腕は健在だ。


 だが、交渉の緩急を熟知しているシャチといえども、探偵はひるまない。


「ただでさえ全員雄狂いにされて攻め手が不足してんだ。お前がしてくれるってのかよ」

「おれは無理だよ。被害者だからね。ちんぽといったらハメられるものだよ」

「はぁー……そもそもこの場所は塚爪 嘴角(つかづめ しかく)から借りてるだけで、おれに決定権はねえんだ」

「君はその塚爪のご主人様だから、お願いすればきっと通るはずさ」


 将を射んとする者はまず馬を射よ。相変わらずこのシャチは根回しがうまい。黄ヶ虎さえ押さえてしまえば、要件が通ると知っているのだ。

 だから、ここは何としても折れるわけにはいかなかった。虎は尻尾を立てて、肩をすくめたシャチを見据える。


「君のところがだめなら、彼らが安心して盛れる場所がないんだよ。また『筋肉嗜好会』につかまっても困るしね」

「そこはそっちで何とかしろよ。こっちだって慈善事業やってるわけじゃないんだからな。『丑の刻参り』のやつらは徐々に影響が薄くなってきてるし、これから足を洗えるか大事なところなんだ。人が増えればその分塚爪にも迷惑がかかるし、それはおれだって本意じゃねえ」

「ああ、それはわかってるさ。だからもちろん、助成金がでるよ」

「……は?」


 予想外の言葉に虎が目を丸くする。こんな雄の盛り場に誰が金を出すというのか、思いつく場所は一つしかなかった。


「……てめえ、『協会』を抱き込んだな」

「さすが名探偵。でも、それが筋ってものだろう? 呪術を管理することが『協会』の使命だ。彼らだって『筋肉嗜好会』のことに頭を悩ませているんだから、そこに所属する君が協力するのが義務ってもんだ」


 しかも、『協会』には神霊まがいとなったサメの封印を手伝ってもらったという恩義もある。そこに金を積まれては、いくら黄ヶ虎とはいえ分が悪い。


 直情型のサメを支えてきた元女房役だけあり、その根回しは探偵すら手玉に取るようだ。

 不機嫌が爆発した視線は射殺すように鋭いが、宮影はなんてことないように尻尾を振った。


「そろそろ君にも連絡が来ると思うよ。『筋肉嗜好会』の被害者たちの経過観察と、改善の手助け。もちろん報酬付きでね」

「なあ、宮影」

「なんだい」


 こうなればもう断るという選択肢はない。『協会』から直々に指令が下されれば、黄ヶ虎に逆らうことなどできないのだから。

 そんな虎にできることはただ一つ。


「とりあえず一発ぶん殴っていいか」

「出来ればちんぽでお願いしたいな♡」


****


「そんなわけで、もうすぐここに雄がたくさん来ることになった。事後報告になって悪かったな」

「おれは構わねえぞ。困ってるやつがいるなら、おれにできることはやるって決めてるんだ」

「いえいえ。ご主人様が決められたことなら、この塚爪、異議を唱えることなどありません」


 予想通りの反応に黄ヶ虎はため息しか出なかった。正義漢にマンコ奴隷とくれば、断るという発想がそもそもないのだ。大きな書斎机に突っ伏して、恨めし気に視線を上げた。はさんで向かいには、立派すぎる体躯を持つ雄が二人。


 正義漢こと瑠璃島 瑪瑙(るりしま めのう)は筋肉の凹凸が際立つサメであり、空色の体にラウンド髭が目立つ、雄の中の雄として黄ヶ虎の周囲で名高い男だった。

 鍛え上げられた肉体は研いだ刃のようで、無駄な部分など一切ない筋肉の塊である。

 元警察で宮影の相棒だった彼はとある事件の後、ここで黄ヶ虎の助手として働いていた。


 そして、マンコ奴隷こと塚爪 嘴角(つかづめ しかく)はそんな瑠璃島の筋肉量を上回るバルクを持つ、超巨大なオオワシだった。目と目の間に扇形の白を持つ以外、真っ黒な羽毛に覆われた猛禽類の頂点。

 最高峰のボディビルダーだった彼は『筋肉嗜好会』の手によって落とされたマンコ奴隷であり、いろいろあって黄ヶ虎を主とあおぐようになった。


 ちなみにどちらも服を着てはいるが、肉体の雄々しさを隠すには全く足りていない。布地を押し上げる起伏から、並の雄では敵いもしないほどバルクアップした肉体を誇示している。


「はあ」退廃の園と化す事務所に頭痛が止まらない。「おかげで攻め手が圧倒的に足りなくなりそうだ。金は出るし、新しいバイトでも雇おうか考えてるんだが……」

「でも、そこに『筋肉嗜好会』が入り込んでくるかもしれねえってことか?」

「そういうことだ。まあもうこっちの状況なんてバレバレかもしれんが、一応念は入れときたいんで、『協会』の方に申請を出しておいた」

「ああ、おれの封印を手伝ってくれたところか。そこならいいんじゃねえか」

「あそこは物好きが多いからあんまり関わりたくないんだが、文句が言える立場じゃないしな」


 てきぱきと仕事をこなす虎は、宮影から打診されてからすぐさま手を打ったようだ。ビルのフロアを所持し、資産運用などにもある程度詳しい塚爪から見ても、この虎は有能だった。


「それでは新しい方が来るのですな。それは構いませんが、わしはご主人様にも使っていただきたいのです……♡♡」


 誰もが見ほれる巨体の股間を突き出して、ズボンの中に手を入れてワシは淫蕩に微笑んだ。くちゅくちゅとかき混ぜれば、シミの広がるさまが見える。

 排泄腔を持つど淫乱な塚爪からすれば、四六時中ちんぽがもらえるここは最高の場所だ。

 そして、彼がみそめた主である黄ヶ虎もいるとなれば、仮面を取り繕う意味もない。

 おかげで最近は彼の股間が乾いているところを、黄ヶ虎は見た記憶がなかった。


 黄ヶ虎が知る中で、このワシは『筋肉嗜好会』の被害者として一番歴が長い。こうなってしまうのならば、さすがに対処すべきだと痛感する。


 事務所の引っ越し作業に追われていたこともあり、その提案に乗るのもやぶさかではない虎だが、一つ気にかかることがあった。


「でもな、お前はこれから尾切(おぎり)と今度の大会の運営について相談する予定じゃなかったか?」

「尾切なら一人で何とかするでしょう。あれもわしが手塩に育てた弟子です。方針くらいは一人で決めてもらわねば」

「セックスしたいだけだろうが……。お前が手を抜くとおれが尾切に怒られるんだ、とっとと行け」

「尾切めぇ……」


 実のところ、ボディビルダーとして最高という誉を持っていた塚爪は、指導書作成からジムの運営まで、そのネームバリューを使って事業を拡げていた。敬愛していた元主から受け継いだものとあって、その発展は本人にとっても最重要事項であり、意外にこのワシは忙しいのだ。


(こいつの元主が『筋肉嗜好会』の会員だって考えると、そのくらいの資産力がないとなれないってことだろうな。だが、塚爪自身はこんなにもちんぽに弱いくせに、よく今まで破産しなかったよな……)


 そう考えれば、確かに犬神のような保護は必須なのだろう。その代わりを今後黄ヶ虎がするのかと思えば、胃が痛くなってくる。いつかつがいを見つけてやろうと、こっそりと誓った。

 などと考えながらくちばしをかみしめて悔しがるワシを眺めていると、ガチャリと事務所のドアが開き、宮影が入ってきた。腰にタオルを巻いただけの姿で筋肉を見せびらかし、黒い肌をつやつやと輝かせている。

 もはやここの乱交常連であるシャチは、勝手知ったる顔でシャワーを浴びてきたところだった。


「お、瑠璃島お帰り。待ってたぞ」

「準備万端じゃねえか。これでもさっきまで牛頭らとやってきたばかりなんだが」

「なんだ、あの牛は抱けておれのことは抱けないとでも? 悲しいなぁ。おれらの絆はその程度だったのかい」

「あー、はいはい。口でお前に勝てるとは思ってねえよ。けどなぁ、おれにも仕事があるし……」

「そのことなら心配ないさ。ねえ、黄ヶ虎さん?」


 サメの手を握りながらシャチが口角を上げる。前回の犬神事件のおり、協力のお礼に瑠璃島を差し出すと約束したのだ。やはり、黄ヶ虎に断るという選択肢はない。


「そういえば言ってなかったが、この前協力してもらったお礼にお前を差し出すことになってたんだ。あきらめて盛ってこい」

「聞いてねぇ……。宮影は言えば手伝ってくれたと思うんだがな、交渉事なんて面倒なことしないで普通に頼めばよかったのによ」

「普通に頼んだ結果がこれだ。ちなみにおれも逆レされた」

「まじかよ……」


 一つの頼み事で黄ヶ虎と瑠璃島のちんぽを手に入れ、ほくほくとした顔でシャチが尻尾を振った。


「それじゃあ、やろっか。お前もシャワー浴びてこいよ。まさか他の雄の匂いが付いたままおれを抱くつもりじゃないよな?」

「はいはい……最近仕事とか言いつつセックスしかしてない気がするんだよなぁ……」


 自身の在り方に疑問を覚えながら、サメは部屋を後にした。

 その後、捨てられた子犬のような目をした巨体のワシも追い出されれば、部屋には虎とシャチだけが残される。


「黄ヶ虎さんはシャワーに行かなくていいのかい?」

「なんでおれもする前提なんだよ。おれには普通に仕事があるんだ。瑠璃島と盛ってろ」

「あれ、約束じゃ瑠璃島とのセックスを通常業務にしてくれるんだろ。通常業務ってことは当然君もいるってことだ。だって君らはバディなんだからさ、一緒に働かないとね」

「……てめぇ、最初っからこのつもりだったな」

「そうだよ。君が提案してくれた時から、二人とやるつもりだった。まさかそんな期待が裏切られるなんて悲しいよ。瑠璃島が知ったらなんていうだろう。あいつは約束事にうるさいからなぁ」

「はぁ……いけしゃあしゃあとよくもまあ。刑事より詐欺師のほうがむいてるぞお前」

「実はよく言われるんだ。なんでだろうね」

「自分の胸に手を当てて聞いてみるんだな」


 宮影は黄ヶ虎の前に立ち、そのまま重心を後ろにずらして机に腰かける。この机は塚爪のような雄を下に飼うことができるほどの広さを持つため、背も高い。少しだけ視線を下げれば、タオルの張りついたたくましい股間が虎の視界に入ってくる。


「これでも忙しくてなかなかこれなかったからさ。今日は楽しもうよ。おれは君のことも嫌いじゃないんだ」


 少し太ももを動かすだけで、タオルが股間に挟まれて淫靡なYの字を描き出す。屈強な肢体を持つくせに、そのくぼみだけが妙に艶めかしく映ってしまう。スリットや総排出腔を持つ雄だけが描ける雌の色香に、黄ヶ虎の視線がたじろいだ。

 ごまかすように、虎が吐き捨てる。


「ちんぽさえあればだれでもいいくせによく言う」

「それは心外というものだよ。おれにだって選ぶ権利くらいはある。瑠璃島は当然として、黄ヶ虎さんもかなりいい男さ。周りの反応から気づいてるだろ、名探偵さん?」

「あいつらは犬神事件の後遺症ってだけだ。そんで、もてるとかどうとかは、今は腹がいっぱいなんだ。口説かれても罵倒しか返せないぞ」

「君は態度こそつっけんどんとしてるのにやさしいから、塚爪さんとか媚びたい雄にとっては燃える相手なんだって理解したほうがいいよ」

「じゃあお前も媚びにきたのかよ」

「そういうこと。今日は手荒に扱われたい気分なんだ」


 ごつごつとした指でYの交差点をなぞり、シャチはうっとりと目を細めた。

 人助けのためにセックスをしている瑠璃島はいつだってやさしい。行為中こそ腰使いが荒々しいものの、そんな野獣のような気迫も嫌いではない。


 だが、黄ヶ虎には黄ヶ虎の良いところがある。

 虎は他人の気持ちを推察することを得意としているため、欲しいものを恵んでくれる。塚爪には主として、居抜(いぬき)や浜矢(はまや)には恋人のように。その雄がどうすれば喜んでくれるのか、常に気を配っている。

 見た目通り、黄ヶ虎という雄はまめなのだ。


「お前ら、人のこと都合のいいディルドだと思ってるよな」

「そんなことないよ。まあ少なくとも、おれはね」


 宮影は黄色い手を取って股間部へ導いた。シャワー後の火照った体温が雄を求めて、興奮を布越しに伝えてくる。

 硬直した手を内またで挟み込み、シャチは言う。


「脱ごうか、それとも、脱がせたい?」

「……おとなしくしてろ」

「さすが名探偵」


 正解とほほ笑む顔に朱を指して、シャチは机に後ろ手をつく。股間を突き出しながらも太ももをこすり合わせるしぐさはちぐはぐで、気娘のような恥じらいを感じられる。

 それが演技でしかないことをわかっていても、合わせてしまうのが黄ヶ虎だ。


 お望み通りと言わんばかりに、虎がタオルを乱暴にはぎ取った。

 シャチは一瞬だけ震えるものの、次の瞬間には甘い声を出して誘いをかける。


「んっ……♡」


 タオルに隠された秘部は黒と白、それに一筋の赤で構築されていた。つややかな肌に水滴をまとい、その光沢が際立つ。筋肉の起伏が明瞭なことも、毛皮を持たない種特有の色香に加算されている。それは全裸になったことでいっそう高まり、否が応でも雄を興奮させてしまう。


 さらに、宮影が興奮を燃やそうと股を開けば、スリットのひくつくさまが目に入る。

 勃起を抑え込んでいるのだと黄ヶ虎が察すれば、やることは決まっていた。


「立たせろ」

「さすがにさ、もうちょっとやさしくしてもよくないかい?」

「手荒なのがいいんだろ。あいにくこっちは男心に疎いもんでね。瑠璃島が来るまでの前座程度だと思ってくれ」


 虎の指がスリットを撫で上げ、シャチが熱した吐息を漏らす。敏感な割れ目はすでに性感帯として完成されており、往復運動のたびに興奮に開いていく。


 宮影を飾るきらびやかな水滴。それはふき取り損ねただけだと思っていた。

 だが、指に糸を引くこの粘液は何だというのか。興奮の証を見せつけられ、黄ヶ虎は気づく。このシャチの体は、すでにできあがっているということに。


「なるほど。シャワー中に準備してきたんだな」

「久しぶりだから、待ちきれなくてさ♡今はじらされるのに弱いんだ♡♡」

「それで二本も欲張ったわけか」

「まあね♡君ら二人でさ、おれのことを満たしてくれよ♡♡」

「どっちに欲しい?」

「後ろ♡今日は生の気分なんだ♡たくさん注いでくれ♡」

「わかった」


 先ほどまで探偵を手玉に取っていた理知的な目が、見る見るうちに溶けていく。『筋肉嗜好会』との邂逅は、呪いのようにこのシャチを縛り付けていた。

 軽く胸板を押せば、シャチがあっさりと倒れてくれる。律儀に足を持ち上げて尻をさらせば、赤いつぼみがひくひくとうごめいていた。


「指とかいいからさ♡早くいれてくれ♡」


 『筋肉嗜好会』と関わりだしてから、黄ヶ虎はたくましい雄を腐るほど見てきた。

 瑠璃島や塚爪をはじめとして、彼らは皆、雄の到達点のような肢体を持っている。


 そんな中にあっても、宮影が劣ることはない。

 黒と白で作られた起伏はどこもかしこも大きく、隆起に従って光沢が弧を描いている。瑠璃島が研いだ刀のようにキレのある体なら、宮影はそこに少しばかり丸みを足したもの。まるで二人の性格を表しているかのようだと、黄ヶ虎は唾を呑み込んだ。


「なんだいそんなに興奮して♡別にやるのが初めてってわけじゃないだろうに♡」

「ちっ、あおるなよ。手荒がいきすぎちまっても知らねえぞ」

「本当に興奮してたのか♡塚爪さんとか尾切さんとか、すごい雄ばかりで心配だったんだ♡」

「お前にはお前のいいところがあるってことだな」

「黄ヶ虎さんって、やってる最中は結構素直だよね♡♡」

「はっ倒すぞ」


 机に体を乗せたまま濡れた目で虎を見るシャチは、まな板の上の鯉そのものだ。虎は指の腹で脇腹をなぞると、しっかりとした凸凹が感じられた。


「あ、ん……♡じらすの無理だって言ったじゃないか♡♡」

「ちんぽも立たせてねえくせに、何言ってんだか」


 だからまずは勃起させることだ。黄ヶ虎はそう考え、シャチのスリットに顔を近づける。

 屈強な内またをこじ開ければ、一筋の赤が鮮明に見えてくる。その下の肛門ともども、排泄器官だった穴は期待に震えているのがよくわかる。


 とたん、黄ヶ虎の鼻をくすぐるは雄のフェロモン。興奮に濡れる縦割れは分泌液を滴らせ、下端に玉を作っている。黄ヶ虎が舐め上げると、芳醇な雄の味が口いっぱいに広がった。


「あ、ああぁ♡♡」


 頭上で聞こえる嬌声に構うことなく、舌は往復運動を繰り返す。すじの周囲に愛液を塗りたくるように、分厚い舌で丹念に舐めまわした。

 

「黄ヶ虎さっ、クンニは、やばいって♡♡こんなの♡瑠璃島にも、してもらったこと、ないのにぃ♡♡」


 ちんぽが勃起しようとしているのだろう、スリットの内側から脈動しているのがわかる。それは割れ目の広がりにも表れており、舌で空洞を感じてしまう。

 舌先を差し込めばちんぽを直接舐められるだろうに、黄ヶ虎はそれをしない。

 ただただ執拗にスリットを舐め、あふれ出る汁をすするだけ。


 大股を開かされたシャチの体が何度跳ねようとも、意に介すことはない。


「あっ♡あっ♡♡もうっ♡おれが欲しいのは尻の方だって言ってるのに♡スリットをこんなねちっこく攻めるなんて、んぅ♡どういうつもりなんだい♡♡♡」


 答えはスリットを舐めるぴちゃぴちゃという音だけ。どれだけ舐めても汁が尽きることはなく、逆にあふれんばかりの量へと変貌していく。掬いきれなかった汁が肛門にしみこみ、しわに艶をもたらした。


 スリットの中は汁がたまっているころだ。少しだけ広がった割れ目からは汁が止まることなく零れている。確認して口をつけ、そのまま思いっきり吸い上げた。


「じゅるううぅぅぅ~~♡♡♡♡」

「お、おおぉおぉ♡っんくぅ♡♡スリット吸われてる゛♡♡ちんぽ、出ちゃううぅ♡♡♡」


 宣言通り、ずりゅんとシャチの一物が天へと伸びる。唾液と先走りを合わせた糸を引くスリットが開き、そこから肉槍が飛び出す瞬間を、黄ヶ虎はしっかりと捉えていた。

 根元部分は肉が盛り上がり、スリットの隙間から肉の赤が鮮明に見える。内壁はマンコと同じく性感帯であり、なめてほしそうに艶を流して笑う。


 黄ヶ虎は鼻先を割れ目に押し当てて緩く舐め上げながら、視線も上げる。眼前にそびえる肉の塔は、体に見合うだけの巨根と言って差し支えない。だがこれがあまり使われないことを黄ヶ虎は知っている。このシャチは穴にはめられるほうが好きなのだ。


「で、でちゃったぁ♡♡んう♡黄ヶ虎さんが必死にキスマークをつけるから、興奮してしまったよ♡♡」


 宮影の股間には吸引によってキスマークが付着していた。それは縦筋によって半分に割られた、卑猥極まりないマークでもある。マンコのように使われた場所だと、誰の目にもわかってしまう証だった。

 シャチのちんぽが嬉しそうに振るえたことを確認して、虎はスリットの縁肉へと標的を変えた。お望み通り、証を付けることにしたのだ。


「ちゅうぅ♡ちゅっ♡」

「あぁあっ♡あっ♡そこも、弱いんだよぉ♡♡♡」


 何度も響く吸引音によって赤い証が増えていく、スリットだけでなくそのそばまで。純白だった股間には赤い模様がいくつも散って、雄が刻まれる。

 もし見られたら、一目でマンコをせめられたのだとばれてしまうだろう。雄の股間についていいものではない。だからこそ、それは被虐を燃え上がらせるのだった。


「ちゅぅ♡ちゅっちゅっ♡ぢゅ♡♡」

「あ……すごい♡♡おれのマンコで所有権が主張されるね♡♡黄ヶ虎さんって、結構独占欲強かったりするのかい♡」

「別に。こうしたほうが喜ぶと思っただけだ。この後瑠璃島も来るしな。見せつけてやれよ」


 立っているだけで目を引く赤が股間部分に集中しているのだ。たとえスリットが締まったとしても、雌のように扱われた証拠は消えない。

 なんて思えば、シャチの顔がほころんだ。瑠璃島相手ではもらえない羞恥を感じ取り、背筋に快楽が走った。


「ひどいことするよ♡確かに手荒にしてほしいとは言ったけど、ここまで従順に被虐をくれるとは思ってなかった♡これは塚爪さんたちがはまるのもわかるなぁ♡」

「そんな大したことしてねえよ」

「そういうことにしてあげてもいいさ♡それじゃあ首筋にも頂戴♡♡服の上からでも雌の証が見えるようにしてくれ♡♡♡」

「救えねえな」


 と口では辟易を表現しつつも、シャチの手を引く力は強い。

 上半身を起こしたシャチの首筋に顔をうずめ、いくつものキスマークを残す。スーツを着ても隠せないように、白い部分を狙って被食者の証が刻まれていく。


「んっ♡あんなに嫌がってても、雄だよねぇ♡♡ねえ、早く脱いでくれよ♡♡」


 スラックス越しに虎の巨根をつかみ、シャチは熱で湿った懇願を投げる。テントを作る巨根は硬く張り詰めており、やさしく撫でるとビクンと震えてくる。乗り気ではなさそうに見えていても、このようにしっかり興奮しているのだ。

 

 黄ヶ虎が毛皮を持っていなければ、宮影は同じようにキスマークを返しただろう。それを残念に思うと同時に、触ったときの撫で心地は気に入ってもいる。


 だから、お返しにとかみつくようなキスをする。

 すぐさま黄ヶ虎も乗ってくれて、荒々しく舌を絡ませ始めた。唾液をすすることなど考えてもいない、ただ相手をむさぼるだけの行為。


「んむうううぅ♡♡」

「ん、くそ♡ちゅうぅ♡♡♡」


 深くを目指して何度も顔を傾け、最適な位置を探る。硬く抱きしめあったまま、互いの奥を目指す。

 黄ヶ虎の唾液からは、先ほどすすったシャチ汁の塩辛さが残っている。それが自分の雌を味わっているように錯覚して、宮影の股間が血流を増す。がちがちになったちんぽは痛いくらいなのだが、触るという発想はまったくなかった。


 両者の顎に唾液が滴ろうとも止まらない。本当に、宮影は少し手荒なくらいを欲している。虎はそれを悟って執拗に歯茎を舐め続ければ、宮影はうっとりと目を細めた。


「ん~むぅ♡♡」


 口腔への刺激に、シャチは下半身がとろけていく。肛門から、鈴口から、まるで理性が流れ出しているかのようだ。

 黒光りする太ももで虎を挟み込み、起立した肉で腹を突いて汁を染みこませていく。手は虎の頭蓋に回し、やわらかい毛にうずめてキスを奥へと押し込めた。こんなに興奮しているのだと、態度で示すためだ。


 瑠璃島は言わないと分からないところがあるが、黄ヶ虎は察してくれるため雰囲気のまま流れてくれる。それでも、媚びることで得られる快楽がある。シャチは視界を虎で埋められながらも、必死に服を脱がそうと努めた。


 口づけはまだ続いている。酸欠にあえぐ脳が快楽と誤認して、多幸感が宮影を襲う。

 この先にもっと素晴らしい快楽が待っていると信じ、手を動かして進む。ボタンをはずし、スラックスを下し、シャチの指先が下着に触れる。


「んむうぅうぅ~~~~♡♡♡♡♡」


 それがどんな下着かなんて、宮影はどうでもよかった。早く次へと進みたい一心で、ちんぽに引っかかる邪魔者をどかす。

 その過程で指先が当たる。熱くて硬い肉の棒。先走りに濡れた雄の塊に、シャチのマンコがきゅんと締まった。

 早くほしい、シャチの手にぐっと力がこもる。布地はちんぽを引き下げ、限界まで。


 そして、ようやく虎のちんぽが全貌を現したのだと、シャチは理解した。

 なぜなら、べちんと、隆々としたものの当たる音が確かに聞こえたからだ。


「――――ぷはぁ」


 それと同時に、黄ヶ虎は口を解放した。お互いだ液まみれの口唇はふやけており、ぬらぬらと輝いている。特に宮影は表情もふやけたもので、締まりのない口角からツーっと糸をこぼしていた。


「よくやったな」


 簡素な虎の一言は、次へと向かう合図。

 中途半端に脱がされたせいで色気が増しており、前が開いたシャツからたくましい胸板が見えている。むちむちとした太ももに引っかかるボクサーパンツは、よく見れば正面にシミができていた。


 服の中で蒸れた臭気がシャチへと襲い掛かる。清潔感ある香料にまぎれて、確かに混ざる雄のフェロモン。毛皮がそよぐたびに鼻孔から伝播する興奮に、宮影は限界だった。


「準備は終わった」


 だが何より目を引くのは、なんといっても股間で勃起するちんぽだろう。

 大きさも形も申し分ない、誰が見てもほれぼれするような隆起だ。膨らんだ亀頭は子宮を求めて濡れそぼり、貫く気概に満ちている。

 こんなものを見せられれば、雌の股が開くのは当然だった。


「きがとら、さん……♡はぁー♡早くぅ♡♡」

「そうだな。そろそろ終わらせるか、メインも来たみたいだしな」


 落ちたパンツやスラックスをどかしながら黄ヶ虎は目線を奥へと投げる。

 つられて宮影も視線を追えば、全身から湯気を立たせた空色の巨体がそこにいた。瑠璃島はタオルを腰に巻いただけの格好で、にこやかに笑いながら二人に歩み寄る。


「待たせたな、宮影。んじゃ、さっそく部屋に行こうぜ。あんまり黄ヶ虎の邪魔するなよ」


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