【全体公開版】スケベスキルで世界最強~やっぱ最強はちんぽっしょ!!~ 6
Added 2020-03-29 10:45:12 +0000 UTC
――――これはジェルがこっそりとこの街にやってくる少し前の話。
今更ながら傭兵街スニーグスってなんだ。
とフォグに聞いたらさすがに怒られた。事前知識なしで来る馬鹿がどこにいる! なんてさ。
確かに説明は聞いた気もするけれど、頭にあまり入ってこないんだ。
だっていまだに隣の仲の悪い国の名前すら曖昧なのに、関係性なんて無理だと思う。
そもそもここにきてセックスしかしてないからね。くずかよ。
「はあ」娼館の事務仕事に勤しんでいた手を止めて、フォグがジト目を向ける。熊の丸い目でどうやったらここまでジト目にできるのか。普段の心労を思わせるな。
ごめん。おれは何度目かになる謝罪を口にして、再度説明を求めることにする。
そろそろジェルへの報告書をかかなきゃなぁと思いながら机で蕩けているおれを見る目が一段と冷えた気がするが、気づかないふりをした。
ちなみに、教えを乞うならヤードが一番いいと思っている。面倒見の良さもあるため、とっつきやすいのだ。
でも教え方に関して言うならフォグなんだよなぁ。教育もしっかりされてるせいか、教えるのもうまい。要点を簡潔にまとめてくれるから、
リブラは論外。自分の話したいことしか話さないからあいつ。
「ジェル様からも説明があったと思うが……あーいや、ジェル様かぁ。そうだよな。ジェル様はお前に甘すぎるから適当に返事しておけば流せるもんな」
「近くに来るといい匂いがするから集中できなくて……」
「うらやまじい!! おれもジェル様に微笑まれながらなでなでされだいんだよぉおぉ!!」
「ごめんて。帰ったらジェルにフォグがよかったって推しとくから、だから説明してくれないかな」
ジェルのことになると途端にポンコツになる熊はもう一回これ見よがしにため息をついて、やれやれと首を振って教えてくれた。
「まずここスニーグスの街が緩衝地帯だってことは知ってるよな?」
「まあそれくらいは」
隣国との戦争によく使われている場所で、中立地帯として条約が結ばれてるとかなんとか。こんなところに作られた街だからか、一獲千金目当ての傭兵や冒険者が多い、だっけ。
「そうだ。大体そんな認識でいいぞ。この街は中立地帯の真ん中に位置しているし、そのせいでこの街を支配下におさめたほうが当然有利になる、程度覚えておけばいい。だからジェル様だけじゃなく、向こうの国もこの街への干渉を水面下で行っているわけだ」
ふーん。そのくらいの認識でいいなら何も学ぶことはないな。
「……じゃあ聞くが、ゴライザ派は独立をうたっているが……ああ、今はうたっていたなんだが、他の五大派閥はどうかわかるか?」
「まったく!」
「だろうなぁ。まあお前はそのスキルで雄を篭絡することだけ考えてればいいから、もういいか」
フォグにあきらめが入り、講習は終了となった。
おれに対しての扱いがちょっと雑すぎると思うんだが。
「覚える気のない奴に言っても無駄だからな。おれはやる気のない奴が嫌いなんだ」
「……ごめん」
「謝るくらいなら最初から聞くな。……別に、怒ってるわけじゃないぞ。お前が関心を持つのはいいことだと思うし、いつでも聞いてくれていいからな」
「フォローするくらいなら最初から言葉遣いに気をつければいいのに」
「……ごめん」
「別に怒ってるわけじゃないし」
そこで二人してクスリと笑っておしまい。
最初こそ嫉妬心でもっととげとげしかったフォグだけど、お互いになれたように思う。もともとフォグは生まれから貴族だし、どうにも言葉の棘が強いところがある。リブラとは比べ物にならないくらい丸いのだが。
ヤードもそうだけど、なんだかんだリブラとも自然体で話せているような気もする。この任務を通じて、ちょっとは仲良くなれたのかな。
「さてと」おれはやおら背伸びをしてから立ち上がると、現実逃避もかねて仕事に戻ることにした。
「ゴライザのところか?」
「そうそう。リブラも娼館の仕事で呼び戻しておきたいし、もう行ったほうがいいかなって」
「そうだな。ついでに途中でいいからギルドによってヤードにも声をかけておいてくれ。忠犬の性癖はもうだいぶなじんだと思うし、戻っておれの運動に付き合ってくれってな」
事務仕事も真面目にこなすフォグだが、その芯はどちらかというと戦闘民族だ。より強い相手との試合を望み、高みにいるジェルへと追い付かんと日々研鑽に忙しい。
毎日事務仕事に娼館での相手に加えて、鍛錬も欠かさないんだから生まれだけで副隊長の座にいるわけではないのだろう。そんなことはおれにだってわかる。
コンプレックスから努力中毒になってるヤードとはそういう面で相性がいい。もっとも、努力を表に出しても平気なのがフォグで、恥ずかしがるのがヤードという違いはありそうだけど。
「一人で大丈夫か?」
「まあ大丈夫なんじゃないかな。別に危害を加えられることもないし」
「それもそうだが……。セックスばかりして遅れるなよ」
「は-い」
おれはフォグに二つ返事を返すと、娼館を後にする。
武骨な冒険者などで往来激しいにぎやかな街だけど、どことなしか空気に甘さが混じっている。気のせいと言われれば確かにそうなんだが、わかるやつにはわかる程度にはこの街は汚染されているのだ。
今や傭兵街スニーグスは完全に形質を変化させている。
ゴライザから得られる忠犬の性癖はこの街を劇的に変えた。腰振り射精という方向性のない欲望を、おれに向けて一身に集めることに成功したからだ。
おかげで街を歩くと熱い視線が付きまとうようになってきた。
根付いた性癖がおれに従属したがっているのだが、大体の連中はそれを自覚できていない。そのため、おれはこうしてなぜだか目が離せない存在として定義されている。
自覚させてもいいんだけど、その場合確実にゴライザの下へ行くのが遅れる。
傭兵街を掌握しかかっているとはリブラの分析だが、あながち間違っていない気もしてきた。
まずはギルドによってっと。
裏で発展場に変えられてしまったかわいそうな場所までくると、あたりを見渡してヤードを探す。青くて一際大きな筋肉の塊はすぐに見つかった。肉体自慢が集まるこの場所においてさえ、ヤードは目を引くものがあるからな。
「おーい、ヤード!」
「お、どうした。フォグから伝言か?」
凶悪な顔を朗らかにゆがませ、鮫がやって来た。体を資本とする冒険者の中においてさえ、あの筋肉の鎧は格別だ。
投げかけられる声は明るく、一見すると近寄りがたいが、あの三人の中で一番とっつきやすいだけはある。
「まったくもってその通り。そろそろ体を動かしたいってさ」
「はいよ。おれも今日の鍛錬がまだだからちょうどいいな。ところで、今日はゴライザの性癖を採取する予定だったよな?」
「今からだよ」
ヤードは上背を少し曲げて、声を潜めて囁いた。尻尾も体にまとわりつけて、心ばかり小さくなろうと頑張っているようだ。
「なら今回は多めに頼む。どうやら結構有名な冒険者のパーティがここに来るらしい」
「おーけーおーけー。承ったよ」
そいつらを落とせば、戦力アップってわけだ。
ヤードは実力や人柄を見込まれ、ただいま絶賛ギルドでの注目株としてふるまっている。
ジェルの下で鍛えた腕前と面倒見のいい性格もあって、かなり人望を集めているようだった。おかげでギルド内での情報はかなり危ないところまで筒抜け。街の噂に至るまで、ヤードはしっかりと把握しているらしい。
「あ、ご主人❤来てたんですか❤」
そう声をかけてきたのはヤードのパーティメンバーたちだ。
ヤードが見込んだ筋骨隆々なオスケモ数人が、おれを視界に入れただけで破顔させる。
「今日は兄貴にご用事で?❤その後乱交とかあったり❤」
ヤード直属ということもありゴライザの性癖を大量摂取させた結果、おれのハーレムがまた一つ出来上がってしまったわけだ。
気を抜くとその場でお座りをしそうな忠犬集団だが、なんとか人らしく振舞うだけの理性は残っているようで安心した。なかったらだいぶやばい。
「いや、ヤードの伝言を伝えに来ただけ。すぐに戻るよ」
「そうですか……」
あからさまなしょんぼりを見せるごつい雄たち。
ゴライザとの邂逅で理解したが、おれはこういうのに弱いんだ。
「次暇になったら遊んであげるから、それまで頑張ってくれ」
「本当ですか❤わかりました❤❤」
途端に喜色で顔を輝かせるメンバーはわかりやすすぎる気もするぞ。こんなにあからさまで不信感を抱かれないか心配になるレベル。
まあ、ヤードが見繕った精鋭たちだし、性格も扱いやすい奴らで固められてるのかもしれない。夜になるとヤードやおれ恋しさに娼館まで来る奴らだ、好感度稼ぎは順調ってことで間違いないだろう。
「おれは戻るから、今日はここで解散な。また何かあったら連絡しろよ」
「わかりました兄貴!」
メンバーから兄貴と慕われている鮫は出口までおれと一緒に歩き、そこから各々分かれ道を歩く。
「じゃあまた、兄貴」
「お前までそれはやめろって。なんだかむず痒いだろ。おれの方が飼われてるみてえなもんなのに」
ヤードがばつの悪そうな顔で頬をかき、最後にぼそりとつぶやいた。
「……おれとも早く遊んでくれよ?」
確かに、最近やることが多すぎてヤードたちとの時間があまり取れてない気がする。
今度本当にヤード含めたメンバーたちとそういう機会を持ったほうがいいかもしれない。
「もちろん!」
なんて言いながら、笑顔で背を向ける。
どうせ夜には会うんだ。詳しい話はこの後で煮詰めればいい。
本当に慣れてきたなぁ。ヤードたちにも、この世界にも。
ヤードたちを抱くことに何の罪悪感も抱かなくなってきたのはさすがにどうかと思うけど、おれの価値って結局スケベスキルしかないからまあいいかー。
それにしても、ヤードたち筋肉の群れといたす予定を想像したら興奮してしまった。
早くゴライザのところに行って発散したい。
おれが次に向かったのは傭兵街の中でも富裕層が住むエリアだ。
ギルド周りとは明らかに雰囲気が違って、一般人お断りみたいな空気が漂っている。区画もしっかりと整備されており、柵の合間から豪邸が顔をのぞかせる。そんなところにおれみたいなやつがお供も連れずに歩いてたらそりゃ浮くよな。
さすがにゴライザの家にそのまま行くことはなく、向かう先は別の家。表向きはゴライザ派とは何の関係もない家だが、実は地下でつながってたりする。初めて聞いたときはやはり地位の高い人はこういう保険も用意しているものなんだなと謎の感動をしてしまった。
「ようこそいらっしゃいました。ゴライザ様はすでにお待ちでございます」
いかにも執事といった厳格な雰囲気を纏う黒犬に出迎えられ、奥の部屋へと通される。ここら辺はすでにおれの性癖や暗示によって掌握済みだから、顔パスで問題ない。
改めて思うと、えげつないスキルだなぁ。
とある部屋まで案内されると、すでに中からは言い争う声が聞こえてくるではないか。
おれはすぐさまピンときたね。あの二人、仲悪いから。
「断る! なぜ俺がリカヤ派に頭を下げねばならんのだ」
「これだから馬鹿は困る。お前が独立をあきらめた以上、行動指針はリカヤ派と一緒だろうが。ない頭を少しは絞ってくれ、おれ様は説明するのがめんどくさいんだ」
案の定、ゴライザとリブラが殺気駄々洩れで喧嘩の真っ最中だった。
ゴライザは一目見ただけでわかるほどに隆々とした肉体を持った狂犬だ。黒に近い灰色の体毛も相まって、体の分厚さが鉄塊を思わせることから『鉄塊拳』と二つ名を持つ傭兵街最強の闘士。
そんな拳闘士が牙をむいて吼えているんだ。まあちびるよね。最初あったときはその覇気に当てられて吐いてたことを考えると慣れたとは思うんだけど、今でも足はすくむ。
きっちりした特注の軍服が体の動きに合わせて盛り上がり、いつボタンがはじけるか心配になってしまう。はっきり言えばいくらリブラとはいえ、戦闘になったらまず勝てないだろうな。
「いいか脳みそ鉄塊犬、お前がしたいのはおれ様の国への統合だ。ならそれは知恵と魔の派閥である『リカヤ派』と同じだろうが」
「あんな軟弱なごみどもが頼りになるとは思えねえがな。俺らだけでもご主人の役に立つには不足なんてねえだろうが」
対するリブラはゴライザの覇気にもすました顔で、むしろ見下した視線を送り続けている。怖いとかそういう感情ないのかこいつは。誰であれ自分より下だと思うその性根でも、ここまでくると尊敬するわ。
短めのマズルでいかつい相貌を持つゴライザとは対照的に、凛々しく美麗な相貌を持つ獅子のリブラはまさに対極的な存在と言える。
性格も油と水で、何をするにもかみ合わない。現に今も喧嘩を現在進行形。
ここ隠れ家だから、あんまり目立つのはよくないんだけどなぁ。
そもそもおれの存在に気づいてないよなぁ。
どうしたものかと考えているうちに、ゴライザの鼻がひくりと動きおれの存在を感知したようだ。
すぐさま勢いよく首を回すと、さっきまで微動だにしなかった尻尾が急に動き出す。
「ご主人❤❤来てたのか❤❤」
変わり身の早さがギャグかと突っ込みたくなるほどの速度で、ゴライザは表情に笑みを浮かべた。
話によると、長く部下をしている竜の将軍、アリギラドでさえゴライザが笑ったところをあまり見たことがないと言うが、おれの前だと常に笑顔だぞ。
ゴライザの部下が見たら卒倒するんじゃねえかな。
針のむしろのような雰囲気なんてまっぴらごめんなので、とっととやることやって帰りたい。
なので、話なんて聞いてませんよと装って、ゴライザに声をかける。
「精液取りに来たんだけど、今時間いいか?」
「もちろん❤❤呼べばいつでもはせ参じるからこその忠犬だ❤ご主人はただ黙ってちんぽを出せばいいのさ❤」
普段の不愛想が嘘のように従順な言葉を吐くと、ゴライザは嬉しそうに近寄ってくる。
やはり頭二つ分以上でかい巨体が下ろす影は広く、天井なんて簡単に届きそうなほどだ。
聞けば、ゴライザの豪邸は天井を高くしてあるとか。そりゃこんなでかさなら全部が特注じゃないと生活できないだろうなぁ。
「それで、今日はどうやって絞るつもりだ❤ご主人のしたいようにしてくれていいぞ❤」
興奮した面持ちで軍服のボタンを丁寧に取っていく豪傑。
忠犬生活の中で学んだ淫靡な仕草はまだ不慣れではあったが、筋肉の塊がするとなると途端に補正がかかるから不思議だ。開いていく胸筋から色気が舞っているようにも幻視できてしまう。
「最近はご主人のことばかり考えて❤『射精管理』されてるのに頭の中がご主人でいっぱいで❤」
徐々にあらわになる肉体は毛皮の艶も良く、筋肉で膨らんだ風船のようだ。
地位も高いだけあっていい暮らしをしているんだろう。黒に近い毛皮がなびいて光沢を振りまいていく。
「早くこの忠犬ちんぽからザーメンを搾り取ってほしい❤あおーん❤ご主人❤ちんぽ❤ちんぽしぼってぇ❤❤」
ズボンはもうぱんぱんに膨らんでおり、急いで脱がないと先走りがつくだろう。すでに腰が揺れており、腰振り射精の影が垣間見えている。
鋭い眼光が標準装備された相貌に焦燥が浮かび、脱ぐ手が速度を上げていく。
やはり付け焼刃のストリップか。ゴライザはおれを焦らすより乞うことの方が大好きなくせに、慣れないことをするもんだ。
「リブラ」
「はいはい、『射精管理』解除な。まったくこの脳みそ鉄塊犬が。こいつが来ると途端に腑抜けになる。馬鹿らしい、おれ様は帰るぞ。どうせフォグからもそういわれてるんだろ?」
「そうだけど、ちょっと待ってほしい」
「なんだ。おれ様を楽しませてくれるいい話なら聞いてやらんこともないが、それ以外なら時間の無駄だ。くそつまらないことに割く時間なんてあいにく持ち合わせがない」
「おすわり」
「あおん❤」
おれの一言で獅子が座った。
あの『竜の爪』の中でも特に扱いづらくて傲岸不遜を地でいくリブラがだ。
はっと我に返った獅子が途端に顔を赤らめ、憤怒の表情を作る。プライドの高さが空を突き抜けるこいつだ、いまだ後遺症を残す忠犬の性癖を恥としか見ていない。
「おれ様に命令するのはやめろと言っているだろ。いくら貴様が異世界人(ギフト)だといえ、死にたいと見える」
「面白かったのでつい……」
「『残爪』!」
獅子の爪が虚空をひっかくと、軌跡が斬撃となっておれに襲い掛かってくる。瞬時に理解できたけど、これはよけれないし即死するやつだ。
いやちょっとからかっただけですが、マジの殺意かお前!
あわや大惨事といったところだが、もちろんそうはならず。
照れ隠しで殺されそうになったおれを救ったのはもう一人の忠犬だった。
山のような大男が間に飛び込み拳を振るうだけで、鋭利な軌跡が霧散していく。
リブラのスキルも決して弱くないだろうに、というか『竜の爪』でも上位層なんだが、そのスキルをよくもまあ軽々と打ち消すもんだ。
おれを守ってくれたゴライザはなんてことないようにリブラを見下すと、鼻息と共に侮蔑を吐き出した。
「てめえ程度じゃご主人を傷つけるなんて不可能だ。それに、なんだお前。俺のご主人がわざわざ命令してくれたのに、何が不満なんだ。忠犬の名折れめ」
「その中身の少ない脳みそに刻み付けろ馬鹿犬。おれ様は忠犬じゃない。飼い主たりえることはあっても、誰かに飼われるなんて辟易する」
「はん、てめえごときがご主人の横に立つことすら不快だ。とっとと消え失せろ雑魚め。ご主人は俺が独占して、たくさんちんぽにいい子いい子してもらうんだからよ❤」
忠犬の性癖を摂取した獅子だが、その後遺症は今も続いているようだ。どれだけ根深いんだと我ながら恐ろしくなるが、リブラの眼光も恐ろしい鋭さになってる。
「ふん、鍛錬なんてくだらないと思っていたが、気が変わった。その無駄にでかい図体を切り裂けるなら、少しは真面目にしてもいいかもしれんな」
「ジェイルラルの飼い犬の癖に、俺に勝てると思うなよ」
「えっと、発端がおれなので申し訳ないけれど、二人とも仲良くして。ちょっとここの空気が胃に悪くて、気持ち悪くなってきた」
殺気の密度がやばすぎる。また吐くぞ。
おれが青い顔をしていることに気づいたゴライザが慌てた様子で抱きしめてくれた。まだストリップの途中で半裸のせいか、開かれた胸筋が頭に乗る。すると鼻腔に雄の色香が舞って、少し気分が楽になる。
「ご主人――!❤❤すまねえご主人❤ほら、俺の胸で深呼吸してくれ❤」
「くそつまらん。おれ様は帰る」
「待てくそ猫」
「……そろそろ本気で怒りそうだが、寛大なおれ様は聞いてやろう」
リブラから立ち上る殺気が一段と鋭くなって、おれは無我夢中でゴライザの匂いでごまかす作業に専念した。さすがに今リブラを直視したら絶対吐く。
「ご主人は仲良くしろと言ったんだ。聞いてなかったのか忠犬失格」
「貴様は馬鹿か。そんなものはこいつのその場しのぎにすぎんだろうが」
「たとえそうだとしても、ご主人の命令は絶対だ。忠犬はそれを遵守せねばならん」
「ほんっとうに、脳みそまで鉄塊だな貴様は」
リブラがそれでも無視して帰ろうとしたのか、扉に手をかける音がする。
そこから起こったことに対して、おれはおぼろげにしか把握できなかった。
おれを片手で抱えたゴライザが一足でリブラに近寄り、剛腕を振り上げる。瞬き一つの間に間近までリブラが迫っていた時点で、理解を放棄しました。どんな速度だ。
もちろんリブラは易々と反応できるようで、侮蔑を浮かべた顔で身をひねって距離をとる。つまり、扉から離れてしまったようだ。
「くそが、『残爪』」
もともと沸点の高さなど全くないリブラだ。さすがにぶちぎれたようで爪痕の斬撃を今度は無数に飛ばす。
待って、おれに当たったら死にますけど?
「『爪剣』」
そして斬撃の後ろから爪を伸ばしたリブラが追撃をかける。これがすべて超速度で行われてるせいで、気づいたら残像しか見えてない。対峙したら速攻で首をはねられている自信がある。
片手しか使えないゴライザだが、動揺はみじんも感じられない。むしろ、目を閉じて深呼吸をしている。何その余裕。たぶんおれが瞬きした瞬間に死ぬよ。
慌てるおれをぎゅっと抱きしめ、肺に空気をためた忠犬が目を開く。
鋭く、まるで刃のように険しい眼光で、そのマズルが開かれた。
「っはぁ!」
掛け声一つ、オーラのようなものがゴライザから立ち上る光景を確かに見た。
闘気とでも言えばいいのか、ゴライザを中心に噴き出した透明な何かは、斬撃をはじき返してしまう。
「『金剛』!」
おそらくは防御力を高めるスキルを使い、ゴライザは片手でリブラの爪を迎え撃つ。
リブラの爪も相当鋭利なんだろうけど、ゴライザの拳を切り落とすには至らない。もう片方の手で追撃を仕掛けるリブラだったが、やはり肉体にダメージを与えていないようだ。
拳を切れないとわかったリブラがすぐさま後ろに飛び、つまらなそうに舌打ちを飛ばす。
爪と拳は硬質な音を立てたが、どちらも刃こぼれなどはない様子。どちらも強者だからおれには感じ取れないんだが、たぶん今、相当ハイレベルな戦いなんじゃないかな。
「硬すぎだろ。なるほど、つまりはどれくらい鋭くすれば切り刻めるのか、体験できたわけだ」
「頂の高さを感じたくせに、昇れると豪語するか。雑魚の癖に、いや、雑魚だからこそそれがどれだけの高みなのかも気づけねえのか。ご愁傷様だな」
「絶対に、切り刻んでやるからなくそ犬」
「できるものならな馬鹿猫」
一向に殺気の収まる気配がない。さすがにおれもいらつくぞ。
雰囲気を換気するため、おれは思いっきりゴライザの尻をひっぱたいた。
「だから! 仲良くしろって言ってるだろ!」
丸々と肥えた豊満すぎる尻肉は、想像以上に素晴らしい弾力だ。
ボルンとかそんな擬音も聞こえてきそうな勢いで、ゴライザのでかけつが揺れた。
「あおーーーーん❤❤❤❤」
かっこよかったゴライザの甘い遠吠えが響き、同時に雄の臭いが一気に広がった。
あ、こいつちょっと絶頂したな?
ゴライザはテントの先っぽを濡らしたままおれに向き直ると、申し訳なさそうに眉をハの字に歪めた。
「ごめんなご主人❤先っぽからびゅるってザーメンもだしちまった❤せっかくご主人に絞ってもらおうと思ってためてたのに❤」
「殴ったのはおれだから、それはしょうがないよ。痛くなかったよな?」
「それは全然❤ご主人の細腕じゃ俺に傷をつけることの方が難しいから❤だから遠慮なくお仕置きしてくれてもいいんだ❤」
仲良くしてほしいのは本音だけど、さすがにリブラをこれ以上引き留めると今度こそガチの大乱闘が発生しそうなのでここら辺が潮時だろう。
おれはリブラに退出を促して、ゴライザの搾精を開始することにした。
……のだが、言葉を紡ぐ前に扉のノックが割り込んできた。
「失礼します」
先ほどの黒犬執事の声だ。するとゴライザは忠犬から『鉄塊拳』へと表情を切り替え、重低音で喉を震わせる。
「なんだ」
股間にシミを作った半裸の男が、表面だけ真面目を取り繕っている。
……ちょっと面白いな。ゴライザは組織のトップゆえに、自分のイメージには結構気を使っているみたいだし。
黒犬執事は慇懃に入室し、そのまま言葉を続ける。
戦闘の跡が残る室内には一切触れない当たり、よくできた執事だと思う。
「ゴライザ様のお楽しみを邪魔して大変申し訳ありません。ですが、想定より大きな音が響いてしまい、今この屋敷は人目を引いております」
「……そうか。そこは俺が浅慮だった。許せ」
「滅相もございません。責めているのではありませんので。ただ、ここで続けるには少々リスクがあるのでは愚考した次第です。もしよろしければ、地下通路からご自宅へお帰りになられる方がよいかと」
「なら、そうさせてもらおうか。いらぬ手間をかけさせた」
「とんでもございません。衣服などは置いていただければこちらで洗っておきます。どうぞ、存分にお楽しみくださいませ」
出ていくときも丁寧な黒犬執事は、ついでとばかりに水差しを取り換えてから去っていく。こうしてずっと冷たい水を置いておいてくれる配慮など、なかなかにできる男だと思う。
「すまないご主人。ここから少し移動してもらうことになるが大丈夫か?」
「もちろん。でも、そうなるとリブラも一緒の方がいいよね」
「だろうな。俺の闘気がどれほど人目をひいたのかは不明だが、できる事なら隠しておいた方がいい」
「じゃあ一緒に来てもらおうか」
「……おれ様を無視して話を進めるな阿呆。と言いたいところだが、さすがにその意見には賛成だ。こんなところで躓いては面白い場面が作れないからな」
しぶしぶといった表情をこれでもかと見せつけるようにため息までついて、リブラも賛成する。でも、もとはといえばお前も原因の一つだからな?
となると、続きはゴライザの家でってことになるな。
「なら」おれは二人を見据えて言い放つ。
方や山のような体躯を持つ筋骨隆々の大型犬。
方やしっかりとした筋肉を持つ美麗な獅子。
二人の飼い主であるおれは、せっかくだからとあることを進言する。
「このままお散歩しようか」
****
「んぐぅ❤ご主人~❤俺、またちんちんしたくなってきた❤俺のおマンコにいい子いい子してぇ❤❤」
「なんで、おれ様が、こんなぁ❤くそ、絶対に殺す……❤」
薄暗い通路におれたちはいた。ゴライザの家に向かう途中の地下通路は、秘密ということになっているから当然のように人気はない。
そこで鍛え上げた肉体をさらす犬と猫。二人は全裸で、いきり立ったちんぽからはリードがおれの手までつながっている。
「ゴライザ、さっき絞ったばかりだろ。また金玉に精子たまったのか?」
「だって、ご主人とお散歩だぞ❤なでなでされるだけでも幸せなのに、お散歩なんて❤考えただけでも、あおん、いっちゃうだろぉ❤」
さすが忠犬の祖。犬扱いへの興奮が他の比じゃない。
おれが持ってきたビンはすでに半分ほど満たされており、これが全部ゴライザの性癖なんだからどれだけ出したんだと呆れてしまう。
あまりに重くなってきたせいで、今はゴライザに持たせている。肩掛けカバンとちんぽにリードをつけた全裸の大男。それが今のゴライザだ。
ちなみにリブラも似たようなものだが、こちらは殺意が高すぎる目で睨まれているので、あまり手を出していない。さすがに今体を重ねると喉元を食いちぎられるから絶対。
「ちんぽ❤ちんぽちんぽ❤ち~~んぽ❤❤」
興奮しすぎたためか、少し進むだけでゴライザは腰振り射精を始めてしまう。根元につけた鈴がちりんちりんとかわいい音をたて、一層無様になっている。
「ご主人~~❤俺のちんぽぉ❤いい子いい子じでぇ❤本当は毎日してほしいのに、ずっと我慢してたんだから❤な❤な❤」
誰もいなくなったせいか、崩れた表情を見せる事にためらいが全くない。
「ゴライザ、待て」
「あおーん❤❤」
腰振り射精の体勢でぴたりと止まる筋肉の塊。
逞しい太ももは中腰も苦ではないのだが、いきり立ったちんぽだけが蜜を垂らしながらひくついている。体躯に見合うだけの巨根から、だらだらと先走りが止まらない。
「ごしゅ❤じん~~❤❤忠犬勃起ちんぽ、いい子いい子してえ❤わんちゃんは金玉からザーメンだしたいわん❤」
「腰振り射精とどっちがいい?」
「なでなで❤❤❤俺のこといっぱいなでなでしてほしいわん❤」
その眼があまりにも真っすぐでよどんでいるから。屈強で分厚すぎる肉体を持つ山が媚を売ってくるから。
さすがに我慢できなくなってしまった。
おれはズボンを下ろすと、立ち上がったちんぽが勢いよく飛び出した。
「おほぉ❤」
「んぅ❤」
ゴライザだけでなくリブラまでもおれのちんぽにくぎ付けになってしまう。
リブラは悟られまいとしているが、どうしても目をそらすことができていないようだ。
そして忠犬はおれのちんぽを見ただけで脳みそが沸騰した。待てと言っているにも関わらず、這いつくばっておれのちんぽを鼻面に乗せると期待にとろけた目で見上げてくるではないか。
「はっはっはぁ❤ご主人~~❤❤ごめんなご主人❤俺ぇ、待てされてたのに飛びついちまったぁ❤ご主人のちんぽがあまりにいい匂いだったから❤我慢できなくて❤」
「じゃあ、もうお散歩はおしまいにするか。性癖も結構集まったしな」
「そんな、やだ❤やめないでくれよぉ❤命令聞けなくてごめんなさいするから❤わんちゃんの全部でごめんなさいするからよぉおぉ❤❤❤」
何も言っていないのに、ゴライザはその場でひっくり返って腹を見せつける。
いわゆる降参のポーズだ。体がでかいゴライザだが、こうして仰向けになると腹の盛り上がりやらが相まって本当に山にしか見えない。
視線から考えるに、期待半分謝罪半分ってところか。勝手に体が動いたのは本当だろうけど、お仕置きすら今のゴライザにとっては嬉しいものになっているみたいだ。
さすがに『射精管理』で性欲をため続ければ理性が緩くなってもしょうがないよな。でも、お仕置きしてほしそうな顔してるし、ここは飼い主として頑張りどころだ。
さて、それじゃあここからどうしてやろうか。
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