一話 → https://t589423.fanbox.cc/posts/8969593 【触手装備村人シリーズ】 https://t589423.fanbox.cc/tags/%E8%A7%A6%E6%89%8B%E8%A3%85%E5%82%99%E6%9D%91%E4%BA%BA 常に肌を這う異物の存在を感じるというのはストレス以外のなにものでもない。 皮膚の上、常に蠢く温かみを孕んだそれを意識しながらも日常を強いられる。ある種の鍛錬だと自分を言い聞かせて落ち着かせることが今の俺にできる精一杯だった。 隙を見てなんとか脱げないかと試みたが、あの男の――メイジの言う通りだった。 苛立ちと中途半端な快感だけが募り、下着の中がただ気持ち悪い。今すぐ全てを脱ぎ去って風呂に入りたかった。 そんな苛立ちの中、ようやく街へと降りてきたときには日が落ちかけていた。 とにかく早く一人になりたい。服は脱げずとも、下着の中に熱を溜めたそこを慰めてこの苛立ちから解放されたかった。 「今日の宿泊予定の宿は決まったし、ここまでの旅路で疲れただろう。この後は好きにするといい。この街のギルドには俺の方から声をかけておく」 そうパーティーメンバーを振り返るイロアス。 その言葉を聞き、ほっとするよりもいち早くその場から立ち去りたかった。 そんな俺の心情に反応したのか、胸から背中までぐるりと包み込む触手が妙に騒がしくなる。 やめろ、と念じつつ、解散するや否やそのままその場から無言で離れようとした時。 いきなり伸びてきた手にがっと肩を抱き寄せられる。 「さあ、この町の美味い飯屋探しでもするか? スレイヴ」 ぞわ、と掴まれた肩から胸元の触手達が一斉に色めき立つ。顔を上げなくとも分かる。ニヤついた面で俺の肩を抱いてくるシーフを慌てて振り払った。 「……っ! さ、触るな!」 「おっと、つれねえな。ま、いいや。ナイト、たまには付き合えよ。アンタがいると信用されやすいからな」 「シーフ殿、まだ晩酌には早いのではないか」 「言ってるだろ、飯だって飯」 この男は、なんなんだ本当に。 さっさとターゲットを俺からナイトに変えたらしいシーフはそのまま強引にナイトを引っ張り飲み屋街へと消えていく。 いきなり触れるやつがあるかと頭の天辺まで怒りが込み上げてきたが、それよりも乳首周辺の乳輪を撫でる無数の触手に舌打ちをした。 それから、他の奴らにまた捕まるよりも先にその場を後にする。 宿屋で部屋を借りる時間すら惜しい。 とにかく一人になれそうな場所を探す。 どこでもいい。 半ばヤケクソに向かった先は建物と建物の間の細い路地裏だった。そこには荷箱が積まれ、人気もない。 身を隠して何かをするには丁度いいだろう。 湿っぽい空気もこの際どうでもいい。 荷箱の影に潜り込み、岩壁に背中がぶつからないように気を付けながらも下着の中に手を滑り込ませる。 指先にぬとりと絡みついてくる先走り。それを使って、その奥で硬く脈打っていた肉の塊に触れる。 「……っ、……ふ」 ……何をしているのだ、俺は。本当に。 こんなところを見られたら終わりだというのに、それでも一時的でもいいからこの苦痛から解放されたい一心で性器を取り出し、扱く。 ぬちぬちと耳障りな音を立てながらも手の中の性器はあっさりと限界を向けた。何もない虚空に向かって放たれ、落ちていく白濁を見つめたまま余韻に耽るよりも先に再び性器を扱く。 「ん、ぅ……っは、く……っ!」 おかしい。間違いなく。 一度射精すれば少しはマシになると思っていた。けれど、実際はどうだ。 底のない飢餓感は増していくばかりで、逃れられることはできない。それどころか快感で昂った神経はより触手達の動きを感じ取り、それは性器へと集中する。正しく悪循環。 「……っ、は、く、くそ……っ」 自分の胸元に目を向ける。側から見ればなんら変わりはない。 けれど、俺は知ってる。刺激を加えれば更に強力な快感を得ることができると。 「……っ」 口の中に溜まった唾液を喉の奥へと流し込む。 ――それだけは、試したくない。 どれだけ際限ない欲求不満状態に陥れられようとも、あの悪辣な男の仕組んだ罠を自ら利用するような真似など。 「っ、……っ、ふ……っ」 ほんの少し、何かでぶつけられるだけでも乳首を扱かれ、先っぽからその凹みを穿る幾重の細い触手で穿り返される。そのときの感触が蘇るだけで手の中の性器が反応した。 ああ、くそ。くそ、あの男のせいだ。全部。 苛立ちに身を任せ、極力胸から意識を逸らしながら二度目の射精を迎える。それでも、まだ足りない。 滲む汗が額から流れ落ちていく。いっその事諦めた方がいいと分かっていても、手が勝手に動いてしまう。 水音と吐息が混ざり合い路地に響く。こんなことやめなければ、と思いながらも後一回だけ、を繰り返してはただ体力だけを消耗していくのだ。 せめて、出すものすら無くなってしまえば。 そう脈打つそれを手のひらで雑に扱き上げていた時だった。 「――辛そうだな」 聞こえてきたのはゾッとするほど柔らかい声だった。 荷箱に凭れ、こちらを見つめていた男の存在に気づいた瞬間全身から血の気が引いた。 全ての元凶、もといメイジは遠慮するどころか興味深そうにこちらを観察していた。 「……っ! な、お、お前……っ!」 「どうした? 俺に構わず続ければいい。なんせ今は自由行動の時間だ。自分を慰めたくて仕方なかったんだろ?」 「……っ、誰のせいだと……っ!」 「俺のせいか?」 それ以外何があるのだ。 自慰をこの男に見られたという恥ずかしさよりも、この理不尽な状況に怒りが込み上げてくる。 そんな俺を鼻で笑い、「どれ」と側にやってくるメイジに後ずさった。拍子に壁に背中がぶつかり、そぞめき立つ触手達に背筋を撫で上げられ「ぅ」と喉の奥から声が漏れそうになる。 「随分と可愛い声を出すようになったな、それほど気に入ったか」 「ふ、ざけるな……っ、用がないならさっさと失せろ……ッ!」 「そうカリカリするな。触手達も不安がってるだろ」 なあ?と笑いながらメイジはそのまま俺の背中に手を回す。そして肩甲骨から背筋までを指一本で撫で下ろした瞬間、触手達が更に活発に背中を這いずっていく。まるで神経の束をくすぐるような不快感に脳の奥まで痺れそうになった。 「っさ、わるな……っ!」 「手伝ってやろうと思ったのに随分な言い草じゃないか。……そうか、じゃあもう暫くそれに遊んでもらうといい」 そうあっさりと身を引いたメイジにほっと息を吐くのも束の間。メイジが指を鳴らした瞬間、背中だけではなく胸元から腹部まで胴体を飲み込んでいた触手たちが一斉に暴れ出す。 みっちりと生えた触手達に脇の下から乳首まで包み込まれ、刺激される。求めていた刺激が一斉に襲いかかってきてそれを受け入れることに時間がかかった。 「――っ?! っ、ぅ、くひ……っ!」 「どうした、いきなり顔を赤くして」 「な、お、おまえ、なに……っ、ぅ゛、と、めろ……っ!」 「別に何も」 「嘘吐けッ! っ、ぅ……っ、あ……?!」 細い一本の触手が乳首を撫でる。乳頭の凹みを穿るように奥まで頭を埋めてくるそれに内側からぐるりと舐め回された瞬間、腰が大きく跳ねた。 膝から力が抜け、座り込んだその地面に向かってとろりと太い白濁混じりの体液が垂れる。その間も痙攣は止まらない。触手達の動きも、活発化されたまま四方から俺を責め立てくるのだ。 地獄以外何というのか。 続く