【↑300】サディークさんと通話するだけ 後編※【3,200文字/サディーク→良平/一部サディーク視点/攻め自慰】
Added 2025-02-02 16:18:03 +0000 UTC前回→ https://t589423.fanbox.cc/posts/9236380 なんだか撫でられてるみたいだ。 お風呂に入ってるみたいな心地よさに包まれ、笑ってしまう。 「……っ、……ふふ、なんか恥ずかしいですね」 『……確かに耳、くすぐったいな。これ』 顔が見えない分どんな顔をしてるのか思い浮かべてしまう。 今きっとサディークさんはちょっと笑ってる……と思う。 「サディークさん。俺も、サディークさんに名前呼ばれるの好きです」 そう口にしたとき、小さな沈黙が返ってくる。 変なところ行ってしまったのだろうか。不安になって「サディークさん?」ともう一度呼び掛ければ、雑音が入った。布が擦れるようなそんな音だ。 『……ぁー……その、ちょっと……きた』 「きた?」 『ゃ、なんでもないから。……なんでも』 気にしなくていい、と言われたら余計気になってしまうのが人間の性だと思うが、音声通話ではこれ以上追求できなさそうだ。 なんだろう、少しサディークさんの様子がおかしいような……。 『俺も寝ようかな』 「お休みですか? じゃあ……」 『このままがいい』 「え、でも……」 『このままで』 声が近い。 横になりながら話したいということなのだろうか。 珍しくサディークの語気が強いのでつい押されてしまう。 「わ、分かりました……先に眠ってしまったらすみません」 『いいよ。……別に。喋んなくとも、呼吸とかだけでもいいし』 「え、それって……」 楽しいですか、と言いかけて、やめた。 俺も兄さんと一緒にいるとき、喋らなくてもいいから隣にいるってだけでも安心するのと同じなのかもしれない。 サディークさんが俺に対してそこまで許してくれているのだと思うと、嬉しいような恥ずかしいような。 「分かりました」と改めてベッドの上、背筋を伸ばす。 『良平、今寝転がってんの?』 「あ、いえ。一応正座してます」 『正座? ……ふーん』 「そうだ、あれでしたらビデオ通話……」 『無理』 即答だった。しかも普段よりも腹から声が出ていた。 『ご、ごめん。……無理……都合が悪い……』 「わ、わかりました、無理にとは言いません。それに、俺も今パジャマ姿なので確かに少し恥ずかしいかも……」 『は……パジャマとか着るんだ』 「はい、サディークさんは?」 『え、いや……俺の聞いても意味ないだろ』 「あ、あります! ……サディークさんだけ秘密なの、ずるいです」 『……っ、……別に、ずるくていいよ』 なんか、ちょっと呼吸が乱れているような気がするのは気のせいなのか。 声がさっきよりも近いからより息遣いが鮮明に聞こえてるだけなのかもしれないが、声もところどころ上擦ってるような気がして意識してしまってる自分が恥ずかしくなってくる。 なんて思った矢先、ふ、とサディークの笑う声が鼓膜に響いてぎくりとした。 ……笑った? 『……良平パジャマ派なんだ。……子供みたい』 「こ、子供じゃないです。それにちゃんとパジャマには意味があって……」 『っ、声、近……』 「あ、ご、ごめんなさ……」 『いや、そのままでいいよ。……で、なに?』 優しく尋ねられ、どき、とつい心臓が勝手に反応してしまう。 サディークさんの声だって近いし、なんか声もいつもより優しいし……なんか、なんか……。 「や、やっぱり……なんでもないです」 『なんで?』 「な、なんででもです……後は調べてください」 『なにそれ』 顔や姿が見えないだけでこんなに調子が狂わされるというのか。 元々サディークの声質もあるだろうが、普段よりも優しいように聞こえるし、なんか……距離感が近く感じてしまってはそのことを意識してしまうと頭の中がうまく纏まらない。 駄目だ、俺、通話に向いていないのかもしれない。さっきから変なことばっか考えてる。 『……』 「……ぁ……」 『……なに?』 「そろそろ、俺……寝ようかなって……」 『いいよ』 「い、いいよって……」 『呼吸音、……聞きたい。聞いてたら久しぶりに安眠できそうだから』 ――そんなこと言われたら、『分かりました』としか言えなくなってしまうではないか。 「ま、間違って切るかもしれませんけど……」 『いいよ』 「寝言で変なこと……」 『……ま、普段も変なこと言ってるし』 「い、言ってないですっ! 多分……っ!」 サディークは声を押し殺すように笑う。それから小さく咳払いをするサディーク。 『おやすみ、……良平』 「……はい、おやすみなさい。サディークさん」 見えないと分かっていながらついデバイスに頭を下げつつ、俺は通話を繋げたままベッドに横になることにした。 それにしても向こうではまだサディークと通話が繋がってるなんて、変な心地だ。そんなことを思いながら俺は布団へと潜った。 寝れるだろうかと不安だったが、案外横になるとぐっすり眠ることができた。 すう、すう。微かな寝息と寝返りを打つような衣擦れ音。 寝静まった夜だからこそその音はより大きく聞こえて、通話の向こう側にいる良平の姿を思い浮かべては心臓が破裂しそうな程熱を増す。 まじでやばすぎる。これ。つーか、あいつも無防備過ぎだろ。普通恋人でもない男と通話繋げたままとかしねえって。 『……すぅ……』 「……っ、……は……」 速攻こっちの音声ミュートにしたあと我慢汁でぬるぬるになってた性器を取り出し、あいつの寝息をネタに無心で扱く。 何も知らないあいつの好意をこんな風に利用する罪悪感とスリルが絡み合って、余計興奮する。 「……っ、は、まじで……無防備すぎだから……っ」 通話から抜き取った良平の音声を右耳で流す。 無邪気に何も考えてなさそうな声で俺の名前を呼ぶその声が勃起した性器に直接響いては扱く手が止まらない。 柔らかい声が、俺を呼ぶ時の少しだけ恥ずかしそうな声が、全部脳と下半身に射精を促してくるのだ。 「……っ、は、まじで……わざとだろ……っ!」 パジャマってなんだよ、と息を呑んだ時。射精の予兆を感じ、咄嗟に手の平で性器を覆い隠した。そして噴き出す精液を受け止め、息を吐く。 間も置かず、萎えるどころか既に再度硬くなり始めていたそこに精液を塗りたくるように扱いた。 濡れた音があいつの寝息と混ざり合い、背徳感が重く全身にのしかかってくる。その息苦しさも、心地いい。 「……っ、良平……は……っ」 パジャマとかエロすぎんだろ。 駄目だ、脳味噌に都合のいい映像しか浮かばない。脱がしたいとか、撫でたいとか。俺キモすぎだろ、無理だ。次会う時どんな顔して会えばいいんだよ。 開いた胸元の上から覗く乳首を弄りたいとか、そんなことを考えては既に二発目の射精が喉元まで迫っていている。 「ぁ゛ーー……っ、むり、とまんね……っ、ぅ……っ!」 目の前にいたら触ることすらもできないからこそ、脳内で汚すことしか出来ない。 でも、俺なんかとここまでしてくれるってことは少しは期待してもいいのか、良平。 掌の中、二発目の射精は早かった。ベッドの上、胎児のように丸まったまま掌に吐精する。 甘い余韻の中、汚れた自分の手のひらを見つめたまま茹った脳味噌が冷め始めていたとき。 『――サディークさん?』 ふと、デバイスの方から聞こえてきた良平の声に全身が凍りついた。録音ではない、生良平の方だ。 慌てて手を拭いてデバイスのミュート解除をする。 「……あ、なに? ごめん、ミュートしてた」 『す、すみません……おれ、ちょっと寝てました』 「……知ってる。てか、いびきちょっと掻いてたし」 『ごめんなさい……っ! ……サディークさんも寝てたんですか?』 寝起きと分かる少し甘めな滑舌も、ふにゃふにゃしてるせいでちょっと甘えてるような感じが出ててゾクゾクする。 可愛い、とつい口から漏れそうになるのを必死に誤魔化しながら俺はまた硬くなり始めていたそこを一瞥し、視線を逸らした。 「いや……アンタの寝言集作ろうかと思って」 現在進行形で録音している端末を見つめれば、「えっ」と良平は狼狽えように声を洩らす。 『だ、ダメです……っ! もう、今度俺が眠ってたら起こしてくださいね……!』 「……まあ、善処するよ」 期待はするなよ、と呟き、俺は糸を引いている性器から手を離した。 まだ暫くは熱は収まりそうになさそうだ。 おしまい