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田原摩耶
田原摩耶

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【↑300】壁尾張②END※【4,000文字/政岡×尾張/壁尻/セクハラ/挿入なし/疑似顔騎/攻め自慰】

前回→ https://t589423.fanbox.cc/posts/8528110  ただでさえ壁にハマって抜けねえってのに、なんでこれ以上窮地に立たされることになるのだ。 「……なんで勃ってんだ?」  ご丁寧に二回も聞いてきやがった政岡。  なんでって、そりゃ、お前が変な触り方したせいで血流があれこれして幹部に血液が溜まりやすくなっただけであってそこに俺の意思は介していない。なんてありとあらゆる言い訳が瞬時に頭の中を駆け巡っていく。結果。 「……勃って、ない」  ようやく喉の奥から絞り出した言い訳がそれだった。  この時ほど己を恥じたことはなかっただろう。いや、あった気もするが。  暫し沈黙が流れる。それはたった数秒、それでも俺にとっては永遠のような長さに感じた。 「……そうかよ」  なんだよ、その間は。何を考えてるんだ。  表情が見えない分やや困惑したような政岡の声に余計居た堪れなくなっていく。逃げ出したい、笑って誤魔化したいのにこのケツの間抜けな格好だけでは何やっても決まらない。ああもう最悪だ。全部あの眼鏡のせいだ。 「や……やっぱ、いい。俺一人で後はなんとかするから……」 「尾張」 「い、いいから、も……あっちに……」  必死に勃起したブツを隠しながら行ってくれ、と声を絞り出した矢先だった。離れていったと思った矢先、政岡の手が右腿を掴む。引っ張る、と言うよりも手のひらで感触を確かめるような触れ方に違和感が走る。 「ま、さおか……?」 「……悪い、尾張」 「なに、こんな状況で謝んのやめろよ。こえーし……」 「……っ、……」 「……? 政岡……?」  なんだか壁越しに空気が変わったような気がしてならない。政岡がいきなり静かになったからか。  太腿を撫でていた手が離れ、ほっとしたのも束の間。いきなり静まり返った壁の奥に違和感を覚える。  足音はしてねーからまだそこにいるはずだ。 「政岡?」ともう一度政岡に呼びかけた矢先、何か金属が擦れるような音が聞こえてきた。  それから、なんかぬち、という嫌な水音。これは俺の耳が良すぎた故なのか。 「……っ、あの、政岡さん?」 「待て、尾張……っちょっと、時間くれ」 「な、なに、いや何してんのお前……っ、なんかしてねーか?」 「………………」 「黙り込むなよ……っ!」 「尾張……これはお前のためでもあるんだ……ッ!」 「何言って……」  つか逆ギレかよお前。  触れられてはいないが、だとすりゃ余計壁の奥で何やってんのか分かんなくて怖かったが、いや、まさかな。 「っ、ま、政岡……?」 「……っ、ふ……」 「おいなんか息荒……っお前……」  ――まじで抜いてねえよな。  先程よりも明らかに大きくなる水音に背筋がぞわりと震える。あと、声がなんか近え。お前どこでなにして何で抜いてんだよ。  恐らくすぐ背後にいるであろう政岡を足で蹴ろうとするが、こいつビクともしねえ。体幹どうなってんだ。  それどころか、 「安心しろ、一旦俺はお前に触れないから……っ! 今手に残ってる感触だけで乗り切るから頼む、少しだけ許してくれ……っ!!」 「言ってることこえーよお前……っ」 「だって、無理だ、こんなシチュ……これ以上我慢してたら多分俺、我慢できねえ……っ! 一回抜かせてくれ!」  言いやがった、こいつ。清々しいまでにハッキリと。  校舎裏にとんでもねえセリフが響くが、本人が迫真すぎるお陰で突っ込む暇もなかった。つか、お前もう抜いてんだろ。 「……っ、お、お前な……」 「悪い気持ち悪いよな、分かってんだよ、だから……っ、声、我慢するから……触んねえし……見んのは許してくれ」  はあはあ言いながら言うセリフじゃ……いや、間違ってはないのか。もう知らねえ。どっちだっていい。  人が何もする術ないって分かっててこんなこと言ってんのか。だとしたらタチが悪すぎる。  つか、見るってどこを。手に残ってる感触ってなんだよ。  こいつの思考を理解しようとすればするだけ頭がどうかなりそうだった。けど、残念ながらこの学園ではまだ手を出してこないだけマシなのだ。  本当、どうかしてる。 「……っ、……いちいち、言わなくていいから……さっさと済ませろ」  ぎゅ、と足を閉じたまま背後にいる中腰であろう政岡に声をかける。 「あと、ちゃんと後から助けろよ」 「尾張……っ、ああ……ぅ……っ!」 「っ、……」  くそ、なんだこの拷問。なんか変な声聞こえてくるし。こんなところ他の奴らに見られたら。でも、どうせ断ったって何されるかわかんねーし。  でもだからって、こんな……本当になんだよこれ。 「っ、は、尾張……足ぎゅって閉じてんの可愛い……っ」 「い、言うなよ……っ、静かに抜け……っ!」 「だって、……最高すぎんだろ……お前のこと見つけたの俺でよかった、マジで……っ、このケツ独り占めできんのマジでたまんね……」 「……政岡さん?」  お前脳味噌チンポに行き過ぎて色々ポロってませんか?  俺の反応に気付いたのかは知らないが、慌てて咳払いして誤魔化した政岡だがもう何もかも手遅れである。つか。 「……スーー……っ」 「嗅ぐな……っ!」  段々声する位置が下がってきたと思った矢先だった。腰の辺りから聞こえてきたクソ長え呼吸音に耐えきれず、思わず政岡の顔を足で挟んでしまう。「んむぎゅ」と下半身から聞こえてくる声。つかまじでそこにいたのかよ。 「っ、ぁ、わり……」 「……ッ」 「政岡……? っ、ぅ、ん……っ?!」  ぐり、とスラックス越しに押し当てられる鼻先に思わず背筋が大きく反り返る。  嘘だろ、こいつ。  思わず手を下半身に伸ばして政岡の頭を退かそうとするが、指先は壁によって阻まれる。 「っ、ぉ、い……っ、離れろ……ん、……っ」  違う俺が顔を絞めてんのか?慌てて力抜き、やつの肩や胸を蹴ろうとして、止められた。おい、話がちげえだろ。  足首掴まれたまま更に腰を突き出させられる。スラックス越しだからこそ余計もどかしい感触が不快そのもので、それよりも無言で人のケツで深呼吸繰り返す政岡にただ血の気が引く。  どさくさに紛れて唇で喰まれてる気がする。なんか、そんな気配がする。 「っ、政岡、さっきと言ってることが……っ! ぅ、んぅ……っ!」 「っ、わり……尾張……罵ってくれ……」 「ふざ、け……っ、いいから退け……ッ!! っ、ぅ……っ、あ……っ」  余計変な方向に想像力が掻き立てられてる。想像したくもないのに、政岡の感触や顔のパーツとか体の動きや呼吸の一つ一つを追っては脳が余計熱くなっていく。  だからなんでこいつこんなに体幹良いんだよ。羨ましい、とか言ってる場合ではない。そのまま先程よりも激しさを増す水音だとかまで意識張り巡らせては情報量に脳がスパゲッティ状態だ。 「っく、そ……っ」  あーもう、くそ。勝手にしろ。つかどうすることもできねえ自分が一番嫌だ。萎えてる気配しねえのも訳わかんねえし。  なんなら今壁があってよかったと思えてしまうほど、普段以上に全身の神経が尖っていくのがわかった。  もどかしすぎる。さっさと抜いて終わらせてくれ、と頭の中で繰り返して自分を落ち着かせることしかできない。 「お、わり……っ、は、く……っ」  埋め聞こえに混じり股の間の政岡の体が一瞬痙攣したと思えば、それから荒い呼吸が聞こえてくる。どうやら満足したらしい。けど、人のケツに挟まったまま一息つくのはマジでやめてくれ。  風呂で逆上せたような感覚のまま、普段以上の疲労感とともに俺は政岡の救出再開を待つことしかできなかった。  一時間後。  あの後また勃起催す度に中断見抜きで政岡の自慰に付き合わされてようやく救出されたときには下半身がとんでもないことになってた。なにで、とは言いたくもない。お前どこにぶっかけてんだとか色々言いたかったが、取り敢えずお礼を言うべきかという俺の善性の部分でぶつかり合った結果。 「お、尾張……尾張、怒ってるか?」 「……」 「悪い、尾張……好きなだけ殴って良いから無視しないでくれ、頼む……」  どんな顔でこいつと向き合えと言うんだ。  本人なりに反省してるらしいが、こいつの場合一度精子が溜まったら人格が変わるところがあるので信用ならねえ。  確かに脱がされたりはしなかったが、下半身にはまだあいつの鼻や唇、指の感触が残ってる。嫌ってほど生々しく。 「尾張……」 「取り敢えず、……助けてくれてありがとな」 「……! 尾張……っ!」 「けど、誰がここまでしろっつった?」  どろ、と尻から腿の辺りを主にぶっかけられた精子を手で拭ってやつの眼前に突きつけてやれば、政岡が露骨に目を逸らした。その代わり、何故かまた大きくなってる下半身を見て息を呑む。 「お前、本当に反省してんのかよ」 「し、……てるけど、それはお前エロ過ぎ……」 「政岡」 「っ、わ、悪かった! だから、もっかいあれやってくれね……?」  どさくさに紛れて逆にこちらに要求するとは何事かと思ったが、政岡の指してる意味がわからず「あれ?」と聞き返してみる。瞬間、汚れた手ごと政岡の手に握られた。硬くてややまだ湿ったその手にぎょっとするのも束の間。 「俺の顔の上に乗って、締め上げてくれ……っ!」  大真面目な顔をしてそんなことを言い出す政岡の顔面に張り手を食らわせた。 「……変態」  堪らず吐き出し踵を返せば、背後で政岡が小さく呻くのが聞こえた。  ああ、本当にこれは暫く夢に出そうだ。無論、よくない方のだ。  人前に出られねえ状態のスラックス、その中で歩く度に滑り気を帯びた下着が下半身に纏わりついてくるのが余計不快だった。  五条、あいつにはきちんと恩返しをしなきゃならねえな。  そんなことを思いながら俺はひとまずトイレへと向かうことにした。  おしまい

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