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田原摩耶
田原摩耶

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モブ×ビッチ齋藤前提志摩×ビッチ齋藤※【↑100/6,100文字】

 キスというものは好きな人とするものだと思っていた時期が俺にもあった。 「……ッ、は、ぅ、ん……ッ」 「っ、齋藤君……ッ」  キスだけでいいから相手をしてほしい、などと顔も知らない三年の先輩に泣きつかれてとうとう俺は断りきれずに一度だけなら、と許可したのだが、どうしてこうなるのか。後頭部を押さえ付けられ、深く唇を貪られる。肉厚な舌に咥内を蹂躙され、酸素ごと唾液を吸われるのだ。 「っ、はぁ……ッ、好きだ……君のことがずっと……ッ、ずっと遠くで見てた……」 「……そう、ですか」  嬉しくない、わけではない。嫌われるよりも好きだと思われた方がいいと頭ではわかってたが、伸びてきた手にシャツの上から胸を触れられ、思わず身を引いた。これ以上は、とやんわりとその手を掴んで剥がそうとすれば、男はそれを制するように再び唇を塞いでくるのだ。 「っ、ん、ぅ……ッ」  シャツ越しに胸を揉みしだくように乳首を抓られながら、恋人のように深く唇を舐られる。なんの感情も分からなかった。けど、これ以上されるのは正直……あとのことを考えると億劫だった。  下腹部、勃起した性器を擦り付けるようにぎゅうと腰を押し付けられる。背後には壁。やめてください、と声を出すこともできずただ口の中の舌の動きを追うのが精一杯だった。  抵抗して逆上されるのも面倒だ。俺は辛うじて手を動かし、男の下腹部に触れる。瞬間、ジッパーを掴む俺に男は驚いたような顔をしてこちらを見た。 「っ、齋藤君……」 「……手でなら、いいですよ」 「けど、それ以上は……先輩に怒られるので」そう囁き掛ければ、男の息が荒くなる。なにがいいのだろうか、俺にはまるで理解ができないが、指の下のものもびくんと反応するのを見て覚悟を決めることにした。  穏便な学園生活を送ることができれば、それだけで十分だった。  こんな風に見ず知らずの男の性器で手で扱くなんてことせずとも、もっと平和に生きていけるのではないかとも思ったが気付いたときには俺にはもうどうすることもできなかったのだ。 「っ、齋藤君……」 「………………」 「ッ、出る、もう……ッ!出……ッ」  このまま顔や髪に掛けられるのも、服を汚されるのも面倒だった。指輪っかで締め付けていたそれの先端部に唇を押し付ける。そのままぱくりと亀頭部分を咥えたとき、男の腰が痙攣し、口の中に青臭い匂いと粘着いた液体が吐き出された。  極力匂いや味を意識しないように性器から口を離した俺は、貯めていた唾液ごと口の中に残った精液を吐き出した。  遠くから聞こえてくるチャイムの音。取り出したハンカチで唇を拭い、俺は放心する男に「それじゃあ、失礼します」と会釈してその場をあとにした。男はなにかを言おうとしていたが、どうせろくなことはないだろう。そのまま立ち去る。 「齋藤、さっきの男誰?」  ああ、と思った。……面倒なところを見られてしまった。  昇降口前、靴に履き替えてそのまま寮へと戻ろうとしたとき近付いてきた足音に立ち止まる。  振り返らずともそこにいたのが誰なのかすぐに分かった。 「……知らない人」 「ふーん、知らない人にもフェラしてあげるんだ。本当優しいよね、齋藤って」  言いながら肩に乗せられる手。笑顔を浮かべてるものの、その目は笑っていない――志摩が怒ってる  のは一目瞭然だった。 「……ああするしかなかったんだよ」 「じゃあ俺にもしてよ。……って言ったら齋藤はしてくれるの?」  試すような物言いだ。辺りに人気がないだけましだけど、誰かに聞かれてたらどうするつもりだ。  こうなった志摩はしつこいことを俺は知ってる。仕方なくキスしようとして、志摩にネクタイを引っ張られて制される。 「ちょっと、どこのどいつかも分からない男のしゃぶった口で俺とキスするつもり?」 「だって、志摩……」 「……本当、齋藤ってデリカシーがないよね。せめて口濯ぐなり歯磨くなりしてよ」  ……怒られた。「ごめん」と口にすれば、志摩はわざとらしく溜息をついた。それから俺の肩を掴んだまま「行くよ」と歩き出すのだ。 「行くって……」 「俺の部屋。……ついでにシャワー浴びなよ。流石に齋藤、精子臭いよ」  そんなに臭うのだろうか。自分ですん、と制服を嗅いでみるが分からない。飛び散らないようにしたつもりだったが、志摩がそういうのならそうなのかもしれない。  俺は志摩に引っ張られるように学生寮へと一旦戻ることになる。  十勝は生徒会でまだ戻ってきていない。俺は志摩に服を剥ぎ取られ、そのまま風呂場へと放り込まれた。それに続いて服を脱いだ志摩が風呂場に入ってくるのだ。 「なんで志摩も脱いでるの?」 「齋藤洗ってあげるからだよ。ほら、そこ座って」 「……別に一人でも……」  大丈夫なのに、と言い掛けて言葉を飲む。隠すものもなくなった平らな胸元を撫でられた。「志摩」と振り返ろうとすれば、片方の手に腰を撫でられるのだ。尻の割れ目に這わされる指はそのまま奥へと潜り、ぐに、と窄まった肛門に触れられ思わずぎょっとする。 「……志摩、指……っ」 「ああ、こっちは使わせてないんだ」 「……それが嫌だったから、口で我慢してもらったんだよ」 「まさかそれで貞操守ってるつもりなの?」 「っ、……ぅ、ん」 「本末転倒って知ってる?……齋藤がそんなんだから噂になってるよ、頼めばやらせてくれるって。その内、あの人たちの耳にも届くんじゃない?」  濡れた指が中へと入ってくる。思わず腰が浮きそうになり、前のめりになる俺の体を抱きかかえたまま志摩はシャワーを性器に当てるのだ。水圧の粒が直に当てられ、堪らず身震いをした。 「っ、志摩……」 「まあ、あながち間違えでもないでしょ」 「っ、そんなこと……」 「ないの?」  肉壁を押し開き、奥へ奥へと侵入してくる複数の指に前立腺を柔らかく撫でられる。ぞく、と腰が熱くなり、熱が集まる下腹部。芯を持ち、頭を擡げようとしていた性器を握った志摩は「じゃあ、これはなに?」と蔑むように笑うのだ。 「っ、それは……志摩が」 「俺のせいにしないでよ。……俺は、汚い齋藤の体を綺麗にしてあげようとしてるだけだよ」  ソープボトルから透明の液体を数回分たっぷりと指に絡め、そのまま性器へと塗りたくられる。剥き身のそこは触れられるだけでも恐ろしく感じてしまう。刺激成分の少ないソープは体に恐ろしく馴染む。そのままぐぢゅぐぢゅと音を立て、志摩は性器を重点的に責め立てるのだ。 「ぁ、志摩……ッ」 「ねえもう腰浮いてるよ、齋藤。本当にそんなんで貞操守れてるわけ?」 「っ、そ、れは……ッ」  志摩だから、と言いかけたとき。硬く凝り始めていた前立腺を柔らかく引っ掻かれ、腰が震えた。  そのまま逃げようとする腰を前の手で抑え込むように性器と前立腺、内側と外側から同時に愛撫され、堪らず志摩の腕にしがみついた。 「っ、ふ……ッぅ……っ」 「……っ、ちゃんと綺麗にしてあげるからね。俺が、齋藤の奥まで」 「っ、ひ、……ッ、ぅ、しま、……ッ」  待って、と言いかけるよりも先に亀頭を揉まれ、尿道口を押し潰される。そのまま裏側の太い血管を撫でるように指輪っかで根本から先っぽまで全体を刺激されれば、次第に呼吸は浅くなった。脈打つ鼓動が大きくなる。ソープに混じってトロトロとした先走りが溢れ、下腹部に力が篭もった。  志摩の指を締めつければ、志摩は「本当どうしようもないよね」と笑うのだ。  そして、もう少しで射精しそうになったとき。志摩は俺の性器、そして俺の中から指を抜いた。 「……ッ」 「ほら、これで大分綺麗になったでしょ」  そう、志摩はにっこりと笑うのだ。その笑顔にひくりと喉が鳴る。  ……わざとだ。と直感で理解する。わざと、俺がイキそうになるのを見計らってやめたのだ、志摩は。 「なに?そこ、洗い流すからちゃんと前向いてなよ」 「……っ、……」  開いた腿の付け根を撫でられるだけで息が乱れそうになる。……本当に性格が悪い。自分だって限界なくせに、と背中に当たる志摩のものに触れれば志摩の笑顔が引きつった。  齋藤、と志摩が口を開くよりも先にそのまま目の前の志摩の唇に自分の唇を押し付ける。 「っ、ん、ふ……ッ」 「……ッ、は、……ん、」  志摩の手からシャワーが落ち、足元を濡らすのだ。志摩は一度は俺を引き離そうとしたが、そのまま志摩の上半身にしがみつき、唇を重ねればやがて観念したように俺の舌に噛み付くように口を開いた。  口の中に濡れた音が響く。お互いの呼吸が混ざり合い、髪が濡れようとどうでもよかった。そのまま志摩の膝の上へと向かい合うように跨がろうとすれば、唇を離した志摩は「ちょっと」と俺の腰を掴む。 「な、……に……?」 「なに?……じゃないよ、もう少し……色気とかってものが……」  あるでしょ、と小煩い志摩の唇を塞ぎ、舌を絡める。すぐに志摩は黙った。そのまま自分の下腹部、肛門を指で開きながら志摩の性器の上にゆっくりと腰を落とした。  志摩に解され、柔らかくなっていたそこは自重もあってか簡単に頭を飲み込んでいく。 「……ッ、は……ッ、ぅ……」  ず、と肉をかき分けるように硬く勃起した性器が入ってくる。この感覚は未だ慣れない。それでも、指よりも圧倒的な質感に痒いところに手が届くそんな感覚に脳髄が溶けそうになるのだ。  ゆっくりと、その快感を味わうように腰を落としていたときだった。 「……ッ、なにが、貞操を守るだよ……ッ」  苛ついたように舌打ちをした志摩はそのまま俺の腰を掴み、そのまま奥まで一気に貫くのだ。逃げる暇もなかった。頭の中、痺れたように動けなくなる俺の体を捕まえ、志摩はそのまま下から俺を突き上げるのだ。 「ッ、ぁ、し、ま……ッ!待、っひ」 「……っ、今更処女ぶらないでくれる?腹立つから、それ。いい加減開き直りなよ、こうやって……ッ、男に犯されるのが好きですってさあ……ッ!」 「ッ、ぅ゛ッひ、ぃ……ッ!!」  ばちゅばちゅと濡れた音を立て、肉の杭で奥の突き当りを執拗に押し潰される。その都度頭の中を掻き回されるみたいに何も考えれなくなるのだ。志摩の背中に腕を回せば、目の前にきた志摩の顔にそのまま唇を重ねられる。 「っふ、ぅ゛……ッ!ぅ、ん゛……ッ!!」 「っ、いいじゃん、もうさ、知ってるよ皆……ッ、齋藤のことビッチだって。貞操観念ちゃんとしてる人は付き合ってる男以外とこんなことしないから普通……ッ!」  《こんなこと》と腕を掴まれ、そのままぐりぐりと腰を押し付けられるのだ。ぐぽ、と亀頭部分が体の奥、開いてはいけない部分を突き破って侵入してくるのがわかり、必死に志摩の上から逃げようとするが志摩は笑ったまま俺の腰を抱きしめる。がっちりと固定されたまま、襞に引っ掛けるように亀頭を出し入れするのだ。 「っ、ぉ゛、ぐッ、ひ、……ッ!」 「っ、あ〜あ……ッ、駄目でしょ齋藤、ちゃんとしなきゃ……ッ、ほら、なに寝ぼけてんの?もっと俺を気持ち良くさせる努力しなよ、ねえ……ッ!」 「ま゛ッ、ぁ゛……ッ!ひ、ぎ、……ッ!」  腹が破れる。臓器が押し潰されるのではないかと思うほどの深い挿入に意識が混濁する。ろくに手足に力が入らず、志摩に下から突き上げられる度に思考は掻き回される。ビクビクと痙攣する下腹部、志摩のピストンに合わせて甘く勃起したままの性器からとろとろと先走りが溢れるのだ。それを見て、志摩は笑った。それから更に激しく突き上げられ、逃げようとする腕を手綱のように引っ張られぐりぐりと腰を押し付け、本来ならば届いてはいかないところを亀頭でたっぷりと舐られ、犯される。 「っ、し、ま゛……ッも……ぉ……ッ!」 「……っ、もう?なに?……ッ、イキそ?」 「ん゛、ぅ……ッ」 「いいよ、じゃあ一緒にイこっか」  齋藤、と耳を舐められ、息を吹き込まれるだけで胸が跳ねる。指を絡め取られ、恋人かなにかのように指を絡ませたまま志摩は更に俺を犯したのだ。濡れた音と肌がぶつかる音が響く浴室内、酸欠諸々で逆上せそうになりながらも俺は志摩の責めに耐えきれず呆気なく射精するのだ。そして締め付けた下腹部内、奥へと吐き出される志摩の精液に腹を満たされていくのを感じながら俺は目を閉じた。  ◆ ◆ ◆ 「ねえ齋藤」  ベッドの上、人を抱き枕のように背後から抱き締めてくる志摩は俺の名前を呼ぶ。 「ん?」と振り返ろうとしたとき、唇に柔らかい感触が触れた。そして、目の前には志摩の顔。  キスがしたいのかと思って口を開いて舌を出そうとすれば、「そうじゃなくて」と口を塞がれた。 「……俺以外のやつにこういうこと、もうしないでよ」 「……もご……?」 「もご?じゃなくてさ、ヤりたくなったら俺呼べばいいでしょって言ってんの」 「……別に、したくないけど」 「は?」と志摩の目が釣り上がる。何故志摩がそこで怒るのか。というかそもそもなにかが決定的に食い違ってる気がする。 「……俺は、志摩以外にここまでさせないよ」 「……………………じゃあフェラは?」 「フェラ……っていうか、汚したくなかっただけだから……」 「……キスもしてたじゃん」 「あそこまでさせるつもりはなかったんだよ、別に」 「………………はぁ」  そう大きな溜息をつく志摩。  ……呆れられてる。けど、間違ったことも嘘もついていない俺からしてみればもうどうしようもない。なので代わりに志摩の唇を舐めれば、じとりと志摩の目がこちらを向いた。 「……でも、志摩が嫌だって言うなら……やめる」 「本当齋藤さぁ……」  何か言おうとしていたが志摩だったが、やがて諦めたように息を吐き、そしてそのまま俺の唇を塞ぐのだ。ぷちゅ、と可愛らしい音を立て唇を甘く吸われる。至近距離、じっと瞳の奥を覗き込まれれば先程までの余韻がじんわりと込み上げてくる。 「……俺がちゃんと一から貞操観念について教えてあげないといけないみたいだね」 「……志摩、もっかい……キス……」 「人の話聞いてる?」  言いながらも応えるように唇に噛みついてくる志摩。なんだかんだ志摩は優しい……ちょっと小煩いけど、そんな志摩だからこそ俺の側にいてくれるのだろう。知らない人とするキスよりも全然違う、なんて思いながら俺は志摩の頭に腕を回した。  おしまい


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