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田原摩耶
田原摩耶

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落ち込んでる齋藤を性的に縁が慰める話※【↑100/11,000文字/縁×齋藤/洗脳調教】

「俺が思うに、君は疲れてるんだと思うよ。人は疲れてると失敗しやすくなって、そのせいで自信がなくなっていく。自分のせいで、自分が駄目だから。……そうやって自分の首を締めていくんだ。君はたまたま疲れてただけなのに、それが真実だと思い込んでは自分自身の本当の価値に気付かなくなる」 「君のその自信のなさもそれが原因なんだと思うよ」弱っていた心に、縁の声は優しく甘く、深く浸透していくようだった。  失敗続き、何をしても上手く行かない。そんな俺を部屋へと招いてくれたのは縁だ。  縁が俺に少なからず好意を持ってくれていることは知っていた、だから最初は断った。けれど、「安心して、ただお茶するだけだよ。弱ってる君を相手に変なことはしないから」と縁に笑われ、自分の自意識過剰だと気付かされてからは拒むことは出来なかった。  本当に縁は俺に温かいレモンティーを出してくれた。それと、一人用のケーキも一緒に。 「いつも俺が言ってるだろ?君は優しくて良い子だよ、それに誰よりも周りを見てて人の心の機敏に聡い。……そんな子、なかなかいないよ」 「そ、そんな……こと……」 「また出たね、そうやって自分を卑下するのは良くないよ。こういうときは『ありがとうございます』でいいんだよ、ほら」 「ね?齋藤君」と隣に腰を下ろした顔を覗き込まれ、息が詰まりそうになる。俺はその視線から逃げるように目の前のカップに手を伸ばした。 「……ぁ、ありがとう……ございます……」 「そうそう、よくできました。……やっぱり君は良い子だね」 「……っ」  優しく頭を撫でられると胸の奥がずぐりと重くなるようだった。カップを手にした手のひらにじんわりと汗が滲む。それを誤魔化すように、俺はレモンティーに口をつけた。 「おっと、そんなに慌てて飲んだら……」 「熱……ッ!!」 「っふ、……くく……っ」  思わずカップを落としそうになったとき、笑う縁にそれを取られる。涙が滲む視界の中、カップをテーブルに置いた縁は「大丈夫?」と俺の口元に触れる。 「ほら、口開けて」  なんで、と思うよりも先に体の方が先に反応していた。恐る恐る口を開けば、伸びてきた長い指にそのまま口を大きく開かされる。  ……まるで歯医者のようだ、なんてぼんやりと思いながらもじんじんと熱で痺れる舌を動かしたとき、縁の指に舌ごと引きずり出されるのだ。 「っ、ふ、ぅ……」 「ああ、ここか。……痛む?」 「ひゅ、ひゅこひ……じんじん……しまふ」 「だろうね、赤くなってる」  そう言って、縁の顔が近付く。真正面から見ると本当にきれいな顔をしてる、そんなことを思った矢先だった。ごく自然に、当たり前のように舌を舐められ全身が硬直した。  何故、と思うよりも先に伸びた舌先に絡め取られ、そのまま貪られる。キスをされてるという意識もなかった。感覚の戻らない舌を絡め取られ、そのまま唾液ごと啜るように全体を吸われた瞬間ぴりっとしたものが走り、そこで俺は異変に気付いた。 「っ、ん、ぅ……ッ待っ、へ……くだ、さ……ッ」 「ん?……なに?」 「な、にって」  なにって、なんだ。頭がぼんやりとして思考が動かない。けど、これはおかしい。それだけは分かるのに、まるで俺の方がおかしいとでも言うかのような縁の反応を見ると混乱してくる。 「……ぁ、あの……」 「君は魅力的だよ、それは俺の目から見てもね。だからもっと自信を持つべきだ。……なんていきなり言っても齋藤君には難しいだろうから、まずは少しずつ慣れていかないとね」  シャツの襟首の下、首筋から顎の下をその指で撫で上げられるだけで息が詰まりそうだった。  ぞくぞくと背筋が震え、耐えられず体をのけぞらせればそのまま首筋に舌を這わされる。 「っ、な、に……ッ」 「だから、慣れだよ慣れ。……齋藤君に必要なのは、人から……俺から愛されてるっていう自覚だよ」  だからこうやって慣れていかなきゃ。  正面の縁に気を取られてる間に、太腿に伸ばされた縁の手に気付くのに遅れてしまう。テーブルの下、太腿を撫で上げられ、咄嗟に縁の手首を掴んだ。  瞬間。 「何やってるの?」  先程までの優しい声とは違う、ワントーンの落ちたその冷たい声に全身がびくりと震えた。 「ぁ……っ」 「言ったよね、俺。……これは君のためなんだってさぁ……聞いてた?」 「で、でも……」 「でもじゃなくて。……君がそんな風に逃げて隠れてだから何も成長できないんだよ、ねえ齋藤君。俺言ったよね、俺からまで逃げてどうするの?」 「……っ」  足の付け根へと上がってくる縁の手のひらに息が詰まりそうになる。目の前がぐるぐると回るようだった。言葉が出てこない。けど、拒むのをやめてしまえばどうなるかくらい俺でも想像つく。 「ねえ、齋藤君」  片方の手で肩を抱き寄せられ、更に顔が密着する。すぐ鼻先にあるのは俺の知ってる優しい縁の顔だ。形のいい唇に優しい笑みを浮かべたまま縁はじっとこちらを覗き込んだ。 「もっと頑張らないと。……これは、もう君だけの問題じゃないんだからさ」 「これくらいで狼狽えてたらこの先どうするの?」処女でもあるまいし、と笑う縁に顔が、全身がカッと熱くなる。声を出すこともできなかった。その手を振り払うこともできず、俺は膝に手を付いたまま縁の視線から逃げることしかできなかった。 「足、開いて」  甘く、低い声。「君ならできるよね?」と優しく囁かれ、抵抗することなどできなかった。  震える体を必死に抑え、恐る恐る足を開く。すると、耳元で縁が微かに笑った……気がした。  太腿に置かれていた縁の手が更に奥へと進み、シャツの下、萎えていたそこを撫でられた瞬間心臓の音が大きく響いた。 「やっぱり俺の思った通りだ。君は物分りがよくてとってもいい子だね、齋藤君」 「……っ、せ、んぱい……俺……」 「じゃあ次は下、脱いでよ。……ああ、下着は脱がなくていいよ。俺は脱がす方が好きだからね」 「……ッ、……」 「出来るよね、これくらい」 「頑張り屋さんな君ならさ」肩から腕のラインを撫でられ、息が詰まりそうになる。  先程までの穏やかな空気に明らかに違う色が混じってることは分かった。分かってるのに、逃れられない。気付いたときには首元まで迫っていて、まるで細い糸で身動きが取れないよう手足を縛られてるようだった。  震えた指先でベルトを緩める。それから縁に言われた通りスラックスを脱いだ。自分だけが靴下と下着しか身に着けていないという間抜けな格好なのに、縁はそれを笑わない。それどころか「ちゃんとできたね」と褒めるのだ。だからだろう、頭が麻痺してくる。 「可愛い色だね、その下着。……あ、大きくなった?」 「……っ、待」  下着越し、手のひら全体で性器を撫でられ堪らず声を上げれば、「齋藤君」と縁に名前を呼ばれる。優しく叱りつけるようなその声に、全身が震えた。  何度も同じことを言わせるな、そう言いたげな目に体が竦む。  恐る恐る手を引っ込め、俺は唇を噛み締めた。抵抗をやめれば縁はさっきまでの優しい縁に戻ってくれるのだ、「いい子だね」と褒めてくれるのだ。……縁にまで冷たくされたら、どうすればいいのかわからなくなってしまう。 「ごめんね、大きな声出して。……びっくりさせちゃって」  まるで労るように優しく性器を撫でられ、そのまま下着の中まで入ってきたその指に息を飲んだ。  足を閉じそうになるが、そんなことしたらまた怒られてしまうのではないか。そんな恐怖が頭を過り、羞恥を堪えて必死に足を開いたままじっと堪えていれば、縁は性器の奥、固く閉じた肛門に触れるのだ。 「っ、……」 「ここ、ぷっくりしてるのわかる?……こんなに肉が盛り上がるまで抱いてもらえてるの?」 「っ、そ、んな……こと……」 「あは、真っ赤になっちゃったね。……でも、そういうのはいいと思うよ。いちいち慣らさないと挿入もできない処女よりも、触れられたくらいでこうやって喜んで口開くヤリマンのが俺好きだな」  言いながら指を濡らした縁はそのまま無遠慮に閉じた肛門へと指をねじ込ませてくる。あまりにも突然のことで、驚いて足を閉じそうになれば「閉じるな」と縁に膝を掴まれる。そして大きく開脚されたまま、下着がずれるのもお構いなしに縁は肛門に二本目の指をねじ込んでくるのだ。 「っ、ぅ、く、ぅ……ッ」 「……ほら、わかる?君の中が喜んでる。ここをよしよしされるのが好きなんだろ?」 「っ、そ、んなこと」  ない、と言いかけた矢先。体内、挿入された指に臍の裏側を刺激された瞬間、全身の毛穴が開くような感覚がした。 「あー駄目駄目、齋藤君、そこははいそうですって言わないと……俺じゃなかったら怒られてるよ?」  足されるローション。滑りがよくなり、先程よりも執拗に弱い箇所を刺激され続ければ縁の声すら遠くなってしまう。足を閉じたいのに、縁に掴まれればそれを拒むことすらできない。 「ほら、もう一回。……言いなよ」  滲む視界の中、手を止めた縁は微笑んでいた。  突然快感から放り投げだされた俺は、中途半端に熱だけを孕んだ下腹部を隠すこともできず逃げることもできずただ狼狽えた。縁はそんな俺を見てろ微笑む。 「っ、せんぱい……」 「何?」 「っ、ぉ、おれ……」 「うん」 「っ、……ん、ぅ、……ッぉ、おれ……ッ」  はしたない真似をしてる。そう思うのに、頭が、理性を司る部分が縁によってどろどろに溶かされていく。それだけは理解できた。  言葉が出てこない、けど、物足りなさだけは確かにあった。縁の手を掴み、更に奥へと縁の指を招き入れた。 「……もっと、褒めて……ほしいです」  いけないことだと分かっていた。それなのに、縁に囁かれると何が正しくて何が間違っているのか分からなくなってしまうのだ。  足を持って。開いたままにしろと言われ、言われたまま膝の裏に手を差し込み、縁が動きやすいように足を抱える。自ら下腹部を晒すような恥ずかしい格好なのに、そんな俺を見て笑うわけでもなく「偉いね」と優しく俺の額にキスをする。  体の奥、第二関節まで挿入された複数の指が出入りする感覚に堪らず唇を噛んだ。 「っ、ぅ、ん……っ」 「ああほら駄目だって、ちゃんと抱えてくれないと」 「っ、ごめ……んなさ……っ、ぁ……っ!」 「そう、そのまま」  耳元で縁の声が囁かれる。汗が滲む。視界が揺らぐ。先程よりもより一層激しさを増す指先に全身から汗が滲んだ。薄く開いた唇からは声が漏れ、視界が滲む。  性感帯を指の腹で撫でられ、そのまま執拗に責立てられれば声を殺すことすらもできなかった。 「っ、ひ、うッ」  掠めるだけでも体が反応してしまうにも関わらず、縁は執拗に凝りを愛撫する。せり上がってくる熱と昂りを抑えきれず、堪らず足を閉じる。膝に顔を埋めようとすれば、いきなり伸びてきた縁の腕に上体ごと抱きかかえられるのだ。 「っ、ぇ、にし……せんぱ……っ」 「ほら、ちゃんと胸張らないと。……こんなに可愛い顔してるんだからもっと堂々しないと勿体無いよ」 「っ、ぁッ、う゛」  表示に乳首を捏ねられぎょっとするのも束の間、ぬるりと耳を舐め上げられ堪らず仰け反りそうになる。  逃げたいのに逃げられない。  体内、胸、そして耳を同時に犯されれば頭の中がどうにかなりそうだった。  いつの間にかにつんと尖ったそこを指先で押し潰され、引っかかれる。耳の溝の凹凸に舌を這わされれば、直接響く水音に思考が掻き消される。 「っ、……そう、君には才能があるんだからさ。……こうやって俺を悦ばせる才能が」 「っ、ひ、ィ」 「ああ、もうだめだって言ってるだろ。自分でちゃんと足、掴んでないと……」  びくびくと小さな痙攣が収まらない。中途半端に弄られ、射精寸前の宙を向いた性器からはとろとろと透明の液体が溢れ、伝い落ちていく。焦点が定まらない。呼吸も、収まらない。 「ほら、だめなことしたときはどうするんだっけ?」  齋藤君、とふうっと耳に息を吹き掛けられ、汗が滲んだ。先程縁に臀部を叩かれたときの衝撃が蘇り、下腹部、縁の指を飲み込んだその奥がぎゅうっと反応する。 「ご……っ、ご、めんなさい……」  またさっきのように叩かれるのは嫌だった。咄嗟に声を絞り出せば、縁は小さく微笑んだ。 「……っ、いいよ、許してあげる」  覗き込むように視線が混じり合う。  そのまま唇を重ねられ、縁は優しくキスをしてくれた。それが嬉しくて、安心して、挿入される舌に答えようと口を開き、舌を出した。それもすぐ絡め取られ、次第に口付けは深くなっていく。 「っ、ん、ぅ……ふ……っ!」  呼吸が混ざり合う部屋の中、耳を塞ぎたくなるような水音が辺りに響き渡る。  縁に触れられてる箇所が熱くて溶けてしまいそうだった。愛撫に堪えきれずに腿が震え、足が勝手に開いていく。はしたない格好だと分かっていても、自制できるほどの理性も残っていなかった。  自ら舌を絡め、胸を突き出す。自然と腰が浮いていきそうなのを見て、縁は舌を離した。舌同士に透明な糸が伝う。それを舐め取り、縁は微笑んだ。 「齋藤君、これ好きだよね?キスしながら体触られるの」 「っ、そ、んな……こと……っ」 「あるだろ」  そう、胸の突起を指と指の間で柔らかく潰された瞬間短い悲鳴が漏れる。びくんと跳ねる胸を抑え込むように掴んだ縁は、そのまま尖ったそこを指で挟んで執拗に扱く。 「っ、ぅ、……っひ、う……ッ」 「可愛いー……っ、中きゅってなったねえ?こうやって撫でられるのと、さっきみたいにぎゅっとされるの。どっちが好き?」 「っ、い、や、です……っ、痛いのは……っ」 「本当かな?」  意地の悪い笑みを浮かべたまま、更に引っ張るように側面を摩擦されれば声にできない感覚が胸の奥からじんじんと溢れ出してくる。  やめてくれ、と抵抗しそうになり、堪えた。また縁に怒られたくなかったのだ。それでも。 「齋藤君さ、君本当は痛いの好きだろ。……じゃなきゃ、萎えてないとおかしいもんね?」  ここ、と縁は臍の裏側を思いっきり押し上げる。瞬間、全身の筋肉が跳ねた。ぶるりと勃起した性器が震えるのを見て「ほら、また大きくなったね」と目を細めるのだ。 「俺さあ、嘘吐く子は許せないんだよねえ」 「っ、ぁ、せ、んぱい……っ、ぅっ、あ゛ッ」 「……それとも君は俺にこうされるのが好きなのかな?こういう風に乱暴にされるの」 「っ、ぁ、いや、だ、ごめんなさいっ、先輩……たた、かないで……ッ」 「叩かないよ。それに君、叩いても喜ぶだろ」  そんなことないはずなのに。縁に言葉で責められるだけで苦しくなって、目の前が赤くなる。  恥ずかしい。否定したいのにこの体が、現状が全てを物語っているのだ。  唆り立つ性器を指で弾き、縁は悪戯に微笑んだ。 「……っ、は、また濡れてきた。いいね、感じやすい子は俺、大好きだよ」 「っ、ひ、っ、ぃ……っ!」 「こーら、逃げちゃ駄目だって言ってるだろ。我慢しないと、これくらいで逃げてたらどうするの?伊織からまた虐められるよ?」  穏やかで柔らかい語り口とは裏腹にその指の動きは執拗で逃れることすらできない。  暗に我慢しろと言われてるのが分かった。喉元まで込み上げてくる熱を必死に堪えようとするが、縁はそれを阻害するように更に前立腺を愛撫する。四肢に力が入り、思わず背後の縁にしがみついた。 「っ、ぁ、ぁ……ッ、せ、んぱ……ッ、も、ぉ……っ、も、ぉ……っ!」 「聞こえないな、なんて?」 「っ、ぅ、あッ、待っ、ぁ……ッ、あぁ……ッ!」  膨れ上がった熱が、限界まで張り詰めた性器の先端からとろりと精液が溢れ出す。射精感などない。それを見た縁は指を引き抜き、萎えもしない性器からとぷりと垂れる白濁を指で絡め取るのだ。敏感になっていたそこにようやく触れられ、驚きのあまり全身がぶるりと震えた。 「……あーあ、俺イッていいなんて言ったっけ?」 「ごっ、ご、めんなさ……ぁ……っ」 「俺としても許してあげたいところなんだけど、これは君のためなんだし……罰は必要だよね?」  何度呼吸を繰り返しても心音も止まない、乱れる呼吸を整えることもできない。  縁は俺の精液を指に絡め、そのまま開いた肛門へと塗り込むのだ。  そして、深く腰を抱き寄せた。拍子に、腰骨に押し付けられる硬い感覚に息を飲む。収まるどころか全身の熱が増すのがわかった。 「齋藤君、そこの背もたれに手をついて」  なにをするつもりだ、などと聞き返すという選択肢は俺の頭になかった。  背後の縁の顔を見るのが怖かった。とにかく、言うことを聞かなければ。そう抜けかけた腰に力をいれ、ずるずると背もたれへと上体ごとしがみつくように縁に背中を向ける。 「っ、ぁ、あの……っ」  こうですか、と言い終わるよりも先に伸びてきた縁の手に腰を掴まれた。そのまま膝を付かせるように腰を持ち上げられたと思った矢先のことだった。 「っひ、ぅ゛!」  破裂するような音とともに、尻を思いっきり引っ叩かれる。ただでさえ熱を持っていたそこに強烈な刺激を与えられたのだ、奥歯がガチガチと震え、全身が痛みのあまりに硬直する。 「……ああ、可哀想に。君白いからすぐに赤くなっちゃったね、俺の手の跡で真っ赤だ」 「っ、ご、めんなひゃ」 「……っ、は、びっくりしちゃった?かわいいね。ごめんごめん、痛かった?」  こくこくと数回頷けば、そっか、と縁は申し訳なさそうに呟いた。  それも一瞬。 「でもこれは堪え性のない君が悪いんだから仕方ないよね」 「ぃ゛ッ、ぅ゛」  二発目も予告はなかった。  空を切る音がして、遅れて鋭い痛みが走る。そして続いてやってくるのは焼けるような熱。  堪らず背もたれにしがみついてしまったとしだった。背後から溜息が聞こえてくる。 「……あのさあ、逃げるなって言ってるだろ。これは君のためなんだからさ」  伸びてきた手に首根っこを掴まれ、そのまま背もたれに顔を押し付けられるような体勢になった。自然と持ち上がる腰。「足、開いて」と低く囁かれれば、俺はそれに従うしかなかった。白濁の精液がソファーに染みを作る。  そしてそのまま、じんじんと痺れ始めてすらいたそこに何度目かの平手打ちをされるのだ。 「っ、ご、めんなさい……っ、ごめんなさい……っ」 「ちゃんと謝れて偉いね?けど、そうじゃないだろ」 「っ、ひ、ぅ……」 「君の体はなんのためにあるの?ただ口先だけの謝罪なら猿でもできるだろ」  ねえ、齋藤君。そう縁はじんじんと痛みと熱が広がるそこに手を這わせる。また叩かれるのかと身構えたが、今度は優しく撫でられるのだ。  縁の言葉の意味は分かった。  ――分かってしまったのだ。  震えが収まらない。臀部を撫でるこの手がいつ拳に変わるかと思ったら従うことしかできなくなる。  恐る恐る下腹部に手を伸ばす。そのまま俺は熱を持っていた尻たぶを掴み、縁に見せつけるように左右へと押し広げた。 「っ、ご……ごめんなさい……」 「うん、それで?」 「ぉ、俺の……ここ、好きに使ってもらって……いいので、だから……その……っ」 「ゆ、るしてください」最後の一文は掻き消されるそうになってしまう。怖くて縁の反応を伺うこともできなかった。逃げ出したい気持ちを殺し、俺は縁に懇願した。  そして。 「うーん、百点満点」  そう、縁が笑ったときだった。ガチャガチャとベルトを緩める音が聞こえてきたと思った次の瞬間、広げていたそこに硬く熱い感触が押し当てられる。肉厚なそれがなんなのかすぐに分かった。けれど、そんなにすぐに宛がわれると思っていなかったので驚いて振り返りそうになったとき、散々解されたそこは少し動いただけでもつぷりとその亀頭を飲み込むのだ。 「っ、ふ、ぅ゛……ッ」 「痛くしちゃった分、今度はちゃんと気持ちよくしてあげるからね」 「っ、ぅ、あ゛ッ、……ひ、ぅ……ッ!」 「……なにしてるの?逃げんなって言っただろ」 「っ、ぁ゛っ、待っ、ぅ」  腰を掴まれ、すでに柔らかくなっていた内壁へと一気に挿入される。叩かれる痛みに比べれば耐えられると思っていたが、内臓を押し上げられるような圧迫感に堪らず声が漏れる。縁はそれを無視して腰を動かすのだ。  ストロークの度に筋張った幹の部分が前立腺を掠め、瞼の裏が白く霞む。甘い感覚に堪らず腰の奥が疼くのだ。 「っ、えにし、せんぱッ、ぁ、……ひ……ッ!」 「今度はイクときはちゃんと言わなきゃ駄目だよ」 「っ、は、いぃ……ッ」  乱暴に腰を打ち付けられたと思えば今度は深く挿入され、そのまま更に最奥突き当りをじっくりと亀頭部分で舐られれば何も考えられなくなる。体内に直接響く縁の声に、ただ俺はその意味もわからず頷くのだ。びくびくと痙攣する腰を掴み、「いい子だね」と縁は俺の項に唇を押し付ける。 「あと気持ちいいところもちゃんと言うんだよ。……っ、自分の意思をはっきりと相手に伝えるのは強みだからね、君には必要なことだよ」 「っ、ぅ、そ、こ……っ、おく、きもち……い……っです……っ」 「ここ?」 「っ、ぅ゛ッ、ひ、ッ、ィ!あ゛ッ、あ゛そ、そこ……ッ、ぉ、……ッ!」 「……っ、へえ、齋藤君は結腸の入口を亀頭でちゅーするのが好きなんだ、いいねえ、そういうのもっと知りたいなあ俺」  執拗に突き当りを犯され、閉じることすらも忘れだらしなく開いた口から唾液が溢れる。甘えるように、それでも責めるのを辞めず「ねえもっと教えてよ」と縁に腕を掴まれ、更に突き出すように持ち上げられた腰にぐりぐりと腰を押し付けられる。異物感も熱に溶け、残ったのは恐ろしいほどの快感だった。出る、出ます、とうわ言のように繰り返した矢先、ぼたぼたとソファーの背もたれに射精した。 「おお、今度はちゃんと言えたね。偉いね、齋藤君」 「せ、んぱ……」 「じゃあ今度は浅いところも気持ちいいとこ探そっか」  そう俺の唇を甘く吸い、縁は微笑んだ。  バクバクと今にも爆発するのではないかと思うほどの心音に飲み込まれていく。  痛いのはいやだ。叩かれたくない。怒られたくない。 「……ぉ、お願い……します」  腹の中、更に勃起する縁のものを感じながら俺は意識が遠退いていくのを感じた。  ◆ ◆ ◆  …………。  ………………。  全身が酷く怠い。  瞼を持ち上げることすら億劫だった。  ふといい匂いが鼻孔を掠める。  この香りは……コーヒー?  そうゆっくりと目を開いたときだった。 「おはよう齋藤君」 「ひッ」 「酷いなあ、人の顔を見てそんな反応するなんて」  目を覚ませば、ベッドのすぐ側のソファーチェアに腰を下ろした縁がコーヒーカップ片手にこちらを眺めているではないか。  何故ここに縁が、と喉元まで出かかって、昨夜意識が途切れる直前までの記憶が蘇る。  ああ、そうだ。この男は。 「昨日はあんなに可愛く甘えてくれたのに」  カップをサイドボードに置いたと思えば、そのまま立ち上がった縁は俺のすぐ隣に腰を下ろす。縁先輩、と慌てて逃げようとするが遅かった。  まだ異物感と鈍痛が抜けない腰を撫でられた瞬間、昨夜の熱が一気に蘇るのだ。 「ぁ、お、俺……っん……っ」  そうじゃないです、違います、あれは。と言い訳しようとしたが、縁にすぐに唇を塞がれた。咄嗟にぎゅっと閉じた唇ごと舐められ、ちう、と吸われればつい唇を緩めてしまいそうになる。 「せ、んぱ……っ」 「ん?」 「お、俺……帰りま……っ、」 「そんな体で動けるの?」  ここにいては駄目だと本能のまま、縁の腕の中から抜け出した俺だったが、ベッドから立ち上がろうとして体が思うように動かない。  ベッドの上、へたり込む俺を見て縁はくすくすと笑った。 「ほら言っただろ。それに今日は休日なんだしゆっくりしていきなよ」  優しく手を引かれ、再び縁の腕の中へと戻される。胸、腹部へと回されるその掌に心臓の音は加速する。  ここは俎の上だ。  そしてこの男は――。 「……それに、俺も齋藤君ともっと一緒にいたいしね」  ねえ、齋藤君。と耳朶を甘く噛まれる。  カーテンから差し込む暖かな日差し。形振り構わず逃げ出すこともできたはずなのに、俺は動くことができなかった。見えない鎖で繋がれたような感覚。俺は、はい、と無意識の内に答えていた。  おしまい


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