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田原摩耶
田原摩耶

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【総集編版】媚薬10本飲んで中出し5回しないと出られない部屋に閉じ込められた灘×齋藤※【↑100/16,200文字/灘×齋藤】

『媚薬10本飲まないと出られない部屋』 「な、何これ……」  何もない個室の中、デカデカと壁に書かれたその文字を見て俺は頭を痛めた。  昨日は確か普通に部屋に帰って、寝ようとして……いや寝れなかったから温かい飲み物でも買おうかと自販機へ行ったのだ。そして――そこから先の記憶がない。  まだ、一人ならよかった。けれど、隣には。 「どうせまたあの男の仕業でしょう」 「な、灘君……」  俺同様閉じ込められていた灘はそう即答した。  部屋の中にはテーブルの上にご丁寧に置かれた10本の小瓶のみ、窓は見当たらず、部屋の四隅には監視カメラが取り付けられている。そして、扉は一つ。この扉は勿論閉められていた。  それから、この壁の文字だ。こんな手の込んだくだらない真似をしようとする人間なんて一人しか思い当たらない。 「問題ありません、すぐに部屋を出ましょう」 「で、でもどうやって……」 「十本飲めばいいのでしょう。自分が飲みます」  そう、灘は当たり前のように言ってのけた。 「ま、待って、灘君っ! 毒が入ってるかもしれないのにそんなの、お、俺が飲むよっ」 「自分の方が耐性はありますし適役だと思いますが」 「で、でも……こんな量一気に飲んだら体壊れたりでもしたら……」 「問題ありません」  早速媚薬らしきその小瓶を手にした灘に慌てて「灘君っ」と止めようとするが、間に合わなかった。  顔色を一つも変えずにごくごくごくと一気に中を飲み干す灘に、血の気が引いた。  そして灘はすぐに空の小瓶をテーブルの上に置いた。 「灘く……」  具合は大丈夫か、と問いかけようとした側から二本目の媚薬をまたもやごくごくごくと飲み干す灘にぎょっとする。 「ぺ、ペース早いって!」 「……貴方も、少しでも早くこの部屋から出たいのではありませんか?」 「本来ならば今日は貴方は会長と出掛ける予定があったはずでしょう」哀れんでいる、というわけではないのだろう。恐らく外で心配しているであろう芳川会長のことを気にしてるのだろう。  灘の言葉に「そ……それは……」と思わず口籠る。  それでも、媚薬だ。しかも縁が用意したかもしれないとなると余計後が怖い。けど、と口を挟もうとするが灘は眉一つ動かさずに続ける。 「会長がこの場にいたとしても同じことを言っていたはずです。これがなによりも最善の方法ですから。なので、貴方が気に病む必要はありません」 「な、灘君……」  確かに、灘がそういった感覚が麻痺しているというのは聞いたが。それでも十本となると体には猛毒だ。早くこの部屋を出て灘を吐かせるのが一番いいのではないかと思い始めた他所で、灘はそのまま三本、四本、五本、とどんどん流し込んでいく。  そして、七本目の空の小瓶がテーブルに置かれる。その体勢のまま灘は静止した。 「……」 「大丈夫? ……気分悪くない……?」 「…………問題ありません」 「ほ、本当に? なんか今間があったけど……っ?!」  相変わらず無表情のままだが、それでも変化がないわけではないはずだ。流石に一気に摂取したせいで何かしら異常を来してるのでは、と心配になってその腕に触れようとしたとき、触れた肌の熱に思わずぎょっとした。  灘の体はまるで熱した鉄板のような熱を持っていたのだ。 「な、灘君?! ちょ、ちょっと……すごい熱が……っ」  言う間にも、八本目の媚薬を飲み干す灘。  唇の端から溢れた液体を舐め取った灘は「問題ありません」と手の甲で唇を拭った。  しかしその目は焦点が定まっていないようにも見える。 「な、灘君、やっぱりこれ以上は無理だって。あとのは……お、俺が飲むから……っ!」  流石に、いくら耐性があるにしろだ、一人に負荷がかかりすぎるのはいけない。慌てて媚薬を手にとろうとしたとき、伸びてきた灘の手に取り上げられた。 「な、だく……」 「余計な真似はしないでください」 「っでも、具合……悪そうだ……」 「元からこの顔です」  確かにそうだけど、と答えるよりも先に灘は九本目の媚薬を飲み干した。残り一本。ハイペースで空にする灘に段々怖くなってくる。心なしか、灘の顔が赤い気がした。  これ以上は、流石に怖い。俺は灘が小瓶を取る前に慌てて一本手に取り、そして考えるよりも先にぐいっと一気に飲み干した。ちょっと変わった味だが、栄養ドリンクの一種だと思えばいけないことはない味だ。けれど、それが喉を通って腹へと落ちたのを感じた瞬間、腹の奥からむずむずと無数の虫が這い上がるような感覚が込み上げてきた。そして、熱が広がる。体温が何度か上がったみたいに、顔が熱くなってきた。  一本だけでこの効果だ。九本も口にした灘はこれ以上の違和感を覚えてるに違いない。 「齋藤君、貴方……」 「大丈夫、一本だけだし。……それよりほら、今扉の方からなにか音がしなかった……?」 「…………確認します」  あ、怒ってるなこれは……。  口には出さないが、なぜ飲んだんだと言いたげな目をした灘はそのまま扉へと歩み寄った。  そしてドアノブを掴んだとき、かちゃりとそれは開いた。 「っ、あ、開いてる……!」 「早急にこの不快で悪趣味且つ下劣極まりない部屋から出ましょう」 「う、うん……!」  そう、扉を開いた灘に続いて部屋を出ようとしたとき、急に立ち止まった目の前の背中に思いっきりぶつかってしまう。 「う……っ、ど、どうしたの? 灘く……」  そう、顔を上げて灘の肩越しに部屋の外を見た俺はそのまま固まった。 『五回中出ししないと出られない部屋』  そう壁に書かれた文字に、俺たちは暫く静止した。  部屋は媚薬部屋と同じような作りで、またもや出口らしき一つ扉があるだけだ。  そして、部屋の中央には今度は媚薬が置かれたテーブルではなくダブルベッドが置かれている。四方に取り付けられた監視カメラは全てベッドに向けられていた。 「……え」 「……」 「あ、あれ、おかしいよね、なん……なに……なにこれ……」  咄嗟にベッドを避け、俺は部屋の奥の扉に近づく。けれど、開かない。 「退いてください」と灘に肩を掴まれ、思わずギクリとした。けれど、灘はそんなことを特に気にするわけでもなく俺が離れたと同時に思いっきり扉を足蹴にするのだ。凄まじい音ともに扉を蹴る灘だが、余程頑丈に出来ているようだ。扉はびくともしない。 「な、灘君……」 「………………」  どうしよう、と灘を呼んだとき、不意に灘がこちらを振り返った。相変わらず感情が汲み取れないが、それでもいま俺達が考えてることは同じだろう。そう思っていた。 「先に謝っておきます。すみません」 「え、あ、あの……待って、な、なに、言ってるの。他にも方法あるって、きっと……灘君……っ」 「あの男のことです、俺が薬を飲むことも全部見越していたことなのでしょう。……そして、恐らく他の方法もない」  時間がないのです、と灘は続けた。肩を掴まれただけでそこが熱くなり、堪らず息を飲んだ。  とどのつまり、これは。この展開は。 「……目を閉じて、会長のことを考えててください。すぐに終わらせます」  そう、ネクタイを緩める灘に俺は色々なものを察知し、思わず後退った。  灘はいつだってストイックで、真面目で、特にこういった色事とは無縁の男だ。そんな灘がこう言ってるのだ、間違えはないはずだ。それが一番、灘の言うとおりこの部屋を出るには手っ取り早いと頭の片隅では理解できていたが、五回中出しってなんだ。いや、というか、なんだ。なんでこんなことになってるんだ。 「ま……待って、灘君……」 「時間がありません」 「っ、ぁ……や、待って、本当に……」  灘だって、俺みたいなやつと性行為するなんてまっぴらごめんのはずだ。ベッドに連れて行かれ、優しく寝かされる。その上から覆いかぶさってくる灘に、灘君、と慌てて起き上がろうとして、太腿の辺りに何かが当たる。そして、そこに視線を向けた俺は思わず息を飲んだ。 「な、なだ、くん……っ」 「……」  勃起してる、あの灘が。通常ならば一本でいいものを九本も飲んでいるのだ。流石の灘も堪えてるようだ、痛ましいほど腫れたそこから目が反らせなくなる。 「なるべく貴方に負担がかからないよう……努力します」  息を吐くように続ける灘に、俺は何も言えなかった。負担がかかってるのは灘の方だ。わかったから、余計。嫌がっては、灘に失礼だ。灘だって俺と同じ被害者なのだから。そう思う反面、あの灘が興奮しているということに通常よりも反応してしまう自分もいた。 「っ、ご……ごめん、俺のせいで……こんな……」 「貴方のせいではありません」 「ま、待って……すぐに、……その、ぬ、脱ぐ……から……」  俺も、俺だ。灘に宛てられたわけではないと思いたいが、灘が勃起してるのを見ると喉の奥、舌の根が急激に乾いて、頭の奥からじわりと熱が溢れ出して何も考えられなくなる。  もたもたとベルトに手をかけ、ウエストを緩める。せめて、灘がやりやすいように、と思うが、緊張と動揺のあまり指先が縺れて上手く脱げない。 「あ、あれ……? ご、ごめんね、すぐに……」  脱ぐから、と声が裏返りそうになりながらも乾いた笑いで誤魔化そうとしたとき、暗転。押し倒される。柔らかいシーツと甘い匂いが広がるのもつかの間、熱を持った灘の手のひらが太腿を撫でる。足の付け根まで這い上がり、そのまま俺の手のひらを重ねるようにしてベルトを器用に外す灘に息が止まりそうになった。 「ぁ、あ……っ、な、灘く……」 「そのまま、じっとしててください」 「っ、じ、っと……って……」  緩められたスラックスを脱がされ、灘の眼下に晒されるのは下着一枚になった下肢だ。ボクサータイプの下着の下では見てわかるほど勃ちかけの性器が主張していた。恥ずかしい。恥ずかしいが、この部屋から出るためだ。協力しないと。  ぎゅっと目を瞑り、俺はそのままシーツに体を預けた。 「っ、ぅ……ん……っ」  下着が脱がされる。窮屈になっていた性器に開放感を感じるよりもおそらく間抜けなことになってる自身を灘に見られてるという事実が恥ずかしい。けれど、お互い様だ。そう言い聞かせるが、目を開けることができなかった。灘は何も言わない。俺に気遣っているのだろう、時折聞こえる衣擦れ音と灘の吐息が余計生々しくて、心臓の音が一層うるさくなるのだ。  灘の指が太腿に触れる。足を開いた方が灘もやりやすいのかもしれない。せめて、と足を開けば、一瞬灘の指先が動きを止めた。そして。 「ん、ぅ……っ!」  両腿を掴まれ、開脚するような形のまま固定される。堪らずぎょっと目を開いたとき、無防備になった下半身、その窄みに吐息を感じた。そして、視界に入ったのは灘の頭部だ。うそ、と口を開こうとしたと同時に固く閉じたそこにぬるりと熱い舌が触れたのだ。 「っ、う、そ、灘く……っなに、して……ッ!」 「……っ、慣らすものが見当たらなかったので……少しの間、我慢してください」  そう言ったあと、再び窄みへと舌を這わせる灘。唾液でたっぷりと濡らされたその舌先は尖り、躊躇なく入り口を解すように入ってくるのだ。  指とは違う、まるで別の生き物のように蠢く肉の感触に堪らず声が漏れる。 「だ、め……だ、そんなとこ……っ、なだ、くん……っ」 「……っ、ん……」 「ぁ……っ、あ、や……っ灘君……ッ!」  ぢゅぷ、と濡れた音を立て内壁をたっぷり濡らすように奥へと入り込んでくる舌。汚い、そんなところ。これなら痛くてもいいから挿入してもらった方がましだ。あまりにも恥ずかしくて、耐えられず灘の頭を掴んで引き剥がそうとするが灘は俺の腰を掴んだまま離さない。 「ぁ、あ……っ、だめ、だ、って……っ、灘君……っ、ん、ぅ……ッ!」  それどころか、更に腿を捕まえ、睾丸に鼻先を押し付けるように顔を埋めてくるのだ。濡れそぼったそこに熱い吐息が吹きかかるだけでも我慢できなかった。 「も、いいから、いいから……っも、俺は……」 「駄目です。……貴方に傷をつけるのは我慢なりません」  だからって、こんな。  舌を出し入れされ、唾液で濡れたそこを更に押し広げるように丹念に舌先でほぐされ、刺激に反応して収縮する内壁、その奥へと舌を使ってたっぷりと唾液を流し込まれるのだ。 「は、ぁ……ッ、ふ、……ッ!」  痛みは、ない。けれど脳味噌を掻き回すような羞恥と刺激、そして中で灘の舌が動く度にぐぢゅぐぢゅと響くはしたない水音に耐えられず、俺は耳を塞ぎたくなる。  我慢、しないと。灘だって、こんなことしたくないはずだ。そう思っては堪えようとするが、内臓の裏側を舌で円を描くように動かされるだけであっという間に性器に熱がいってしまうのだ。  地獄のような時間だった。ただ、声と羞恥心を殺そうと唇を噛んで足を閉じないように保つのが精一杯だった。唾液で濡れたそこから溢れるそれを指で拭い、そのまま中へと捩じ込んだ灘はようやく俺から舌を引き抜いた。  ずるりと抜かれる舌に、中に埋まっていた異物がなくなりむずむずとした違和感を覚えるのもつかの間、上半身を起こした灘はベルトを緩める。  下着から勃起したそれを取り出す灘。目の前に現れたそれに、俺は凍りついた。 「……なるべく貴方には負担がかからないようにしますので、少しの間辛抱してください」  俺なんかより余程辛抱してるんじゃないかと思うほど隆々と勃起したそれは明らかに俺の許容を越えていた。これを中に挿れられ、これから五回分の精液を中に出されるのだと思うと喉がひくりと鳴った。 「な、灘君……っ待って、待っ……ぁ……っ」 「あとどれくらい待てばよろしいですか」 「っ、そ、れは……っ、ぅ、……ッ」  下腹部に伸びた指先に、先程まで散々解されていた肛門を指で左右に割り広げられる。神経が集中しているそこは触れられるだけでも耐え難い感覚が走り、堪らず腰が揺れる。 「ぁ……っ、や……」  ぴと、と押し付けられる性器。これが、中に挿れられると考えただけでも喉がひくりと反応した。下腹部にきゅっと力が籠もる。  焦れたように「齋藤君」と耳元で名前を呼ばれれば、吐息から感じるその熱に、頭がどうにかなりそうだった。 「っ、や、さしく……して……っ」  お願いだから、なんて。こんなセリフを灘相手に吐く日が来るなんて俺が一番思ってなかった。  男として灘が限界だというのもわかったし、いい加減腹を括るべきというのもわかった。  けれど、けれども。 「…………努力します」  その間はなんだ。なんなのか。  無表情のままそう口にした灘はそのまま俺の腰を掴んだのだった。  ぐ、と下半身押し当てられた先っぽが体内へと沈むのを感じ、息を飲む。力を抜け、これ以上灘に負担を掛けるな。そう自分に言い聞かせるが、頭でわかっていても体までどうにかすることはできなかった。 「ぅ、……っ、あ……ぁあ……っ」  入ってくる。灘のが、亀頭からゆっくりと押し広げるように解れた内壁を更に拡張していくのだ。息を吐け。シーツにしがみつき、堪える。痛みよりも、恥ずかしさと緊張の方が強かった。それと、圧迫感。 「っ、ふ、ぅ……ッ」 「痛い、ですか……?」 「……っ、だ、いじょう……ぶ、だから……ッ」  優しくしてくれ、そう頼んだのは俺だけど、肉壁を摩擦するように沈んでくる腰の重みと感覚が余計生々しい。灘の呼吸や心臓の音すらも伝わってくるようだった。 「っ、ぁ、……ッ、く、ぅ……ッ!」  媚薬一本だけでももらってて良かったかもしれない。こんなの、理性があったら耐えられないだろう。痺れるように熱い内壁を硬く勃起したそれで擦り上げられるだけで頭の奥からどろりとしたものが溢れ出すようだった。次第に呼吸は浅くなり、灘が腰を動かすだけで下腹部が甘く痺れるようだった。  苦痛でしかないはずなのに、媚薬のせいだとわかっていた。それでも、浅ましく反応してしまいう自分自身に嫌気が差す。それなのに、そんな俺とは正反対に中の灘のものは益々反応するのだ。先走りで更に滑るように埋め込まれるそれに、がっしりと捕まえられた腰は逃げることすらできない。 「ッ、ぅ……ッふ、うぅ……ッ!」  というか、どこまで入るのだ。そろそろいいのではないか。 「……ッ、は、ぁ……ッぅ、く……んん……ッ!」 「もう少し、辛抱してください」  吐息混じり、耳元で囁かれるその声が結合部から伝わって余計なにも考えられなくなるのだ。  灘も興奮してる。気持ちいいのか、俺にはわからないけど灘がちゃんと反応してくれることだけが救いだった。  気持ち悪い声を出してしまわないように唇を噛んで堪えるが、駄目だ。奥まで挿入されたのか、最奥を突かれた瞬間「あぁっ」っと自分のものとは思えない声が漏れてしまうのだ。 「っ、ぁ、待っ、だめ、だ……っ、そこ、灘君……ッ! だめ、待って、ぁ、っひ、ッィ……っ!」 「それは、気持ちいいということでしょうか?」 「ぁ、う、っ、ぃ、言えない、そんな……ッ! そんなの、っ……や、だ……ッ!」  やめてくれ、そこはいやだ、そう何度も頭を振る俺を無視して灘は更に滑りがよくなったそこに腰を打ち付けるのだ。最初は傷つかないようにと気遣っていた腰の動きは次第に大胆になっていく。  力が入った指は食い込み、ベッドの端へと逃げようとする俺を引き摺り戻すのだ。そして更に奥まで深く挿入をされれば、噛み締めた歯の奥から獣じみた声が漏れてしまう。 「ぁ、や……っ、だ……ッ!」 「あと少し、我慢してください」 「っ、も、むり、そこ……っばっか……ッ!」 「ここが好きなんですか?」  低く囁かれ、下半身に甘く響く声に堪らず息を飲む。目を見開けば、いつもと変わらない灘がそこにいた。けど、その据わった目は普段の涼し気な灘とは掛け離れてる。ひくり、と喉が震えた。  そして、暗転。 「っ、待っ、て、ぇ、ッ待……っ! な、っ、ぁ、っ灘君……ッ! そ、こぉ……っだめ、だめ……だ……ッ!」 「……………………」 「っ、な、だ、く……ッ、ん゛ッ!」  腰を掴まれ、深くぐりぐりと奥を嬲るように挿入したまま突かれればもう何も考えることができなかった。肌と肌がぶつかるような生々しい音に、灘は無言で的確に俺の弱いところを探り当てるのだ。浅い位置、臍の裏側。或いは奥、突き当りを浅く執拗に責め立てることだったり。 「ッ、ぁ、や……っぬ、い……ッ! う、ごかな、ぁっ、だめ、だめだ、も、ぉ、おれっ、おれ……ッ!」 「……っ、……」 「ぁ、ひ、……ッ! ぁ、うッ、ふ、くぅう……ッ!」  自分が何を言ってるのかもわからない。それでも、甘く勃起したそこからはとろりとした精液が溢れ出すのだ。灘はそれを一瞥し、僅かに目を細めた。それから間もなくして、灘も射精する。奥に注ぎ込まれる熱を感じながら、俺はどくどくと断続的に吐き出される精液にただ何も考えることもできなかった。  射精の余韻に浸ってる暇などなかった。  頭を冷ましたら駄目なのだとわかっていた。  この部屋を出るにはあと四回中で射精される必要がある。だけど、だけどだ。中に精液が入った状態で、萎える暇もなく再び腰をゆるゆると動かし始める灘に俺は声にならない声を上げた。 「っ、待って、すぐ、は、ぁっ、だめ……っ! む、りだから、……っ、ぁ、っ、あ、だめ、だってばぁ……ッ!」 「あと四回です。……っ、多少の無理は多目に見ていただきたいと思います」  わかってる。一番辛いのは灘だって。でも、鬼だ。そう思わずにはいられない。ぐずる俺をじっと見ていた灘だったが、いきなり唇を塞がれた。キスだ。俺も驚いた。けど、灘は目を伏せたまま唇を重ねさせるのだ。 「っ、ふ……ぅ……ッ!」  ちゅ、ちゅ、と何度も角度を変えて唇を重ねられる。技巧も心もクソもない、義務的なキスだ。それでも、あの灘がキスしてくれてる。きっと俺を宥める為の行為だとわかっててもそれだけでささくれ立っていた心は落ち着き、そして、慣れない動きで唇を舐められただけで頭の奥がじんわりと熱くなるのだ。 「っ、は、……っ、ふ……ッぅ、……ッ」 「……っ、ん……」  単純と言われればそれまでだ。けれど、落ち着いていく。ついもっと、と強請るように口を開けば、灘は小さく息を吐き、そして更に深く俺に唇を重ねた。  そのまま挿入されれば、先程まで不安と緊張で乱れていた心が落ち着く代わりに快感がより強くなる。灘の舌、温かい。口の中舐められるの気持ちいい。こんなこと不謹慎だとわかってても、灘の好意が感じられるだけで段違いに気持ちよくなるのだ。これも媚薬の効果だと思いたい。それとも、ただ単により媚薬が回ってきたからか。俺にはわからないが、抱き締められ、キスをされながら浅くピストンされるだけで下腹部がきゅうきゅうと反応するのだ。 「っ、ふ……ぅ……っ、ん、ぅ……ッ!」  濡れた音が上と下から体いっぱいに響く。最初は苦しかった挿入も、慣らされ、快感に集中することができるようになった。  灘の舌に自分の舌を絡める。盛った犬みたいに腰が揺れ、その背中にしがみつく俺にも灘は眉一つ動かさない。それでも、優しく腰を抱き寄せられればそれだけでイキそうになるのだ。  灘が一回射精するまでに俺は何度イッているのか最早自分でもわからなかった。けど、わかったことが一つ。無意識か意識的かは知らないが、灘は射精が近くなるとペースが早くなるのだ。 「ッ!! っ、ふ、……っ、ぅ゛、ぐっ! ぅ、ん、んん゛ぅ……ッ!」 「……っ、」 「っ、ん゛……ッ! ぅ、ふ……ッ! ぅ゛、む、ぅ……ッ、……ッ!」  どれほどこの部屋にいるかすら覚えていない。気付けば灘と繋がったまま、肛門がめくれ上がるほど挿入をされ摩擦のあまり痛みすらも感じ始めた頃、灘は角度を変えて更に深く口づけをする。 「っ、な、だ、く……っ、ん、ッ、ぅ、……ッ!」  それからはもう記憶があやふやだった。容易く迎えた何度目かの絶頂に精液は最早でない。力が入らない脚を担ぐように持ち上げられ、更に奥を突かれる。快感に流され朦朧としている意識の中、灘は俺の中で二度目の射精を迎えた。 「ッ、は……ふ……っ」  どろりとしたものが尻の穴から流れるのを感じた。そろそろ、灘も萎えてきたのではないだろうか。そんなことを思いながら灘の方を見上げようとして、中であっと言う間に膨張するそれに流石に凍り付いた。 「っ、な、だくん……きゅ、うけい……」 「しません」 「っ、ぅ、ひ」 「……あと三回、もう少しの辛抱です」  耳元で囁かれ俺はもうなにも考えられなくなった。そうだ、全部全部縁のせいなのだ。耳朶に吐息がかかり、唇を押し付けられるだけで全身にあっと言う間に熱が回るのだ。 「耐えれそうですか」 「わ、かった……っ、が、んば……る……っ灘君も、辛いんだし……ぉ、おれ……っ」 「……ありがとうございます」  そう、灘が口にした瞬間。ずるっと勢いよく中のものを引き抜かれた。内壁の肉ごと引き摺り出す勢いで抜かれるそれに堪らず「ひいっ」と声を上げたときだった。脱力していた体を引っくり返され、ベッドの上、うつ伏せに寝かされるのだ。そして、腰だけは高く持ち上げられる。 「っ、な、だくん、この体勢……っ!」  四つん這いになって頭を下げるなんて、いよいよ犬ではないか。そう青褪めた時、ぐっぽりと開いたそこから精液を掻き出される。その骨ばった指の感触に驚いて震えたが、それ以上に、灘の顔も見えないこの体位が不安だった。 「っ、ぁ……な、だくん……っ」 「嫌ですか?俺の顔が見えない方が貴方も集中できると思ったんですが……」  中に溜まった精液を一通り掻き出した灘は、そう臀部をそっと撫でるのだ。その仕草だけでもイキそうになるほど体はどこもかしこも過敏になっていた。 「ひ、ぃ……っ」 「貴方の体の造りと性感帯の位置と俺のペニスの反り方からして背面から挿入した方がより快感を得られるのではないかと思ったのですが」 「な、に……いって……」  灘が何言っているのか全くわからない。けど、多分正常時でもその言葉を理解できる自信はなかった。返事の代わりに灘は俺の腰を固定したまま、先程まで受け入れていたそこに性器を挿入した。瞬間、勃起した灘のそれは最初よりもスムーズに中へと入ってくる。それだけなのに、先程よりも深く入ってくるそれに堪らず背筋が仰け反った。 「ふ、ぅ゛っ、ぅ゛、ふッ、……〜〜ッ」  猫のように背伸びしたまま動けなくなる俺の腰を掴んだまま、そのままゆっくりと腰を引く灘。カリの部分が中を、敏感な部分を隈なく刺激していくのだ。そのまま浅い位置まで抜かれたそれをまた奥まで挿入される。それだけで甘い声が漏れてしまうのだ。 「っ、ぁ、っ、や……っ、ぁ、な、だく……それっ、やだ……っ! だ、めだ……っ!」 「これが好きなんですか。……中が痙攣してるようですが」 「ッん゛ッ! ぎ、ひ、ィ! ……ッ! ぃ゛……や゛ッ、ぁ、っ、あぁ……ッ! ぁ、っ、だ、め……っ、だめぇ……っ!」  なけなしの理性で訴えかければ、灘は「なるほど」と呟いたと思えばまたロングストロークで俺を責め立てるのだ。わざとだ、絶対。 「っ、ふー……ッ! ぅ、うぅう……ッ!」 「声、我慢しなくても結構です」 「っ、ぉ、ぐ……ッ! ぅ、ごか、ぁ゛ッ、ひ、抜かないで……ぇ……ッ!だめ、なだ、くんっ! ぅ、ひ、ィ……ッ!!」  ごぷ、ごぼ、と絡みつくような粘った水音がうるさいくらい部屋に響いた。何度も奥を突かれ、刺激を逃そうと爪先に力を入れるが、覆い被さってくる灘は的確に俺の弱いところを太く長い性器で擦ってくるのだ。快楽中枢に指を突っ込まれ無理矢理掻き乱されるようなほどの強すぎる刺激に自分が何を口走ってるのかすらもわからない、灘が腰を動かすだけで獣じみた喘ぎ声が漏れるのだ。  すぐに絶頂は迎えた。手足に力が入らず、ただ灘の動きに合わせて腰が揺れる。 「ぁ゛ッ、ひ!ぃ、いくっ、も、やだ、でな、い……っ、むりだ、なだ、くんっ、おれ、おれ……っ! ひっ、ふ、ぅ……っ!」 「……っ、射精せずとも絶頂を迎えることは可能です、そのまま、体の力を抜いてください」 「む、り……っ、むり、そんなの、ぉ、ぉ、む、りッ、むり……っ!」 「……っ、……」  ピストンの感覚が短くなる。内臓を這いずる性器の形を脳で覚えさせられるみたいだった。真っ白になった頭の中、確かに灘の呼吸が浅くなる。腰を掴まれ、そのまま覆いかぶさってくるように深く挿入され、堪らず声をあげた。  だめだ、もう無理だ。そんなことばかり言う俺に灘はなにも答えない。その代わり、顎へと伸びてきた手に灘の方を向かされる。そして唇を重ねられた瞬間、更にピストンが早くなった。 「ぅ゛、ん゛……ッ! ふっ、ぅ、……ッ! う、んんぅ……ッ!」    それからは何も考えられなかった。  首の付け根を抑えるように唇を貪られながらも犯される。内腿が痙攣しっぱなしで、どちらのものかわからない体液で濡れた下腹部、崩れそうになる俺を抱きかかえたまま灘は更に腰を動かすのだ。射精が近いというのはわかっていた。限界まで勃起したそれに脳天まで貫かれた瞬間、俺も同時に絶頂を迎えた。  熱は収まらないどころか増すばかりだった。長時間挿入され、下半身に力が入ってるかどうかもわからなかった。  繰り返し摩擦された粘膜は熱を持ち、奥、突き当りを亀頭で突き上げられるだけで口からは自分のものとは思えない声が断続的に漏れてしまう。  それが恥ずかしくて口を覆った。 「ん゛ッ、ぅ゛、ふ……ッ! っ、ぅ゛……んんぅ……ッ!」  頭がおかしくなりそうだった。徒に性器を握り込まれ、堪らず「灘君」と顔を見上げれば灘と目が合った。そして、何も言わずに灘は俺のものを扱くのだ。 「っ、ぅ、ひ……ッ!」 「……っすみません、俺だけが気持ちよくて」  そんなこと、いいのに。寧ろこれ以上気持ちよくなったら頭が本当にどうにかなってしまう。  そう首を横に振り、灘を止めようと腕を掴む。けれど、灘は辞めるどころか更に上下する手を早めたのだ。  既に尿道から溢れた先走りと精液を絡めるように根本から先端までを緩く擦られただけでも俺にとっては十分すぎるほどの快感だった。 「っ、ん、……ッ、ふ、ぅ、……ッ! ぅ、うぅ……ッ、ぅ、ん……ッ!」  前と後ろを同時に責め立てられ、まともでいられるはずがなかった。逃げる腰を掴まれ、そのまま覆い被さってくるように深く腰を動かされればそれだけで頭が真っ白になる。ビリビリと腰が震え、焦点がぶれる。溶けてしまいそうだった。  無音。無言。お互いの吐息と呻くような声、そして粘着質な水音だけが響き渡る部屋の中。  軋むベッドの上、の下から逃げようとする俺を捕まえた灘は更に俺の腰を掴み、まるで逃さないとでもいうかのように性器を掴み、垂れ流れる精液を文字通り搾り取るのだ。既に空になった睾丸が引っ張られるように痛み、堪らず悲鳴が漏れる。 「も、ぉ、むり、だ……っ、ぉれ、も、出ない……ッ! なだ、く、やめ、ぇ」 「っ、もう……少し……もう少し辛抱してください」  灘の呼吸も乱れている。それでも、指で作った輪っかで敏感になった性器の全体を愛撫されたらそれだけでわけがわからなくなり、下腹部が大きく震えた。声が漏れるのを堪えることもできない。蕩けたみたいに体に力が入らなくて、それなのに中をピストンで抉られれば内壁は嫌でも反応してしまうのだ。収縮する括約筋に灘は息を漏らす。そして、俺の腰を掴む指先に力が入った。 「っ、ひ! ィ、ぁ゛……あ、ぁ、も、っ、む、り、無理っ、も゛ッ、ぉッ!」 「っ、……ッ、は、……」 「っ、待っァ、ぁ、っ、あッ、だめっ、ら、や、ぁッ、ひッ!」 「…………っ、齋藤君、そのまま」  そのまま、なんだ。そのままってなんだ。肉が潰れるような音がすぐ耳元と腹の奥で響く。なにがなんなのかもうわからなかった。涙や汗、鼻水で濡れた顔を拭うこともできなくて、痛いほど勃起した性器からは精液はでない。その代わり、くりくりと尿道の窪みを指先で刺激された瞬間びくんと下腹部が鈍くうずく。 「ぁ、や、だめ、そこっ、指、ほじ、だめ、そこ、はァ……っ、な、だく……ッぅ、う……ッ!」  俺の意思を無視して更に灘は性器を扱く手を早めた。ケツの奥が焼けるように熱い。痺れるように疼き、頭の中が真っ白に塗り替えられてくる。そして、やってくるのは強烈な快感と……。 「ッ、ぁ……ッ! 手、離して、はなっ、ぁ、ッ、はなし、ぃ、……っ、な、だ、くんっ、お願いっ、ぉ、ッ! んぅ、おねが、ひ……っ!」 「……っ、すみません、もう少しで自分も射精できそうなのでこのまま続行します」 「うそ、ぉ、っ、うそ、やッ、ぁ」  ジンと性器の先っぽが熱くなるような感覚が脳天まで駆け抜ける。射精とも違う、競り上がってくるそれは間違いない。尿意だ。  これ以上刺激されるとまずい。頼むからやめてくれ、という俺に「我慢してください」しか言わない灘に青ざめる。 「っ、待っ、ほんっ、と、ぉ、だめ、ッ! ひ、出る、も……ッ! ほんと、んぅ、っ、ゃ、なだ君……っ、おれ、ぉ、れ……ッ!」  必死に我慢していた、けれど、俺の制止を無視して灘はぐりと奥まで一気に貫いた。瞬間、必死に我慢していたダムは決壊する。 「ッ! ぁ、あぁぁ……ッ!」  最初は衝撃に耐えきれずにちょろりと先っぽから熱い液体が漏れただけだった。そして続いて開いた尿道口からは色のついた体液がちょろちょろとシーツに向かって漏れ出すのだ。  一度決壊したそれを再び耐えることはできなかった。勢いはどんどん増し、放物線を描きながら白いシーツを汚していくのだ。 「っ、ご、めんな、さ、ぁ、……っ!」  ごめんなさい、こんな。犬みたいな格好で犬みたいな粗相。恥ずかしくて仕方ないのに、灘だって汚れて嫌だろうに。それでも、寧ろ先程よりも中のものが大きくなる。粗相のせいで灘が萎えないようにと丸めていた体を羽交い締めにするように起こされる。その拍子に、腹の奥、臍の裏側に灘のものが突き当たるような錯覚にぎょっとした。明るい部屋の中、その刺激に驚いた拍子に性器からは残尿がぴゅっと溢れ、堪らず「灘君っ」と声をあげた。 「っ、み、ないで……っ、お願い、だから……ッ! ぁっ、ん、ぅ、……ッ!」  体を抱き起こされ、膝立ちの状態でバッグで犯される。恥ずかしいのに、萎えないどころか先程以上に灘のものが興奮してるのがわかって余計パニックになる。なんで、どうして、なんて言葉を吐く余裕すらなかった。 「っ、ぁ、だめ、だっ、また、ぁ、ッ! ぁ、あっ、や、またっ、く、る……ッ!」 「構いません、好きなだけどうぞ」 「ん゛っ、ぅ、ひッ! あっ、ぁッ、や、だ、め……ぇ……ッ! ほん、と、ぉ゛ッ!」 「それともまた、介添が必要ならば手伝いますが」  いらない、というよりも先に濡れた性器、その尿道口を人差し指の腹で擦られただけで甘い声が漏れてしまう。汚いのに、そんな場所、だめなのに。何も考えられない。腰を嫌らしく動かされればそれだけで立ってられなくて、尿道を刺激しながら亀頭を揉まれる。汗が止まらない。尿意なのかただの快感か最早分からない。頭を振って止めるが、灘は容赦なく俺をイカせようとするのだ。 「ぉ……ッ、ほ、ぐッ! ぅ、あ゛ッ、や、だ、も……ッ、む、出ないっ、出な、ぁ、いよぉ……ッ!」  性器が痛い。呂律も回らない。這いずり、逃げようとするが上半身を捕まえた灘の腕は離れない。それどころか異物と何度も出された体液で膨れたお腹を撫でられた瞬間、脳の奥がビリビリと痺れるように感じてしまうのだ。下腹部がきゅうきゅうと痙攣するようだった。イキそう、そう思ったとき大きく体が仰け反る。瞬間。体の奥に精を放出される。 「っ、ふ、……ぅ゛ッ! ぅ、……うぅ……ッ」  ぐぽ、と粘ついた音が腹の奥で響いた。混ざった精液が僅かな隙間から垂れ出すのだ。何回射精されたかすらもわからなかった。そろそろ媚薬の効果が切れてもいいのではないかと思いながらも意識を失いそうになる。ベッドの上、汚れてようがどうでもよかった。力が入らない。お腹にひやりとした感覚が広がった。  灘の媚薬の効果はまだ切れていなかった。挿入したまま、再び勃起し始める性器はゆるゆると動き出した。俺は、もう声を出すこともできなかった。断続的な悲鳴が他人の声のように響く。  灘も俺もなにも言わなかった。けれど、目が合えば灘は俺の頬を撫で、涙を拭うのだ。もう少しだけ頑張ってください、と。 「ん、ぅ、……ッ、ぅ、ふぅ……〜〜ッ!」  精液、媚薬、薬品、アンモニア。汗。唾液。涙。  お互いの体液で汚れようがお構いなしだった。獣じみた性行為、俺はただ灘の腰にしがみつき、受け入れることしかなかった。  何時間経ってるのかもわからない。開いたままの関節はちゃんと戻るのかすらわからない。  溢れる精液を掻き出しながら、灘は勃起した性器を濡れそぼったそこに押し当てる。なんでこんなことしてるのかわからない。けれど、硬く勃起した反り返った灘のものを見るとケツの奥が疼いてどうしようもなかった。  もっと擦ってほしい。奥を突いて、ぐちゃぐちゃに掻き回して、中を灘で満たしてほしい。 「っ、ぁ、っん、……っ、ぅ、もっと、……」 「……齋藤君、ですが」 「っ、だ、いじょうぶ、だから、……もっかい……っ」 「………………分かりました」  理性はとうの前に媚薬と一緒に溶けてしまった。灘はも、変わらずポーカーフェイスだが媚薬の熱が抜けきれていないことは知っていた。はやく、と脚を閉じることも忘れて灘の制服を掴めば灘は俺のふとももを掴み、そして一気に腰を突き進ませてくるのだ。ずっ、と内壁全部を持っていく勢いで入ってくるそれに一瞬飛びそうになる。  ぽっかりと空いていたそこが一気に灘で満たされた。長時間の性行為ですっかり開いたそこは灘のものの形に作り変えられていた。もっと擦られたくて、もっと抉られたくて、無意識下に灘のものを締め付けるのだ。すると、普段は眉一つ動かさない灘の体が制服の下で反応するのだ。  俺はこの瞬間が堪らなく好きだった。  何回したのか覚えてない。  何回中に出されたのかもだ。媚薬の熱が収まるまで俺たちは行為に耽っていた。そしてその末、とうとう精力よりも体力の限界に達した俺は気絶した。正確には気絶するように眠ってしまったのだ。  そして次に目を覚ましたときは見慣れた部屋の中だった。  ◇ ◇ ◇ 「本……っ当にすみませんでしたっ!」 「おお、びっくりした。……齋藤君、そんなに大きな声も出せるのか」  目を覚ませば日はとっぷりと沈んでいた。本当は昨日は昼から会長と会う予定だったのに爆睡するなんて。それも、あんな変な夢を見て……。  会長ならまだしも、いやまだしもとかいう問題ではないが、それも……灘とその、ふしだらなことをする夢なんて。  おまけに起きたら夢精してるわ、恐ろしいほど頭はスッキリしていたが気分は最悪だ。  早起きして会長の部屋まで謝罪しにきた俺だったが、会長はというと怒った様子はない。 「それにしても元気そうで安心した。もしも君の身に何かあったら、と心配していたんだ」 「い、いえ、それは……」 「とにかく、俺のことは気にするな。……また別の日に出かければいい、時間は腐るほどあるんだからな」 「か、会長……ありがとうございます」  やっぱり、会長は優しい。会長の言葉を聞いてほっとするが、それでもやはり会長に対しての後ろめたさが消えるわけではない。 「話は変わるが、そう言えば灘と会っていないか?」 「……え?」 「昨日から連絡が取れなくてな。いつもなら何かしらすぐに反応するはずなんだが」  どくり、と脈打つ心臓。あんな夢を見たせいだろう、思い出さなくていいことまで思い出してしまい、思わず変な声を出してしまう。 「す、すみません……見てないです」 「そうか、なら大丈夫だ」  それから、会長と別れた俺は一人で教室へと向かう。……それにしても今朝の夢、夢にしては生々しかった。よく眠れなかったせいだろうか。体も節々が痛むし……。  そんなことを考えながら歩いていたときだ。  いきなり背後から伸びてきた腕に体を抱きすくめられる。人気のない廊下の中、「え」と振り返ろうとした瞬間だった。首筋に硬い感触を押し当てられた。刃物よりも分厚い、なんだこれ――そう思考した瞬間、ばちりという音ともに意識は途切れた。 「……っ、ん、ぃててて……」  ガンガンと痛む頭を抑えながら体を起こす。  俺は見慣れない部屋にいた。  いやまさかな、考え過ぎだ。そう嫌な既視感を拭うように体を動かしたとき、隣に人がいることに気付いた。  ――灘だ。目を閉じ、眠っているようだ。灘は動かない。まさか、いやまさかそんな、夢は夢じゃなかった。そんなはずはない、そう悪い思考を払拭するために部屋を見渡したときだった。  ……俺は見つけてしまった。  壁に書かれた『一リットル精液を出さないと出られない部屋』という書き殴られた文字。それを見た俺は思考するのをやめた。 【おしまい】


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