政岡と尾張が先輩後輩ごっこするSSS【↑100/1,700文字/政岡×尾張】
Added 2019-06-22 15:11:02 +0000 UTC「え、政岡って俺より歳上なのか」 「歳上ってほどでもねーだろ。一個違いだし、……てか知らなかったのかよ」 「知らなかった、皆何も言わねーもん。……あ、じゃあ、先輩とか言った方がいいのか?」 「な、い、今更だろそんなの……別にんな堅苦しくする必要ねえだろ俺たちは……っ!」 政岡に連れてこられた生徒会室にて、衝撃の事実が発覚したのだが政岡はあまり上下とかそういうの気にしないタイプらしい。俺の周りにはそういうのにうるさい連中ばっかだったから余計不思議だが、でも確かに今更政岡に対して敬語だとか、先輩呼びとかはムズムズするな……。 「……うーん、政岡先輩……」 「……あ?!」 「おわ、びっくりした」 「な、何……言って……」 言ってんだよ、と言いかけたのだろう。言い終わる前に、ぼぼぼっとタコみたいに赤くなる政岡に、「すげえ照れてるじゃん」と思わず笑ってしまう。かくいう俺も釣られて恥ずかしくなってきた。……なんつーかこのロープレ感というか、イメクラというか……。 「せ、先輩…………」 「おい、やめろそれもう!腹ん中ぞわぞわってくるから……!!」 「わかったわかった、そんなに怒るなって」 「お……怒ってねえけど……」 「本当か?」 「…………なんか、いけねー事してるみたいな気分になる」 「……………………」 言われて、政岡の赤面が伝染したかのように熱くなる。いけないことってなんだよ、とか、人をなんだと思ってるんだ、とか、色々言おうとしたのだが言葉が出ない。 アホか、こんくらいで狼狽えるな俺。と思うのだが、ちらりとこちらを見てくる政岡と目が合って内心ぎくりとした。 「…………やっぱもっかい呼んでくれ」 そして、弱々しく掻き消されそうな声でそんな風に強請ってくる政岡に思考停止。やめろ、俺よりもでけーくせになんで上目遣いなんだよ。 でも、ここで拒否したら根性なしだと、結局恥じらいを捨てきれないノリの悪いやつだと思われそうで癪だった。 「……先輩」 やべー、顔が緩む。緩むっつか、すげー変な顔してると思う。恥ずかしくて笑ってしまいそうになって、つーか、政岡も笑えよ。何キャラだよと、けれど政岡はぴくりとも笑わず、テーブルを乗り上げるように距離を詰めてくるのだ。 「……もう一回」 なんて、甘える犬みたいにすり寄って、テーブルの上に置いたままの俺の手を重ねるみたいに触れて。 分厚く、硬い手のひらにそっと手を握り締められ、心臓が壊れるかと思った。頼む、と手の甲の筋を撫でられればそれだけで心臓はより一層煩くなって。 「れ、いじ、先輩……っ、て、ちょっ、待て、近い……っ!なんか、すげえ近えって……っ!」 「も、もう一回……!」 「れ、零児先輩……っ!」 ああくそ、恥なんて知らねえ。やけくそ気味に声を上げたとき、思いっきり抱き締められた。「ぐえ」って声が出てしまうくらい強く。 「お、おい……?」 「尾張クッソかわいい……ッ!!!」 「って、声うるさ……!」 しかも何言ってんだこの人。あと人の頭の匂いをドサクサに紛れて嗅ごうとするな。おい!と、政岡を引き離そうとすれば、気付いたらしい。ハッとした政岡は真っ赤になったまま慌てて俺から手を離した。 「わ、悪い……つい……」 「お前のついが怖えよ」 「悪い、そんなつもりじゃなかったんだ……お、俺のことも抱き締めてくれていいからな!なんなら俺も尾張のこと先輩って……」 「それはなんかおかしくねえか……?」 まあ別に他の連中のセクハラに比べたらまだ可愛い方だ。よれたブレザーを着直しながら、俺は慌ててご機嫌取ろうとする政岡に怒ってない意を伝えることにした。 ……にしても、まだ心臓がうるせえな。 政岡ほどではないが、なんだかそういうプレイにハマる人間の気持ちを垣間見たような……俺たちの場合はごっこでもないのだが、新鮮味っつーか、変な感じだ……。 【おしまい】 「な、なあ、尾張、次は先生って呼んでみないか……!」 「……お前、変なAV見ただろ」 「ギクッ!」 (口でギクッて言ってる…………)