相手が人間ではないことは分かっていたことだ。けれど、好きな食べ物が一緒だったからとか、人間界の常識知ってるからだとか、そんな理由の積み重ねでいつからか俺は巳亦が妖怪だということを忘れていた。 根本的な種族から違うということを。 巳亦は人間である俺に合わせてくれていただけだということを。 【俺の蛇神様】 「曜」 そう、名前を呼ばれただけで胸の奥がざわつく。 静まり返った地下監獄に巳亦の声はやけに響いた。 獄長を水没させたという巳亦は俺を安全な場所へと連れて行ってくれた。そこまではよかった。 良かったのだ。 「っ、み、また……」 伸びてくる指に頬を撫でられる。確かめるように唇を落とされ、そのままゆっくりと皮膚を滑る指先は俺の唇をなぞる。 冷たく、湿った肌。 確かめるように撫で、そのまま当たり前のように唇を重ねようとしてくる巳亦に驚いて、俺は、咄嗟に巳亦の胸を押した。 「巳亦……早く、戻らないと……」 「……曜は、戻りたい?」 「っへ……?」 「ここにいた方が安全だ。……それに、邪魔も入らない」 「邪魔って……」 「あの男はもういない。あとは、この最下層を閉じれば……俺と曜、二人きりになるんだよ」 閉じる、とはどういう意味なのか。 当たり前のように、なんでもないように言う巳亦に俺は困惑する。 巳亦と二人きりになるのが嫌なわけではない、けれどその理屈からすると黒羽さんは?テミッドはどうなる? 巳亦の考えがわからず、わかりたくなくて、はいそうですかと受け入れることができなかった。 「っ、なに……言ってるんだ……巳亦……」 「……俺は曜がいたらそれでいい。曜が身体壊したり怪我しても、俺がいれば治せる。……それで十分だろ?」 「それは、そうかも知れないけど……っ、でもそれじゃあ……」 他は全部切り捨てる。そういう風にも聞こえる。 いや、暗にそう言ってるのだろう。 俺と巳亦だけの二人だけの世界。そこに閉じ籠ろうと、この男は言うのだ。 「地上は危険だ。……曜の身に何かあったら……俺は……」 「巳亦っ、話が、話が見えないって……」 このまま流されてはいけない。 そう思って、巳亦の腕の中から逃れようと身じろいだが、すぐに抱き竦められた。そして、顔を覗き込まれる。 「曜は、俺の番になってくれるんだろ?」 「つ、がいって……」 聞き慣れない単語に、呻く。腰に伸ばされた掌はそのまま腰をなで上げる。背筋へと伝うその手の感触にびっくりして顔を上げれば、すぐ側には巳亦の顔があって。 こちらを見下ろすその血のような赤い目に見据えられ、身体が石になったみたいに硬直する。 「この身体に俺の子を孕んでくれるって約束……まさか、忘れたわけじゃないだろ?」 腰を抱いていた手は、するりと俺の腹を撫で上げる。 シャツの下、捲られるその掌に下腹部の辺りを優しく触れられると中に詰まった臓器が反応するように疼き出した。 卵を産み付ける、そして俺の体内で育てることができると巳亦は言っていた。 にわか想像つかない。未知への恐怖に戦いたとき、そっと安心させるかのように肩を抱かれる。撫でられ、前髪に越しに額に口付けしてくる巳亦はすっと目を細めた。 「地上は危険も多い。孕んでる間は母体を安静な場所に置く必要があるからな……それに比べるとここなら、俺も動きやすい。俺と曜の住処にするには丁度いいだろ?」 「ぼ、たい……って、なに……待って、巳亦……なんか、変だって……」 「……曜、お前は何も気にしなくていいんだ。大丈夫、ただ俺の横で笑ってくれてたらいい。……あとは、俺がなんとかするから」 「な?」と小さな子供を相手にするかのように優しく諭してくる巳亦だが、言ってることはプロポーズにも等しい。 否、ここまできたらされてるも同然だ。俺に子供を産めと言ってるのだこの男は、いくらここが人間界ではないとしても、俺の知ってる常識からは大きくかけ離れていた。 「曜……」 あまりにも情熱的に迫られれば、段々自分が間違ってるような気もしてくるのだ。赤く濡れた目に見詰められれば、拒めなくなる。 近付いてくる巳亦の顔に、俺は逃れるタイミングすら見失う。息をするように重ねられる唇に、柔らかな感触に、思考が乱される。 「っ、ふ、ぅ……っ」 唇同士を触れ合わせ、その感触を確かめるように舌を這わされれば息が漏れる。執拗に、何度も角度を変え、唇を貪られた。優しいキスは激しさを増し、唇を割って入ってくる先割れた舌に舌を絡め取られる。 濡れた音が口いっぱいに響く。空いた手で腹を優しく撫でられ、それだけで身体はビクリと反応した。 「は……っ、待っ……んん……っ」 咄嗟に逸らそうとした顔を顎ごと掴まれて舌を挿入される。細く長い舌は俺の舌ごと絡め取り、根本から先っぽまで締め付けるように扱き始めるのだ。 「は、ん、っん、ぅ……ッ!」 頭の中がジンジンと甘く痺れ、視界が霞む。苦しいはずなのに、ぼんやりしてきて、心地良い。 臍に触れる指に驚いたが、固定された顔を逸らすこともできなかった。グチャグチャと音を立て絡み合う舌同士。 溢れ出す唾液ごと巳亦に吸い上げられれば、頭の中が真っ白になった。気持ちいい、こんなこと、普通じゃないとわかってても、拒めない。 「……曜の舌は小さくて、甘いな」 「っ、みま、ひゃ……」 長いキスの末、俺の口から舌を抜いた巳亦はうっとりと目を細める。あまりの出来事に呆けていると、巳亦に濡れた唇を指で拭われる。 そして。 「ふ……っ」 当たり前のように胸元に這い上がるその指は俺の心臓を見つけると、皮膚越しに確かめるように手を這わせた。 他意はないとしても、あまり多人に触れられ慣れてないそこに触れる巳亦に緊張する。 「曜、震えてるのか?」 いつもと変わらない、優しい声。優しい巳亦。 なんら変わらないはずだ、けれど、巳亦から向けられる愛情が、怖い。 「っ、こ、んなの……変だ……巳亦……」 「何も変なことじゃないよ。大丈夫だ、好きあってる同士ならこうして触れ合うことも、抱き合うのも皆してることだ」 「っ、す、き……って……」 「……曜は、俺のことは嫌いなのか?」 「嫌いな、わけ……ないだろ」 好きだよ、と、口に出せば巳亦の目が僅かに開かれる。喜んでる、のだろうか。わからないが、それでも嘘ではない。 巳亦のことは好きだ、巳亦がいなかったらとっくに俺は死んでいただろう。そう考えたら命の恩人に等しい、巳亦の言い分からしてもそれは同じかもしれない。 「けど……っ」 「けど?」 「こ……怖い……」 怖かった、俺は確かに巳亦のことは好きだが、巳亦の子供を産みたいとは思ってない。 けれど、巳亦は俺に産ませたいと思ってる。 そこで噛み合っていないのだ。俺の好きと、巳亦の好きは違う。その性急さは妖怪特有なのかわからないが、少なくとも俺の済む人間界では段階を踏み、そしてお互いの気持ちが通じ合って底でようやく身体を重ねる……ものだと俺自身は思っていた。 俺は巳亦のこともよく知らないし、巳亦にだって俺の知らないことの方が多いはずだ。 これでは巳亦は俺が好きとかではなくて、俺が人間だから好きと言ってるみたいに聞こえる。 「俺が?……どこがだ?」 「っ、そ、れは……」 「曜」と、細められる目に、冷たい声に、ゾッとする。 表情自体は豊かであるが、その爬虫類特有の冷たい目はやはり人間のものとは違う。感情のないその目に睨まれると、逆らえなくなるのだ。拒めなく、なるのだ。 「巳亦は、俺のことが好きじゃなくて……人間が好きって言ってるみたいだ」 口に出したとき、後悔した。 巳亦は人間が作り出した神様だ、そんな巳亦が人間好きなのは当たり前だと思ってるのに、これじゃあ、訳のわからない駄々を捏ねてる子供みたいだ。 「……曜は、そんなことを気にしてたのか」 「そんなことって……」 「確かに曜の言う通り俺は、人間は好きだよ。……けど、それと同じように恨めしくもあった」 す、と胸に触れる指に、息を飲む。 「……曜は、俺が人間だから好きって言ってるだけなんだと思ってるんだよな」 「っ、ん……うん……」 「確かに俺の子は人間しか産めない。けどな、俺の卵を産み付けるだけなら別に気持ちよくさせようなんてしない。こんな風に名前を呼ぶことも、口吸いをする必要もない。……孕ませる行為に人間の意思は関係ないんだよ」 「わかるか、曜」と、耳を舐められ、震える。 思わず巳亦を見れば、巳亦は少しだけ苦しそうに顔を歪める。そして、軽く唇を重ねて、離れた。 「……ただの人間を大切にしたいなんて思うかよ」 「み、また……」 「ここまで言ってもまだ分からないか?曜。……どうしたら俺の言葉を信じてくれるんだ、お前は」 ああ、俺は、巳亦を傷付けてる。そんな顔をさせたかったわけではない。 自分の不安が馬鹿みたいなくらい、巳亦の言葉の節々から痛々しいほどの慈しみが溢れ、全身を包み込む。 俺は、チョロい……のだろうか。わからない。けれど、巳亦が傷付いた顔をするのは見たくない。 恐る恐る項垂れる巳亦の額に触れる、前髪をそっと持ち上げ、その額に唇を落としたとき。巳亦の赤い目がこちらを見た。 「……っ、……!」 「ごめん、巳亦……そんなつもりじゃなかったんだ」 「曜……」 「……いいよ」 「巳亦なら、いいよ、俺」自分でも何言ってるのかわからなかった。けれど、溢れ出した気持ちを止めることができなかった。巳亦をこれ以上傷付けたくなくて、そんなことを言ってしまったのかもしれない。 けれど不思議と後悔はなかった。 きっとそれは俺の想像力が欠如してたからだ。 自分の言葉がどのような結果を産むのかも考えなかったからこそ、気楽に考えていた。 「ん、ぅ、ふ……っ、み、ま……ぁ……っ」 離れることすら嫌がるみたいに、顔を逸らせばすぐに唇を重ねられる。口の中の粘膜を赤い二股の舌でねっとりと舐め回されるだけで咥内に唾液が分泌され、溢れ出すそれごと巳亦に啜られるのだ。 巳亦の舌は気持ちいい。触れられた箇所がジンジンと甘く疼いて、熱を持ち出す。普通のキスがどんなものか知らない俺にとって、これが普通なのかわからないがそれでも嫌悪感はなかった。 「……緊張してるのか、曜」 後頭部を撫でる手に、ぴくりと身体が震える。 濡れた巳亦の唇が生々しくて、直視することができない俺を見て巳亦はふ、と微笑んだ。 「大丈夫だ、曜。慣れないうちはそんなものだ」 「これから二人で一緒に慣れていこうな」と、人好きしそうな笑みを浮かべて巳亦は俺の胸元に触れる。 小さく主張していたそこを指先で触れられ、それだけでビリっと電流が走った。 「ぁ、待っ、……巳亦……っ」 「心臓の音、すごいな。……ここまで伝わってくる」 「っ、そ、んな……触り方……っ」 優しく、それでも柔らかく扱くように豆のようなそこを重点的に揉まれれば、得体の知れないものが腹の奥底がこみ上げてきた。くすぐったくて身を捩って逃げようとするが、背後から抱き竦めてくる巳亦はそれを許さない。 それどころか、シャツの前を開けられ、脱がされそうになる。 「っ、ゃ……ん、ぅ……っ」 露出させられる背中に、巳亦は舌を這わせる。全身の生傷を舐められ、その痛みに身を震わせるのもつかの間、すぐに皮膚が溶けるように熱くなり、気付けば裂傷も痣も全て消え失せてるのだ。 治癒行為だとわかってても、状況が状況だからか、そんな刺激すらも俺には強すぎて。 「っ……は、ン……っ」 「傷が……酷いな、痛かっただろう。……悪かったな、こんな体で無理をさせて」 「み、また」 「弱い癖に、不死身の俺のためにわざわざここまでしてくれる人間……初めてだよ」 「……っ、……」 ちゅ、と音を立て、肩口にキスを落とされる。 そのまま傷口に舌を這わされれば、細い舌の先が抉るような痛みと熱に堪らず喘いだ。そして、焼けるような熱。 「は……ぁ……っ」 巳亦に口付けされた箇所が、熱い。 顔を上げた巳亦と視線がぶつかり、そのまま俺たちはどちらともなく唇を重ね合った。 「っ、ん、ぅ……ふ……ッ」 弄られ続け、じんじんと甘く痺れる胸の突起は少しでも先端掠めただけで針に刺されたみたいに感じてしまう。 そこを優しく指の腹で擦られ、潰され続ければ次第に全身の血液が熱くなっていった。 「ん、ぅ゛……ッ、んん……ッ!」 難なく入ってくる舌に口の中を犯される。 戯れに舌を絡め合って、口も閉じることができずアホ面晒す俺をただ愛しそうに巳亦は執拗に俺の舌を嬲った。長い舌は奥深く、舌の付け根から先っぽまでを締め付け、扱きあげる。 触れられてないはずのもう片方の乳首までツンと勃起し始め、それに気付いた巳亦は当たり前のようにその先っぽを優しく転がす。それだけでもう俺にとっては恐ろしいほど拷問だった。 「っ、ん゛っ、ふ、ぅ……ッ!」 「ッは、曜……可愛いな、お前は本当………っ」 「っ、ぅ、ん、んん……っ!」 焼ける。喉が熱い。気持ちいい。何も考えられなくて、ただ、巳亦に抱き着つことが精一杯だった。 ここがどこなので俺がなにしてたかもわからない、目の前の巳亦のことしか考えられなくて、その広い背中にしがみつく。気付けばずるずると巳亦に押し倒されるような体制になっていて、覆い被さってくる巳亦は下腹部、限界まで勃起していたそこに目をつけ、笑った。 「染みになってるな。……ここ、こんなに腫らしてちゃキツイだろう」 「巳亦、だって……」 「あぁ、そうだな。正直、今すぐ曜の中に挿れたくて仕方ないよ」 「……けど、曜が痛くないようにしないとな」そう、言いながら自分の勃起を隠そうともせず、巳亦は俺の下着に手を掛けた。 「っ、ぁ……」 するりと細い指によって脱がされる下着。 咄嗟に俺は自分の下腹部を手で隠す。 「っ、見、るな……っ」 「どうして?……隠すなよ。俺は、曜のことだったらなんだって知りたいし見たいんだけどな」 「駄目、だって……こんなの、恥ずかし……」 「恥ずかしくないよ」 「曜の身体に恥ずかしいところなんて何一つない。俺は曜の髪の毛一本から爪まで、全部愛しいと思ってる」本当に、この蛇神様は恐ろしい。 妖怪って皆こうなのか?そうではないだろうと思いたいけど、あまりにも真剣な顔をして囁かれればもうどうにかなりそうだった。 「巳亦は、平気でそんなことばっかり言う……っ!」 「俺は好きな子にしか言わないよ、こんなことは」 「っ、も……」 「曜、観念しろよ」 「や、やだ……」 「手、退けて」 本気を出そうとすれば俺の抵抗なんて無意味なはずなのに、それなのに巳亦は俺に自ら手を退けさせようとするのだ。 ちゅ、ちゅ、と耳にキスをされ、「曜」と囁かれる。 ……この男は、本当にずるい。 剥き出しになった股の間、そこを隠すように広げていた掌に手を重ねられ、大きなその手は躊躇いもなく俺の手を握りしめた。 「……っ、ぁ……」 スリスリと指の谷間を撫でられたとき、つい力が緩んでしまう。そこを狙って、巳亦はそっと優しく俺の手を退けた。 そして、裾の下、精一杯主張しようと頭を擡げたそこを見て巳亦は目を細める。 「……本当に、曜は……可愛いな」 「っ、み、また……っ」 すり、と、腿の間、頭を落とすように下腹部に顔を寄せた巳亦は躊躇いなく勃起した俺のモノに舌を這わせた。 「っ、ぁ……ッ?!」 細い舌が、敏感な部分に直に触れる。 それだけでも相当な衝撃なのに、躊躇なく這わされるその舌は根本まで締め付けるように巻き付いてくるのだ。 そのまま亀頭を咥えられれば、熱く濡れそぼった粘膜に包み込まれる。包み込むような感触に堪らず声が漏れる。 食われる、という恐怖よりも感じたことのない感覚だった。 「や、だめ、巳亦っ、口……や……駄目だ……っ!」 「……っ、は……曜は……初めてだろ、ここ舐められるの」 先割れした舌先で尿道口を穿られ、頭から爪先に掛けて言葉にできないような刺激が走る。 大きく震え、巳亦の口から逃れようとする腰を抱き締められ、巳亦は更に根本まで咥えた。 「っ、ん、ぁ、嫌だ、巳亦っ」 息遣いがくすぐったいとか、前髪がお腹に当ってこそばゆいとか、そんなものじゃない。 濡れた音が響く。 器用に動く舌で根本から先っぽまでを扱き上げられる。じゅぷじゅぷと響く水音は先程よりも確かに粘着質なものを含んでいて。 「ぁ、……ふぁ、あぁ……ッ!」 気持ちいい、気持ちいい、怖い、気持ちいい。 唇で性器を締め付けられ、その中で舌でねっとりと愛撫される。 フェラ未経験者であり、勿論第三者からのこの手の刺激に慣れていない俺からしてみればその快感はあまりにも強烈で、同時に、自分よりも見目のいい大の男に奉仕されるという視覚的な暴力でもあった。 腰がガクガク震える。 巳亦は、痙攣する俺の腰を抱きながら「きもひい?」と口の中に一物を咥えたまま聞いてくる。それだけで口の中のものが刺激され、全身の血液が更に性器に集まっていく。 「っ、そこで……しゃべ、る、なぁ……っ」 「ああ、はふい」 悪い、と言ったのだろう。 わざとやってるに違いない、口の中のそれを舌で転がされ、俺は巳亦の肩を掴んだ。 もうこれ以上はやばい。 自分の心臓の音が時限爆弾みたいに大きくなっていく、汗が止まらなくて、怖くなって巳亦の肩を掴めば、上目がちにこちらを一瞥した巳亦は俺の腰を更に強く抱いた。 「っひ、ぅ」 鼻先が下腹部に当たるのも構わず、根本まで俺のモノを咥える巳亦にぎょっとする。自分がどこにいるのかもわからない。わからないが、全体を圧迫するように収縮するそこは多分、普通なら感じない場所だ。 喉で締め付けられながら、扱かれ、穿られる。 「ぁ、や、ぁ……ッ!待っ、ぁ……っ!出ちゃ、ぁ、巳亦ッ、やめ、ろ……出る……っ」 喉元まで迫り上がってくる熱を感じて、必死に巳亦を引き剥がそうと肩を掴むが、巳亦は俺から離れようとしない。 汗が溢れる。思考回路は最早機能していなかった。巳亦の舌が更に深く尿道口へと進んだときだった、限界まで我慢していたそれは呆気なく決壊した。 堪らずうわ言のように「イク」と口にしたと同時に、大きく体が痙攣する。もう、精液は残っていなかった。 巳亦は目を細め、躊躇することなく溢れ出すそれを喉奥へと流し込む。その喉仏が上下するのを見て、血の気が引いた。 「っ、ぁ、あぁ、うそっ、な、にして……っ」 じゅるっと音を立て、性器に残った精液ごと吸い上げられる。そこで、ようやく巳亦は俺を解放してくれた。 「……ああ、曜の味がするな」 濡れた唇を舐め、巳亦は笑った。 その嬉しそうな笑顔に、ぞわりと身の毛がよだつ。 いくら人間ではないとしても、絶対に身体にいいものではない。それを、この男は、喜んで飲んだ。ご丁寧に一滴も残さずに。 「っ、吐いて、今すぐ、吐かないと……っ汚……っ」 「汚くない。……美味いよ。もっと飲みたいくらいだ」 「っ、お前……」 何を言ってるんだ、と呆れるのも束の間。 巳亦は俺の下半身に目を向ける。 「ああ、見ろよ。……もう大きくなってる」 言いながら、当たり前のように触れる巳亦にまた咥えられそうになり、慌てて止めた。 「っ、待って、巳亦……俺ばっかり、やだ……」 「俺も、する……巳亦に……」これ以上搾り取られては、本当に空っぽになってしまう。 恐ろしくなって、慌てて巳亦の肩を掴んで引き止めれば巳亦は目を見開いた。 「っ、曜……本当にいいのか?」 俺からそんなことを言い出すとは思ってもみなかったらしい。見たことのない、戸惑いの表情を浮かべた巳亦だったが、俺が恐る恐る頷き返せば堪らなさそうに息を吐いた。 そして、はち切れんばかりに勃起したそこに手を伸ばす。 「弱ったな……そんな可愛いことを言われたら我慢できる自信ないぞ」 「みま……」 た、と言いかけたときだった。 緩めたそこから、ずるっと勢いよく溢れるそれに俺は思わず目を疑った。 「へ」 赤黒く宙を向くそれは人のものとは明らかに違う、鱗のような棘に覆われている。それだけでも目を疑うのに、鼻先に突きつけられるそれは二本、根本から割れるように二本の男性器が隆々と勃起していたのだ。 「……悪いな、曜。此処まで人の形保てるほど余裕もないみたいだ」 赤く上気した巳亦はそう、恥ずかしそうに口にした。 【next to continue...】