非合法ラブドラッグ②※【↑100/12,400文字/五十嵐×尾張寄り生徒会×尾張/複数/媚薬】
Added 2019-02-15 12:12:26 +0000 UTC頭がふわふわする。 体が鉛のように重くて、熱い。 あれ、俺いつ寝たっけ。 ベッドに横になった記憶はないが……。 と、そこまで考えたとき明らかに違和感は大きくなっていく。 なんだ……なんだこれ。 形容し難い、まるで何かが身体に触れてるような……そんな違和感だった。けれど指先一本すら動かせなくて、動かすことがダルくて、浅い眠りに縋り付く。 夢なのか現実すらも分からない意識の中でどれだけ経ったのか最早俺にも分からない。 次第に神経一本一本の感覚は蘇り、形を失っていた意識が輪郭を取り戻し始めたとき。 俺は飛び起きた。 「あ、おはよ〜元君」 そして目を覚ましてすぐに飛び込んできたのはにこーっと笑う神楽だ。向かい側のソファーに腰を下ろし、携帯端末を弄ってた神楽は飛び上がる俺を見てすぐに端末をテーブルに置いた。 「お……はよ」 あまりにも当たり前のように挨拶してくる神楽につられて俺も挨拶してしまう。が、口から出た声は寝起きにしても酷いガラガラ声で。 酷く喉が乾くし、つかそもそもなんで俺こんなところで寝てるんだ。 荒れに荒れたこの部屋が生徒会室で俺がベッドだと思っていたものは生徒会室のソファーだったとわかり、ますます混乱しそうになった。 「俺、なんでここに……って、クソ、頭いってぇ……」 しかも、よくもこんな落ち着かねえ部屋でぐーすか寝れたな。自分に自分で呆れてしまう。 節々が硬直した体を無理矢理起こそうとしたとき、下腹部に違和感が走る。 ……体の奥がぬるりとした。どこがとは言わないが、なんか、ムズムズするっつーか……なんだこれ。 「尾張さん、大丈夫ですか?」 「っ、能義……」 「神楽の作った妙な薬のせいですよ、きっと。そのせいで随分と眠っていたようですしきっと副作用かもしれませんね」 どこから現れたのか、俺の隣に当たり前のように腰を落とす能義に思わず身構える。 耳元で囁かれる言葉に心臓が大きく跳ね上がる。 と、そこで俺は生徒会室に来ることになったその原因を思い出す。 「あっ、そうだ!お前らあのときは良くも変なもの飲ませやがって……!」 「まあまあまあ、そんな野暮なことは言っちゃだめだよ~元君。終わりよければ全て良しって言うでしょ~?」 「終わりよければ……って、終わってねえだろ……つつ、そういや政岡は……いないのか?」 「何言ってんの、かいちょーは元君に……もがっ!」 神楽がフニャフニャと何かを言いかけたときだった。テーブル乗り上げた能義が神楽の口を手で塞ぐ。 そして、細められた流し目がこちらを向いた。 「……もしかして尾張さん、貴方覚えてないんですか?」 「覚え……?」 その質問の意図がよくわからなかった。 覚えるも何も……こいつらに嵌められ、政岡に口移しという屈辱な方法で薬を飲まされて……そこから先を思い出そうとして頭痛に襲われた。 風邪引いたみたいに身体がすんげー熱くなったのは覚えてるのに、肝心の記憶がぶつ切りになってる。 まさか、俺も五十嵐みてーに変なことしたわけじゃないだろうな。 そう考えれば神楽がさっきからやたらニコニコしてる理由も納得できる……。 いや、まさかな。なんて一人百面相してる横、能義と神楽が無言で目配せしあう。なんだ、待て、何頷きあってんだ、余計こえーよ。 「の、能義……俺、なんか……変なことしたか?」 「いえ、そんなことはありませんよ。安心してください。何も気にしなくていいですから」 「そーそー元君はいつだって可愛いしね〜。ねーほらほら、体調悪いならもう少し寝ていきなよ。なんならお泊まり会でもしとく〜?」 「いや……俺、そろそろまじで帰んねえと岩片に……」 「岩片さんになら私から伝えておきますよ。今夜は生徒会室に泊まると」 なんで勝手に話が進んでるんだ。 つかまともに寝れる場所ねーだろ。雑魚寝でもするつもりか?と想像して嫌な汗が滲む。 そんなことされてみろ、妙に鋭い岩片のやつのことだ。「惚れ薬まで飲まされて記憶飛ばして挙げ句の果に連中の巣窟で呑気にお泊まりだと?ハジメさぁ、いくら清廉潔白なマリア様でも一晩でデキちゃったコースだろ。んで?何発やったんだ?」ってネチネチネチネチ弄り倒されるに違いない。それは最悪だ、あってはならないことだ。 「だから今日はベッドが恋しいっつーか泊まらねえって。………………おい、なにこの手」 ここはカップルシートでしたか?と思うくらい密着してくる能義に肩を抱かれ、流石の俺も冷や汗をかく。 「おや、尾張さんはこんなところにホクロがあるんでしたか。……愛らしいですね」 「ホクロを探すなっ、てか、いい加減に……」 しろ、と言いかけたとき。 テーブルの上に置かれた神楽の携帯が震え出す。 途端、神楽は舌打ちをし、それから心底面倒くさそうに電話に出た。 「は〜〜い、何ぃ?今いいところだったんだけど……えっ?!本当に?!……わかった、すぐ行くねえ」 何かあったのか、あんなに嫌そうに電話してた神楽はいきなり立ち上がり、目を輝かせた。 そしてすぐに終わる通話。神楽が切り出すよりも先に、その様子から察した能義は「もしかしてようやく出来たんですか」と静かに尋ねる。 「うん、そーみたい。……俺ちょっと様子見てくるわ」 「……全く仕方ないですね。それでは私は先に綾乃のご飯を用意しときますか。腹を減ってるあいつは手がつけられませんからね、解毒剤飲ませるときに暴れられては困りますし」 ……ああ、なるほど解毒剤。 「尾張さんも私と来ますか」 「……行かねえって、帰る」 「残念ですが仕方ないですね」 「それじゃ、気をつけて帰ってくださいね」と、残念に思ってるわりにあっさりと俺を帰す能義にも違和感。 別に寂しいとか、引き止めてほしかったなーなんてことを吐かすつもりはないが、まるでお前は用無しだと言われてるような気がしてならないのだ。……いつもならもっとしつけーのに。ま、いいけども。 というわけで、俺は二人が出ていったのを見てゆっくりと立ち上がる。 立ち上がってからわかるが、やはり腰、それも腿の付け根の関節にも違和感がある。足を閉じてても開かされてるような、俺ガニ股にならないようにして歩くがそれが余計違和感を生じさせてるらしい。 関節痛っつーよりも、これは……。 身に覚えのある感覚に、口に出すのを恐れていた一抹の可能性が頭を過り、振り払う。 ……さっさと帰ろう。そんで寝よう。そうすりゃいつも通りだ。 そう扉へと向かおうとしたときだった。 「すみません神楽さんお待たせしました……!!」 いきなりガラッと扉が開き、制服の上から白衣を羽織った生徒が飛び込んできた。いかにも理系で、神楽にパシられてそうなこの気弱そうな生徒は科学部員だろう。 生徒会室に俺しかいないことに気付いたらしい。 「あれ、神楽さんは……」 「あー多分入れ違いになってるみたいだな。……ま、もらっておくよ。俺から渡しとくから」 死にそうなほどげっそりとしたその生徒を更に待たせるのも酷な気がしてそう提案すれば、科学部員は「あ、す、すみません!ありがとうございます!」とぺこぺこ頭下げる。 心底ほっとしてるようだ。余程神楽に会いたくなかったのかもしれない。 科学部員からボトルを受け取り、最後の最後までぺこぺこしながら出ていく科学部員を見送る。 そして再び静寂が戻った生徒会室の中。 「……さて」 どうしたもんか。と、手の中のボトルに視線を落とす。 相変わらずおどろおどろしい色をしてるボトルだ。 それから次に、生徒会室の隅っこに取り付けられた扉を見た。 あそこには政岡たちが五十嵐を閉じ込めた部屋へと繋がってるはずだが……。 五十嵐。 いけ好かねーやつだけど、薄められたものを飲んだ俺でもこの有様だ。だとしたら原液を飲んだ五十嵐は相当の苦痛に違いないはずだろう。 早く飲ませて楽にしてやりたいが……もしものことを考えると血の気が引いた。 と、そこまで考えて自分が五十嵐にその、なんだ、捻じ伏せられることを前提として考えてしまってる思考に寒気を覚えた。いやいやいや、俺、毒されすぎてるぞ俺。 なんで俺がアイツ相手にケツの心配してるんだ、それじゃまるで……。とそこまで考えて頭を横に振って思考を振り払った。 ……渡すだけだ。なに貞操の心配してるんだ。 それにあいつは政岡たちに縛り上げられていたはずだ。なら尚更そんな相手に怖気づくなんて俺らしくもない。 五十嵐に渡すだけ渡そう。そんで帰る。シンプルでいいじゃないか。 そう自分に言い聞かせながら奥の部屋へと繋がる扉を開く。 薄暗い部屋の中。壁に触れ、照明を付ける。 「……五十嵐?」 パチンと明るくなる部屋の中。 後ろ手に縛られ、柱に括り付けられていた五十嵐を見つける。 眠っていたのか、ゆっくりと目を開く五十嵐。その目がこちらを向くのを見て、脈が早くなる。 「……お前か」 寝起きみてーな声に、人の顔を見るなり人相がいいとは言い難いその面を更に歪める五十嵐。 けれど大分惚れ薬が抜けてる……のだろうか。妙なことしてねーし、言わねーし、いつもの俺に冷たい五十嵐だ。 「なあ五十嵐、解毒剤持ってきたんだけど……」 「……はぁ……おせーよ」 「俺に言うなよ、神楽に言え」 正直、俺はほっとしていた。 ホッとしてる自分にも嫌気が差したが、これはどうしようもないらしい。 「早くくれ」と睨んで催促してくる五十嵐に何様だこいつと思いつつも仕方なく近づいた。 「……早く解け。腕がいてーんだよ、あの馬鹿が思いっきり縛ったせいで」 「ちょっと待ってろよ」 そう、柱と五十嵐を括り付ける縄に触れる。無茶苦茶な縛り方ではあるが、なんとか解けそうだ。もたもたしながらも拘束を解いたとき、目の前の五十嵐がゆらりと立ち上がる。 それから首鳴らして肩も回して、鬱血した手首を眺める五十嵐。 「五十嵐、これ。解毒ざ……」 い、と言い終わるよりも先に、ボトルを握ってる俺の手ごと掴まれた。一回りでかい野郎の手の感触に、その熱さにぎょっとして顔を上げたとき、五十嵐と至近距離で目があった。 「い、がらし……?」 「――お前、よくここに来れたな」 後ずさってる内に気付けば壁際へと追い込まれていることに気づいた。肌に纏わりつくようなじっとりとした嫌な空気に息が詰まりそうになる。 「っ、おい、何言って……早く飲めよ……っ」 「……言われなくとも」 飲むに決まってんだろ、と言うかのようにこちらを見据えた五十嵐は俺の手ごと引っ張ってボトルを口にした。 人の手まで巻き込んでんじゃねえよとムカついたが、指同士を重ね合わせるように握られれば背筋がぞくりと震える。手の甲に浮かぶ骨の凹凸から指同士の谷間を触れられ、嫌な感触に思わず手を離そうとするが、覆いかぶさるようなやつの手は俺を離そうともしない。それどころか、噛んでキャップを外した五十嵐はそのままぐいっとボトルを傾け、中の液体を飲む。 中の液体が五十嵐の体内へと流れ込んでいく感覚が、喉の鳴る音が近くで聞こえ、振動で伝わってくるのが余計落ち着かなくて。 「……っ、は……空腹にこれは……効くな」 ボトルから口を離した五十嵐は、そう唇を舐める。 覗く舌先に心臓が弾む。息が詰まる。普段なら気にしないはずの些細な仕草に心臓はアホみたいに煩くなって、俺は、五十嵐から目を逸した。 「いいから、手、離せよ……。いつまで握ってんだよ」 「お前の方こそ、何女みてーな反応してんだよ。……俺に襲われるとでも思ったのか」 「っ、そりゃ、誰だってこんな距離の詰められ方したらビビるだろ」 「……へえ、ビビってんの。お前」 ああ、しまった。墓穴だ。 こちらを見下ろすやつの目に嫌な光が走るのが分かった。 いつの日かにみたサド野郎特有の性格悪そうな目だ。 ……俺が嫌いな目。 「五十嵐……っ」 「そういや、まだ理由聞いてなかったな。……どうしてお前一人でここにいる」 「あいつらが、お前一人で俺に会わせねえだろ」それとも連中もとち狂ったのか、なんて自他虐的な五十嵐の言葉に俺は今度こそ言葉に詰まる。 こいつは分かってるのだ、分かってて俺を試すような言い方をするのだ。……本当に食えないやつである。 「……この解毒剤、あいつらがいないとき届けられたんだよ。俺しかいねーから、仕方なくお前に持ってきてやったってわけ。……ほら、これでいいだろ。……俺はもう少し感謝してくれてもいいと思うんだけど?」 「俺は別に頼んでねえけど」 「本当、お前いい性格してるよな」 知ってたけどな、別にこいつが望んでなかったって。いいけど、わかってたことだし。 「……つか、もういいだろ。いい加減退けよ。お前圧迫感あんだからさ……」 「よくねえよ」 あまりにも横暴なやつの言葉にはい?と思わず聞き返そうとしたときだった。頬を撫でられ、全身が石みたいに強張る。頬から顔の付け根、首へとなぞるように手のひらを這わされればまるでいつものやつからは想像できない程の優しい手付きに慄く。 そして極めつけは。 「……んな可愛いこと言われて大人しく離せると思ってんのか」 待て、待て待て待て待てこの背筋が薄ら寒くなるような甘い言葉には覚えがある。 やつの手のひらから落ちる中身入りのボトルを咄嗟に拾う。 溢れずには済んだが……解毒剤だよな、これ。ちゃんと今飲んだよな、とボトルをひっくり返したとき、ボトルの底になにか書いてあるのに気付いた。 ――惚れ薬EX。 バージョンアップしてんじゃねえよ。 「ま、嘘だろ、これ……解毒剤じゃ……っ」 「あ?……んなことお前が確かめればいいだろ」 「……っ、な、に……おいやめ……っ、ん、ぅう……っ」 ――やりやがった、こいつ。 人の顔を鷲掴んだかと思いきや、親指でこじ開けた口に思いっきりボトルの中身を流し込まれた。 とろみがある液体が喉奥を通って落ちていく。前に飲まされてるやつと同じ、焼けるような味。そして前回になかったほど甘く、美味しい蜜のような。 「っ、ケホッ!……っ、ぐ、この……んんっ!」 吐き出そうとするが、すぐに口をやつに蓋される。 口の中に残った蜜を探すように太い舌でぐちゃぐちゃに舐め回され、俺は死にものぐるいでこの男を引き剥がそうとするが覆い被さってくるやつの身体はびくともしない。舌同士を擦り合わされれば耳を塞ぎたくなるような音が鳴り響く。熱い、熱くて甘くて、けれど、気付けば頭痛も目眩もなくなっていた。嫌なくらい透き通った頭の中、それでも流れる脈は焼け付くように熱くなるのだ。 「っ、は、ぁ……んん……っクソ……っ、や、め……っ、ろ……っ!」 普段他人に舐められないような箇所、咥内中の粘膜を舌で舐られるだけでアホみたいに気持ちよくなる。 なんだこれ、頭ん中直接掻き回されてるみたいで、熱くて、すげー嫌なのに……クソ、まじでなんなんだ。 「……ぅ、ん……っ、ん……!」 隙間なく抱き締められて、頭掴んで固定されてひたすら唇を重ねられる。押し付けられた下腹部が嫌ってほど主張してきやがる。そして何よりも嫌なのは、抱き締められて余計熱くなる自分の体だった。 わけわかんねえくらい心臓が煩くなって、顔が熱い。 嫌だって思う頭と、強い力で背中を撫でられるだけで体から力が抜けそうになる。理性の喪失。この感覚には身に覚えがあった。けど、これは現実だ。 「っ、いが、らし……っ」 「ひでえ面だな」 「けど、悪くねえ」と、普段への字のやつの口が歪む。 笑みと呼ぶにはあまりにも凶悪で、その笑顔の下、滲む欲望を隠そうともしなかった。 「っ、ふ、ぅ……っ」 なんでこんなことしてるのかと聞かれれば何も言えない。だって俺だってわからない。考えるほどの思考力すらも残っていない。 ただ唇に噛み付いてくる五十嵐の舌に翻弄され、その鍛えられた背中にしがみつくのが精一杯だった。 「っ、ふ、んん……」 全部、全部、あのわけわかんねえ惚れ薬のせいだ。 そうだろ?そうだと言ってくれ。 そうでもなきゃ野郎と、おまけにこいつとキスなんかするか。こいつだってそのはずだ。 俺じゃなくて可愛い姉ちゃんいたらそっちのがいいだろう。たまたま目の前にいたから、だから、こんなことになってるのだ。 「っ、は……んむ……」 引き気味になっていた腰に回された手にぐっと抱き寄せられる。勃起した野郎のブツを押し付けられ、その感覚に頭の中、瞼の裏が余計焼け付くようにチリチリと熱くなった。 普段ならば嫌悪感しか覚えないはずなのに、俺相手にこの男がここまで勃起してるのだと思うと愉快で、それ以上に酷く興奮した。 「ん……っ、ふ……」 何度も角度を変えて、しつこく唇を重ねてくる五十嵐に焦らされ、先走った下半身に血が集まってしまうのは男の悲しい性である。 キスばっかじゃなくてもっと、触ってほしい。なんてはしたない思考に塗り潰される。ブレーキなどとうにぶっ壊れてる。 「い、がらし……っ」 無意識に腰が揺れる。やつの身体にしがみついたとき、伏し目がちなその目がこちらを見据えた。何を考えてるかわかんねーと思っていたが、今だけはわかる。ろくなこと考えてねえ目だ。 唇が離れ、舌を咥えっぱなしだった俺は暫く口を閉じることを忘れてやつの唇を目で追ってしまう。 ぼんやりしてると、いきなり口の中に親指を突っ込まれた。 頬を掴むように親指を奥まで挿入した五十嵐はただ一言。 「舐めろ」 そう、いつもと変わらない偉そうな態度で言い放つのだ。 ムカつく、ムカつくけど、反論の余地すら与えてくれないやつに何も考えずに従うことに気持ちよくなるこの脳みそもムカつく。 「……っ、ン」 舌を這わせる。切り揃えられた爪は舌に引っかからなくて舐めやすい。硬い皮膚、骨っぽい太い指に、この指が俺に触れてるのだと思うだけでぞくぞくする。 根本まで咥え、根本から先っぽまでしゃぶる。性感帯でも何でもない身体の部位なのに、それだけで身体の奥が疼くのだ。 「……流石犬だな。あいつによく躾られてる」 「っ、あい、ふっへ……んんっ」 咥えたまま反論をしようとしたとき、這わせていた舌を掴まれる。そのまま口から引っ張り出され、ぎょっとした矢先に指で舌をぐちゃぐちゃに扱かれた。 強制的に開かされる口と喉、嗚咽が漏れそうになるが、それでも逃げられない指に身体が強張った。 口の中から大量の唾液が分泌される。苦しいのに、指先で舌の根本から先っぽにかけて扱かれればそれだけでバカみたいに唾液が溢れ、視界が滲む。 「ァ、っ、あ……っは、ぁ゛……っ!」 「……小せえ舌だな。だからよく回るのか」 「っ、ひゃ、め」 溜まった唾液は顎を伝い落ちていく。見下ろす五十嵐の目とは裏腹に愛撫される舌に何も考えられなくて。 きっと俺は酷い顔になってるだろう。 息が浅くなる。開きっぱなしの口からは声を抑えることもできなくて、体を震わせる俺に五十嵐が微かに口角を上げたときだった。 遠くから何やら物音が聞こえてくる。 能義たちが帰ってきたのか。 「っ、は……」 五十嵐も気付いたのだろう。ようやく指を離してくれたが、舌の違和感が拭えなかった。ぼんやりとした頭の中、限界まで勃起した下腹部が窮屈で、頭がどうにかなりそうだった。 「……こんなところ、あいつらに見られたらお前もまずいんじゃないか?」 扉を一瞥し、五十嵐は唾液で濡れた唇を拭った。 その感触に頭の中が痺れたような感覚になる。 「っ、……いい」 「……」 「……別に、見られても……いいから……っ」 ここで止められた方が頭がどうにかなりそうだった。 自分が相当なことを言ってるとわかったから、やつの顔を見ることができなかった。 けれど、やつはなにも言わずに俺の身体を抱き抱える。 驚く暇もなかった。 部屋のど真ん中、適当に置かれたソファーに座らされる。 嫌な緊張に汗が滲む。どかりと隣に腰を下ろした五十嵐は俺の腰を抱き、そのまま自分の膝の上へと座らせる。 「い、がらし……」 「黙ってろ」 なんでここに、と聞くのも野暮な話である。 すぐ背後、耳元で囁かれる低音にぴくりと身体が反応してしまう。 ここなら扉に背を向ける形にはなってるが、隣の生徒会室から聞こえてくるやつらを意識せずにはいられなくて。 「見てもらいたいんなら出してもいいけどな」 声、と耳朶を甘く噛まれ、身体が震える。 背中から感じる五十嵐の体温。流れ込んでくる鼓動。扉の向こうから近付いてくる声と足音に心臓はバクバクと跳ね上がり、息を殺す。 胸元を這う大きな手に身体を弄られ、ずるずると力が抜け落ちそうになっていく。 「っ、……っ」 シャツのボタンが外される。こんな状況で、こんな状況だからか、五十嵐は一つ一つボタンを丁寧に外していくのだ。それが余計焦れったくて、汗が滲む。呼吸が浅くなり、指先から目を逸らせなかった。 臍上辺りまでボタンを外され、そのまま素肌へと滑り込む手の感触に息を飲む。まるで待ち望んでいたかのように指が掠めるだけで身体が反応してしまうのが恥ずかしかった。 胸の筋肉の膨らみを掌で包み込むように覆われ、そのまま全体を揉まれればそのこそばゆさに堪らず身じろいだ。 「っん、……ぅ……っ」 唇を噛み、声を殺す。普段はもっと乱暴なくせに、優しく触れてくる五十嵐が余計恨めしくて堪らない。 それでも遠慮なく円を描くように揉みしだいてくる五十嵐は逃げようとする俺から決して手を離さなかった。 腰を引こうとすればするほどずるずると身体が落ちていく。 「い、がらし」 わざと突起物を触れないように手を動かす五十嵐に焦れ、その腕にしがみつこうとしたときだった。 ガチャリと、ドアノブが捻られる音がした。 そして。 「綾乃、ご飯の時間ですよ。……っておや?貴方縛られてませんでしたっけ」 背後から聞こえてきた扉が開く音と、聞き覚えのあるその声に全身が硬直する。 五十嵐の膝の上、ずり落ちそうになっていた俺は咄嗟に背筋を伸ばしそうになったとき、五十嵐の膝に腰を挟まれ身動きが取れなくなる。 そして俺の胸を揉みながら、五十嵐は僅かに動いた。背後を振り返ってるのか、確認はできなかった。 「……解毒剤持ってきたやつについでに助けてもらったんだよ」 「なるほど。そういうことでしたか」 「飯はまだいらねえ。……誰かさんたちのせいでまだ本調子じゃねえみたいでな」 「このまま出りゃ襲うかもしれねえ」なんて、本気なのか冗談なのかも付かないいつもの高圧的な口調で続ける。 能義はそんな五十嵐に喉を鳴らして笑う。 「貴方にしてはなかなか面白い冗談ですね。……まあいいでしょう、私もその趣味はありませんので。では用意した食事は生徒会室に置いときますよ。私達は先に帰ります。好きなだけ頭冷やしておいてください」 自分の心臓の音で能義の言葉など頭にまるで入ってこなかった。 乳首の周辺、乳輪部分を指の腹でなぞられ、息を飲む。腰が熱い。胸も、触ってくれと言わんばかりに小さいなりに勃起した自分のものを見て恥ずかしさでどうにかなりそうだった。 こんな場所を能義に見られたら、それこそろくなことにならないだろう。 それでも心臓が痛くなるほどの緊張までもこのどうしようもない頭は快感へと受け取ってしまうようだ。 早く出ていってくれ、そう目をぎゅっと瞑って祈ったとき。 「ああそれと……尾張さん、見ませんでしたか?」 瞬間、思いっきり限界まで勃起した乳首を引っ掻かれ、口から心臓が出るかと思った。 咄嗟に口を手で覆う。滲む汗、緊張のあまりにバカになった心臓に、どうにかなりそうだった。 「――~~ッ!ふ……ぅ……ッ!!」 能義がいるのに、構わず弄ぶようにコリコリと指の腹で押し潰される乳首に喉が震えた。息までは押し殺せなくて、それでも必死に堪えようとすればするほど激しく凝られる胸の突起物に身体が仰け反り、汗が滲む。 「……見てねえな」 本当にこの男、なんてやつだ。 現在進行形で人の乳首を捏ね繰り回してるというのに涼しい顔して答えやがる。 「……そうですか。わかりました」 何事もなかったような静かな能義の声。俺はというと声を殺すことでいっぱいいっぱいだった。 「施錠頼みましたよ」とだけ言い残し、やがて扉が閉まる音が聞こえる。 ……帰った、のか? そう確認するよりも先に、両胸乳首を同時に引っ張られ、息を飲んだ。 「……しつけえ野郎だな」 「っ、い、がら……し……っ」 「残念だったな、見つからなくて」 「……っ、いっ、や…………っ!!」 クリクリクリと執拗に揉みしだかれ、目の前がじわじわと赤くなる。逃げようと捩る身体を無理やり抱き起こされ、更に執拗に捏ね繰り回されて腰がガクガクと震えた。気持ちいいってどころではない、瞼裏で火花が散るほどの快感に口から唾液が溢れ、前のめりになれば無理やり胸を逸らされ、更に指先で愛撫されるのだ。 「こんだけ興奮しといて何が『嫌だ』だ?」 「っ、ひ、ィ……く……ッ!」 「……お前に言われなくとも、こんな可愛いところ他のやつにそう簡単に見せるわけねえだろ」 可愛い。そんな単語に、じわりと下腹部が熱くなる。下着の中でぬめる感触がして、気持ち悪いはずなのにそれを気にする余裕もなかった。 顔が熱い、触れられてる箇所も、火傷したみたいだ。 可愛いなんて、男に対する褒め言葉ではない。 なのに、何も考えられなかった。首を動かし、五十嵐を尻目に見れば、やつと目があった。 「っ、い、がらし……っ、ん、ぅ……っ」 当たり前のように唇を重ねられ、舌を絡める。濡れた音が響く部屋の中。イジられ過ぎて真っ赤になったそこは痛いくらい腫れていて、指が掠めるだけで身体が、脳が反応してしまう。 乳首や胸ばかりを触られ、全く触られない下腹部がもぞもぞして、俺は五十嵐にバレないようにこっそり自分のものに触れようとする。 スラックスの下、一目でわかるくらい張り詰めたそこを指先が掠めようとしたとき、いきなり五十嵐に手首を掴まれ、静止される。 「い、がらし……っ」 触りたくても触ることを許されない、それどころかやつは自分のネクタイを解き、当たり前のように俺の手首を束ねて縛る。 え、と思ったときにはもう遅い。 しゅるりと音を立て締め付けられる手首にぎょっとすれば、そのまま下腹部から手を離すようにネクタイごと引っ張られる。 なんで、どうして。と混乱する頭の中、やつは縛られた俺の手の甲に唇を落とし、目を細めた。 「ようやく邪魔者もいなくなった。……時間もたっぷりある」 「急く必要もないだろ」と、その言葉の意味がわかった瞬間、血の気が引いた。カウパーでヌルヌルになってるはずの下着の中、その感触だけでも気持ちいいのとイキたいのがせめぎ合ってやばいのに射精管理までされたらと思うとぞっとしない。 「い、やだ……っも、……」 「もう?……なんだ?」 くすぐるように指の谷をなぞられる。 片方の指で腫れた突起の先端部を撫でられ、それだけで腰が揺れた。無意識に内股になってしまう。イキたい。イキたい。出したい。触ってほしい。 ――どこを? 「……っ、……」 「言わねえとわかんねえだろ」 細められる目に好色の色が滲んでる。 わかってるくせに、この男は。 本当に……性格が悪い。 「……っ、さわって……くれ」 「……どこを?」 「ッ、…………まえ」 「前?」 そう、五十嵐の指にきゅっと乳首を抓られ、頭が真っ白になった。ちがう、違うそこじゃない。そう言いたいのに、言葉が飛ぶ。 「……ちゃんと言えって言っただろ」 「っ、う、やめ、ッ、ひ、ぅぐ……ッ!」 「前触ってほしいんだったか。……ああ、イキたいんだったな?」 「ならイケるようにしてやるよ、『ここ』だけでも」ああ、こいつに頼んだのが間違いだった。わかってたはずだ。この男の悪趣味を。 「っ、ぁ、は、んん……ぅ、うぁ……っ」 針を刺すような痛みにも似た強い快感に腰は痙攣しっぱなしで、最早上も下も横も全部わけわからなくなっていた。 五十嵐にイジられ過ぎて真っ赤に腫れ上がったそこは触れただけで頭の奥で火花が弾け、全身は火がつくように熱くなる。 「も、や、め……やめろ……っ、たの、むから……っ」 「でもイッてないだろ?」 「イッた、イッてる、イッた、から……ッ!」 下着の中、先走りと混じってずっと何かが溢れる感覚はあった。けれどやつは確かめようともしないのだ。 ぐちゃぐちゃになった下着の中、それでも射精後特有の賢者タイムなど来ない。胸の中で燻るそれはもっと強い快感を欲しがろうとするのだ。 それを分かっててこの男は胸ばかりを重点的に愛撫する。ぷっくりと傍目に見てもわかるくらい勃起したそれが自分のものだと思うのも嫌だった。赤く色付き主張するそこを指先で擦られただけで軽く絶頂を迎える。赤く点滅する目の前、声を漏らすこともできなかった。 「っ、も……俺のことは、いいから……っ」 気持ちいい。気持ちいいだけに余計、心は乾いたスポンジのようにさらなる水を吸い込もうと求めるのだ。 恥も外聞も頭になかった。ただこの無限地獄から早く開放されたかった。腰を動かし、尻の下の膨らみの感触を自分のそこに擦り付ける。 布越しでも分かる硬くて質量のある膨らみの感触に思わず息を飲む。じっとりと滲む汗。 甘い匂いが充満した部屋。 「……頼むから、も、挿れてくれ……っ」 その部屋には理性など存在していなかった。 【next to continue...】
Comments
は、はじめくんがおねだりを・・・・・・ありがとうございます・・・
でゅら
2019-02-17 01:04:00 +0000 UTC