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田原摩耶
田原摩耶

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【総集編版】齋藤先生の受難な日々③※【↑100/16,000文字/年齢操作教師パロ/生徒志摩×教師齋藤/教師縁×齋藤】

元シリーズ一覧【齋藤先生の受難の日々】 https://t589423.fanbox.cc/tags/%E6%95%99%E5%B8%AB%E3%83%91%E3%83%AD  逃げてばかりではいけない。志摩と向き合おう。  本当なら二人きりになることを避けていたが、このままではお互いにいい結果にはならないはずだ。ここまで気が変わったのは縁の話を聞いたからかもしれない。  生徒だからという理由で志摩の気持ちを受け入れることから拒否していた。だからこんな真似をしたとしたら。  ……校則以前に相手も一人の人間だ。ちゃんと、話をしよう。  そう決心をした俺は学生寮の志摩の部屋を訪ねていた。  時間帯的には部屋に戻ってきていてもおかしくないが、朝から教室にすら来なかった志摩だ。  もしかしたら遊びに行ってる可能性だってある。  思いながらそっと扉を数回ノックしたときだ。しばらくして、扉が開き思わずドキリとする。 「あの、志摩……」 「なんの用?」  休んでいたのか、私服姿の志摩は不快感を隠さずに俺を出迎えた。いつもニコニコ笑顔を見慣れていた分怖かったけど、拳をぐっと握りしめて勇気を振り絞る。 「これからのことで、話があるんだけど……今時間大丈夫?」 「別にいいけど」  志摩の返事は早かった。  てっきり拒否されると思っていた俺は出鼻挫かれそうになるが、志摩も迎い入れてくれるならありがたい。 「それじゃあ、そこのラウンジで……」 「入りなよ」 「え」 「今なら俺しかいないし。……それとも何?俺と密室で二人きりになるのは嫌?」  そう扉を大きく開いた志摩は笑う。棘のある言葉に、思わず俺は固唾を飲む。  ……志摩は受け入れられることを望んでる。  本来なら生徒のプライベートに安易に立ち入ることは禁止されているが、ここで拒否したら志摩は今度こそ心を閉ざすだろう。……それに、一線を越えてるというのなら今更だ。 「……わかった」  そう小さく頷き返せば、志摩は僅かに目を細める。舐めるような視線を顔に感じたが、すぐにそれは離れた。 「そう、じゃあさっさと入りなよ。見られたら都合悪いんでしょ」  そうして俺は志摩の自室へと招き入れられる。  ルームメイトは出掛けているのだろうか、志摩以外に人の気配は感じない。なんて辺りを見渡してると、俺が部屋に入ったのを確認して志摩が扉に鍵を掛けた。  どうして鍵なんて掛ける必要があるのかと思ったが、今から自分たちがする会話の内容を考えると他人が入ってこない方がいいのも確かだ。  けれど……なんだろう、落ち着かない。  ベッドに腰を下ろす志摩。どこに座ればいいのかわからず、立ち往生しているところに「ここに座りなよ」と志摩は隣を叩く。  他人のベッドに座るのは流石に気が引ける。俺は「床でいいよ」とカーペットの上に正座した。志摩は不服そうだったが、すぐに話を切り替える。 「それで、話ってなに?俺がサボったせいでいろんな先生から怒られたの?」 「それも、だけど……その……」  何を話そうかは頭の中で何度もシミュレーションしていた。していたけど、いざ志摩を目の前にすると緊張で何を話せばいいのかわからなくなる。 「なに?」と静かに急かされ、俺は誤魔化すように咳払いをした。そして、ゆっくりと志摩に目を向ける。冷めた目と視線がぶつかった。 「……志摩は、その、俺のこと……好きなの?」  喉奥から絞り出した声は想像よりも消え入りそうなものになってしまう。けれど、志摩の耳にはしっかりと届いていたらしい。志摩の表情が僅かにしかめられる。 「……………………それ、聞いてどうすんの?俺のこと好きなら迷惑かけるんじゃないって言うつもり?」 「違う、その……志摩は、俺にどうしてほしいのか……ちゃんと聞いてなかったから……」 「聞いて、言うことでも聞くつもり?それで俺のご機嫌取りでもするの?」 「……っ、それは……」  痛いところを遠慮なく突き刺す志摩はナイフのようだった。  自嘲的な笑みが余計痛々しくて、それ以上に上手いことを言えない自分が情けなくて、どんな顔をすればいいのかわからなくなる。  口ごもる俺に、志摩は笑った。 「先生ってやっぱ全然わかってないね。……でもいいよ、それでも。  俺はそんな先生のこと嫌いじゃないから」  志摩の声は柔らかい。柔らかいのに、確かに毒を孕んでいた。  触れただけで熱くなる、致死量には至らないけどそれは確かに毒だ。  正座したまま動けなくなる俺。志摩は深く息を吐くようなため息を吐き、そして。 「しゃぶってよ」 「……………………は?」 「俺のを、先生の口で舐めるんだよ。フェラくらいわかるでしょ、大人なんだから」 「それが俺の先生にしてほしいこと」そう、変わらない笑顔で続ける志摩に全身がカッと熱くなる。  馬鹿にされているのだとわかった。  頭にくるというよりも、恥ずかしかった。忘れていたわけではないが、こんなことを言われるとは思っていなかったから余計。  思わず立ち上がって逃げようとすれば、腕を強く引っ張られてベッドに押し倒される。  大きく軋むスプリング。痛みはないが、上から肩を掴まれ、起き上がれなくなる。 「……っ、し、ま……!」 「そのつもりでわざわざ俺の部屋に来たんじゃないの?……いくら考えなしって言っても少しくらいは予想できたはずでしょ。それとも、本当に俺が何もしないって思ってたの?」 「だとしたら残念だよ、俺、先生に全く意識されてないんだって」軽薄な口調は真意を悟らせない。  陰る志摩の顔にはいつもと変わらない笑み。 「それで……どうする?自分の生徒に乱暴されましたって他の人でも呼ぶ?いいよ、好きにしなよ。俺の望みを聞きたいとか言ってさ、結局どうせ無理なんでしょ」  心臓が時限爆弾みたいに煩かった。指先が震える。けれど、同時に縁先生との会話を思い出した。  志摩は、自分のワガママを受け入れてくれる人を探している。  だとしたら、こうして俺を試すような物言いをする裏に志摩の本音が隠されているような気がしてならなかった。  天の邪鬼はわざと嫌われるような真似をする。  それを理解した瞬間、目の前の志摩が寂しがり屋の子供に見えた。愛情を欲しがるがあまり、反対の言葉を言ってわざと突き放して気をひこうとする大きな子供。  そう考えたらいても立ってもいられなくて、俺は志摩を抱き締めた。 「っ、な……」  なにしてるんだろう、と自分でも思った。  けれど志摩の気持ちを考えると居ても立ってもいられなかったのだ。腕の中、志摩の身体が強張る。流れ込んでくる熱も、心音も、俺よりも熱く早い。 「ちょっ、離し……」 「……志摩は、本当に……それでいいの……?」 「その、俺にしてほしいこと」と振り絞った声は緊張で震えた。俺は自分が馬鹿なことをしてると言う自覚はあった。けれど、今の志摩に必要なのは突き放すことよりも受け入れることだと思うと、たかがこれくらいと思ってしまうのだ。 「いいよ、ちゃんと俺をイカせてくれたら。まぁ、どうせ出来ないだろうけど」 「……っ、わかった」 「…………は?」 「口で……したらいいんだよね。わかった……やるよ」 「本気で言ってんの?」と、訝しげに顔を顰める志摩。  疑われても仕方ないと思う。志摩からしてみればどういう心変わりだと思うのだろう。  俺だってそう思うし、思ってたのと違うと発言を撤回してくれるのならそれが一番好ましい。  ……けれど、志摩はそのつもりはないらしい。 「その代わり、約束して。……授業にはちゃんと出るって、他の先生に迷惑かけないって」 「いいよ、約束する。その代わり、先生も約束してよ。……途中で逃げ出さないって」  虚勢を見抜かれたのかもしれない。釘を刺され、曖昧に笑って誤魔化すことしかできなかった。  今夜自ら望んで生徒と一線を越えることになるなんて、昨日の俺は考えてもいなかっただろう。春の陽気というのは恐ろしい。  ◆ ◆ ◆  全部勢いで済ませればよかった。  冷静になったら辛くなるとわかっていたけど、それでもベッドに腰を下ろした志摩を前にすると自分がとんでもないことをしようとしてると客観視してしまうのだ。 「ねえ、見すぎ」 「っ……ご、め……」 「まだ?……結構俺も辛いんだけど」  膝立ちになり、薄めで志摩の下着から性器を取り出すまではまだよかった。全然良くなかったが、それでもまだ冷静でいられた。けれど、既に芯を持ち始めてる他人のものを見てるとどうにかなりそうだった。それも、この状況で、俺に興奮してる相手で。 「全部自分でするから俺に余計な事をするなって言い出したの、先生でしょ?……これ以上時間掛かるんなら俺が動くよ」 「……っ、ま、待って……」 「あと三分ね」  優しいのか厳しいのか分からないけど、もたもたする俺を見る志摩の目は少し優しい。  時間をかければかけるほどあとが辛くなる。  わかっているはずだけど。  再び離した指でそっと持ち上げ、頭を擡げ始めていたそこに舌を触れさせた。瞬間、特有の味が広がり思わずえずきそうになり、慌てて息を止める。  鼻で呼吸しながら窄めた舌先でちろちろと飴玉を転がすみたいに舌を動かせば、志摩が僅かに反応したのがわかった。 「……っ、は……先生が俺のちんこ舐めてる……」  言わないでくれ。  顔が熱くなる。志摩の目にどんな風に自分が写っているのか、それを考えただけでぞっとする。  自分の生徒の性器をしゃぶる教師、全く笑えない。 「っ、ぅ……ん……っ」  どこがいいのかわからない。しゃぶったことなんてなければ、しゃぶられたこともないわけなので勿論技巧なんてあるはずもない。  それでも、裏筋やカリの凸部分に舌を這わせれば志摩の腰が揺れる。喉仏が上下するのを見て、更に執拗に狙った。  熱い。脈もどんどん早くなっていく。  手の中で先程よりも太くなったそれに全身の熱が熱くなる。自分の唾液で濡れた肉の色が余計生々しくて、頭の奥が熱くなる。口の中で粘着同士が擦れ合い、静まり返った室内に響く水音は粘り気が増していった。 「…………夢、みたい」 「……っ」  不意に、志摩の声が響く。  夢、だとしたら志摩はこんな真似をする俺を夢で見ていたのか。それとも、こんなことをするとは思ってなかったのか。  それ以上先は考えられなかった。口付けするように唇を押し付け、恐る恐る舌を這わせる。 「っ、ん……む……」  志摩の反応を伺いながら、AVの見様見真似で舌を動かす。  慣れて来たわけではない、この状況を楽しんでるつもりもないが、志摩の反応から学習していってるらしい。  段々自分で大胆なことをしていってると思う。けれど、その都度志摩が嬉しそうにするから、嫌がらないから、だから余計煽られるのかもしれない。  剥き出しになった亀頭を咥え、口の中の粘膜全体で包み込む。熱い。変な味がする。そんなことを思いながら、舌で包み込むように摩擦していけば余程よかったらしい、志摩は小さく息を漏らした。そして、目にかかった俺の前髪に触れる。 「っ、先生……」  手持ち無沙汰を誤魔化すように俺の耳に髪をかけ、志摩は呻くように俺を呼んだ。 「……そこ、やばい……」  そこ、と言われて裏スジにぬるりと舌を這わせたとき。 「っ、……ッちょ、……っと、……待って……!」 「……っ、ん、ぅ……っ」  志摩の腰が揺れる。待て、と言われても。  いいんじゃないのか、そう疑問に思いながら俺は舌先で優しく撫でる。激しくした方がいいのだろうか、わからないが、ただでさえ敏感なところだ。初心者も同然の俺が下手に扱わない方がいいに決まってる。  だからなるべく傷付かないように優しく舌で撫でる程度にトドメてるのだけれど、志摩には余計それが辛いらしい。 「……ッせんせ……」  いつもの涼しい顔した志摩はそこにいない。熱のこもった目に紅潮した頬、長い前髪の下滲む汗を拭うこともせず志摩は俺を見つめていた。  気付けばガチガチに勃起したそれは上を向いていて、先走りと唾液でぬるぬるになっている。限界まで張り詰め、引っ張られてるのを見ると苦しそうにすら思えた。 「……っ、ん、ぅ……ッ」  ……熱い。ビクビクしてる。もうすぐ射精するのだろうか。他人が射精するところが興味ないといえば嘘になる。しちゃいけないことをしているという背徳感と熱に頭も大分やられているのかもしれない。  張り詰めた志摩のを見てると、阿賀松との行為を思い出して下腹部が焼けるように熱くなる。  こんなの、おかしい。  咥えたまま更に舌でグリグリと刺激し、その先っぽを軽く音を立てて吸い上げたときだ。 「っく、ぅ……ッ!!」  志摩が呻いたときだった。いきなり、伸びてきた手に肩を掴まれ、体ごと引き離される。  咥えていたそれが唇から離れた瞬間だった。顔面に掛かる熱い液体に、思わず息を飲んだ。どろりとした液体が頬から落ちる。  顔射された。そう理解した瞬間辺りに広がる精液独特の匂いと熱に俺は硬直した。 「……っ、ぅ、……」 「ごめん、目に入ってない?」  志摩も掛ける気はなかったらしい。顎を掴まれ、指で拭われる。その手の熱さに身体がびくりと震えた。 「……だい、じょ……うぶ……」  恥ずかしくて、志摩の顔が見れなくて思わず目を反らしたときだった。無理矢理顔を志摩の方へと向かされる。  こんな顔見られたくないと背けようとするが、敵わなかった。唇を塞がれ、当たり前のように舌を挿入される。 「っ、ぅ、んん……っ待っ、し、ま……んむッ」 「先生……」 「っしま、口で、するだけって……」 「……それは、先生との約束でしょ」  先程フェラしていた唇なんてお構いなしに重ね、舐り、甘噛みする。熱を孕み蕩けきった志摩の目に見つめられると伝播するように何も考えられなくなる。  身体を抱き上げられ、強引に膝の上へと座らせられた。  尻の下に感じる志摩のものに冷や汗が滲んだが、志摩は構わず俺の腿を撫でるのだ。 「……これから先は、俺がしたいことだから」  話が違う、なんて言葉も出なかった。  志摩のを咥えていただけで勃起し掛けていたそこを指の腹でつぅっと撫でられれば、それだけで頭の奥がジンジンと痺れてくる。 「っ、や、め……っ」 「……俺の舐めてるだけで先生も気持ちよくなったんだ?」 「ここ、もう硬くなってるけど」そう、志摩は円を描くようにスラックスの下テント張ったそれをなぞった。  もどかしい感覚に、ぞぞぞと背筋が震える。 「ッ、やめ、て……志摩……」 「やめないよ。俺は最低だからね、先生の弱みになんていくらでもつけ込むよ」 「っ、ぁ、や……ッ」 「先生……いい匂い。甘くて優しくて、先生みたいな匂いがする」  後頭部、つむじに鼻を埋めるようにして鼻呼吸を繰り返す志摩にぎょっとする。自分がどんな匂いがするのか知らないが、俺の知らないことまで志摩に知られてるということが酷く恥ずかしくて。 「……っ、嗅がないで……」 「どうして?」 「ど、しても……」 「……本当、そういうところ恐ろしいよね、先生は」  答えになってない、となけなしの力で背後の志摩から離れようとするが、伸ばしかけた手は逆に手首ごと掴まれそのままぐっと引き寄せられる。そして、浮居ていた腰を落とさせるように強く身体を抱き締められる。  拍子に尻の下の異物も強く擦り付けられ、出したばかりだというのに既に勃起してるそこに慄いた。 「ねえ、わかる?俺、今心臓の音すごいよ。……だって先生が俺の部屋に来て、俺のちんこしゃぶってくれたんだよ。……逃げることだってできたのにさ、先生が自分の足で俺の部屋に入って先生が自分の手で俺の下着脱がせたんだからね」 「……っ、それ、は……」 「俺がどういう目で先生のこと見てるか知っててだよ。……これって、合意ってことだよね」 「……っ、ぅ、あ」  胸元へと伸ばされた指に丁寧にシャツボタンを外されていく。この手を払い除けなければ、そう思うのに身体は石のように動かない。時限爆弾を抱えたみたいに煩い心臓。眼前で動く志摩の指から視線が外せなくて、前のボタン全部外されたとき、当たり前のようにシャツの下の素肌に直接触れてくる指に身体が震える。 「……はぁ、やばい……全然勃起収まんない……先生が俺の部屋にいるってだけで嬉しくてどうにかなりそうだもん」  言いながら勃起したそれをぐりぐりと押し付けれられ、息を飲む。志摩、と止めようとするが、志摩は効かない。わかってるのだろう、俺が逃げられないと。  最初は輪郭をなぞっていただけの志摩の手の動きは次第に大胆さを増していく。胸を鷲掴みにされ、まるで乳房のように平らなそこを揉み扱かれれば恥ずかしさでどうにかなりそうだった。 「ぁ、待っ、し、ま……っ、そこは……っ」  細い指先に乳頭を引っ掻かれ、たまらず声が漏れる。  志摩はやめるどころか、「ここがいいの?」と優しく勃起し始めた先っぽを指で押し潰した。埋もれたそこはすぐにピンと先程よりも張り、主張を強くする先端部をコリコリと扱かれればそれだけで背筋が焼けるように熱くなって、無意識のうちに腰が引ける。 「いっ、や……」 「っ、先生……可愛い」 「……っ、やめ、て……言わないで……っ」 「やめないよ。俺のこと恨んでいいから」 「……っ」  ちゅ、と項に唇を落とし、志摩は笑う。  そんなことばかり言って。わかってるはずだろう、今ここにいるのは俺の意思だと。先程自分でも言っていたじゃないか。  だから。 「違う……っ悪いのは、俺だよ……」 「……先生?」 「志摩のこと、ちゃんと拒めなかった俺が悪いんだ……俺が、駄目な先生だから……」 「……ッ先生」  後頭部に手を回されたと思った瞬間、唇にしゃぶりつく志摩にぎょっとする。逃げる暇もなかった。噛み付くような激しいキスに酸素も唾液も全部吸われそうになる。 「っぐ!ふ、ぅ、ぐ……っ!」  息苦しい、なんてレベルではない。  きつく抱き締められ、びくともしない状態で口を塞がれ、頭が真っ白になっていく。頭に血が上りそうだ。麻痺しかけた思考の中、絡みついてくる志摩の舌を受け入れることに必死になっていた。 「っ、ぅ……んんっ……ふ……っ」  苦しい、苦しいけど、暖かい。頭の奥が痺れて、何も考えられない。ただ口の中を縦横無尽に舐め回す舌の感覚だけは確かで、溢れる唾液を拭うこともできぬまま俺は必死に呼吸を繰り返した。  最初は激しかったが、俺が抵抗しないのを確認すると志摩は落ち着いたらしい。それでも執拗に口の中を隈なく舐め回され、舌を性器かなにかのように丁寧に愛撫されるとそれだけで脳から汎ゆる分泌物が溢れ出すようだった。  志摩の唾液を飲まされ、されるがままにそれを飲み込んだとき、ようやく志摩は俺から唇を離した。  キスし過ぎて腫れてるのか、いつもよりも赤く濡れた志摩の唇が目に入った瞬間ぞくりと背筋が震える。 「……は、ァ……待……ぁ……ッ」 「無理、煽ったのは先生の方だからね。……そうだよ、本当教師失格だよ。そんな可愛い顔して、可愛いこと言って、人が我慢しようとしたのにさぁ……」  足を閉じることすら忘れていた俺は、股に伸びる志摩の手にハッとする。しかし足を閉じるよりも先に志摩の膝小僧が下から潜り込んできて、志摩の足を挟まれたせいでろくに足を閉じるどころか志摩の足に嫌でも自分のものを擦りつけてしまう形になる。 「なに?それ、擦り付けてるの?……本当、やらしいね」 「っ、ち、が」 「違わないでしょ」  空いていた志摩の手がベルトを緩める。  そのまま下着の中へずぼっと入ってくる志摩の手に直接性器を触られ、全身が凍り付いた。 「し、ま……ぁ……っ」 「下着の中すごいことになってるし……そんなに待ち遠しかった?」 「っ、そ、んなことっ、……」  ない、と言い終わるよりも先に性器の更に奥、肛門に触れる志摩の指に息を飲んだ。 「っ……待っ、志摩、駄目……そこは……っ」  濡れた音ともに執拗に指で捏ねられ、思わず腰を浮かせたとき、ずるりと下着ごと引き抜かれる。  自分の勃起したブツが現れ、慌ててシャツの裾で隠そうとするが志摩に手首を掴まれ止められた。 「し、しま……っ」 「……できる限り、優しくする努力はするよ」  できる限りね、と笑う志摩に、俺は直感でこの笑顔は嘘をついているときの顔だと感じた。  ◆ ◆ ◆  元々体力があるわけでも人並み以上にタフなわけでもなかった。  どちらかというとすぐにへばるし、そんな学生時代に比べて明らかに体力は落ちていた。  日頃の運動不足と昨日のあれやこれのせいもあって見事全身への負荷が最悪な感じで伸し掛かってきた俺の身体は最早満身創痍だった。 「……っ、つぅ……」 「あまり動かない方がいいと思うよ。なにが欲しいの?俺、用意するよ」  そして、現況である教え子はそんなことを言いながらベッドの上から動けない俺の頭を撫でてくれるのだ。  スキなだけして毒気も抜かれたのだろう、俺に対する言葉も態度も優しく、朝の反応が嘘のようだった。  ……しかしここまでくると、まるで付き合いたての恋人同士みたいな薄寒さすら感じる。もぞがゆくて俺は志摩の手から逃れるように身体を起こした。 「…………そろそろ帰らないと、明日に間に合わない」 「ここに泊まっていけばいいじゃん。どうせ同室のやつは今日は帰ってこないよ」 「そんなの……」 「ね、いいでしょ。少しだけ休んで、皆が起き出す前に帰ったらいいじゃん」 「……」  甘えるように隣に掛けてきた志摩に囁きかけられる。ドサクサに紛れて頬にキスされ、そのままちゅ、ちゅと耳から首筋へとキスされそうになって、慌てて止めた。  このままではまた変な空気になりそうだったからだ、これ以上は本当に身体が死ぬ。 「……先生」 「このままじゃ動けないから、お言葉に甘えさせてもらうよ」 「うん、いいよ。好きなだけいたらいいよ」 「あの……志摩、約束のことは覚えてるよね」  あまりにも豹変した志摩の態度が不安で、思い切って話を切り出したとき、先程まで優しかったその目の色が変わる。 「覚えてるよ。ちゃんと授業には出るし他の先生たちには迷惑かけないようにするよ」 「……うん」 「そのためにわざわざ慣れないこともしたんでしょ?先生は」 「………………」  その声は皮肉というよりも、どこか寂しそうで。なんとなく俺は志摩の方を見てしまう。俺からそっぽ向いたまま、志摩はテレビをつける。  バラエティ番組の笑い声がやけに虚しく響いた。 「志摩、その……」 「約束は守るよ。……心配しないで」  考え過ぎなのか、都合のいい脳みそなのか。おそらくそのどっちもだろう。  ……こんなにもこの子がほっとけないのは何故だろうか。いつもニコニコしてると思ったら急に不機嫌になって、そしてワガママを言ってきたと思えば優しくなる。  志摩が突き放す言葉のその裏側の本音を俺はもうすでに知っているはずだ。  志摩の言葉は宛にならない。だから、俺は。 「…………っ」  いつもよりも丸まった背中にそっと手を伸ばす。細身に見えて筋肉がついたその背中に頬を擦り寄せれば、行為中感じたその熱を直に感じることができた。あのときほどの火傷しそうなほどの熱はないが、それでも。 「……っ、学校じゃないところで……誰もいないときだったら……いいよ、こういうことして」 「先生……っ」 「……その代わり――……」  先生失格の淫行教師。  自分がなりたくなかったものに自分が堕ちていることに気付いたときには既に泥沼の中だった。 「おはよう、先生」 「……志摩」 「今日もギリギリに起きたでしょ?寝癖、ついてるよ」 「えっ?本当?」  教え子に指摘され、慌てて頭を押さえれば志摩はクスクスと笑う。 「嘘だよ」 「な……っ」 「でも頬に枕の痕残ってるのは本当」 「えっ!」 「そんなにギリギリに起きるんだったら毎朝俺が起こしに行ってあげようか。モーニングコールでもいいけど」 「そんなことしなくても大丈夫だよ。……それに」  今日の寝坊は昨日の志摩のせいだろ、と言い掛けて言葉を飲み込んだ。志摩がニコニコしてるからだ。分かっててからかってるのだろう。 「それよりも、志摩も早く行きなよ。……いくら寝坊しなかったとしても、遅刻したら遅刻だからね」 「そうだね。遅刻したら誰かさんが泣きついてくるからな」 「し、志摩……っ」 「それじゃ、先生も遅れないようにね」  立ち去り際にぽん、と頭を撫でられる。そのままニコニコしながら志摩は教室へと向かった。  まるで何事もなかったかのような以前と変わらない志摩にホッとする。  本当は何もかもあの頃とは違う。それでも、学校では前と同じように接してほしいと頼んだのは俺だ。いくら酷いことを言われようが、それでもやっぱり志摩のことを心の底から憎めなかった。  折衷案、と呼ぶにはあまりにも杜撰で不純だが、それでも俺が考えた結果だった。  昼間は以前のように生徒と教師として接する。夜は志摩の好きなようにさせる。  他の教師が聞いたら軽蔑されるだろう。それでも、それが俺たちが考えた結果だった。  ……今日も一日が始まる。  悩みの種は一先ず取り除けたが問題の花になった気がしてならない。  そんなことを思いながら俺は一旦職員室に寄り、それから教室へと向かうことにする。  また変わりない平穏な日々が……始まってほしいな。  ◆ ◆ ◆  小春日和。眠たくなるような陽気の中、早いものでこの学園にきてから一月が経とうとしていた。  勿論平穏とは言い難い日々だったが、今のところ志摩と和解してからまあ大きな悩みは早々なかった。  ……言い方を変えれば、志摩との関係そのものが悩みの種ではあるがこれに関しては墓まで持っていけばなんとかなるだろうという気持ちでいた。   要するに油断しきっていたのだ、俺は。 「おはよう、齋藤君」 「よ、芳川先生……!おはようございます」 「ああ。……うん、顔色も悪くない。ここ最近は調子良さそうだな」 「そ、そうですか……?」  学園、職員室内。  俺の席までやってきた芳川先生に、褒められて嬉しいという気持ちよりもよほど以前の俺は酷い顔をしていたのか、という恥ずかしさに俯いた。  表向き志摩がおとなしくなったので余計なことに悩む暇がなくなったのも事実だ。それが効いてるのかもしれない。  それから他愛ない世間話をしていると、不意に扉が開く。何気なくそちらを振り返れば珍しい人がそこにいた。 「おはよー齋藤君!……と、芳川先生」 「あ、縁先生……おはようございます」 「……おはようございます」  縁先生だ。  普段いつもぎりぎりか、下手すれば職員室に顔出さずに音楽室に籠もってる縁先生がこうして朝から職員室にやってくるのは珍しい。  現れた縁先生に僅かに芳川先生の声がワントーン落ちたのは気のせいではないはずだ。  そんな芳川先生に気にすることなく、俺の席までやってくる。当たり前のように隣の席の椅子を引っ張り、座る縁先生。 「あはは、相変わらず小難しそうな顔してるね。どうしたの?齋藤君もしかして芳川先生に怒られてたの?」 「この顔は元々なので。……それよりも珍しいですね、貴方がこの時間から職員室に顔を出すなんて。今日は午前は授業入っていないはずでは?」 「今日はちょっと用事あってね。齋藤君に会いに来たんだ」 「え」と、思わず声が漏れる。  狼狽える俺に、縁先生は「この前のことで、少しね」とこちらを見て微笑んだ。  この前というと、例の用務員さんのことか。それとも志摩のことか。どちらにせよ縁先生に相談していたことを思い出し、少し緊張する。  だってあの時のような二人きりの場所ではない、それに隣にいるのは芳川先生だ。 「……この前だと?」  わざとなのか、含みのある言い方をする縁先生に芳川先生の声が更に低くなる。まだ人気の少ない職員室内の空気が冷えていくのが肌でわかった。  ただ一人、縁先生だけはそんな空気を気にする様子もない。 「ま、そういうわけだからちょっと齋藤君借りるね」 「え、あの……」 「それとも、ここでもいいの?君は」  細められる目。意地の悪い笑みを浮かべる縁に、心当たりがあった俺は慌てて首を横に振った。 「す、すみません……芳川先生失礼します……っ」 「齋藤君」  芳川先生が何かを言いかけようとしていたが、それも縁先生に肩を抱かれて無理矢理職員室奥へと連れて行かれる。  自分で言ったものの、やはりこのボディータッチには慣れることがないだろう。  職員室の奥につながった喫煙所。  そこを利用する者は今いない。完全な個室の中、俺と縁先生は備え付けの簡易椅子に並んで座っていた。 「あの、用務員さんのことですよね?あの場で話せないってことは何かまずいことでも……」 「ああ、別にそういうわけじゃないよ。ただ芳川先生虐めたくなっちゃって」 「えっ?」 「芳川先生ってああなのに君にはなーんか優しいよね。俺なんか目が合う度に小言言われちゃうよ?」 「そ、そうですかね……?」  優しい優しくない以前にそれは縁先生の素行の問題ではないのだろうか。  でも確かに真面目な芳川先生と不真面目を体現化したような縁先生は相性がよくなさそうだ。  それにしても、外からどれほど声が漏れるのかわからない場所だ。二人きりとはいえ、緊張しない方が難しい話だ。 「それで、その……」 「ああ、そうだ。君が前に言ってた用務員の話のことで少し耳に入れておきたいことがあってね」 「っ、何かをわかったんですか?」 「うん、色々と。 ……はじめに言っておくけど、やっぱりこの学園は今正規の用務員は居ないはずみたいだね」 「……ッ!!」  縁先生の言葉に思わず息を飲む。  半信半疑ではあったが、縁の言葉によりそのことが更に現実味を増していく。  だとすれば、俺が見たあの人は。 「や、やっぱり不審者……」 「……んー、なんというか、結構ワケアリっぽいんだよねえ」  ぽつりと呟く縁先生。  どういう意味かと見上げれば、何事もなかったかのように縁先生はいつもと変わらない人懐っこい笑顔を浮かべた。 「ま、あの用務員のことは忘れることを勧めるよ」 「わ、忘れるって……」 「だからそのままだよ。不審者ってわけじゃないからまあ安心していいと思うよ」  不審者じゃなければなんだって言うんだ。  聞きたかったが、縁先生からそれ以上聞くなという空気を感じてしまったため俺は口を閉ざす他なかった。 「……わかり、ました……」 「うん、いい子」  よしよし、と子供みたいに頭を撫でられ、ぎょっとする。 「せ、先生……」 「ごめんごめん、君があまりにも可愛いから。つい」 「あの、俺……失礼します」 「あ、また怒らせちゃった?……本当、齋藤君は可愛いって言われるの苦手なんだね」  この人の場合は俺のことをからかってるっていうのが分かるから余計苦手意識を持ってしまうのも事実だ。  まるで女の人を口説くみたいな調子で口にするのだからこちらも調子狂わされてしまうのだ。 「苦手というか……先生が特殊というか……」 「そう?よく言われない?」 「……あの、そういうこと言う相手間違ってますよ」  逃げないと、と本能が告げる。  ジリジリと追い詰められるような錯覚を覚え、俺は咄嗟に腰を浮かせる。それじゃあ、俺はそろそろ失礼します。とかそんなことを言いながら喫煙所から出ようと背を向けたとき。 「間違えてないよ」  開こうとした扉を伸びてきた手に閉じられる。  行く手を阻まれ、立ち往生する俺の背後。項を撫でられ、ぞくりと背筋が凍りついた。 「亮太とはうまく行ってるみたいだね」 「ここ、痕残ってるよ」と、円を描くように動く指先。耳元で囁かれるその言葉を理解したとき、血の気が引いた。  慌てて項を押さえ、縁先生から離れようとしたとき。「おっと」と軽い調子で体を抱きとめられた。そして、青褪める俺を見て縁先生は笑う。 「ああ、嘘のつもりだったんだけど……心当たりあるんだ?こんなところに痕が残る心当たり」 「先生……っ」 「君は本当に可愛いね。単純で、騙されやすくて、流されやすくて……本当に俺の……」  細めた目、舐めるような視線、ジリ、と焼け付くような熱。縁先生が何かを言いかけたその瞬間だった。  喫煙所の扉が開く。  そして。 「きゃッ」  喫煙所前。タバコケースを手にした連理さんは、俺と縁先生の体制を見て悲鳴をあげる。それも一瞬、縁先生だと気づいたや否や連理さんの表情がみるみるうちに般若になっていく。 「な、ななな……っ!喫煙所で何してんのよアンタ……!!」 「……やば、面倒なのに見つかっちゃったなー」 「佑ちゃんから離れなさいよこのケダモノッ!アンタまた見境なく新任の子に手を出して……!!」 「そりゃ人聞きが悪いでしょ、貴音ちゃん」 「アンタが下の名前で呼ばないで!!ほら、佑ちゃんおいで!ああ……っ怖かったでしょ……!もう大丈夫だからね……!」  た、助かった……のか?  強引に縁先生から引き離されたかと思えば連理さんの見た目よりも逞しい腕に抱き締められる。  それからわしわしと頭を撫でられ、もみくちゃになってる俺を見て縁先生はやれやれと言わんばかりに肩を竦めた。 「あーあ、せっかくいいところだったのに。ま、いいや……じゃ、続きはまた今度ね。齋藤君」 「次なんてあるわけないでしょ!今度こそ理事長に怒られなさいよ!!」  吠える連理さんに怯むこともなく、ひらひらと手を振りながら縁先生は喫煙所を出ていった。  その後ろ姿が見えなくなったのを確認して、連理さんはようやく俺を分厚い胸板から離した。 「佑ちゃん大丈夫?何もされなかった?」 「だ、大丈夫です……」 「ふう……本当あの男ったら節操ってもんがないのかしら……!いくらコネがあるったってどうなってんのよあの男の下半身の緩さは!」  そんなつもりはないのだろうが、連理さんの言葉はグサグサと俺に突き刺さる。  縁先生程ではないが、ここ一週間で凡そ普通ではないであろう性生活を送るようになってしまった俺はぐうの音も出なかった。  ◆ ◆ ◆ 「なんだ、元気がないと思えばそんなことで凹んでたんだ?」 「そんなことって……」 「方人さんはさぁ……比べちゃ駄目だって。あの人は病気みたいなもんだから。ガマンできない病気」 「まあ、それを言ったら俺も似たようなものかもしれないね」そう笑いながら俺の首筋にキスを落としてくる志摩に、何も言い返せなかった。  教室では志摩は以前程執拗に俺に絡んでくることはなかった。その代わりに決まった日の放課後、志摩と一緒に過ごすことを約束付けられた。志摩の部屋に行くこともあれば適当な空き教室を使うこともあった。誰にも邪魔されない場所で、志摩の好きなようにさせていた。  勿論それは倫理的にも法的にも良くないことだと重々承知していたが、こうすることで志摩の気が済むならそれでいいと一度許してしまったあの夜から箍が外れてしまったのだ。 「……ていうか、先生さぁ、あの人に何もされてないよね?」 「っ、ん……え?」 「俺、知ってるんだけど……あの人が手を出すような生徒って皆先生みたいなタイプなんだよ。気が弱そうで、一人じゃ何もできなそうなタイプ。……だからすごい心配なんだけど」  さらっと失礼なことを言われてる気がしたが、服の中を這う手のひらに胸を揉まれれば怒りもどっかにいってしまう。……確かに縁先生はしつこいけど、連理さんも皆に対してああなのだみたいなことを言っていたし別に特別というわけではないのだろう。  いつも冗談言ってるみたいな先生だ、真に受けていたら身が保たない。 「そんなこと、ないって……」 「本当に?先生が気付いてないだけじゃないの?」 「っ、ほんと、だから……も、そこばっかり……っ」  やめてくれ、と首を横に振る俺に、志摩は手を離すどころか指の腹で乳首の周辺をなぞってくる。違和感、というよりも、甘い電流に近い。 「嫌?」と、甘えるような優しい声とは裏腹に指の動きは執拗で、前かがみになり、逃れようとする俺の上半身を無理矢理仰け反らせる。 「っ、し、ま」 「おかしいな。……こんなに頑張って勃ってるのに」 「ぅ、や」 「……前よりもここ感じるようになったね、先生。……ねえどんな感じ?」  いくら二人きりとはいえ、恥らいがなくなるわけではない。好奇心に溢れていると言えば耳障りよく聞こえるかもしれないが、高校生のくせに、俺が高校生の頃はこんなこと言ったこともしたこともなかったぞと言いたくなるようなことばかりしてくるのだ。 「ねえ、先生」と、強請るようにぎゅっと両胸の突起を引っ張られた瞬間、腰が大きく震える。ぴんと伸びた背筋から下腹部に掛けてじわりと熱が広がり、喉奥から声が漏れそうになった。 「……へ、んな……かんじ……むずむずして、痒くて……っへん……」  「先生、国語の先生なのに言ってること小学生の感想文より酷いよ。俺とセックスばっかりしてるから頭バカになっちゃったのかな?」 「っ、ひ、ぅんん……ッ!」  先端を大きく弾かれ、乳輪ごと指先で潰される。先程のら触れるか触れないかのもどかしい愛撫ではない、皮膚ごと取っ払って心臓まで刳ってくるような荒々しい手に来た、と腹の奥から熱いものが込み上げてくるのを感じた。  バカバカしくて救いようがない話をしよう。  阿賀松に抱かれ、志摩の前に跪いて奉仕したあのときを切っ掛けに俺の体はどうしようもなく浅ましいものへとなっていた。  志摩の寂しさを満たすという建前の性行為に耽る度に一つ一つ箍が外れていく。  そして今では何個の箍が外れたのか知らない。  けれど、こうして志摩に乱暴に触れられ、時には優しく追い込まれて執拗に責め立てられることに快楽を覚えてる自分がいた。  間違いなくあの男のせいだ。  ――阿賀松伊織。志摩の腕に抱かれながら俺は悍ましいほどの赤と熱を思い出していた。  あの男とはあの最悪の初体験以来顔を合わせていない。  忙しいのか知らないが、顔を見なくて済むならそれがいいと分かってても志摩に抱かれる都度思い出すのがどうしようもなく嫌だった。 最終話→https://t589423.fanbox.cc/posts/270530

【総集編版】齋藤先生の受難な日々③※【↑100/16,000文字/年齢操作教師パロ/生徒志摩×教師齋藤/教師縁×齋藤】

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