コミッションイラストを描いていきます。
進捗日記141、143、146~148でも過程について話しています。
使用アプリ:procreate・調整や色調加工にReLens、snow・資料整理にVizref
作業環境:iPad Pro(第二世代) 12.9inch 512GB・Apple Pencil
作業時間:80時間(かかったな……)
📚ラフ📚
キャラクターと時間帯が日中である事以外は指定がなかったため、何案かこちらから提出させていただきました。
回転式書見台や、リーディングスタンド付きの椅子はいつか描いてみたいな。パースの事を考えると気が重いけど……
こういう作業机っぽい絵は背景を描き始めた当初にはたくさん描いていた。
置くモチーフを考えやすくて楽なので室内背景初心者には割とおすすめな題材かも。
楽器の演奏も得意な魔法使いの少女、という事で、一人でアンサンブルをするようなシチュエーションも考案。
ただこのシチュエーションついては構図がまとまらなかったので、メモラフ程度で一度提出。
結局採用になったのは作業机の案でした。
🫖下書き🫖
衣装案。私は手癖で右のような白ワンピを描きがち。背景をあまり明るく描かないので、人に白い服を着せるとそれだけで目立つから明暗設計が楽でつい。
ただ、魔女という属性を考えると左のような服も似合うだろうな…と迷ったのでクライアントさんへ共有。
仮のパースをとり、配置するモチーフも大まかに決める。俯瞰での見え方が分かりにくい……。
ので、3Dで軽く配置し直してみる。簡単な光の設計もここで済ませておく。
物が多い絵は下書きの時点で明暗設計をするが吉、と1:1表紙絵で学んだので、今回もなんとなく設定しておく。
時間帯の指定であった昼下がり感は、床に窓枠の影を落とすことで演出。落ち影は簡単に雰囲気を作れて楽だなぁ。
🔍線画🔍
何も考えずに線を引きたいので、形が複雑なモチーフはきちんと整形しておきます。
ヴァイオリンの作画はミニチュアをアタリに使っている。こうしてラフ画面にミニチュアをかざして、合うような角度で写真を撮るアナログなやり方。
ただミニチュアは弦楽器のお腹の部分の美しい膨らみを再現していないので、良い加減ヴィオラを手元に置こうか迷っている……でも買ったら昔いたオーケストラのOBオケに巻き込まれそうで若干面倒で……高いし……(迷)
こちらが何も考えずに引いた線。いつも通りスタジオペンです。
私の曾祖母は信心深く、毎日般若心経を写経をしていたそうだけど気持ちわかる。心を無にして引く線は気持ちが良い。
レイヤーはオレンジ、黄色、白の部分の3枚構成です。
🕯️下塗り🕯️
全体を暖色よりのグレーで塗りつぶした後、人物の固有色を置きます。
主役の明暗を先に決めておけば背景全体の光を想像しやすくなるというのもあるし、背景の配色に特に指定がない場合はキャラクターに響く色を置きたいという意図もある。
今回は発光レイヤーを使って明暗を決めました。
最近は若干コントラストの弱い背景から明暗コントラストの強い人物が浮き出すような絵が流行ってるよな〜と思ったけど、キアロスクーロ(明暗法、カラバッジョとかに顕著)の時代からそうだったな……やはり主役のコントラストを上げると絵作り簡単だもんね。
とりあえず全体に色を置く、置くだけ置いてRelenzを通した状態……どうするんだこれ……と途方に暮れつつ細かい所を配色していきます。
私はこの工程が多分得意なのだろう、半日あれば意外とどうにでもなる。
彼女の紫の瞳に響く色を使いました。全体の色味をあまり赤に近づけすぎたくなかったのだけど、でもちょっと黄色に寄りすぎたかな。
relenzを通して色味をイメージに近づけた。
relenzを使いこなせるようになると、塗ってる最中に気になる些細な事は「まああとでrelenzがなんとかしてくれるだろう」とおおらかな気持ちで作業できる。
🧪塗り🧪
机の上について、明暗設計と最初に作った3Dを見比べると3Dの方が見栄えがするかな……と思い直したので発光レイヤーとソフトライトでライティングし直します。
あまり人物の近くに明るい白を置きたくはなかったのだけど、塗り進めていくうちに机の上の描き込みが全て影になるのは勿体無い気がしてきて……
塗りについてはそんなに言うことがないんだよな……
なくはないんだけど細かすぎて言うまでもないか……となるので、代わりに作業中を等速録画したものを置いておきます。
これは人物を塗ってるところかな?
確かティーセットを塗っているところ。
薬棚の上のガラス製品を塗っているところ。
全体に手を入れた状態。これはこれで絵画っぽい印象があるけど、イラストとしてはちょっと薄暗いね。
🎻仕上げ🎻
加工過程。今回はそこまで大きくは動かしていないかな。
最近塗りまでの段階でそこそこ見栄えがする絵作りが出来るようになってきて、加工に使う体力が節約できている。
『ちょっとひとやすみ』
完成。今回画質が高いので、拡大し甲斐のある絵になりました。ぜひ大きめの画面で見てほしいな。ごちゃごちゃしている中に秩序のある自分の良さがよく出ている私らしい絵になった気がする。
過程GIF。
点数にすると何点だろう……75点くらいかな。作業量は多いけど、描きなれてるものが多かったから順当に完成した感じがある。
家具の話。こうした取手のついた蝋燭たてはブジョワールと呼ばれます。燭台の形をしている照明は、枝が一本であればフランボー、複数あればカンデラブル、そこにドロップの飾りがあればジランドール、天井から吊り下がっていたらシャンデリアとなる。
私が好んで描くのはカンデラブルだね。でもブジョワールの質素な感じも好きなので今回描けて良かった!
ブジョワールだけだと夜間の照明には足りないかな、と思って最近大好きなブイヨットランプも配置した。白いブイヨットランプって生で見たことはない、ちょっと珍しいかも。
こういう黒いかさのものが一般的。
ブイヨットランプの良いところは、ろうそくを光源としていた時代から電化が進んだ時代まで長く対応している家具なので、他人の世界観の技術の進歩具合を知らなくてもそこそこ対応してくれるところだ。
ブロッター……日本語でインク押さえと呼ばれている事もあるような。余分なインクが擦れないように、押さえて固定する文房具。なんかサイズ感が便利でよく描く。
火格子、というのだろうか。fire grateやfire basketでヒットするこれ。こうしたバスケット型の火格子は石炭を使った暖炉に置くもので、左右の柱に昔薪乗せ台だった頃の名残りを残している……みたいな説明が「暖房の文化史」にはあったはずなのだけど、写真を見る限りこの形の火格子にも普通に薪を焚べられている。アンティークの火格子には背壁にレリーフを施したものも多く、そんな棚の上で薪が燃えているのを見るのはすごく楽しかっただろうな。
ちなみに構図の関係で暖炉はかなりミニサイズになっている。こんなの実在するんかな……私がしばしばリアリティより見栄えを優先すると言っているのはこういった点。
ガラスと金属の組み合わせってなんて美しいのだろう……最近はそこに少し植物を置きたい気持ちがある、この絵のコデマリやマーガレットは癒し要素。白いお花で揃えました。
表仕事ではしばらく漫画や背景が続くので、次のメイキングはまた先になるかもしれない。秋ごろなんか出せたらいいな。
それではまた明日日記にて!
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