※Skeb依頼品 ――どうしてこんなことになっているのだろう。 熱くなった身体、早鐘を打つ心臓、酩酊したようにぐにゃぐにゃの思考で、蒼崎青子は自分の現状を再確認した。 浅黒い肌の男性が、清潔な白のシーツが敷かれたベッドの上で、胡座をかくようにして座る。そして、その脚の上に下着姿で跨り、背を預けている自分自身。 「……んっ……ぅ……」 熱に浮かされたように、ぼんやりと霞のかかった頭で青子は思い出す。 いったいどうしてこんな状況に陥ったのか、と――。 そう――きっかけは草十郎だ。 静希草十郎。青子の秘密を知ったことにより、一時は命を奪おうとしたり、記憶を消そうとしたりもしたのだが、――紆余曲折を経て、今では同居人として青子と共に暮すことになってしまった変わり者の男子高校生だ。 その草十郎が、美容エステサロンなるものの割引券を持って帰ってきたのは1週間ほど前のことだ。 バイト先でお客さんから貰ったとのことだが、草十郎のような元野生児がエステなどというものに興味を示すはずはなく、青子か、もう一人の同居人である有珠のどちらかに譲ると言ってきたのだ。 まぁ、そもそも券を渡した相手も草十郎が利用するとは思っていないのかもしれない。体裁の良いビラ撒きに使われていると見るべきか。 かくしてエステサロンの割引券などというものが青子と有珠、二人の乙女の手に渡ったわけだが……当然というか、予想通りというか、有珠もまたこのようなものには興味はないようだった。 元々がビスクドールと勘違いしてしまいそうな程整った容姿を持つお嬢様だ。これ以上美容など気にする必要もないのかもしれない。 まぁ――それは青子も同じ……と、言いたいところではあるが、年頃の乙女として、少しはそういったことが気になる部分もあるのだった。 とはいえそれを馬鹿正直に「いいじゃない、エステ。前から興味あったのよ。よーし、美しい私がますます美しくなってきちゃうぞー!」などと喜んで受け取るというのも俗っぽすぎる。 結局青子はその割引券を1週間寝かせ、他の二人が忘れた頃にこっそりと使ってみることにしたのだった。 そうして、一人美容エステサロンに赴いた青子。 (50%オフの割引券なんて配ってるとこだし、もしかして寂れてるショボい店だったりするのかな。そうだったらちょっと覗くだけで利用せずに帰ろ) などと考えながら訪れたエステサロンは、しかし思いの外内装は整っていた。 小さな目の店内に他の客は見受けられないが、あまり他人と顔を合わせたくもないので好都合でもある。 受付の店員は若く綺麗な女性で、そういった部分も安心感があった。 青子は受付を済ませ、カウンセリングシートに名前と身長や体重、健康状態や睡眠時間などなどを書き終わると、そのまま奥のマッサージルームへと案内された。 小さな個室だ。カーテンで仕切られていて、そこを開けるとエステ用のベッドが用意されている。 「では、下着を脱いでこちらのカゴに入れてお待ち下さい。上着は着たままで結構ですので」 案内をした女性スタッフにそう言われ、青子は「え?」と聞き返した。 「あの……下着を脱ぐんですか?」 「はい。着たままだと少し邪魔になりますので」 「……はぁ」 女性スタッフの指示に従いつつ、青子は気のない返事をする。 確かにマッサージなどを行うとなれば、衣服は脱ぐことになるのかもしれないが、上着は着ていていいのだろうか? サロンから提供される簡易的な下着を着用するということも無さそうだが、下着だけ脱ぐというのは、なんとなく違和感がある。 まぁ、素肌を見られたくない女性のことを気遣っているのかもしれない。青子は言われた通りブラジャーとショーツを脱いでからセーターとジーンズを着直し、ややそわそわとしながらベッドに腰掛けて待った。 そうしてしばらく経ってから、ベッドを仕切るカーテンが開けられる。 「こんにちはー。蒼崎青子さんスね。本日は当店をご利用いただきありがとうございます」 そう言って挨拶をしてきたのは、先程までの女性スタッフとは別の、若い男性スタッフだった。 「え……? あ……」 マッサージを行うのは女性だと自然に考えていたので、青子は思わず固まってしまう。だが、相手が男性だからやっぱり止めますなんてことは言えなかった。 「当店のご利用は初めてみたいですけど、コースは全身マッサージコースでいいですか?」 「あ、はい」 男性の問いに、青子はこくんと顎を倒す。 店の案内ではフェイシャルエステコースや、アロマリラックスコースなどというのもあるようだったが、割引券が適用されるのはこのコースしか無かったのだ。 男性に全身マッサージされるというのが気にならないと言えば嘘になるが、相手もプロだ。女性相手も慣れているだろうし、意識する必要はないはず。 そう思い直し、青子は黙って施術を受けることにした。 「分かりました。そんじゃ、うつ伏せでベッドに横になって下さい」 青子は言われた通りに胸を下にしてベッドに寝転ぶ。 大きめの枕に腕を乗せ、その上に頭を置く。 (うー……やっぱちょっと恥ずかしいわね) 恐らく相手が女性でも少しは気にしてしまうのだろうが、相手が見知らぬ男性だとやはり緊張してしまう。 かといって相手が見知った男性――例えば草十郎だったとしても、別の意味で緊張してしまうのだが。 そんな風に考えている間に、青子の背中に男性の指が触れる。 服の上からだが、無骨な男性の指が背筋に沈んでいく感覚に、青子は「んっ……」と喉を鳴らした。 「声だしていいですからね~」 男性の気遣いの言葉が逆に気恥ずかしい。 が、それも次第に慣れていき。 (あ……思ってたより気持ちいいかも) 他人に体を触られるというのは慣れていないが、マッサージそのものには心地好さがある。 どちらかというとエステティシャンというより整体師といった風の少々軽薄そうな男性だが、施術の腕は確かなようだ。 「結構凝ってるッスね~」 「そ、そうですか?」 日々の勉学、修練、それに自身ではあまり意識していないが、平均を大きく上回るサイズの胸によって凝り固まった上半身の筋肉がほぐされていく。 背中や首、肩甲骨から腕へと丹念にマッサージされ、筋肉と共に緊張感も緩んでいった。 気持ちいい上に美容にも効果があるとは、たまにはエステというのも悪くない。 まあ、下着を脱いでいるので、胸の先端などが微妙に服と擦れるのが少し気になってしまうが……。 そうして暫くの間――時間にすると1時間ほどマッサージを堪能した青子は、すっきりとした表情で立ち上がった。 「う、うぅ~~ん……っ」 腕を上げて伸びをしてみると、明らかに身体が軽くなっている。 マッサージの効果を実感し、青子は満足げに顔を綻ばせる。 が、そういえば下着を脱いでいたことを思い出し、慌てて腕を下げる。腕を上げた反動で胸がぶるんと揺れたのを、男性スタッフに見られたかも知れない。 「あーその、ありがとうございます。すごく良かったです」 取り繕うように感謝すると、男性は笑顔で頷いた。 「そりゃ良かったっス。よければまた来てください。美容は継続が大事とか言いますし。次も料金は同じで結構なんで」 「え、そうですか?」 随分とサービスの良い店のようで、青子は関心してしまう。 まぁ、割り引きと言いながらこれが基本料金だったりするのかもしれないが、それでもたまに通うのも悪くないかもと思う青子だった。 そうしてエステを終え、青子は自分たちの暮らす丘の上の屋敷へと戻った。 「ただいまー」 「あぁ、おかえり」 居間で青子を出迎えたのは草十郎だった。 草十郎はお茶を飲んでくつろいでいたようだが、帰ってきた青子を見て、おやと眉を持ち上げた。 「どこに行ってたんだい蒼崎? なんだか調子が良さそうだけど」 「え? そう見える?」 「あぁ。肌艶が良いし、体つきもいつもより引き締まってるように見える」 流石野生児――だからなのかは分からないが、草十郎の観察眼は鋭いようだった。 まぁ、褒めているとはいえ、女性の体つきに軽々しく言及するのは些かデリカシーに欠けているように思えたが。 「まぁ、ちょっとねー……」 とはいえ、エステの効果が出ているのは確からしい。 青子は曖昧に答え、ふんふ~んと鼻歌交じりに自室へと戻った。 やはり褒められて悪い気はしない。 というか、先程の草十郎の言葉は要訳すれば「いつもより綺麗だよ、蒼崎」ということだ。 半信半疑だったが、行ってよかったと改めて思う青子だった。 ◆ そうした訳で、青子はあのエステサロンに時折通うようになっていた。 週に一度程度の頻度で店を訪れ、1時間ほどエステを受ける。 元々が学園の女子からは憧れの眼差しを受け、男子からは外見に置いては満点だと隠れて評価されているような、容姿端麗にしてスタイル抜群の青子であるが、それでも以前よりも美容への意識が増しているのは明らかだった。 それも全部、草十郎により綺麗になった自分を見せつけ、奥手というか……同居してお互い好き合っていながら、ろくに手を出してこないあの男にアピールしたい、という気持ちが根底にあることは秘密である。 そして今日も、青子は予約しておいたそのエステサロンに来ていた。 受付もスムーズに済ませ、いつものように施術用の個室に通される。 「あっ、蒼崎さんこんちわー。今日も来てくれたんスねー」 今日の担当もいつもと同じ男性スタッフだ。 青子よりは年上だろうが、まだ若く、二十歳そこそこくらいの年齢の、少し浅黒い肌をした男性。 あまり接することないタイプの男性だが、何度か通う内にそのチャラついた態度にも慣れてきた。 「どうも」 青子は出来るだけ男性の正面を向かないようにして軽く会釈をする。 今回もサロンの手順に従い、下着を脱いで上着とジーンズだけの格好になっている。 この姿では少し動いただけで巨乳がゆさりと揺れ、ピッチリとしたジーンズのヒップラインも浮き出て、どうしても気になってしまう。こればかりは未だに慣れていなかった。 「今日も、全身マッサージコースで?」 「はい。いつもと同じでお願いします」 少々恥ずかしさは残っているが、さっさと済ませてしまえば問題ない。 青子はこれまでと同じく、流れに従ってベッドの上に寝そべろうとしたのだが。 「うーん、いつもと同じッスか……」 「なにか?」 「せっかくなら、今日は別のコースも試してみません?」 「別のコース?」 「はい。毎回同じメニューだと身体が慣れてきちゃいますからね。それに、本格的な美容効果を求めるなら指圧だけだと限界があるんで」 今日はこれまでと違い、男性スタッフが別のエステコースを勧めてきた。 確かに、同じことの繰り返しでは効果は減衰していきそうではあったし、他のコースに興味もある。 「スペシャルアロママッサージコースってのがあるんですけど、どうすか? 料金は今回だけこれまでと同じにしときますから」 「そうね……」 何度か通っている青子へのサービスなのか、ただ営業熱心なだけなのかは分からないが、特別なアロマを使ったマッサージコースというのがあるらしい。 通常のエステよりも効果が高いのは伺える。ならばその好意に甘えてみるのもいいかも、と青子は思った。 「それじゃ……そのスペシャルコースっていうの、お願いしようかしら」 「おっ、了解しました~!」 男性が笑顔で頷き、パンと手を叩く。そして、青子に立ち上がるよう促してきた。 「じゃあ、あっちの部屋でするんで移動しましょっか」 「ん……?」 どうやらコースによっては別の部屋を使うようだ。 青子は男性の示す奥の部屋に案内された。 奥の部屋の中は朱色の照明によって照らされ、すでにアロマの香りも薄っすらと立ち込めていた。先程までの部屋とは随分と違う雰囲気だ。 とはいえ内装はそれほど違わない。マッサージ用のベッドと、ベッドを囲うカーテンが置かれた簡素な部屋だ。 青子はそのベッドに近づくと、これまでのように下着を脱ごうと服の中に手を入れた。 「あ、服は全部脱いでくださいね」 「え……?」 しかし、男性の言葉に青子は思わず固まってしった。 服を脱ぐ? 今までのように下着だけじゃなく、上着も、履いているジーンズも? 「え、あの……全部?」 「はい。アロマオイル塗るんで、服は全部脱いでもらうことになります」 男性スタッフは当然のように言ってくる。 確かにオイルマッサージならば裸が普通なのだろうか……。あまりそういった知識のない青子にはイマイチ判断が付かない。 「脱いだ服はそこのカゴに入れておいてくださいね~」 青子の逡巡を余所に、男性スタッフはどんどん話を進めていってしまう。当然、マッサージを行うのもこの男性なのだろう。 「えっと……」 青子が迷っていると、男性は「あぁ」と何か気付いたように頷く。 「カーテン閉め時ますね。脱ぎ終わったら呼んでください」 そう言って、ベッドを囲うカーテンがサッと閉められ、男性スタッフはその外へ出ていってしまう。 内側に残された青子は、戸惑ったまま自分の服を見下ろした。 (ぬ……脱がなきゃ、ダメよね? でも、素っ裸を男の人に見られちゃうの……? ていうか、見られるだけじゃなくて、触られちゃうわけだし……) この後のことを考えると無性に恥ずかしくなってしまい、青子は顔をボッと赤らめる。 とはいえ、ここまで来てやっぱり止めるとは言いづらい。 初めて店に来た時も思ったことだが、相手が男性だからと拒絶するのは失礼であるし、美容のためならば多少の気恥ずかしさは耐えるべきかもしれない。 (う~~……仕方ないっ、ちょっとの我慢よ) 青子は覚悟を決めると、手早く服を脱ぎ始めた。 既に下着は脱いであるので、上着のセーターとジーンズを脱ぐだけで生まれたままの姿になってしまう。 服を脱いで全裸になった後、青子は手と足で局部を隠しながら、用意できましたとカーテンの外のスタッフに声を掛けた。 「はーい」 返事が返ってきた数秒後、カーテンがあっさり開かれる。 青子は豊かな自分の胸を腕で抱えながら、ベッドに座って男性を見上げた。 男性スタッフは青子の裸を見ても顔色を変えることなく、オイルの入った瓶をベッドの脇にある棚の上に置いて施術のセットを始めていた。 「それじゃあ蒼崎さん、横になってもらっていいですか」 「う……はい」 いよいよ施術が始まる。 青子はいつものようにベッドの上でうつ伏せに寝転ぶ。 しかし、いつもと違い身に何も纏わない状態なのが、どうしても違和感を感じてしまった。 ベッドに押さえつけて潰れた胸の膨らみも、肉付きのよい尻肉も、男性には丸見えになってしまっている。 「ひゃっ……」 その素肌に、ヒヤリとした掌が触れ、青子は小さく声を漏らした。 男性の手にはアロマオイルが垂らされ、青子の肌に塗りたくるように掌が這わされる。 「あ……んっ……」 オイルの滑りによって肌の上を男の掌が滑るたび、青子はくすぐったさから声を漏らしそうになってしまう。 その掌は肩や肩甲骨に滑っていき、背中全体へオイルを塗り拡げていく。 ぬるぬるとした感触に気味悪さもあるが、慣れてくるとそれも次第にマッサージをスムーズにする潤滑油となって、心地よさに変わって行く。 「ふ……あ……」 これまでのマッサージとは違う滑らかな指圧に、青子はうっとりとした声を漏らしてしまう。 背中だけでなく腕や脚にもオイルが塗られ、男性の手が身体に溶け込んでいくようだった。 (あ……お尻、触られちゃってる……。でも、仕方ないわよね……?) 形の良い臀部にも躊躇なく男の手が這い、柔らかな肉を揉みほぐしていくが、青子はそれを無抵抗で受け入れていた。 本来ならばいくらマッサージだからといって男に触らせるような場所などではないはずだが、なぜか青子の意識はぼんやりとして、上手く働かなかった。 (あれ……? なんか、身体が、変なカンジに……) マッサージの心地よさに身体から力が抜け、思考が定まらなくなっていく。 アロマオイルの香りが鼻に抜け、脳を蕩かしていく。 「眠くなってきたら寝ててもいいですからね~」 (……眠い? だからなのかな……?) 青子はぼんやりとする頭で考えるが、それもすぐに霧散してしまう。 「ん……ふぁ……」 青子の唇から甘い吐息が溢れ、とろんとした瞳は焦点が定まらなくなる。 その蕩けた表情には普段の凛々しさはなく、男性の言うように睡魔に見舞われたような状態になっていた。 しかし、男性の前で裸を晒して眠ったりしていいのだろうか……。そう自問しながらも、青子は自分の身体を自由に動かすことが出来なかった。 「はーい、じゃあ前の方も失礼しますね~」 「え……?」 青子が意識を薄れさせている間に、寝転んでいた身体が反回転させられ、仰向けの状態になる。 当然裸の身体は隠すことのない局部を男性の視線に晒してしまう。 (や……っ、うそ……!?) あられもない姿を正面から見られ、流石に慌てる青子。 しかし、力の抜けた手で胸元を隠そうとするよりも早く、男性の腕が青子の胸へ触れた。 「ひゃっ……!?」 男性はさも当然という風に、胸にまでオイルを塗りたくっていく。 「あ、あの……? そ、それはちょっと……」 「しっかり全身塗りますので、動かないでくださいね~」 止めようとする青子を無視して、男性スタッフは起伏の激しい身体を無遠慮に撫で付ける。 「はぅっ……んんっ……」 男性の指が胸の先端に当たると、快感が胸の芯に走り、身体がぴくんと跳ねてしまう。 乳首がツンと勃っていくのを止めることも出来ず、青子はただ無防備に身体を触られ続けるしかなかった。 「どうっすか~、気持ちいいですか~?」 「はあぁ……っ、やだ……ぁ♥」 胸を捏ねるように揉まれ、オイルの滑りで乳首が擦れるたびに甘い声が漏れてしまう。 「ん……ふあぁっ♥ あ、ああぁ……っ!」 男性が胸全体を掌で揉みながら、指先で乳首を摘まみ上げると、青子は腰を浮かせて悶えた。 (な、なんで……こんなに気持ちいいのよ……?) ただのマッサージによる心地よさだけではない性的快感に、青子は翻弄される。 このままではマズい……。本能的にそう悟り、本気で止めなければいけないと手を伸ばそうとしたが、それを阻むように男は青子の股間に指を触れさせた。 「ひゃううぅっ!?♥♥」 指が女性の最も大切な部分に触れ、それだけで震えるような快感が青子を襲った。 「あっ、あぁ……っ♥ あ、ああぁっ!」 男の指はオイルを塗り拡げるように動きながら、ゆっくりと青子の最も敏感な部分へ近づいてくる。 それを止めることも出来ないまま、ついに青子の陰核に触れられてしまった。 「ひぐぅっ!?♥♥」 その瞬間、まるで電流が走ったかのように身体が跳ねてしまう。 疼いた身体を自分で慰める時よりも明確に強い快感が、クリトリスの部分で弾ける。 (お、おかしいぃ……こんなのぉ……っ) この状況も、この感覚も、明らかに異常だ。 「少し敏感な部分にも触れますけど、我慢してくださいね~」 男はあくまで事務的に、業務に従っている風にして青子の性器を撫でていく。 「んくっ♥ ああぁ、あっ!♥♥」 つぷっと指先が秘所に挿入され、膣内に入り込んだ指がオイルを染み込ませるように蠢く。 どう考えてもマッサージには不必要な行為。 或いは青子の裸体を見て興奮してしまった彼が自制を忘れてしまったのかとも思ったが、そうではない。 (こい、つ……初めから、このつもりで……) この部屋に漂う香りや、全身に塗りたくられたアロマオイルに、女性の身体を狂わせる何かしらの成分が仕込まれているとしか考えられない。 この酩酊にも似た虚脱感と快感は、明らかに自然なモノではなかった。 「暴れちゃダメっすよー。あ、でも気持ちよすぎてビクビクしちゃうのは問題ないんで、好きなだけ感じてくださいね~」 「うあっ、は……あああっ♥♥ や、め……そこ……ふうぅンン♥♥」 男の長い指が膣の奥にまで入り込んでくる。青子はベッドの上でのたうち、シーツに皺を作った。 「ひ、あっ! ふわぁぁっ!♥♥」 奥深くまで入り込んだ指が中で折り曲げられ、ぞりぞりと膣壁を擦り上げる。 それと同時にもう一方の手で乳首を摘まれ、切ない喘ぎが絶え間なく零れ落ちる。 「ふぅ゛っ、う゛うぅぅ~~……♥ うぐっ、く……うぅ♥♥」 快感を耐えるために歯を食いしばるものの、溢れる嬌声は止められない。 (油断、してた……っ。この店、こんな……ところ、だったなんてっ) 自分の迂闊さに後悔しても、既に手遅れだった。 無防備な裸体に怪しげな薬のようなモノを使われ、すっかり抵抗出来なくされてしまっている。 何度か通ったことで警戒心を解いてしまった自分のミスだ。 「一回イッてスッキリしましょうね~」 「あひっ♥ ふぐ、ぬひ……くひっ♥」 膣内で曲げられた指が、天井部分を押し上げるように刺激する。 そうして何度も腟内を擦り上げられると、急速に青子の身体は高ぶり、絶頂へ近づいていった。 「だめ、だめ……だめっ♥ ぐちゅぐちゅって……掻き混ぜ、ちゃ……♥♥ はああぁあっ♥♥」 快感を堪らえようにも、身体に力が入らない。 そうでなくとも感度を高められた身体は破裂寸前の風船のように絶頂感を貯めていき、トドメを刺されるのを待つしかない状態になっている。 「くはっっ♥ ひゃっ、あああああああああッ♥♥♥」 そして、もう耐えられないと子宮が限界を迎えたと悟った瞬間、青子は腰を浮かせ、みっともなく痙攣しながら秘所から潮を吹き出した。 「んぎっ、ひいぃいいぃいい~~っ♥♥」 脳を真っ白に染める絶頂快楽。 青子は食いしばった歯の奥から蕩けきったイキ声を発して絶頂の余韻を貪った。 「あ……はあぁ……♥ あ、は……」 今までに感じたことのない程の強烈な快感が全身に走り、まだ呼吸が整わずベッドの上で身体を跳ねさせる青子。 そんな指先だけで絶頂させられ息を荒げる青子を、男が営業スマイルとは別の、性欲を滲ませたオスの顔で見下ろしていた。