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退魔の領域~一之瀬栞梨の場合~第6話 サリーアの責め①

「…んっ…」


栞梨は深い眠りから急激に引き上げられる不快感で呻いた。

これは、そうだ、退魔師としての訓練であった感覚だ。

そう、尋問訓練で自白剤を打たれて気絶したときに捕虜に打つ気付け薬だ。

拘束した捕虜を無理やりに覚醒させ、肉体を責め上げる尋問を続行するための…


そこまで薬で回らない頭で考えた時、栞梨は自分がなぜ気絶していたのかを思い出し、血の気が引く。

敵施設への侵入、そして、潜入が露見して施設内を徘徊する淫機械に追い回され、嬲られ弄ばれた挙句に無様の絶頂させられ、気を失った。

晒した醜態を思い出し、頭に血が上り、カッと色素の薄い顔が朱に染まる。


あの機械群には明らかに淫魔の技術を使っている。この施設は完全に黒だ。早くこの事実協会に知らせなければならない。

そこまで考え、身体を動かそうとした時、栞梨は自分が置かれた絶望的な状況を思い知らされた。


「っ…!こ、これはっ…!う、動けないっ…!?」


栞梨は、その豊満な身体を全く動かすことができなかった。

美少女退魔師の身体は、彼女を散々に弄んだ淫機械によってがっしりと加えこまれ拘束されていた。

仰向けの拘束態勢。

両腕は捻り上げられ、両脚は90度程度に開かれ、軽く膝を曲げさせられてM字に大きく広げられている。

屈辱的な拘束態勢。


(こ、これはっ…)


栞梨は更に、自分が何に拘束されているかを自覚して栞梨は顔をさらに朱くする。

もちろん、用途は知ってる。彼女を拘束するこの機械は分娩台だった。


(早く脱出しないとっ…くっ…)


このまま拘束されていれば、待っているのは、また陰湿な快楽拷問だ。

栞梨は拘束された手脚に必死に力を込める。

だが、無駄だった。

肘や膝、腰などの各関節は、細い銀色の線画構成する分娩大に、がっちりと関節にフィットするプラスチックのようなつるりとした黒の拘束具で縛り付けられ、完全に固めていた。

そのせいで関節を中途半端な角度から曲げることも伸ばすこともできず、思うように力を籠めることができない。

手首、肘、肩口、胴、腹筋、大腿関節、膝、足首。上から下まであらゆる関節が大小さまざまな黒の枷で銀の分娩大にがっちりと縛りつけられ戒められている。

唯一自由な関節は、首だけだ。


自分が拘束されている部屋を見回す。

4メートル四方の部屋。

床や壁全体が発光するパネルが敷き詰められ、ぼんやりと発光している。

調度品は一切なく、出入口さえない。


(これ…どうやって出ればいいんですか…でも…まずは…)


部屋からの脱出方法はわからないが、差し当って、まずはこの拘束を解かなければならない。

栞梨は自分を分娩台に縛り付ける身体中の黒い枷を睨み、なけなしの霊力を体内で練る。

しかし、同時に、下腹に刻まれた淫紋が活性化し、体内を蛆にかき回されるような疼きが湧き上がった。


「くぅううーーっ…!~~~~!?」


(うううっ~~~~~っ~~!?!?い、淫紋の疼きがいつもより、つ、強いっ~~~!?な、なんですかこれはっ…)


栞梨はかつてない淫紋の疼きに眼を白黒させる。だが、ここであきらめるわけにはいかない。練り上げた霊力を身体中に張り巡らし、経絡から押し出すイメージ。

腋窩や膝裏など、汗腺が密集する敏感な肌、脇腹や鼠径部など蒸れやすい部位から冷汗と発情汗が入り混じった汗を垂らしながら、霊力による肉体強化を発露させる。

これで、肉体を強化し、この戒めを引きちぎる。

だが、出来なかった。

体外に発露した霊力は途端にその制御を見出し、中空に霧散した。

栞梨の抵抗は、少女特有の甘酸っぱい匂いを単にまき散らすだけに終わった。

淫紋に妨害されながらの霊力運用で、息を乱し、アシンメトリーの金髪を汗でべったりと顔にへばりつかせながら、栞梨は、歯噛みする。


(霊力が練れない…この枷、霊力の運用を疎外するようですね…)


栞梨は忌々し気に自分を分娩台に縛り付ける、身体中の関節の黒い枷を睨みつける。

この枷で縛り付けられている限り、霊力を使った抵抗は、甘い吐息を漏らすだけだ。


霊力による膂力の強化ができなければ、栞梨は外見通りの少女程度の力しかもたない。

少女の力では、関節を固められた完全拘束の態勢から逃れるなど不可能だった。


「くっ…早く、早くしないとっ…!」


栞梨は捻り上げた右腕の二の腕と手首を噛みしめ離さない拘束具を見上げながら、冷汗を滲ませ呻く。

不自由な仰向けM字開脚の拘束態勢で必死に身体をゆするが拘束具は少しも緩まない。

それでも、四肢を揺すり、必死に足掻く。

そうでもしていなければ、退魔師としての自分が引きはがされ、単なる少女でしかない一之瀬栞梨が引きずり出されてしまいそうだったからだ。

だが、彼女のけなげな抵抗はこの後みじんに打ち砕かれる。


「『早くしないと』どうなるんですか?」


顔をそむけていた左側、その耳元に唐突に響く幼い少女のソプラノボイス。

本来なら可愛らしいものだっただろう。

だが、栞梨はその声を聴いた瞬間、ぞっ肌を泡立たせた。

部屋を見回した時は絶対に誰もいなかった。少女はこの部屋にどうやっていつ入ったのだ?

だが、そんな物理的な事実はどうでもいい。

退魔師としての彼女が確信させる。

この声の主は人間ではない。

淫魔だ。

それも強力な魔力を持った最上級、支配級の淫魔だ。

支配クラスの淫魔は領域を生成し、獲物に淫紋を刻むことができる。

栞梨は既に支配級の淫魔、リーリエに敗北し、下腹部に一つ、淫紋を刻まれてしまっている。


(どうしてここに淫魔が!?そんな情報は全くなかったはずです…この施設は単に淫魔由来の技術を使ってるだけだって…支配級の淫魔にこんな抵抗できない姿を晒すなんて…

も、もう淫紋を刻まれるのははいやぁっ…~~っ)


無駄だとわかっていても、少女淫魔の声から逃れようと枷から逃れようと情けなく身体をうねらせることが止められない。

万全な上体でも絶望的な敵を目の前に、栞梨のなけなしの霊力も完全に抑え込まれ、退魔師としての力は全く使えない。

そのうえ、情けない完全拘束のせいで、栞梨の弱点は淫魔の前に無防備に晒されてしまっている。


栞梨の脳裏に淫紋を刻まれてからの日々がフラッシュバックする。

その一つだけの淫紋でも、栞梨を悶え苦しめるには十分だった。

狩衣をまとえば、淫紋を刻まれる前は気にならなかったその極薄生地の密着感と食い込みに悲鳴を上げそうになった。

任務で霊力を使えば快感に膝を折り、以前は軽くあしらえた、言葉も介さない下級の雑魚の妖魔とさえ、まともに闘うことさえできなかった。

日常生活では下腹から這い上がるように湧き出す疼きに常に見舞われ、下着に脚を通せばすぐに愛液に濡れてしまう。

何とか昼をやり過ごし、一人暮らしの部屋へ這いずるように戻っても、疼きは収まらず、胸や秘所に伸びる手を退魔師のプライドで何とか抑え込み気絶するように眠る。


内在霊力で淫紋の効果をなんとか半分程度抑え込めるようになるまでは地獄のような毎日だった。

淫魔に敗北したことも、その後遺症も栞梨にとってトラウマとなっている。

二つ目の淫紋を刻まれればどうなるかわからない。


「お姉さん、お話しましょう?」


少女の声が再び、栞梨の耳朶を打つ。

そして、その視線が拘束されて無防備で抵抗できない自分の身体を舐めるように見ていることが、反らす形になった顔を向けなくてもわかる。

少女のものとは思えない陰湿でねっとりとした視線は、確かな質量をもって美少女退魔師の身体をはい回る。


平均よりも脂肪の乗った太腿に引き締まった脹脛と足首、普段は人目に触れない柔肌である内腿にすっきりとした腋窩、脚とは反対にほっそりと縊れた腰から続く脇腹と柔らかな下腹部としっかりと張り出した腿尻、そして、密着衣装に窮屈に押し込められ、それでもつんと上を向くDカップの巨乳。

美少女退魔師のそれらの旨そうな肉体、艶めかしいボディラインを極薄タイツ生地の狩衣、美脚どころか鼠径部までもを惜しげもなくさらす切れあがったハイネックレオタード、伸びやかな手脚を包む肩口までのロンググローブと太腿に食い込むサイハイニーソックスが彩る。

たったそれだけの無防備なインナー姿。

もちろん武装は全て取り上げられ、霊力で編んだ武器もない。


そんな完全拘束で抵抗できない美少女退魔師の身体は、好色な淫魔にとってまたとないご馳走だ。

それを自覚している栞梨は、恐怖と退魔師としての使命感がない混ぜになる。

自分に抵抗の手段はない。

退魔師として、淫魔は倒さなければならない。だが、淫紋の恐怖は彼女の心に深く刻まれてしまっている。

これからそれを繰り返す相手を恐ろしくて見ることができない。

少女淫魔に顔を向けることができない。

それでも、栞梨はなけなしの精神力を振り絞り、少女淫魔へとなんとか振り向こうとする。


「お姉さん、可愛いわね」


少女淫魔が反らした自分の顔を覗き込んでいた。

確かに今まで栞梨の右側、反らした視線の外に居た。

それが、一瞬で反対側に回り込み、小さな頭を傾け、栞梨の冷汗に塗れた色素の薄い美貌を覗き込んでいる。

栞梨は、恐怖で凍り付いた。


少女はかわいらしい外見をしていた。

身長は140センチ程度、レースをあしらった漆黒のゴシックドレスを身に着け、艶やかな漆黒の黒髪を腰まで伸ばし、眉にかかる程度でぱっつりと切りそろえて髪色と同様の漆黒のヘッドドレスを被る。

驚くほど細い胴回りと腰、そして、四肢。

両手にはやはり黒のレースの手袋を嵌め、両脚を同色のタイツで包み、少女にはふりつあいなピンヒールを履く。

唯一肌が見える顔は、西洋人形のように完璧な左右対象に整い、その肌は黒髪の中に浮かぶように白く、人間味がまるで感じられない。

まさに絶世の美少女。

少女は年齢からは考えられない魔的な色気を放っていた。


栞梨は恐ろしさと、もう一つよくわからない感情で少女から目を離すことができなかった。

心拍数が上がり、顔に血液が上がる。


栞梨の困惑をよそに、少女が手袋に包まれた細指で栞梨の頬を撫でる。

頬に当たる幼い少女の手の感触。

その手は手袋越しにもわかるほど冷たく、栞梨はその感触にさらにぞっとする。

少女がその整った口を開く。


「私、お姉さんが気に入ったわ。お姉さん名前は?」


栞梨の退魔師としての本能が警告する。

この少女と話してはだめだ。たとえどれだけ些細な情報でも少女に渡したらまずい。

そうがなり立てる。

栞梨は開きそうになる唇を噛みしめるように噤み、かろうじで無言を貫く。


(だめ…この子は淫魔だから、おくしたらだめっ…)


栞梨は退魔師としてのプライドを奮い起こし、少女を睨みつける。

少女淫魔は栞梨のその態度に笑みをたたえていた人間離れした美貌をぐちゃっと歪めた。


「お姉さん、ますます気に入ったわ。私がいじめてあげるわ。私の名前はサリーア、サリーアよ。絶対に忘れないでね」


少女淫魔、サリーアはそういうと、栞梨の頬を這わせていた指、親指を口に突っ込み、ぐちゃぐちゃと栞梨の口内を撫でまわす。

冷たい少女の指が、人目にさらさない口内粘膜を撫でまわす感覚にまた顔が熱くなる。だが、栞梨は渾身の精神力を動員して、顎に力を込めた。


「っ!」


サリーアがさっと手を引く。そして、視線を栞梨の顔から自分の手に移す。

手袋が噛み千切られ、赤黒い血が滴る自分の幼い細手を驚いたように眺める。


「あなたと話すことはありません。淫魔、私を解放しなさい」


栞梨は自分を上から見下ろす淫魔サリーアを完全拘束の無様な態勢で下から睨みつけながら告げる。

サリーアは喜びで歪めた顔をさらに被虐で歪めながら栞梨を見下ろす。


「いじめるのは止めたわ。飼ってあげるわ、お姉さん。一週間、私、今、力が万全じゃないの。完全に回復するまで一週間かかるわ。私の責めに一週間耐えたら逃がしてあげる。でも途中で落ちたらお姉さんは回復したわ脚に淫紋を刻まれて一生私の犬よ?いいわね?」


サリーアは完全拘束で一切抵抗できない栞梨に向かって満面の笑みでこれから彼女に行われる残酷な快楽責めの開始を告げる。

栞梨はそれでも、萎えそうになるなけなしの精神力を総動員して、少女淫魔サリーアを睨みつけつづける。

それだけが、完全拘束の美少女退魔師にできる唯一の抵抗だった。

そして、栞梨に取って悪夢のような一週間が始まった。


Comments

とうとう新しいパートですね、わーい! 栞梨も咲菜もどちらも見た過ぎるから困る 咲菜の脇責めもすごく気になるし機械姦一番好きなジャンルだからこちらも気になります。

ガリタル

更新ありがとうございます 続きを楽しみに待っています

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