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【オリジナル】風船を配るお姉さん(画像1枚)

【https://mumum.fanbox.cc/posts/7107743 あとの話です】 今日は家族でテーマパークに来たよ。ここは幼稚園の時からお父さんとお母さんによく連れて来てもらっているテーマパークなんだ。だけど、去年のクリスマスに学校の遠足で来た時から、パークの見え方がすごく変わっちゃったんだ…。この日のボクは、行きの車の中でもドキドキしていて、パークに着いてからも周りをキョロキョロ見渡していた。なんでかというと、ショーで司会をしていたお姉さんを探していたからなんだ。今までは、妹が見たがるからショーを一緒に見てたけど、ボクはあまり興味がなくて、ホントは乗り物に乗っていたかった。でも、この前の遠足で見たショーは今までのとは全然違ったんだ。あの日、先生のいう通り席に座って開演を待っていたら、前に抱えていたボクのリュックにカナブンがついていた。ボクは、退屈なショーの間もこのカナブンと遊んでいようと思って、手の上を歩かせたりしていた。すると、会場が暗くなって大きな音楽が流れてショーがはじまった。そして、ステージに司会のお姉さんが出てきた。「みんなー!!!こんにちはー!!!!!」とあいさつするお姉さんに、みんなも元気にあいさつをしていた。ボクは前の方に座っていたんだけど、お姉さんと目が合うのがちょっと恥ずかしくて下を向いた。そうしたら、いつの間にか手の上のカナブンがいなくなっていて、遠くの席の女の子が「キャー!!」って叫んだんだ。ブンブン飛び回るカナブンに、みんなも怖がりはじめちゃったんだけど、ライトに当たったカナブンはステージに落っこちたんだ。ひっくり返ってもがいているのが見えて、それからどうなっちゃうのかとハラハラしながら見ていた。すると、カナブンが飛び立ちそうになった瞬間、なんとステージにいた司会のお姉さんが大袈裟に足を上げて、小さなカナブンを大きな大きなブーツで踏み潰して退治しちゃったんだ。みんな笑ってたけど、ボクはビックリして、小さな虫をおもしろおかしくグチャグチャに踏み躙るお姉さんの足元を夢中になって見つめていた。ちょっとだけだけどボクと遊んでくれていた小さなカナブンが、みんなの前で笑い者にされながら踏み潰されちゃうなんて………。遠足から帰っている間もそのことが頭から離れず、家でパンフレットに写るお姉さんを見るたびにドキドキしていた。お姉さんはあんなにヒドイことをしたのに、毎日パンフレットを見るたびに、だんだんお姉さんに会いたくてしかたなくなっていった。今日は「お兄ちゃんだけ遠足ずるい!!!」と怒っていた妹のために来ることになったんだけど、わがままな妹のおかげで来られたから凄くラッキーだ。パークに入ってからは、いろいろな乗り物の列に並んでいる時も、お昼ご飯を食べている時も、がんばってお姉さんを探していた。でも、お父さんとお母さんに怪しまれないように気をつけていた。お姉さんに会いたがってるなんて知られたら、なんだか恥ずかしくて…。けっきょく、3時になってもお姉さんは見つけられず、妹も疲れたと騒ぎ出した。妹は一度不機嫌になるとメンドクサイんだ。たまたま近くにあったクレープ屋を指さして、妹はクレープが食べたいといい出した。お母さんが妹の分だけじゃなくボクにも買ってくれた。お母さんが、近くのフードコートで妹の面倒を見てるから回ってきていいよといったので、お父さんと一緒に回ることになった。イチゴのクレープをちょっとずつ食べながら歩いていると、お父さんが「トイレに行ってくるからここで待ってて」といってきた。いわれた通り、トイレの前のベンチで座っていた。すると、遠くで風船を配っている人が見えた。クリスマスの時と衣装が違うけど、もしかしたらあの時のお姉さんかも知れない!!ボクは思わずベンチから立ち上がり、風船を配っているお姉さんに向かって走り出した。風船を受け取った女の子が手を振って去っていく。お姉さんはボクに背中を向けているけど、近づいていくうちにやっぱり司会のお姉さんだって分かった。ボクは一生懸命走って、ドキドキしながらお姉さんに近づいていった。………だけど、その時、ボクは足がもつれちゃって、お姉さんのすぐ後ろで転んじゃったんだ。そして、手に持っていたクレープが、お姉さんのすぐ後ろに飛んで行っちゃたんだ。思いきり転んじゃったから、その音で気づいたお姉さんは振り返って「おやおや、大丈夫かい?」と声を掛けてくれた。でも、驚いたのはその時だった。足元に気づいていなかったみたいで、お姉さんはこっちに振り返ると同時に、大きなブーツでボクのクレープを踏み潰しちゃったんだ。グチュゥゥゥゥ……と潰れていく音が小さく聞こえたんだけど、その音は地面に倒れていたボクにしか聞こえなかったのかも知れない。それからも、足がわずかに動くたびに、ボクのクレープがグチュグチュ…と擦り潰されていくのが見えた。最後に食べようと思っていたイチゴがブチュッ…っと潰れて、地面に汁が飛び出している。でも、それに気づいていないお姉さんは、しゃがみながら「そんなに慌てなくても風船はまだまだいーっぱいあるよ♡」といってきた。お姉さんの足元をチラチラ見ながらゆっくり起き上がると、「おー♡泣かないなんて偉いぞー♡」と頭を撫でくれた。ボクのクレープを踏み潰したまま、お姉さんはニコッと笑う。………このお姉さんはあの時カナブンを踏み潰した人だ。こんなにヒドイことばかりする人なのに、お姉さんを見るとドキドキしちゃう。なんでなんだろう…。こんなにヒドイ人なのに!!何もいえずにうつむいていると「はい♡気をつけてね♡♡もうパーク内は走っちゃダメだぞー♡」といって風船を渡してくれた。風船を受け取る時にお姉さんと目が合っちゃって、ボクは顔が真っ赤になってしまい、黙って振り返り、慌ててお父さんのいるトイレに向かった。長いトイレから出てきたお父さんに、風船とか膝の傷とかについて聞かれた気がしたけど、頭の中がもうグチャグチャになってて、もうほとんど聞こえてなかった。 【つづき https://mumum.fanbox.cc/posts/9567155 】

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