【skebでいただいたテキストのリクエストに、ちょっとした挿絵を追加しています】
桜が咲き乱れ、すっかり春の陽気が漂う通学路。登校中のセイラは、満開の桜並木をいつも通り何食わぬ顔で歩いていた。彼女が通う高校はこの地域でも有名な中高一貫のお嬢様学校で、中等部にも高等部にも優等生が揃っている。その中でもセイラは中等部の時からとても好成績を残していて、学校内では非常に評価の高い生徒の1人だ。しかし、そんなセイラが歩き去った桜並木には、毎日決まって凄惨な風景が広がっているのだった。………実をいうと、並木道を歩いている時のセイラは、すぐにでも自分が履いているストラップシューズの靴底が見たくてしょうがなく、興奮のあまり怪しい笑みがこぼれてしまうのを必死に耐えているのである。その理由は、歩道に舞い散った花びらに紛れた、気味の悪い塊だ。よく見てみると不気味な塊の正体は、潰れて体液を飛び出させた毛虫の死骸である。何を隠そう彼女は優等生の一面を持ちながら、人知れずものを踏みつけて破壊する快感に魅了され、落ちているものを見つけては迷わず靴のまま踏み潰すことで快楽を得る残酷な趣味を持つ女の子なのだった。歩き去る時に足を一瞬ひねっているのだろうか。何か所にも残された毛虫たちの死骸は、どれも小さな体をむごたらしくすり潰されている。
この感覚に魅了されたキッカケは、中等部で3年生になった春にさかのぼる。クラスメイトと何人かで学食に向かっていた時のこと。廊下の曲がり角で別のクラスの生徒と鉢合わせてしまい、セイラとその生徒がぶつかってしまったのだった。体勢を崩し、倒れないように壁に手を当てながら強く踏み込んだのだが、中等部指定のストラップシューズは何かやわらかいものの上に着地した。袋が弾ける音が鳴り、驚いて足元を見下ろすと、そこには菓子パンを力強く踏み潰している自分の足が視界に入ったのである。慌てて足をどかし、その生徒に謝るセイラ。ぶつかってしまった生徒は、取り乱しながら「よそ見をしていたワタシが悪いんです」といい、潰れた菓子パンを拾い上げ「お気になさらず」と告げて去っていってしまった。一緒にいたクラスメイトたちが慌てて心配する中、セイラは食べ物を粗末にしてしまったことに対して強い罪悪感を感じていた。生まれてこのかた食べ物を踏み潰すなんてしたことがなかったし、そんなことはよくないことだと思って過ごしてきたのである。しかし、さっき見た菓子パンに刻まれた足跡は、まぎれもなく自分のものであり、靴底越しに感じたあのやわらかい感触も鮮明に覚えているのだ。気持ちの整理がつかないまま数日を過ごしたが、靴を履いて歩くたびに菓子パンの感触を思い出し、気づけば常に足元を気にしてドキドキするようになっていったのだった。
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mumum
2024-02-24 07:14:23 +0000 UTCイノハ
2024-02-23 23:13:50 +0000 UTCmumum
2024-02-18 15:06:25 +0000 UTCれってぃばぁ
2024-02-18 14:52:11 +0000 UTC