年賀絵の解説を3,4回に分けて行っていきたいと思います。
■大ラフ
まず大ラフを描きます。
ここで決めるのはモチーフの方向性や構図です。
今回は去年の年賀絵からの連作にする予定だったので
「サイバーパンク」「牛のメカ」「女の子」
といった要素が最初から決まっていました。
■パース定規
大ラフに合わせパース定規を設定します。
迫力を出したいので広角(消失点が近い)に設定しました。
■写真の配置
パース定規に合わせて建物を配置していきます。
前回同様、背景は今回も写真を使用しています。
写真は以前紹介したサイトPHOTOBASH.orgともう一つよく使うtextures.comで購入したものです。
PHOTOBASH.org : https://www.photobash.org/
textures.com : https://www.textures.com/
下記のような夜景のビル・ビル群・ルーフトップの素材などを組み合わせました。
■トーンカーブ
空のグラデーションを入れ写真を馴染ませます。
ここで最重要となってくるのがトーンカーブです。
トーンカーブとは絵の明暗情報に基づいて画像の指定明度の部位を自由に明るくしたり暗くしたりすることができる機能です。
使い慣れてないと操作方法がわからないと思いますが
左右(入力)が黒から白までの明度分布
上下(出力)が実際の明るさ
になります。
分かりづらいですね!!
適当にいじってもらうのが一番ですが
左下を上げれば暗い部分(黒)が明るくなります
右上を下げると明るい部分が(白)が暗くなります
RGB全体に適応することもできますしRとGとBの明るさをそれぞれ調整することも可能です。
今回は空が紫なので建物に違和感が出ないようRとBのトーンカーブも変更してます。
真ん中が盛り上がってるので中間の明るさの部分のRとBが強調されています。
ちなみにRとGとBをそれぞれいじる場合は明るくなったり暗くなるのではなく
上に引っ張ると選択してる色味が強くなり
下に引っ張ると補色へ振れる感じです。
■空気遠近
トーンカーブは写真を画面に馴染ませるために使ってるのか?というと
それだけではありません。
空気遠近を表現するためです。
わかりやすくするために別画像で解説します。
このビルの素材のみを使って3段階の距離を表現してみます。
空を塗りビルの素材を縮小コピーをかけながらたくさん並べました。
縮尺比で距離は感じますが色が同じでごちゃごちゃしています。
上記トーンカーブを奥のビルに適用してみました。
暗部を少し明るく持ち上げて青みを足しています。
手前とのトーンの差により距離が表現されましたね。
レイヤー構造はこうなっています。
1段奥のビルにトーンカーブを1つ設定。
2段奥のビルにはトーンカーブを2重にかけることでさらに色を薄くしています。
または
2段奥のトーンカーブを先に設定して
1段奥のトーンカーブは不透明度を50%にする
でもOKです。
■調整レイヤー
蛇足ですが今回のトーンカーブは調整レイヤーで行っています。
色調補正からではなくレイヤー→新規色調補正レイヤー→トーンカーブから作成します。
調整レイヤーのメリットはレイヤーとして保持されるので
・後から変更できる
・クリッピングやフォルダへ適用できる
という利点があります。
特にフォルダへ適用は複雑なレイヤー構造でも指定の部位だけ色調補正できるので
とても便利です。
フォルダへの適用方法は簡単です。
先程のビル群をフォルダへ入れ調整レイヤーでグラデーションマップをフォルダ内に追加しました。(赤く表示されてるレイヤーが調整レイヤー)
フォルダの描画モードが「通過」(青い丸の所に表示されている)の場合は調整レイヤーより下の全てのレイヤーに色調補正が適用されています。
ビルが入ってるフォルダを選択し描画モードを「通常」(緑の丸の所で変更)にしました。
これによりフォルダ内のレイヤーのみに色調補正が適用されビルのみ色が変わりました。
以上今回はフォトバッシュのテクニックや
空気遠近の作り方についてでした。
背景がある絵では本当によく使っているので是非覚えてみて下さい!!