俺はあるモニター実験に応募した。 【人はけものになれるのか?】 通された部屋は何もない白い部屋。 モニターは俺ともう1人綺麗な女性。 「どんな実験するんですかね?」 「何も聞かされてませんからね」 そんな会話を交わしていると部屋の隅から煙が出てきた。 火事かと思ったが焼けた臭いはしなかった。 気づけば意識が遠のき眠くなった。 気がつくと先ほどと同じ白い部屋だった。 俺はひっくり返ったのか仰向けで寝ていた。 起きあがろうとしたが腕が折り畳まれて上手く使えない。 それに足も折り畳まれていた。 それに視界もハッキリせずにボヤけていた。 なんとか体を起こして周りを見てみる。 白い部屋の中に赤い目立つものがあった。 ボヤけた目を凝らして見てみる。 それは手足を折り畳まれた人の形をしているように見えた。 その赤い人の形をしたものが動き出した。 その動きは俺が取った行動とよく似ていた。 俺は今あんな姿にされているのだろう。 それに色は赤ではなく黒。 赤い人の形をしたものも俺の存在に気づいた。 周りを見渡すが何もない白い部屋。 お互いのことを確認するために短くなった手足で四つん這いで互いの距離を詰めた。 近づいて分かったことは赤い人の形をしたものは俺より小さいということ。 この目の前の赤い人の形をしたものは先ほどの女性でほぼ間違いないだろう。 声を掛けようとしたが声が出ない。 口が開いていたことには気づいていた。 涎が垂れ流しになっていたから。 自分の置かれた状況を理解するのに、口が開いていることは分かっていたが話せないことまでは頭が回っていなかった。 彼女を見ると腕や足が切り落とされたのではと思うほど綺麗に折り畳まれていた。 顔はノッペラボウで口だけが開いて涎を垂れ流しているが口の中までは見えない。 そんな彼女の全身を覆う赤いものは光沢を帯び、着せるためのファスナーはおろか継ぎ目も見当たらない。 それは単に俺の視界がボヤけていたからかも知れないが。 体を動かすと肌に張り付くようにまとわりついて伸びる感じはまるでゴム、ラバーを纏っている感じだった。 だが、一つ分かっていることは、おそらく俺も彼女と色以外は全く同じ姿なのだろうということだけだった。 首を項垂れ、途方に暮れる俺と彼女の耳に放送が聞こえてきた。 『あなたたちにはこちらで過ごして頂きます』 そんな機械的な声が頭に直接流れ込んで来た。 いや、いつの間にかイヤホンをされていたのだろう。 そんな機械的な声の後、白い部屋に扉が現れて開いた。 そこからは明るい自然光が差し込んでいた。 この気が狂いそうな白い部屋から抜け出せるかも知れない。 そう思った俺も彼女も自然光の差し込む扉の向こうを目指していた。 扉の向こうへ辿り着いたのだが、そこはガラス張りの天井と柔らかいマットの床以外、四方が鏡で囲まれた部屋だった。 床は柔らかく四つん這いの移動も苦にならなかった。 訳がわからず、四つん這いのまま固まっていると入ってきた扉が閉まり、白い部屋へと戻れなくなってしまった。 全く状況が飲み込めない俺と彼女。 そんな俺の耳に妙な音が微かではあるが聞こえてきた。 『プシュ、プシュ』 と何かスプレーをするような音。 鏡の部屋の角から何か噴射している。 “頭を過ったのは眠らされる!” だったが、眠くならなかった。 その代わりに妙な気分になってくる。 ムラムラしてきたのだ。 股間が熱くなり勃起してくる。 全身を覆う黒いラバーは股間のところだけ露出していた。 そのため、勃起したペニスが剥き出しになる。 彼女の方を見ると、彼女の様子もおかしい。 太ももを擦り合わせていたかと思うと、大きな胸を床に擦り付け始めた。 正確には勃起した乳首だけを刺激するように調節して擦り付けていた。 そして前傾姿勢になった彼女の陰部が丸見えになり、糸を引く液体が垂れ流しになっていた。 そんな姿を見ていると俺もムラムラして興奮を押さえられなくなってきた。 俺は彼女の背後にゆっくりと近寄っていくと、こちらに剥き出しになった彼女の陰部に挿入した。 彼女は少し震えたが、俺から逃げることなく俺の体にお尻を擦り付け、俺のペニスが彼女の体の中を掻き回す。 同意したと思った俺は彼女に後ろから覆い被さると腰を振った。 彼女もまたお尻を左右に振って、快感を増幅させているようだった。 これでは収まらない2人。 彼女は仰向けになると短い手足のまま俺は彼女に覆い被さり、彼女の中にペニスを挿入すると腰を振った。 短い腕では抱き合うことができない分、俺自身が気持ち良くなるため、そして彼女を気持ち良くするために懸命に腰を振った。 お互い唇を重ねることはできないが、涎をお互いの口に注ぎ入れた。 『プシュ、プシュ』 とまた何かスプレーをするような音。 部屋の四角から何か噴射している。 すると、さっき交わったばかりなのにまたムラムラしてくる。 あのスプレーは媚薬みたいなものだろうと思ったが体が自然と彼女を求める。 俺にはどうすこともできない。 まだ、仰向けで股を開いたままの彼女に近づいて陰部から流れる液体の匂いを嗅いだ。 凄く魅力的な匂いに誘われて俺はまた短い手足のまま、彼女に覆い被さると彼女にペニスを挿入して腰を振った。 その後も何度も事を終えても、部屋の四隅からスプレーを噴射されるたびに強く彼女を求め、そして交わった。 何度目かの時、俺は彼女の胸に顔を埋めて意識を手放した。 気がつけば俺も彼女も白い部屋で横たわっていた。 ここへ来た時の服装のまま。 手足も短くなく、普通の姿に戻っていた。 「実験は以上です、ありがとうございました」 あの手足の短い女性と獣のようにひたすらに交わったアレは何だったのだろう。 疑問だけが残ったが、女性を見ただけでドキドキしてしまう。 それは女性の方も同じようだった。 「あのう、俺は浅田 健斗といいます」 「私は鹿島 伊織です」 少しぎこちなくお互いの名前を言った後、俺と彼女は手を繋いで部屋を出た。 そして、実験施設を出るとどちらともなく、すぐにキスをした。 その様子を建物から見守る実験施設の関係者。 「今回もうまくいきましたね」 「ああ」 少子化が進んだ未来、子作りしてもらうため、事前に相性の合いそうな男女に実験を持ちかけて引き合わせる。 そして、お互いが必要な相手だと意識付けて社会へと戻す。 そんなプログラムが生まれてくるかも知れませんね。 おしまい
ごむらば
2025-12-17 16:14:07 +0000 UTCJan Koda
2025-12-17 15:05:46 +0000 UTC