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ごむらば
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5.マネキンになるお仕事【ラバースーツ再び編】

「生田さん!生田さん!大丈夫ですか?」 頬っぺた叩かれる感覚で目が覚めた。 私が口籠ったのを聞いてスタッフが話し掛けてきた。 「ごめんなさい、呼吸穴までうっかり塞いでしまって、生田さんが苦しみだしたので急いでビニールテープは外しました」 その声は紛れもなく、私にラップとビニールテープを巻いたスタッフの声だった。 全身から大量の汗が吹き出してくるのが分かる。 “あれは夢だったんだ!” 少し落ち着いたことを感じ取ったスタッフは言った。 「続き始めますね」 少し遠くにある姿見を見ると全身が赤いビニールテープミイラ女が映っていた。 “続きって?!まだあるの?” そう思っている私の視界にハッキリとではないが黒いモノが見えた。 その黒いモノから出る音や匂いでそれが何か私には分かった。 “ラバースーツだ!” “私、もうラバースーツ着てるよ!” スタッフも私のラバースーツ姿を見て驚いていたはずなのに、さらにラバースーツを着せられるのだろうか? そんなことを考えている間に、スタッフは私の足下からビニールテープの上からドレッシングエイドを塗りラバースーツを着せ始めた。 かといって、私は身動き一つできないマネキン人形のままなのでスタッフにされるがまま。 足先からラバースーツを着せられてたくし上げられても体は動かず、ラップの軋む音もしなかった。 スタッフの触れる感触でお腹の上辺りまでラバースーツを着せられたのが分かる。 私の視界にもスタッフが見え隠れする。 「ふぅー!」 胸のすぐしたまでラバースーツを引き上げたスタッフが一息ついた。 そして私から離れていく。 “あれ?!” と思っていると、スタッフはまた黒いモノを手に戻ってきた。 その黒いモノから出る音や匂いでラバースーツだと分かる。 “重ね着するの?” そんな私の声が聞こえたようにスタッフは私に話し掛ける。 「下半身を着せたので次は上半身を着せていきますね」 そう言うと私の腕や体、頭から後頭部にかけてドレッシングエイドを塗ると、被せるようにラバースーツを着せ始めた。 だが、中は真っ暗だった。 上半身部分はラバーマスクまで一体なのだろう。 息苦しいが耐えるしかなかった。 頭を先に通してくれたお陰で呼吸は幾分楽になった。 ラバーマスクはこちらもマイクロホールマスクになっていた。 視界はさらに悪くなり、明るい場所なら見えるが暗い場所は全く見えなくなった。 視界ほどではないが、若干息苦しさが増したように思えた。 そんな私の両腕に苦労しながら腕を通してくれたスタッフ。 おへその辺りまでラバースーツの上半身部分を引っ張り、私は再び黒光りするラバーマネキン人形となった。 だが、初めとは違い全く体が動かせないラバーマネキン人形が姿見に映っている。 これを見たら誰もこのラバーマネキン人形の中に生田 小夜が入っているなんて思わないだろう。 実際にラバーマネキン人形にされた私自身も自分の姿を見ていても信じられないのだから。 いよいよ、私は撮影場所へマネキン人形として搬入されるのだろうと思っていたのだが、スタッフはまた黒い何かを準備し始めた。 つづく

5.マネキンになるお仕事【ラバースーツ再び編】

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