オメガバースでいじめっ子×いじめられっ子3(その3)
Added 2022-02-12 07:58:14 +0000 UTCその日、学校からマンションへと帰った聡司は自室で屋敷に押し倒され、そのままセックスをした。 「仲直りエッチって燃えるよな」 大きく広げた聡司の両足の間で腰を振り、屋敷はそんな風に言う。聡司にとっては倫理観の問題だったものが、屋敷にとっては単なる番の小さな喧嘩でしかないようだった。 「あ……あっ」 「今日はお前の好きなトコロに当ててやるよ」 「んん、んぁっ、あ、あっ」 屋敷が聡司を見下ろす目は熱を帯びていた。事前の意思確認もなく番になったΩが、自分の結婚に対して嫉妬していたのだと知った屋敷にしてみれば、それは当然のことかもしれない。気に入っている自分のΩが、嫉妬するほど自分に好意を抱いていたのだから。 「好きだ、好きだぜ、聡司。かわいい俺だけのΩ」 「あ、あ、昴くんっ、んっ」 屋敷に体の内側を擦られながら、聡司は前を勃たせていた。突かれるたびに精液がトプトプと出て腹を汚している。自分のことを唯一好きだと言ってくれるこの番を離したくなくて、聡司の両腕は甘えるように屋敷の背中へと回っていた。 αやΩにとってβの持つ倫理観など馬鹿馬鹿しいものなのかもしれない。ほとんどのβはβと婚姻し、それは一対一が常だ。しかしαは複数のΩに対しての番契約を認められている。それは他者と婚姻関係を結んでいても変わらず認められ、何ら問題のないことらしい、と聡司はこのとき初めて知ったのだった。 認められているからこそ当然の権利であり、罪悪感を持つことなど無い。上流になればなるほど家同士の繋がりが重要となるため、αはα同士で結婚し、互いにΩの番を持つことも珍しくはないのだと、屋敷は聡司を抱きながら言った。番のαに精液を注がれながら、フワフワと浮わついた思考でそれを聞く。普段ならば、「でも」と控えめながら言葉を返しそうな内容だったが、熱くなった体を屋敷に愛されているいま、聡司にとってそれはさほど重要なことではない。それどころか、このセックスに水を差したくないとまで感じて肯定の言葉を返した。 「今度、婚約者に会わせてやるよ」 「ん、んっ、ん、あ、あっ」 「向こうも一度見ておきたいって言ってるしな」 「あ、んぁっ、きもち、いっ」 番のαのフェロモンに溺れて甘い声をあげ続ける聡司を組み敷いたまま、屋敷は勝手なことを決定事項として告げた。しかし快楽に翻弄されている聡司には、その内容など断片的にしか理解できない。ただ、婚約者という明らかに自分とは異なる存在の単語が心を痛くした。 番の口から他の相手のことなど聞きたくない。 「キス、キスしたい、昴くん……」 聡司はそう言って番の唇を塞いだ。こうすれば要らぬ言葉を聞くことはないし、番を独り占めできる。 自分から舌を絡めて唾液を飲みながら、聡司は己の中に再び芽生えた寂しさの芽を無理矢理摘み取ろうとした。 ◆ 数週間後の土曜日、高級ホテルのティーラウンジで聡司は初めて屋敷の婚約者と顔を合わせた。 「初めまして。鎧塚です」 長い黒髪が似合う凛としたαの美少女が、Ωの聡司に頭を下げて挨拶をする。αなのにΩに頭を下げるなんてと、この数ヶ月屋敷と過ごしたことで歪められた聡司の認知に衝撃が走った。 先に店へ入り、彼女の到着を屋敷と共に待っていた聡司は慌てて椅子から立ち上がり、頭を下げる。 「は、初めまして、中野ですっ」 「短い間ですけど、よろしくお願いします」 上品な笑顔を見せた鎧塚の隣には、派手な格好をした女性が立っていた。髪色はアッシュグレーで短くまとめられており、耳にはピアスが幾つか付けられている。服装は流石に場に合わせて落ち着いた色合いのパンツスーツだが、物怖じしない両の瞳が屋敷を見つめていた。Ωなのにαが怖くないのだろうか。聡司はその眼差しに興味を惹かれ、思わず彼女をじっと見つめてしまった。 「聡司」 席に着いたままの屋敷が聡司を咎める。それは、番が自分以外に対して興味を持っていることを咎める声だった。 「あ、ご、ごめんなさい……」 鎧塚ともう一人の女性が席に着いたので、聡司も屋敷の隣へと腰を下ろす。 町屋風のカフェはテーブルごとに格子で区切られ、周囲からは少し見づらくなっている。窓にも同様の格子がはめられていて、日差しは遮らないが人目は遮るという配慮がなされていた。 二人は紅茶を頼み、それが届いたころ、屋敷がおもむろに口を開く。 「こいつが俺の番。かわいいだろ」 鎧塚はそれを聞いて微笑み、頷いた。 「まさか屋敷くんを夢中にさせる相手が出来るだなんて思わなかった」 「鎧塚だってそうだろ」 「まあね」 砕けた様子の会話で、鎧塚の隣にいる女性が彼女のΩであることを何となく察する。番っているかどうかまでは分からないが、屋敷の婚約者にも既に相手がいるのだ。見合い相手の中から選んだ、と言っていたが、こういう意味だったのかと聡司は思う。 互いに番や番候補がいるから、結婚はするけれども実態は仮面夫婦ということか。 立場の弱いΩからしてみれば、それは十分に配慮された最高に近い待遇なのだろう。表向きは昔で言う妾のような隠れた立場だが、実際には番に愛され生活を共にするのは自分なのだから。 「こちらは明石さん。まだ番っていないけれど、私の交際相手です」 「よろしく」 短く発した声は外見からのイメージ通り、ハスキーなものだった。しかし彼女はそれきり黙ってしまう。それどころかテーブルの上でスマホを弄り始めてしまった。 その様子に聡司はハラハラしてしまったが、αである二人はまるで気にしていないかのように話を続ける。 「この通り、私は屋敷くんとは結婚するつもりはないので安心してください」 相変わらずΩに対するものではない丁寧な言葉遣いで鎧塚は聡司へそう告げた。 「え……?」 「……? まさか何も言っていないってこと……? 呆れた」 「婚約相手で結婚相手だってことは言ってある」 「それは全てが上手くいかなかったときの最終手段でしょうが……」 屋敷の言葉に心底呆れたとでも言うように、鎧塚は深いため息をつく。そして聡司へと向き直り、ひとつひとつ説明をしてくれた。 いわく、鎧塚と屋敷は家の思惑もあって婚約はするけれど結婚をするつもりはないこと。二人は大学生の間に共同して起業し、その会社で一定の成果をあげることをもって家同士の繋がりとすること。それを親や親族に認めさせ、それぞれ自分の番と結婚すること。 聡司には初めて聞くことばかりで、鎧塚に対してまともな返事も出来なかった。彼女はそんな聡司を見て屋敷を軽く睨みつけながら言う。 「番をこんなに不安にさせるなんて、神経を疑う」 「コイツは想定外のことに弱いから一番悪いパターンを話しておくのが良いんだよ」 「相変わらず最低……」 軽口はそこで終わり、そのあと二人は今後の予定や現在の状況について話し始めた。二人の家のことなど分からない聡司は、テーブルに目を落として先ほどの鎧塚の言葉を反芻する。 屋敷は聡司と結婚をするつもりがある。それだけで聡司の胸はじんわりと暖かくなった。番が自分以外の相手と結ばれると聞いてポッカリと空いてしまった心の穴は、嘘のようにあっさりと埋まってしまう。Ωである自分の体も心も、全てはαの彼次第なのだと聡司は実感した。 ◆ 話が終わり、二人と別れたあと、屋敷はホテルのフロントで受け取ったカードキーを手に、聡司を連れて上階へと移動した。このまま自宅へ戻るものだと思っていた聡司は戸惑ったが、無言で手首を掴み、有無を言わせない態度でエレベーターへと乗り込んだ屋敷に何も言うことができなかった。 エレベーターの扉が開いた先には扉がひとつしかない。カードキーでロックを外し、扉を開けた屋敷に促され、聡司は部屋へと入った。背後で扉が閉まるとすぐに抱きしめられる。後ろから強引に顎を掴まれて上向かされた。唇が重なり、嗅ぎ慣れたはずの番のフェロモンが一気に広がったことで聡司は体に変調をきたす。 「んんっ、んん」 口には唾液が溢れ、尻からは早くも愛液が垂れ落ちる。体温が急激に上がり、息が荒くなった。それは全て屋敷が仕掛けたことだった。聡司に対してΩを強制的に発情させるフェロモンを発したのだ。 何度も嗅ぎ、いつもなら安心を覚える屋敷のフェロモンが聡司の体を襲う。得体の知れない性的な感覚に恐ろしさを感じて聡司は涙を流した。 「い、いやだ、こわ…い……っ」 「鎧塚に色目つかってんじゃねーよ」 威圧を感じさせる声で屋敷が言った。言いながら聡司のシャツの前ボタンを引きちぎる勢いで外していく。前をはだけられ乳首を強くひねられた聡司は自分の行動を思い返し、別れ際に彼女たちと挨拶をしたときのことか、と思い当たった。 「違う、僕は色目なんて」 鎧塚から握手を求められたから応じただけだ。その際、屋敷への誤解を解いてくれたことに対する礼を言った。すると彼女がフワリと微笑んだから、思わずその笑みに見惚れてしまっただけなのだ。惹かれる、とかそういう類のものではない。容姿の整った人を思わず二度見してしまうような、そんな感覚だった。 「お前はもう俺に噛まれてるから、他の奴に色目使おうが何しようが無駄だけどな」 ベッドルームまで引き摺られ、上体だけベッドへ押し倒される。うつ伏せの格好でスラックスと下着を脱がされ、ペニスを無理矢理ねじ込まれた。 「あああっ」 乱暴な行為に聡司は悲鳴を上げたが、その声はひどく甘い。フェロモンのせいで発情したアナルは愛液に濡れ、柔らかくなっていたからだ。直腸はペニスを誘うようにうねり、早速精液を搾り取ろうと蠢いている。そんな聡司の体内を楽しむかのように、屋敷はズポズポと抜き差しを繰り返しつつ最奥まで入り込んできた。 奥まで突かれ、聡司の目の前は白と黒に明滅する。挿入されてからさほど時間は経っていないというのに、頭から足の先まで痺れるような感覚が駆け抜けた。 「ん……ッ」 ベッドにしがみつき、腹を丸めて必死に耐える。声も出せないほどの快感に、ただ歯を食いしばって涙を流した。 「す…っげ、締め付けっ」 屋敷の手に力が入る。 「……ハハ、早速メスイキかよ」 荒く息をつきながら彼はそう言った。言ったあとも容赦なく聡司の体を蹂躙する。奥まで犯し、番の不実を責めるように何度も突いた。 フェロモンで無理矢理発情させるなど、酷い暴力でしかないのに、聡司は嫌悪と同時に不思議な嬉しさを感じていた。Ωにとってただ一人しか番えないαの男が自分に嫉妬している。Ωはαに支配されるしか生きる術が無いと思っていた聡司にとって、それは意外とも言える発見だった。発情させられ意思を無視されて犯されているのに、屋敷の独占欲は自分だけに向いている。そのことが聡司に昏い喜びを感じさせた。 「あ、あっ、ごめんなさい、ごめんなさいっ、昴くんっ」 「お前は俺のモンだろッ」 「ん、あ、あ、ああっ」 「突っ込んでくれんなら誰でも良いのかよっ」 自分を責める数々の言葉が告白のことばに聞こえる。正常ではない思考だからそう感じてしまうのだろうか。 「いやだ、昴くん以外はいや……ぼく、僕は、す、昴くんのモノ、です……っ」 奥を突かれるたびに甘イキを繰り返し、喘いで番に許しを請う。 屋敷はペニスをギリギリまで引き抜くと、一気に奥まで貫いた。何度も突かれて柔らかくなったその場所は屋敷の亀頭を受け入れ、ツプリと飲み込む。αででもなければ入り込めないその場所を犯したことで更に昂ったのか、屋敷は聡司の体へ覆いかぶさると、首筋に歯を立てた。 「うぁっ、あああっ」 ブルブルと震える体を押さえつけられ、それでも本能的に逃げようとする聡司は、屋敷の腕に掻き抱かれる。 「そうだ、お前は俺のだッ」 頸に唇をつけたまま呟いた番の声を聞くと、それまで必死にもがいていた聡司の体は急速に弛緩した。それでも震えは止まらない。俯いたままの顎を掴まれ、強引に横を向けさせられて、聡司は屋敷の口付けを受けた。 ペニスは結腸へ挿入されたままグリグリと押しつけられている。その状態で口内を舌で愛撫され、聡司はΩとしての幸福を感じた。 その日は強制的に発情させられたせいか、体内に射精されても体の熱は収まらず、聡司からもセックスをねだった。中に何度も精を放たれ、身体中に痕を残され、それでも足りなかった。そのあと頸を噛まれながら長い射精を受けたことでようやく互いに満足し、抱き合いながら眠りについた。 ◆ その日から聡司は、かつて自分がβだった頃に持っていた意識を捨てた。 屋敷昴という番のαを愛おしく思うようにと、Ωらしく認識を改めた。 別だった寝室をひとつにし、毎晩抱き合って眠る。そうすることで、翌朝、番の腕の中で目覚める喜びを知った。 求められれば何処ででも体を開き、番を受け入れる。リビングや廊下、玄関は言わずもがな、時には学校や出先のトイレなどでも事に及んだ。そうしたことを繰り返すうち、聡司は自分が、少々乱暴な扱いをされることを好む性質だということを知った。 しかしそれは番である屋敷の加虐的な性質と相性の良いものだったので、特に問題にはならなかった。 「聡司。自分で穴、広げろよ」 昼休み、学校の空き教室で全裸になった聡司は番の命令に従う。 教卓の上へ上体を乗せた姿勢で尻たぶを左右に広げた。首を捻って屋敷を見上げるその顔は羞恥に染まっている。番の命令に逆らおうとは思わないが、やはり恥ずかしい。 しかし自分を見下ろす屋敷の嬉しそうな表情を見れば耐えようと思える。聡司が彼を受け入れる限り、彼は自分をを見、自分だけを愛してくれると、聡司は既に理解していた。彼が愛してくれれば胸の中に寂しさは生まれない。常に彼の愛で満たされ、聡司は幸福に生きられるのだ。 体内にペニスを挿入された途端イッてしまったが、屋敷は聡司を抱きしめ、好きだと囁いてくれた。聡司も同じ言葉を返し、口付けを交わす。そのまま腰を揺さぶられ、聡司は控え目な喘ぎ声をあげた。 聡司が掴めるのは、最早屋敷の手しかなかった。それは二人が番になった瞬間から決められていたことだったが、聡司はようやくそれを本当の意味で受け入れた。聡司が愛せるのは彼だけで、心を満たしてくれるのも彼だけなのだ。 「昴くん……好き、愛してる」 快楽に頬を赤く染めながら告げた言葉に番が傲慢な笑みを浮かべるのを、聡司はうっとりとした表情で見上げた。 ——— これで一応ハッピー(?)エンドです。 続きは何か思いつけたら書きます。。。
Comments
かなり甘々でラブラブにしてみました😀 鎧塚さんのことを覚えていてくださってて嬉しいです、ありがとうございます
煉瓦
2022-02-13 01:02:13 +0000 UTC