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爆乳淫魔ハンターシオン~『双子淫魔』魔悦の絶頂管理~(2話)







「あ、シオンさん、無事だったんですね。敵は……?」

「よ、よかった。マインさん、気が付いたんですね」


 きょろきょろを周囲を見回すマイン。どうやら淫魔は消えているようだ。


「シオンさんが助けてくれたんですか?」


「あっ、いや……………はい」


 満面の笑みをこぼすマインは、疑うことを知らない本当にいい子なんだろう。

 そんな零れ落ちる笑顔を見ていると、本当のことはとても言えない。

 脱ぎ捨てた服を素早く身にまとっておいたので、マインを優しく抱きよせるこの身が淫欲に押し潰されそうになっていることはおそらく気づかれてないのだろう。

 スライムが動きを止めているとはいえ、油断すれば甘い声が漏れてしまいそうなのである。

 双子の淫魔は去ったとはいえ、衣服の下にスライムは張り付いたままなのだから。

 それがシオンを今なお蝕み、苦しめ続けている。

 こんな色欲に汚れた身体で抱きしめていいのかと思いながらも、マインに甘えてしまう。


 今も宙を見ると忌まわしい使い魔が飛んでいる。

 じっと観察し、いつまた嬲ろうかと虎視眈々と狙っているのだろう。

 これからあの淫魔たちが何を仕掛けてくるのか、気が気ではない。

 だがそんなことをマインに告げる必要はない。

 先ほど起こったことは、シオンの胸一つにしまっておけばいい話なのだから。

 マインさんは私が守る!

 その決意を新たにするのだった。


「マインさんが無事でよかったです。本当に」


 シオンはこうして微笑みかけている。

 満たされぬ欲望に肉体は泣き咽びながらも。





 ◇





 その後シオンはマインと共になんとか町に辿り着き、その目的を遂げることができた。「なんとか」と書いたのは、シオンの肉体を蝕む催淫粘液のせいである。

 スライムで覆われた内部が媚薬で満たされるということは、敏感な粘膜や性感帯を媚薬漬けにでもされてるようなものだ。普通なら次第に効き目は薄れるものの、ずっと浸されているのだから、粘膜の奥まで染み込み、ひどくなる一方である。


 ああ……くぅぅ……さ、触りたい……なんとかしたい……


 そう思って股間を擦りつけるようによじってみるが、何の動きも伝わらないのだ。

 内部を満たしているスライムたちが緩衝材の役割を果たしており、外部からの刺激を完全にシャットアウトしているからだ。

 それに外表は硬い殻のように硬質化して覆われていることで、服で擦れることもない。そのおかげでマインと肩を並べてこうして歩くこともできているのは皮肉な話だ。

 だけど時間が経過するにつれ、淫魔の本当の狙いが明らかになってくる。

 媚薬に浸され発情しきった肉体に一切刺激がないのが、これほど苦しいなんて。

 ただ歩くという行為がこれだけの拷問になるとは思いもしなかった。

 全く何もせず放置することで、自ら何とかしてほしいと願わせる、それこそが焦らし責めの真骨頂かもしれなかった。

 それを知り抜いた上で、あの淫魔たちはシオンを放置しているのだろう。

 今はスライムたちは焦らすような動きすらも止め、媚薬のみをこんこんと分泌している。動いていないということすら、シオンにとって忌まわしい責めとなっているのだ。


 しかもマインが隣にいるので、淫欲に顔を染めるわけにはいかなかった。

 気が狂うくらいに欲情しているのに、顔に出してはいけないと我慢する、それすらもある種の責め苦になっているのだ。そう意識することで逆に、触れたいという気持ちが掻き立てられてしまう。抑えられなくなってしまう。鼻から情感のこもった吐息が今にも漏れだしそうになっているのだ。

 優しく朗らかに微笑んでるマインの横で、身体を欲情させている罪悪感。

 

 このままではいけないと、トイレに行くふりをして自慰を試みたものの、やはり無駄だった。虚しく指先が跳ね返されただけで何もできなかった。

 満たされぬまま、ただ欲求不満だけが高まっていく。それを感じ取ったスライム達はそれを糧に催淫粘液の質も量も増してゆくという悪循環。

 楽しいはずのマインとの旅路がこんな苦行になるなんて。

 見上げると今も使い魔が飛んでいる。こうしてシオンが苦しむ様子をルル達が眺めて楽しんでいるようだ。

 それを察知しても、どうすることもできなかった。

 何もできないという事実。ただそれがシオンを追い詰めてゆく。


 どんな顔をしてマインと顔を合わせたらいいのかわからない。

 いつしかうつむき加減になっている。顔は熱にうなされたように紅潮し、抑えきれずに息も少し荒くなってきている。


「……っ……ァ…………」

「やっぱり……さっきの戦闘で疲れちゃったんですね? 今日は早めに宿に入りましょうか」


 その様子を見て優しく気遣ってくれるマイン。

 どこまでもいい子だ。それなのに私は……と騙しているようで気が引ける。


「お気遣いありがとうございます、マインさん。でも大丈夫ですから」


 そう返すのが精一杯だった。

 その後、軽く買い物に向かうこととなった。

 マインと過ごす楽しいひと時のはずなのに、その一秒一秒がまるで時が止まったように感じる。その間思わず喘ぎそうになるのをシオンは必死にこらえていたのだった。

 そして二人してその町の宿に泊まることになった。


「おやすみなさい……」


 シオンを労わる気持ちからだろう。言葉少な目にかわし、それぞれの部屋へと向かった。

 その慈愛に満ちた表情が忘れられない。


 懺悔の気持ちを抱えながらシオンは自分の部屋に入ると、そのままベッドに倒れ込んだ。精根尽き果てたように、倒れ込むしかできなかったのだ。

 そして悪夢のような夜が始まった。


「………ッ………ハァ……ハア………」


 シオンは眠る所ではなかった。身体が火照ってどうしようもないのだ。

 もちろん疲れている。眠りたいのは間違いない。

 だけど頭だけが冴えて覚醒し、眠ることも休むこともできず、時折呻きながら身体をのたうたせている。


「………ああ………ハァ……ハア………ああう……」


 昼間からずっと焦らし放置責めを受けてきた身体は夜になってもほとぼりが冷めるどころかますます燃え盛っている。一度も満たされてないのだから当然だろう。

 その欲求不満を餌とするスライムが徐々に濃い催淫成分を分泌し、一段とシオンを苦しめ抜いている。昼間よりも更に濃く、その上限はないのかと恐れるくらいに。

 そんな満たされぬ生殺しの灼熱地獄の中で、汗みどろで身悶えるしかなかった。


「………ッ………ハァ……………」


 それに心配はもう一つある。不惑の指輪の効力がそろそろ切れそうなことだ。

 その効果はシオンの魔力に依存しており、それが尽きようとしているのを肌で感じている。

 いつもなら夜は外して寝ている間に魔力の回復に努めている。

 いくら絶大な魔法具でも、魔力が尽きればただの装飾品に過ぎない。


「ふぅ……ハァ………ぅっ………は、はずさなければ……うぐぐっ!!」


 そうして不惑の指輪に手をかけたところでピタリと止まる。

 こんな状態で外せば我をなくしてしまうのではないか。

 そう考えると、どうしても外せない。

 その間にもタイムリミットは刻一刻と迫っている。

 まだ眠れればいいのだが、焦れば焦るほどかえって目が冴えてくる。

 そもそもこんな燃え盛った身体でとても眠ることなどできない。

 もしかしたらこうして眠らせないことも淫魔の拷問の一つかもしれない。

 眠らせず、ひたすら体力を消耗させ、疲労困憊の極致に追い詰め、抵抗できない獲物をネチネチといたぶるのは淫魔の常とう手段だ。

 それはわかっている。わかっているのに、何もできない自分がつらすぎるのだ。


「ハァ……ハァ……ああう……………」


 焦らし放置責めによる、逝きたいという満たされぬ欲求。

 ただでさえそれを抑えきれないのに、これでもかと煽り立てる催淫粘液。

 そして眠ることも、身体を休めることもさせずに消耗させ、奪われる抵抗力。

 更には迫りくる魔力切れという焦り。

 こうしてただじっとベッドに寝転がっているだけだというのに、こうした3重にも4重にも重なる責め苦がシオンを苦しめ、追い詰める。

 しかも恐ろしいことに、淫魔はただ見てるだけでまだ何もしていないのである。

 シオンがひとり勝手に狂い乱れ、窮地に陥っているようなものだ。


「ハァ……ああ……ハァ……ハァ………うっ……」


 使い魔は天井にぶら下がったまま、じっと目を細めている。

 いつの間にか部屋の中に入ってきてシオンを観察しているのだ。

 朱く光った目の先では、あの淫魔たちが何もしていないにも関わらず、シオンがただ狂ってゆくのを愉快そうに眺めているのだろう。

 それが悔しくてならない。

 だけど、どうすることもできない。

 ただ悶々とした時間だけが過ぎてゆくだけだ。


「ああ……い、逝きたい…………逝きたいのにぃ……」


 無駄だとわかっていても、勝手に手は股間に伸び、掻きむしってしまう。

 その度にむなしくカリカリと爪でひっかく音が部屋に響き渡るだけだ。

 音がするだけで、全く何の刺激も与えられない。

 それは胸も同様だ。先ほどから何度も擦り上げるものの、分厚い鉄板に阻まれているかのように、いきりたった乳首には決して届かない。


「ああ……ううっ……さ、さわりたい……さわりたい……ああっ!!」


 昨日まであれほど恐れ、乳首をいじることを禁忌としてたのに、今では思う存分しごきたくてたまらなくなっている。こうなることが怖くて封印してきたのに……

 だけど昼間、淫魔によって嬲られた感触がどうしても忘れられない。

 両乳首をぎゅっと搾られ、本気で逝かされたあの絶頂感。

 一度火がついた身体はおさまることはない。

 それに溺れてしまったらダメ、それがわかっているの何度も何度も頭の中で思い返してしまうのだ。こうして何もされずに放置されていると、あの生々しい感触を思い出してしまうのだ。脳裏からどうしても離れてくれない。


「ダ、ダメよ……そ、そんな……あんなのされたくないのに……」


 それはまるで身体だけでなく、脳内まで犯されているようなものだ。

 このままでは快楽の虜に堕ちてしまう、淫魔の言うようにマゾになるかもしれない。その予感すらある。

 それがわかっているからこそ逃れようとしているのに、踏みとどまろうとしているのに、ずるずると奈落へと引きずり込まれてゆくような、どうしようもない喪失感。

 かつての調教でも肉体は快楽に抗えないことは痛いくらい思い知らされた。

 だからこそ心を強くもって抗わないといけないのに……

 どうやらこの焦らし責めというのは、精神に揺さぶりをかけるのに最適な調教手段なのかもしれなかった。

 それはシオンにとって最悪のことである。


 ピクリ……


 その時だった。

 それまで鳴りを潜めていたスライムが急に動き始めたのだ。


「うぐっ!!」


 その瞬間シオンに押し寄せたのは歓喜と恐怖だった。

 ずっと焦らされ待ちわびた刺激をようやく与えられた肉体の悦び。

 それと同時にただでさえ瀬戸際で崩れ落ちそうだったのに、この一押しで快楽に敗れ堕ちる恐怖。

 その葛藤の中で苦しむシオン。

 だがスライムたちは戸惑うシオンの様子をむしろ楽しむように、嬉々として躍動するのだ。シオンが苦しめば苦しむほど楽しくて仕方がないようだった。

 もちろんこれを操っているのはルル達上級淫魔なのである。

 まさに最悪のタイミングを見計らったように遠隔指示したのだろう。

 負けたくない……と一瞬思った。

 だけど快楽にグズグズにとろけきった肉体では抗いようもなかった。

 スライム達が与えるわずかな刺激に翻弄され、頂上に向かってただ昇りつめてゆくのを見守るしかなかった。







 ピタリ……


「ああ……な、なんで……また……」


 だが無情にも絶頂寸前で止まってしまう。

 むごいまでの寸止め責めが再開されたのだ。

 何もされずにただ放置される生殺し責めにも耐えかねていた肉体である。その傷口に塩でも刷り込むように寸止め責めが開始されたのだ。

 少し時間が経過し、ほとぼりが冷めたところでまた再び蠢き始める。


「ああっ!!!………あひっ……で、でも……逝けないぃ………もう少し……もう少しなのに……」


 ピタリ……ピタリ……


 だがまたしても肝心のエクスタシーは与えられず止まってしまう。

 あとほんのわずか、たぶん筆先の毛の一本擦られただけでも逝けたかもしれない。

 それほどの精緻極まる焦らし責めなのだ。

 昼間よりも格段に上手くなっている。もしかしたらスライム達はシオンのどこを責めれば感じるのか、そしてどうすれば最も辛い焦らし責めの苦しみを与えられるのか学習し続けているのかもしれない。

 一見下等生物に見えるものの欲求不満が餌なので、どうすればより焦らし抜いて美味しい餌にありつけるかを貪欲に探究し続けているのかもしれない。それにあの上級淫魔たちが生み出し、使役している魔物なのだ。遠隔操作することでそこに淫魔の知識とテクニックが加わるのだから、シオンの開発されきった身体で抗えるはずもなかったのだ。


「ああ……どうして……どうして~~~」


 わかっていたとはいえ、今ここでの寸止めは相当つらい。

 なまじ頂上がすぐ手が届くところに見えているだけに、そこから奈落へ落とされる苦しみが際立つのだ。これなら儚い期待を抱かせずにただ放置されていたのが、まるで天国の癒しの中にいたようにすら感じられるほどだ。

 なまじ期待させられるからこそ、その希望が遠のく苦しみにあえぐのである。

 しかもそれが延々と繰り返される。何度も何度も。

 そうされることで、シオンは意思とは関係なく、無理やり絶頂を求め続けることを強制されてしまう。

 あれだけ快楽に堕ちたくない、溺れたくないと抗っていたはずなのに、心の底から絶頂したいと願うよう、仕向けられている。

 そう、シオンは心の底で泣きながら、自ら堕ちることを懇願させられるのだ。

 その淫魔の企みがわかりながらも、その手のひらの上でひたすら道化のように踊り続けるしかなかった。


「ああ……い、逝きたくないのにぃ……ああ……逝かせて………ああうぅ……」


 心の葛藤のまま、矛盾した言葉を口にしている。

 だけどもうどうしようもない。

 既に心の枷が打ち砕かれ、無防備に剥きだしのクリトリスをちゅるるとスライムがなぞりあげるだけで、またひとしきり肉が膨らんでしまう。

 壊れ切った官能をもつ肉体に、耐えることなどできないからだ。


「ち、乳首をそんなにしつこく……ううっ……ずるいです……」


 ただでさえ絶息気味のシオンを一段と苦しめようと、最弱部位である乳首までもが嬲られ始める。

 乳房に埋まった陥没乳首をここまで巧みに責めるのに、変化自在のスライムは最適かもしれなかった。埋没した乳輪に嵌まり込み、しっかり責め抜いている。それもただ液体が這いずりまわるだけでない。一定の弾力で揉み抜いたり、毛先のように変化させ乳首の先っぽを引っ搔いたりしてくるのだ。表面を硬質化できるのと同様、内部の材質も自在に変化できるのである。その一撫で一撫でで逝かされてしまう。いや逝ってはいない。逝く寸前まで逝かされて止められる、限界ギリギリの破滅的な寸止め地獄を味わい続けているのだ。

 こんな人知を超えた離れ業は、淫魔にしかできないことだろう。


「あああ……ま、また…止まっちゃうの……なんで……」


 そしてひとしきり過熱した乳首の火照りを冷ます間、再びクリトリスへがねっちり責め抜かれる。いくら寸止めでも一か所のみを責めつづけられれば思わず逝ってしまう恐れがある。それすらも許さないというスライムたちの、いや、それを指揮する淫魔の水も漏らさぬ狡猾な罠である。

 本当に、あとひとこすりで逝くほどまで高ぶらされると、そこから別の性感帯に責めが移るのである。もうほんの少しで逝くところを再び放置されるのだからシオンにとってたまらない。そしてまたクリトリスもじゅぼじゅぼと責め立てられ、何度も寸止めに苦しめられると、次はまた膣の中に無数に散らばる性感帯へと攻めの矛先が向かうのだ。

 寸止めを繰り返され、耐えられなくなったら冷却される。

 こうして複数のスライムたちが華麗な寸止め連携を見せてゆく。こうすることでシオンは今寸止めされている性感帯のみならず、じっくりほとぼりを冷まされている性感帯ですらかも、この上ない焦らし責めの苦悩を味わい続けるのだった。

 シオンを決して休ませることなく、楽にすることもなく、常に身体中の性感帯が焦らし責めに啼き呻く状態がひたすら保持されるのだ。

 それが一か所だけならまだしも、両乳首も、クリトリスも、秘唇の裏側も、Gスポットも、子宮の入り口も、そして子宮の中も、アナルの奥のほうまでその全てが煮えたぎるように同時に逝くことを求めて始めては、ただでさえどうすることもできないシオンの思考すら奪い去っていた。

 ただ逝きたいとだけ考えるように求める、ある種洗脳調教のようなものかもしれなかった。


「あっ……逝く……逝けるぅぅ……」


 そんな塗炭の苦しみの中で唯一逝くことを許されるのがアナルである。

 アナルだけが時折止まらずに軽いアクメを味あわせてくれている。

 快楽に弱すぎるシオンがおかしくなっても困ると言う淫魔の配慮なのだが、それによってシオンは狂うことすら許されず、この終わりのない絶頂管理の淫獄に囚われられたまま延々と苦しみ続けることになるのは皮肉な話だ。


 それにアナル責めの際はいつも決まってその他の個所への愛撫は全く行われないのである。

 乳首も、肉芽も、膣の中も一切刺激がなく、ただアナルだけで逝かされる。

 それによりほんのひと時逝けたという思いは満たされる。

 ただしばらくしてこれじゃ足りないと気づくのだ。

 むしろアナル逝きをされることで、乳首も、前の穴でも逝きたいという渇きに似た思いが高まるのだ。

 だけどそちらでは決して逝かせてもらえない。生殺しと寸止めのみである。

 アナル逝きをさせるという行為は一見すると焦らし責めの効果を弱めるように思われるかもしれない。

 だがそれは逆である。アナルで軽く甘逝きしたことでむしろ本気逝き出来ていないという事実をシオンに突き付けている。

 沸騰しそうな乳首を思いっきり捏ね回されたらどれだけ気持ちいいのか……

 アナル逝きしたばかりだというのに、そんなことばかり考えてしまうのだ。

 淫魔の術中に完全にはまりこみ、その中から抜け出せずにもがき続けるしかないシオンである。


「ああっ………い、逝きたい……逝かせてくださいぃ……」


 気づけばそう口走っていた。天井にぶら下がるコウモリの目が光る。

 もしかしたら淫魔にも情けないこの声を聞かれているのかもしれない。

 だけどもはや口を噤むこともできなかった。

 どうすることもできない苦しみを少しでも紛らわせようと、無意識のうちに口走っているのかもしれなかった。気休めにもならないとわかっていても、止めることができないのだ。


「あぐっ……あ、熱い……こ、これは……」


 そんな苦しみ抜くシオンを更に追い立てるように、またとびきり濃い催淫粘液がスライム達の表面から分泌されてゆく。


「ああうっ!!……もう、それはいや……イヤなんです……もう耐えられなくなってるのにひぃ……」


 本気で恐怖を感じるくらい、肌に触れただけで焼け付きそうな濃い催淫粘液だ。

 これまで約半日に渡る欲求不満を凝縮したかのような、一段階上の煮詰まったような濃度の媚薬。

 それから逃れようと、必死に身体を振り立てる。

 だけど膣の奥底にまでしっかり食らいついているスライムたちを振り払えるわけがない。シオンの急所という急所、最も感じる箇所を占有しているスライムたちが、その弱いところめがけて新たな、そしてこれまでないとびきり強力な催淫粘液を塗り込めてゆく。

 それは濃さだけでなく、量もこれまでない多さだ。表面すべてを覆いつくして余りあるほどの大量の媚薬が、何層にも塗り重ねられてゆくのだ。

 これでまた宿主を追い詰め、欲求不満という名の極上の糧にありつけると理解したスライムたちは嬉々としてシオンを再び焦らし始めてゆく。

 そして焦らし責めに苦しむことで、スライムたちの中で次なるより濃くて大量の媚薬が準備されていることだろう。その悪夢のような終わりのないループから抜け出すことなど、今のシオンには到底不可能だった。


「あううう……さ、さわりたい………少しでもいいのに……うううっ……」


 逝く直前での寸止め、特濃催淫液……極限を超えた焦らし責めである。

 それに耐えかね、自らの手でなんとか慰めようとする。

 だが……無理なのだ。

 乳首も、クリトリスも手を近づけただけで瞬時に硬質化し、それを跳ね返す。

 シオンはその上からその上から、何の刺激も与えられないとわかっていながら、カリカリと指で引っ掻くことしかできなかった。

 だけど、結局何もできないのだ。取り去ることも、直接触って逝くことも。

 部屋の中にむなしく爪音が響き渡るだけだ。


「ハァ……あああ……ハァ……逝きたい……逝きたいのぉぉぉ!!!」


 気づいたら声を張り上げ、そう叫んでいた。

 その後でハッと我に返る。


 もしかして……壁越しに隣室で眠るマインさんに聞こえてしまう……?


 あの天使のような笑顔が脳裏によみがえる。

 それに対し、今の私は……焦らし責めに苦しみ、逝きたいと泣きうめいてのたうちまわっているではないか。

 得体のしれない生物に汚され、それにも関わらず淫欲に狂い始めている今の惨めな私では合わせる顔もない。


「ああ……マインさん……」


 このままではいけない!淫魔に負けて堕ちるわけには……

 そう思いなおした時だった。


 ガクン!!


「うっ……うううっ!!?」


 ついに不惑の指輪の効果が切れたのだった。

 それはまさに破滅的な衝撃だった。

 ほんのわずかに残っていたシオンの残り全ての理性を、瞬時に吹き飛ばすほどの。

 これまでかろうじてシオンを守ってくれていた最後の防壁までもが砕け散ってしまったのだ。

 効き目が弱くなってたとはいえ、肌を守り、そこから与えられる快感を一定程度抑えてくれていたのだ。

 だがそれが無くなった今、ありとあらゆる刺激をダイレクトにその身に受けるしかないシオン。スライムたちのイヤらしい感触、そして催淫粘液が直接肌に触れてしまうのだ。


「くはっ!!!」


 これまで続けられてきた焦らし責めによって、体力も気力も削り取られている。

 もはや耐えられない、そうなったところへ決定的な追い打ちをかけるように指輪の効果が消え去ってしまったの。

 それを受け止められる力など、今のシオンに残っているはずもなかった。


「あぐっ………うごほぉ………」


 まるで身体が焼き尽くされでもするような感覚に、ベッドの上でのたうちまわるしかなかった。だが転げまわるように悶えても、貞操帯の役目を果たすスライム達によって阻まれ、何の刺激も得られない。身体を擦りあわせることもできない。

 むしろ身悶えることで中に満たされた媚薬が撹拌され、より粘膜の襞の奥深くまで浸透してゆくのだ。

 埋没した長乳首に、肉芽に、そして膣のありとあらゆる敏感な柔肉全てに染み渡るのである。

 それを何とかしようとしても、スライムたちの鉄壁の防壁に阻まれ、触れることすら許されない。気が狂ったようにガリガリ手でひっかいてみても無駄だ。外部からの全ての刺激を遮断してしまうのだ。

 何の刺激も与えられず、ひたすら媚薬によって昂らされる。

 文字通り気が狂いそうだった。いや本当に気が狂ったほうが楽だったかもしれない。


「ああ……逝きたい……逝きたい……逝きたいぃぃ!!」


 残酷にも先ほどからスライム達は一切の刺激をやめている。

 再びつらく苦しい生殺し放置責めの始まりだ。

 それが最もシオンを苦しめることが分かっているからだろう。

 局面局面において、狡猾な淫魔はシオンをどうすれば苦しめられるのかを熟知している。

 今のシオンはとにかく刺激が欲しくてたまらないのだ。

 そうなっているときには、一切の刺激を遮断し、放置する。それが最も効果的な責め苦であろう。


 シオンの脳裏からは、マインの微笑みは既に消え去っていた。

 それすら考える余裕がなくなっているのだ。


「い、逝かせて!!!!」


 ただ逝きたい……そう訴え、無駄だとわかっていても身をくねらせるしかないのだ。


 そんな悶え苦しむシオンの姿を、目を輝かせながら使い魔はじっと眺めるのだった。

 シオンの眠れない夜は続く。





爆乳淫魔ハンターシオン~『双子淫魔』魔悦の絶頂管理~(2話) 爆乳淫魔ハンターシオン~『双子淫魔』魔悦の絶頂管理~(2話)

Comments

わああ、いつもコメントありがとうございます! モチベになるぅぅう!

猫又小町

1話目で精根尽き果てるぐらい楽しんだのにもう2話目が!うぉぉぉぉぉぉ!

アルキビアデスの指


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